三遊亭圓生音源データノート

首屋−1

1.TS-02947C2

2.?,客なし

3.12:07

4.なし

5.出囃子 なし

色々この、昔は、ァッ、商人が表を流して歩きましたもので。ぇーっ、この売り声と申しますが、こりゃァどうもなかなか難しいもので。吃る人と言うものが、商いなぞを致しますには随分、ご不自由だそうでございますが。何かあの、言おうとしても、吃って後の言葉が出ません。こらァどうも具合が悪い。えー、ゥッ、吃る方が大根(だいこ)を売って歩いたと言う。これもやっぱり、「えーダイコ屋でござい。えーダイコはようがすか」なんてんでね。軽く調子が出ませんで。「ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダ、ダ、ダ、…ダイコーン、ェーッ、…ダイコーン」何だかどうも大変大根が、ごりごりしている様で。で親切な人が「おまいさんね謡が出来ると言うから、謡でおやんなさい。唄を謡う時は吃らないてぇから」親切に教えられましたんで。「ダ、ダイコやダイコォー、大きなダイコォーー」屋敷町へ掛かる。「御同役面白い大根屋が参る。謡で大根を商うとは、面白い。求めて遣わしましょうか」すっと障子を開いて、「のうのうそれなる大根屋、その方が携えしその大根は、銭一貫文につきその数何本にて候ォ」「イッ、イーッ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、ひゃっ、…百本ポン」高いと見えて、パッと、障子を閉めて「いゃーッ」って、そううまかァいかない。ま色々その、商いをしていたがどうも上手くいかない。「いっそのことこらァ、首でも売ろうかしらん。えっ、その方がいいや。面倒臭ぇから、ァーッ、首を一つ、売っちまおう」……

6.途中で電車の音が遠くで聞こえたりするので、自宅での録音かと思われる。『首屋』は歌舞伎座の独演会で掛けており、その時の録音が残っていると思われる。

7.細田氏コレクション

8.圓生師が稽古用か何かの為に、自宅録音したと思われる音が流出したものと思われる。音質は余り良くない。

首屋・解説

圓生師の「首屋」は珍しいであろう。放送やホール落語会で演った事は無い。唯一晩年の歌舞伎座での独演会で掛けている記録がある。この時の音は恐らく三遊協会あたりが残しているに違いないと思うが、公には世に出ていない。何故か手元にある録音は定かでは無いが、稽古用のテープの流出らしく、途中遠くで電車の音がしたりしている。しかし、録音して残す為に演じている事には間違いなく、いわゆる隠し録りの類では無いので紹介する事にした。圓生師が「首屋」なぞ、寄席等の実際の高座で演ったのかどうか不明であるが、高弟(?)の川柳師が自らの「首屋」が圓生師の直伝である事を語っているし、必ず吃りの枕から始まると言っていた事からも演じていた事は確かである。この残された録音も吃りの枕から始まっているのだ。「圓生全集」に残る「首屋」も吃りで始まっている。この様な訳で余り良い録音では無いが、珍らしい音だ。

時代設定:江戸時代。

舞台:番町付近。

登場人物:首屋、栗屋と間違えるおかみさん、首を買う殿様、お馴染み三太夫。

ベストテイク:選定の余地無し。

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