三遊亭圓生音源データノート
廓の穴−1
1.TS-02632A2
2.1972.4.5,東京12チャンネル,浅草演芸ホ―ル,「日曜ワイド笑」
3.12:38
4.なし
5.出囃子 正札附
えー、ェーッ、昔からこのォ、ァーッ、お楽しみと言う、まァ、アーッ色々ございますが。男の、ォーッ、道楽と言うと酒に博打に女郎買いと言いましてね。えー御婦人の方は、芝居唐茄子芋蒟蒻と言う。で科目が一つ男よりは、ァーッ増えておりますがその代わりまァ、大して入費は掛かりませんで、御亭主が浮気をしたからてんで悔しいから、えー焼芋を、ァーッ八貫目食ったなんてそんなに食えやァしませんけれども。えー、まァ男の道楽はどれをしても、みんな、ァーおあしが掛かる事になっておりますが。えー、まァ第一の愉快と言うとこれはもう何と申しましても、(白湯を啜る)花柳界で、綺麗な婦人に回りを取り巻かして、えーお酒でも飲みながら「あらちょいとまァお兄さんいいわァ」なんてな事を言ってね、どォもでれでれしている方が、お父っつァんと睨めっこをするよりは大変愉快でございまして。まァどうしても一ン日が二日と言う事になり易いもので。ねぇ向うも色々待遇もしてくれます、帰る時は「ちょいとおまいさんあたしが付いてんのよッ。浮気なんぞをすると承知しないから」なんてんで。二の腕かなんかをキューッと抓られると、痛いのと嬉しいのが合併をして変なとこから声を出すから…… ……<痣の色上げ〜ほんもんだ〜花魁〜娼妓〜芝居と女郎買いの予告〜ひやかしの由来〜貯蓄拳固〜羅生門河岸〜煙管の使用法〜おばさんの態度の変貌>…… ……サゲ=廓穴探しでございますがお時間が参りました様で……
6.『廓の穴』と言う演題の噺だが、別にストーリーは無く、廓噺のまくら集と言った内容である。短い時間でのつなぎに良く出た。従ってこの様な短いテレビ出演の時に良く演じている。毎回筋は異なる。
7.東京12チャンネル 日曜ワイド笑 放送録音 1972.4.5 佐藤氏ライブラリー
8.東京12チャンネルの出演は珍しい。
廓の穴−2
1.TS-02633C3
2.1972.7.16,NET,新宿末廣亭,「日曜演芸会」
3.10:56
4.なし
5.出囃子 正札附
えー、ェーッ、ようこそ、お運びでございまして。えー、ェーッ、昔はこの、男の道楽と言いますと、まずゥ、ァーッ、廓で、お遊びになる。ぇー御婦人の方は、ァッお芝居と言う、えーこれがまァ、ァー対等な、お道楽としてありましたが。もっともまァこのォ、劇場の方は前々から分っておりまして、いつのいっかにィーッ、見物をすると言うので、近所に宣伝をしていらっしゃる方がある。…… ……<芝居と女郎買いの予告〜遊び場所解説〜張り店〜花魁道中〜遊里言葉〜振られ方色々〜手古鶴の背負い投げ〜薬のお盆>…… ……サゲ=廓穴探しでございますがお時間でございます……
6.御馴染みの廓噺のまくら集だが、『廓の穴…1』とは全く内容が異なる。
7.NET TV 日曜演芸会 放送録音 1972.7.16 佐藤氏ライブラリー
8.
廓の穴−3
1.TS-02671B3
2.1967.9.17,TBS,「落語名人会」
3.12:10
4.なし
5.出囃子 正札附
えー、ェーッ、吉原には昔、ェーッ、三千人と言う、婦人があすこに、エーッ、たむろしておりまして。えーっ、これをそのゥ、ォーッ、花魁と申しまして。ぇー毎晩ここへ、ェッひやかしと言う者が出まして、まァ本当にこれは上がるお客ではございませんで、まァとにかくゥ、ァーッ、宵からいい若(わけ)え者が寝られねぇから、女の子の顔でも見ようじゃねぇかなんと言うので、オりゃまァ別に遊ぶと言う訳ではございませんが、えー、花魁の顔を一回り見て歩こうと言うこれをそのひやかしと言いまして。えー方々、ァー棚卸しをしながら、ァー、ひやかそうと言う訳で。あんまりこの大見世なんぞは面白くありませんで、ぇー、中から以下でございまして小見世切見世、長屋、ァー或いはこの、羅生門河岸なんてぇとこがある。…… ……<羅生門河岸〜煙管の使用法〜田舎者のひやかし>…… ……サゲ=ひやかし穴探しでございます。お時間で……
6.『ひやかし穴探し』とサゲで言っているようにひやかしの小噺を2つ選んでいる。
7.TBS R 落語名人会 放送録音 1967.9.17 伊東氏ライブラリー→佐藤氏ライブラリー
8.『圓生全集』に収められた『廓の穴』は概ねこの筋になっている。
廓の穴−4
1.TS-012519C2
2.1974.6.12,TBS,スタジオ,「テレサG:風流お座敷寄席圓生独演会」
付:対談、三遊亭圓生、二瓶正也
3.8:14,対談 2:43
4.なし
5.出囃子 正札附
ェー、……えーっ、ェーッ、昔はこの、男の道楽は、ァーッ、ぇー酒に博打に女郎買い、御婦人の方が芝居唐茄子芋蒟蒻と言う。えー一つ科目が多いようで。しかし、ぇー男の方はどれをやりましても大変入費が掛かると言う。えー勿論このォ、ォー芝居へいらっしゃるなんてぇのは前々から、ァーッ、日取りも分っておりますから、…… ……<芝居と女郎買いの予告〜ひやかしの心持ち分析〜若い衆牛太郎〜おばさんの態度の変貌>…… ……サゲ=廓穴探しでございます。対談:二瓶「いやァいゃどうもどうもどうも、いやァ結構なお噺でございますけどねぇ」圓生「ヘヘッ」二「ところで師匠ねぇ」圓「へぇ」二「こういう結構な艶のある噺と言うのは、相当この何と言うか経験が無いとこう出来ないと思うんですけれども」圓「えー」二「その経験の程をちょっと」圓「そうですねえ経験と言いましてもやっぱり遊びに行かなくちゃいけません、あたくしなぞは極く堅い方ですからね……廓から寄席通い〜経験のある男の客〜段々古典的になる〜圓生睨む
6.TBSの「テレサG」と言う夜更けの番組の中で放送された。スタジオに集まっている僅かな客の前で演じ、二瓶正也と対談している。
7.TBS TV テレサG 放送録音 1974.6.12 佐藤氏ライブラリー
8.大久保清が登場するのが時代を映している。
廓の穴・解説
「穴」シリーズはこれと言って特別に筋の決まっていない小噺を集めた、いわばオムニバスである。この「廓の穴」をはじめとして、「芝居の穴」などがあり、新しくは留さん文治の「映画の穴」「現代の穴」など、どれもこれも落語らしい物を裏から見た笑い沢山の噺ばかりである。圓生師の「廓の穴」は廓噺のまくら集と言った趣で、数々の廓噺のまくらとしてお馴染みのものである。廓も今となってはもう過去の物となって久しく、落語を愛好する方々の心の中にしかもう生きていないのではなかろうか?。こんな噺も廓噺を沢山聴きこんだ落語愛好家だけが笑う事の出来る噺でしかないのではなかろうか。道徳的には余りよろしいとは言えないこんな世界の噺を堂々と高座で喋る落語は全くもって社会的には不道徳な「けしからん」物であったに違いない。廓自体が「公認」されていたからこそ出来たのだろうが、いくら非公認とは言え「ソープの穴」じゃあまりに色気が無さすぎるじゃありませんか。この噺も廓体験のある噺家が消えて行く現在、近い内に過去へ葬られてしまうに違いない。そんな意味でも残された圓生師の録音は貴重なものと言える。
時代設定:廓華やかなりし頃。
舞台:江戸吉原、現在の東京都台東区千束。
登場人物:廓に来る人、住む人、ふられる人……。
ベストテイク:残された4つそれぞれが内容が多少なりとも異なり、どれも捨てきれない。「廓の穴…1」と「廓の穴…2」で一応大筋は網羅されはいるが…。