桂文樂音源データ
寝床−1
1.TS-02601C4
2.1963.2,ビクター,ビクター・スタジオ,客なし
3.28:07
4.V.JV-88(初出),JV-208,JV-1287,JL-263,SJV-6547,VCK-891(CT),VDR-5168(CD),
YP.CR18-43(CT)
5.出囃子 野崎
えー、相変わらず、ァッ、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんてぇ悪口が言ってございます。明治大正のころおいには大変にこの義太夫てぇものが盛んでございました。お素人方でも、アー中には商売人はだしだなんていうお上手な方がございます。かとまた、まァ大変にお下手な方もございます。もっともそのわけで一月経たないうちに酷いのンなりますと、ゥーン六段義太夫が上がってしまって。これではその上手いもの出来っこございませんそれでも何でもこれを人様に聴かせようてン。掴まったものこそいい災難で。まさかに目上の者を掴まえて、演るという訳にはまいりませんから、アーッその時分のこの店子のもんかなんかァ集めましてな、さァどうも酷(しど)いのがありますて「おいおい茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ、あァ。定吉やァ、蔵からなァ、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いておきなさいよ、いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか。お湯が沸いてますかァ。お湯は沢山沸かしといてくださいよ。いや上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出す、あたしがまたうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてください。そいから誰か使いにやっとくれ、あァ、晒布を五反になァ、卵を二十、ウゥーン何だい、晒布に卵で怪我人がありますか、何が怪我人があるんだ義太夫なんてものは鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.
7.V.JL-263 DISC COPY
8.
寝床−2
1.TS-02592D1
2.1970.9.1,TBS,国立小劇場,落語研究会第30回
3.28:25
4.CS.SOGZ-29(初出),15AG-217
5.出囃子 野崎
毎回の、ァッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、お馴染みの、ォッ、お笑いを申し上げることに致します。古い蜀山の狂歌に、“まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す”なんて、悪口が言ってございます。明治大正のころおいにはご案内の通り、(パチッ)大変に義太夫が盛んでございました。ハーどうも中にはお素人方でも、ホッ商売人はだしだなんという、お上手な方がございます。かと思うとまた大変にお下手な方もございます。(ポン)もっともそのわけで教(おせ)える方でもな、教わる方でも一月経たないうちに、浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかして。(ポン)酷(しど)いのがありますな。ヵーどうもハーッ、人様に聴かせようてんでこれが、まさかに目上の者を掴まィて、演るてわけにはまいりませんから、(ポン)ィェー当時の店子中なんか、まァ、者やなんか集めましてな、(ポン)もう酷(しど)いのがありましたって「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。あァ。定吉やッ、蔵からなァ新しい方の座蒲団をなァ、五十枚ばかりだしてあの舞台の前(まい)ずっと敷(ひ)いておきなさいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか、お湯が沸いてますかッ、お湯は沢山沸かしといてくださいよ。いや上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すあたしがまたうんと語ると、汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてください。誰か使いにやっておくれ、(ポン)あァ、晒布を五反になァ、卵をなァ、あの二十、ゥーン、何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ、(パン)何が怪我人があんだ義太夫なんてもんは鼻の先でふーんなんて声を出してんじゃないよ……
6.晩年の音であるが、所々もたつく以外無難な出来。
7.CS.SOGZ-29 DISC COPY
8.せっかくの全集にわざわざ晩年の録音を組み入れるのは、理解出来ない。もっと良い時期の録音がある筈なのに。
寝床−3
1.TS-02503C1
2.1967.10.13,NHK,ヤマハホール,東京落語会第100回
3.27:46
4.Po.MN-4026(初出),MF-4001,CN-6501(CT)
5.出囃子 野崎(差替えてある)
古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんて言う悪口が言ってございます。(パチン)明治大正のころおいには大変にこの義太夫というものが、盛んでございました。(ポン)お素人方でも、ハァー中には商売人はだしだなんていうお上手な方がございました。(ポン)えー、また大変にお下手な方もございました。(ポン)もっともそのわけで一月経たないうちに浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかして。これではその上手いもの、ォホーッ、出来っこございません。それでも何でもこれを人様に聴かせようてンですが。ゥ掴まったものこそいい災難で。まさかに目上の者を掴まえてな、えー演るとわけにはまいりませんから、当時のこの、ゥーン、自分とこの店子の者(もん)かなんかァ集めまして、酷いのがありまして、「おいおい茂造が(パン)帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。定吉やァ、蔵からなァ、あの新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して、舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いときなさいよ、いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか。お湯が沸いてますかァ。お湯は沢山沸かしといてください上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すあたしがまたうんと語ると、汗をかきますから、体拭いたりなんかするからね沢山沸かしておき誰か使いにやっとくれ、あァ、晒布を五反になァ、卵をなァ、あの二十、ゥゥーン、何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ、何が怪我人があるんだ義太夫なんてものは、鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.出囃子は差替えられている。データの記載は無いが、東京落語会では1960.2.29(第8回)と、1967.10.13(第100回)の口演の記録しかなく、テンポ等から後者と判定した。また、いつもの口上が無いが、出囃子の差替えの際拍手が上手く継ながらず切られたものと思われる。この回は芸術祭参加で「上方風による」とサブタイトルが付いており、枕にその辺の事が入っていて省略されたのではないかとも考えられる。
7.Po.MN-4026 DISC COPY
8.絶好調ではない様だが良い出来である。頭の部分が不完全なのが惜しい。
寝床−4
1.TS-02603A2
2.1964.8.31,東宝演芸場,東宝名人会
3.24:13
4.東宝.AX-0088(初出),AP.KSZ-2021(CT)
5.出囃子 野崎
一杯のお運びでございまして、有難く、ゥッ、御礼を申し上げます。えー、間へ挟まりまして相変わらず、ェーッ、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんて言う悪口が言ってございます。明治大正の頃には大変にこの義太夫てぇものが盛んでございました。ハーお素人方でもな、エーッ、商売人はだしだなんというまた、お上手な方がございます。かと思うとまたた大変にお下手な方もございます。もっともそのわけで一月経たないうちに浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかして。これではその上手いもの出来っこございませんしかし、エーッこれを人様に聴かせようてんですが、ァーッ、これはどうも掴まった者こそいい災難で、「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。あァ定吉や蔵からな、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して、あの舞台の前(まい)ずうっと敷(ひ)いときなさいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に。お湯が沸いてますかァ、お湯は沢山沸かしといてくださいいや上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すあたしがまたうんと語るとねぇ、汗をかきますから体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてください。誰か使いにやっておくれ、あァ。晒布を五反にねぇ、(ポン)あの卵を二十、ゥーン、何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ、何が怪我人があるんだ、義太夫なんてものは鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.この時期の録音にしてはテンポが非常に速い。
7.東宝.AX-0088 DISC COPY
8.調子が大変良かった様で、テンポが非常に速い。
寝床−5
1.TS-02507A2
2.(1968.12.27),TBS,「まわり舞台」
3.25:46
4.なし
5.出囃子 野崎(ドラ入り)
毎回の、ァッ、お運びでございまして、有難く、ゥッ、御礼を申し上げます。相変わらず、お馴染みの、ォーッ、お笑いを申上げる事に致します。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出(ポン)す』なんて言う悪口が言ってございます。(ポン)明治大正のころおいには、大変にこの義太夫が盛んでございました。ハアどうもお素人方でもな、商売人はだしだなんていうまた、お上手な方がございます。(カット)でもこれを人様に聴かせようてンですが。まさかに目上の者を掴まえて、演るとわけにはまいりませんから当時のその店子の者(もん)かなんかァ集めましてな、アーどうも酷いのがありまして「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。(パン)定吉やァ、蔵からなァ、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して、あの舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いときなさいよ。お湯が沸いてますかァ。お湯は沢山沸かしといてくださいよ。いえ上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すあたしがまた、うんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかァしますから沢山沸かしておいて下さい。そいから、誰か使いにやっとくれ、あぁ、晒布を五反になぁ、あの卵をなあ、あの二十、ゥゥーン、何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ、何が怪我人があんだ義太夫なんてものは、鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.放送時間の調整の為に、(カット)の所がカットされているようだ。
7.TBS R まわり舞台 放送録音 1968.12.27
8.良い出来である。CS.の全集にこのテイクの完全版を入れてくれればよかったのに。
寝床−6
1.TS-02905D1
2.1956.4.,TBS
3.22:20
4.なし
5.出囃子 野崎
えー、相変わらず、ゥッ、御馴染みのお笑いを申し上げることに致します。(カット)「おいおい茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。(パン)定吉やッ蔵からな、新しい方の座蒲団を五十枚ばかりだしてなあの舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いときなさいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に。それいいか。それからお湯が沸いてますかッ、お湯は沢山沸かしといてくださいよ、いゃ上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すあたしがまたうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてください。お茶菓子は来てますかッ……
6.放送時間枠に無理やり収める為に、導入部をばっさりカットしている。確実に切ったのがバレている所を(カット)で示した。他の部分でも『金物屋』の所をカットしてあるのが明らかにバレている。
7.TBS R 早起き名人会 放送録音 1987.2.28
8.上記の如く不完全テイクであるであるが、オリジナルがカットされているテイク。喉手術前の録音である。「桂文樂その世界」でも放送されたが、更に『吉田の息子』の部分がカットされていた。
寝床−7
1.TS-02629D2
2.不明(喉手術後),TBS
3.23:58
4.なし
5.出囃子 野崎
ようこその、ォッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。えー、相変わらず、ァッ、お馴染みの、お笑いを申上げる事に致します。明治大正のころおいには大変にこの義太夫てぇものが盛んでございました。(パン)ァお素人方でもな、商売人はだしだなんていうお上手な方がございました。またお下手な方もございます。もっともそのわけで一月経たないうちに浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかして。(パン)そらァあんま、上手いものが出来っこございません。それでも何でもこれを人様に聴かせようてンですが掴まった者こそいい災難で、(パン)「おいおい茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。あァ、定吉やァ蔵からなァ、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いときなさいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか。お湯が沸いてますかァ。お湯は沢山沸かしといてください、いえ上戸の方にはお燗をする下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すからあたしがねぇ、またうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいて下さい誰か使いにやっとくれ、あァ、晒布を五反になァ、卵をなァ、ァーッ、あの二十、何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ、何が怪我人があんだ義太夫なんてものは鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.放送時間の調整の為に、頭の方がカットされているようだ。再放送の録音で、1960年代前半のものの様である。
7.TBS R お好み寄席 放送録音 1974.12.8 佐藤氏ライブラリー
8.喉を手術してまだ元気一杯であった頃の録音で、おそらく1960年か1961年のものと推定される。蜀山の狂歌の部分がカットされている様だ。
寝床−8
1.TS-02891C1
2.1970.7.5,フジポニー,スタジオ,客なし
3.26:20
4.Ca.AP-1003(初出),C18G-0282,PN.20P-2173(CT),PC.20P-2585(CT),PCCG-00031(CD)
5.出囃子 野崎(ドラ入り)
えー、相変わらず、ェッ、お馴染みの、ォッ、お笑いを申し上げる事に致します。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんてぇ悪口が言ってございます。明治大正のころおいには大変にこの義太夫が盛んでございました。お素人方でもな、中には商売人はだしだなんていうお上手な方がございます。かと思うとまた大変にお下手な方がございます。もっともそのわけで、ェーッ、教(おせ)える方でも、とうもどうでも、教わる方でも一月経たないうちに、浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかしてこれではその上手いもの出来っこございません。それでも何、でもこれを人様に聴かせようてんですが、掴まった者こそいい災難で、まさかに目上の者を掴まいて、演るてわけにはまいりませんから当時の店子のもんかなんかァ集めましてな、その当時は酷いのがありました「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくれよ。あァ、定吉やッ蔵からな、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して、あの舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いときなはいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に。お湯が沸いてますかァ、お湯は沢山沸かしといておくれよ、えー、あァ、あのう上戸の方にはお燗をする下戸の方にはまたお茶ァ入れて出すあたしがまたうんと語ると、汗をかきますから、体拭いたりなんかしますからそれ、沢山沸かしておいてくれ。誰か使いにやっとくれ。あァ、晒布を五反になァ、卵をなァ、あの二十、ンーッ。何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ。何が怪我人があるン義太夫なんても鼻の先でふーんなんざ声、出してんじゃないよ……
6.元々VTR用に録られた一連のスタジオ録音の一つ。
7.Ca.C18G-0282 DISC COPY
8.晩年のスタジオ録音であり、VTRならともかく音だけだと特別の魅力がない。
寝床−9
1.TS-02892D2
2.不明,コロムビア,スタジオ,客なし
3.27:32
4.Col.DLS-4067(初出),FW-7080,WZ-7022,FB-7011,FZ-7114,CBY-9021(CT)
5.出囃子 野崎
古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんて言う悪口が言ってございます。明治大正のころおいには大変にこの義太夫というものが盛んでございました。お素人方でも、商売人はだしだなんというお上手な方がございました。また大変にお下手な方もございました。もっともそのわけで、一月経たないうちに浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかして、ぇこれを人様に聴かせようてン。掴まったものこそ、いい災難で。まさかに目上の者を掴まいて、演るてわけにはまいりませんから当時の、その、店子の者(もん)かなんかァ集めましてな、ハァ酷いのがございました「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ、あぁ。定吉やァ、蔵からなァ、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出してあの舞台の前(まい)、ずーっと敷(ひ)いておきなさいよ、いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか。お湯が沸いてますかァ。お湯は沢山沸かしといてくださいよいや上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出す、あたしがまたうんと語ると、汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてくださいそいから誰か使いにやっとくれ。あァ、晒布を五反になァ、卵をなァ、あの二十、ゥゥーン、何だい、晒布に卵で怪我人がありますか、何が怪我人があるん義太夫なんてものは、鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.データ不明のスタジオ録音。1962〜1968年頃の録音であろう。
7.Col.FW-7080 DISC COPY
8.
寝床−10
1.TS-02919B1
2.(1966.10.9),TBS
3.24:44
4.なし
5.出囃子 野崎
毎回の、ァッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。(カット)て相変わらず、お馴染みの、お笑いを申し上げる事に致します。明治大正のころおいには大変にこの、義太夫が盛んでございました。ハーどうもお素人方でもな、商売人はだしだなんという、お上手な方がございました。またお下手な方もございます。それでもなんでもこれを人様に聴かせようてん。掴まった者こそいい災難。まさかに自分の、ァーッ、目上の者を掴まィて演るわけにはまいりませんから、当時のこのなんですな、店子のもんかなんか集めて、酷(しど)いのがありまして「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。定吉やッ、蔵からなァ、新しい方の座蒲団を五十枚ばかりだして、あの舞台の前(まい)ィずっと敷(ひ)いておきなさいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか、お湯が沸いてますかッ、お湯は沢山沸かしといてくださいいえ上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出す、あたしがまたうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてくださいから誰か使いにやっておくれ、あァ、晒布を五反になァ、あの卵をなァ、あの二十、ゥーッ、何だい、晒布に卵で怪我人がありますかァ、何が怪我人があんだ義太夫なんてものは鼻の先でふーんなんて声を出してんじゃないよ……
6.カットなのか、定かではないが、枕が省略されている。
7.TBS R 放送録音 野口氏ライブラリー
8.良い時期の録音である。枕の省略が惜しい。
寝床−11
1.TS-02935A1
2.不明(1959.頃),TBS,「日立演芸会」
3.25:50
4.東京医科歯科大学落語研究会.桂文楽落語撰集(1)LR-281(東芝プレス)
5.出囃子 野崎
ようこその、ォッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。相変わらず、ゥーッ、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんて言う悪口が言ってございます。明治大正のころおいには大変にこの、義太夫てぇものが盛んでございましたな。エーッ、また、ァッお素人衆でも、ェー商売人はだしだなんというまたお上手な方がございます。(ポン)かとまた、ァーッ、思うとまた大変にお下手な方もございます。「おいおい茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ。あァ。定吉やァ蔵からなァ、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出してな、あの舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いておきなさいよいつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか。えー、お湯が沸いてますかァ、お湯は沢山沸かしといてくださいよ。いや上戸の方にはお燗をする(ポン)、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出す、あたしがまたうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてください。誰か使いにやっとくれ。あァ、晒布をゥー、晒布を五反にな、(ポン)卵をなァ、あの二十、ゥゥーン何だい、晒布に卵で怪我人がありますか、何が怪我人があるんだ義太夫なんてものは鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.東京医科歯科大学落語研究会と言う現在は存在しないグループが、自費出版で作ったと思われるレコードである。(1)とあるからには、(2)以降の存在の可能性がるが、発見されていない。データは不明だが、TBSラジオの「日立演芸会」の録音をアナウンサーの紹介から丸ごと収録されているので、番組のあった1959年頃のものであり、喉手術前の音である。
7.東京医科歯科大学落語研究会 桂文楽落語撰集(1) (東芝プレス盤) LR-281 DISC COPY
8.戸鹿里氏が中古レコード屋で掘出した珍品。今までどの本にも紹介されていない。音質は大変鮮明で、原盤はエアチェックでなく、TBSのオリジナルテープから録られているものと思われる。B面には「よかちょろ…4」と「大仏餅…3」が収められている。
寝床−12
1.TS-02940A2
2.1969頃,スタジオ,客なし
3.27:58
4.筑摩書房.古典落語名人会第3巻WFS-8725〜8(ビクター製ソノシート4面)
5.出囃子 野崎 受囃子 与次郎本調子
えー、相変わらず、ェッ、お馴染みの、お笑いを申し上げることに致します。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人(しろと)浄瑠璃玄人(くろ)がって赤い顔して黄な声(こい)を出す』なんて言う悪口が言ってございます。明治大正のころおいには大変にこの義太夫てぇものが盛んでございました。お素人方でもな、ハーどうも中には商売人はだしだなんというお上手な方がございます。かと思うとまた、また大変にお下手な方もございます。もっともそのわけで、一月経たないうちに浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかして、これではその上手いもの出来っこございません。それでも何でもこれを人様に聴かせようてンですが。掴まったものこそいい災難で。まさかに目上の者を掴まいて、演るてわけにはまいりませんから、当時のこの、店子の者(もん)かなんかァ集めましてな、その時分には酷いのがございました「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこしてくださいよ、あァ。定吉やァ、蔵からなァ、あのゥ新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出して、あの舞台の前(まい)ずーっと敷(ひ)いておきなさいよいつ何時お客様が見(め)えても大丈夫(だいじょぶ)な様に、いいか。お湯が沸いてますか。お湯は沢山沸かしといてくださいよ。いや上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶ァ入れて出す、あたしがまたうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいてください。から誰か使いにやっとくれ。あァ、晒布を五反になァ、卵をなァ、あの二十、ゥゥーン、何だい、晒布に卵で怪我人がありますか、何が怪我人があるん義太夫なんてものは、鼻の先でふーんなんて声を出してるんじゃないよ……
6.筑摩書房のスタジオ録音。1969年頃の録音である。
7.筑摩書房.古典落語名人会 第3巻 WFS-8725〜8 DISC COPY
8.晩年の録音では無難な方だが、口が回らない所がある。
寝床−13
1.TS-12609D1
2.?,TBS
3.27:03
4.なし
5.出囃子 野崎
ようこその、ォッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。風邪声でございまして、エエーッお聞き苦しい所は幾重にも、ォッお詫びを願っておきます。古い蜀山の狂歌に、『まだ青い素人浄瑠璃黒がって赤い顔して黄な声を出す』なんて言う悪口が言ってございます。明治大正の頃おいには大変にこの義太夫と言うものが、盛んでございました。アーどうも中にはな、お素人方でも商売人はだしだなんて言う、その時分にお上手な方がございます。かと思うとまた大変にお下手な方もございます。もっともその訳で、ェーッ、一月も経たないうちに浄瑠璃が六段上がっちまったりなんかしてな。ぇこれではその上手いもの出来っこございませんそれでも何でも、エーッこれを人様に聞かせようてン。エーッまさかに自分の目上の者を掴まえて、演るて訳には参りませんから、自分とこの、店子のもんかなんか集めましてな。ェーッ、その以前には酷いのがございました。「おいおい、茂造が帰って来たらこっちィよこして下さいよ。アー、定吉や、蔵からな、新しい方の座蒲団を五十枚ばかり出してな、舞台の前ずうっと敷(ひ)いときなさいよ。いつ何時お客様が見(め)えても大丈夫な様に、いいか。お湯は沸いてますか、お湯は沢山沸かしといて下さいよ。いえ上戸の方にはお燗をする、下戸の方にはまたお茶入れて出すあたしがまたうんと語ると汗をかきますから、体拭いたりなんかしますから沢山沸かしておいて下さい。それから誰か使いにやっとくれ。アー、あの晒布を五反にな、あの卵を二十、ウーン何だい、晒布に卵で怪我人がありますか。何が怪我人があるんだ義太夫なんてものは鼻の先でふーんなんて声を出してんじゃないよ。……
6.1960年前半の録音と思われる。時間枠の制限が無かった様で、通常カットされる枕も残されている。少々風邪声であり、レベル変動のある録音状態が惜しい。
7.TBSR 光井コレクション
8.
寝床・解説
噺のサゲからついた『寝床』と言う題名が、なんとも落語らしい。義太夫自体はもう既に廃れてしまったと言っても良い位の芸になってしまったが、それでもこの旦那の様に、まずい芸を聞かせて、人の迷惑も考えず自分だけ有頂天になっている人物は何時の世にもいるものである。その様な普遍的な要素が存分に入っている為、この噺はいつの時代も共感をもって語り継がれて行くであろう。桂文樂演ずる『寝床』は、全く無駄の無い本当の意味でのお手本である、と言って良いだろう。古今亭流の『寝床』の出てこない『寝床』も、圓鏡の圓蔵のめちゃくちゃな『寝床』も、みんなこの桂文樂演ずる『寝床』から生まれたと言って良い。ともすればくどくなるこの噺を何度聞いても飽きさせないのは、文樂流のあくの無いサラッとした演出によるものである。私は桂文樂の『寝床』が文樂の文樂たる最も良い演出の見本だと考えるのである。
時代設定:義太夫の流行った明治大正のころおい。
舞台:大店。長屋の大家でもある旦那宅。
登場人物:義太夫にとりつかれた旦那、寝床なし定吉、料理番3名、松造、三味線の師匠、因果と丈夫な茂造、二日酔い番頭卯兵衛、脚気の藤蔵、胃痙攣峰吉、神経痛文吉、眼病幸太郎、寸白の乳母や、お得意に開業式のある提灯屋、無尽の金物屋鉄蔵、横須賀に行ってる筈の吉田の息子、四季孕み嬶持ち小間物屋、お得意に年回のある豆腐屋、成田へ行くはずの鳶頭、佐々木さんのお婆さん、美濃部さん、高田さんの坊っちゃん。
ベストテイク:30分枠ではノーカットで放送できなかった為に、完全なベスト録音が無いが、「寝床…5」あたりが良い。