三遊亭圓生音源データ
帯久−1
1.TS-02948C1
2.1977.6.21,CBS・ソニー,スタジオ,客なし,「圓生百席第百十席」
3.63:13
4.CS.60AG-568,SR.SRCL-2787(CD),SRCL-3813(CD)
5.出囃子 やんれ白浪 受囃子 六段・四段目
今もう無くなったものが幾らもありますが、最近はこの本卦還りと言う事はとんと聞いた事がございませんで。えぇこれは、自分の生まれた、年に還ると言う、ぇ、干支でございますな。まァ仮に、甲子年に生まれた方が、その甲子年になるのは六十一年目に当たります。ぇーこれを、本卦還り、還暦とも申しますが、つまり子供に生まれ代ったと言う意味で、身寄りの者から赤い頭巾とか赤いちゃんちゃんこなぞを贈りますが、祝ってくれると言うのは、あれはまた子供に還ったと言う意味で、祝うもんなんだそうです。だからまァ男はそれでなければ赤いものなぞは身につけなかったもので。ま最近は随分、ァー赤いシャツなぞを着た方がおりまして、どう見ても六十一じゃァ無かろうと思いますが、こらまァ時代の移り変わりで、色々に変ってまいりますが。えー昔は良く、「あの人は本卦だよ」「あーアーそうですか六十一ですか」なんてんですぐに分ったもので。でそれにこの商売と言うものが、なかなか難しいものでございますが。…… ……<江戸の市〜神無月の縁結び〜親のハタキ>…… ……まあ同し品物を、二軒並んで売りまして片方が繁盛して片っ方は丸で売れないなんと言うのは、良くある事でございますが。昔のお話でございますが、えー本町四丁目に、和泉屋与兵衛と言う呉服屋さん、これァどうもえらい繁盛で客の切れ間が無いと言う。勿論いいお得意も何軒もありまして、盛んに商売をしているが同し二丁目に、帯屋久七と言う、やはり呉服屋さんですがこの方はまた、客の入ったのは見た事が無いと言う位。人呼んでここを売れず屋売れず屋と言う大評判で。……
6.圓生百席の録音。他に放送で掛けた記録もホール等で演じた記録も残っておらず、この録音が唯一と思われる。
7.CS.60AG-568 DISC COPY
8.上方ねたであり、東京の噺家では他に演り手は無いようだ。
帯久・解説
上方落語として桂米朝や東京の桂小南の演じる『帯久』としてなじみのある噺だが、圓生師の演じる『帯久』は珍品と言える。圓生全集の解説によれば、1957年の独演会で初演と言う事だが、ホールや放送での記録は皆無で、録音としてはこの『百席』収録の音と、可能性としてはおそらく圓生全集の速記の元となった独演会の音が残っているものと思われる。本来上方の噺で、無理に舞台を江戸へ移動している事などで若干の不自然さが見えてしまうが、『百年目』などに代表される大店を舞台にした旦那物、『一文惜しみ』に代表される政談物として、圓生師の好きな設定であったに違いない。とは言え、客なしのスタジオ録音の『百席』だけでこの噺を判断するのは難しいと言えよう。
時代設定:江戸時代。
舞台:本町二丁目、和泉屋与兵衛宅、帯屋久七宅、奉行所。
登場人物:和泉屋与兵衛、帯屋久七、和泉屋番頭、和泉屋女房、和泉屋丁稚常吉、吉どん、亀どん、帯屋番頭、帯屋若い者佐次兵衛、芳太郎、和泉屋武兵衛、町役人、大岡越前守。
ベスト・テイク:にも何にも1本。