三遊亭圓生音源データノート
鍬潟−1
1.TS-02924D2
2.(1968.11.24),TBS,「落語名人会」
3.25:15
4.なし
5.出囃子 正札附
えーっ、ェーッ、昔からこの、えー物の大小と言うものは、こらァまァ何にでもありますが、えー御夫婦ならば、旦那の方が大きく、ゥーッ、奥さんの方が小さいと言うのがこりゃァもう、普通でございますが。中にはこの逆なのがありましてね、御亭主が小さくって、ェーッおかみさんの方が大きいのを蚤の夫婦だなんてぇ悪口を言う。「どうもあすこは蚤の夫婦見てえだねえ」なんてんで。まァー蚤と言うものは、ァーッ、女性の方が大きいのかも知れませんが。えーっもっともまァ少ゥし位な違いは宜しいんですがね、ぇーおかみさんが、ァー五尺五寸あって、御亭主の方が、ァー二尺三寸とくるてぇと、少ゥしこれは違い過ぎましてね。御亭主がチョコチョコチョコチョコチョコ歩いて、えー、おかみさんが後から、大手ェ振ってこう歩いて、道の悪い所へ来ると「ほらほらほら、水っ溜りだよ」なんてね、襟髪を持って上へ、ぶらさげたりなんかァして。まこういう御夫婦が仮にあるとしたら妙なもんで。「おう、おっかあ、今帰(けえ)って来たぜ」「今帰って来たじゃァないよまた汚して来たねェまァ。しょうがないねぇ洗って着せりゃァすぐ、汚しちまうんだねぇ。どこで転んだんだい」……
6.「圓生百席」にも収められなかった噺で、晩年はホールでも掛けなかったので貴重な録音である。
7.TBS R 落語名人会 放送録音 1967.11.24 野口氏ライブラリー
8.圓生師得意の相撲ねたの一つ。
鍬潟・解説
珍しい演目なのである。この噺が残っているのが珍しい程。相撲の噺は圓生師は得意ねたが多い。「阿武松」「花筏」はその代表と言って良く、寄席などで掛ける率の非常に高いねただった。しかし、この「鍬潟」に限ってはほとんど高座に掛けていないのである。放送でもこの一回限りの様だし、ホールでも第四次の落語研究会と、晩年に三越で演じた記録が残るのみで、音が残っている可能性はほとんど無い。「圓生百席」にも残さなかった所を見ると圓生師としては好きでなかった噺なのか、余り自信の無かった噺だったのか…。元来は大阪の噺であり、今は亡き林家小染が演じたのがあの風貌と妙にマッチして良かったのが記憶にあるが、圓生師は先代の圓生が演じていたのを覚えたものらしい。デブの圓生とあだ名の付いている先代の「鍬潟」は絶品だったそうだが、やはりこの噺はデブが演じるのが良かったのかと、小染の記憶ともだぶって妙に納得してしまった。やはり六代目圓生はこの噺を演るには余りにスマートすぎたのかも知れない。
時代設定:雷電が活躍してた頃。
舞台:蚤の夫婦の家、隣の甚兵衛さんの家、仁王ヶ崎の稽古場。
登場人物:蚤の夫婦、隣の旦那甚兵衛、仁王ヶ崎、その弟子。
ベストテイク:選択の余地無し。