三遊亭圓生音源データ

蒟蒻問答−1

1.TS-02716B1

2.1966.1.31,東宝,東宝演芸場,東宝名人会独演会

3.32:56

4.CS.20AG-735,Ca.C18G-0317(Cut有り),PN.20P-2207(CT)(Cut有り)

5.出囃子 筑摩祭り

えー、ェーッ、ご用多の中を、ご贔屓を頂きまして有難く、ァーッ御礼を申し上げます。えー、ェーッ、初めに問答と言う、ェーッ、お噺でございますが。えー、『宗論はどちが負けても釈迦の恥』と言う、川柳がございますが、ァーッ、俺のお宗旨の方が有難いなんと言ってね、アー昔は良く、(白湯を啜る)そう言う事で、ェーッいがみ合ったと言いますがまァどっちのお宗旨が、有難いと言う事は、ァーッ無いんでございましょうが。まァ元をただせばお釈迦様でございますので、えーっ教えは、多少は違っておりますが、しかしまァ我田引水と言いまして、まァ俺の宗旨の方が有難いと言うので、まそこで、ェーッお坊さん同士がこの議論を致します。でこれを、ォッ問答と言うんだそうで。えー禅宗なぞでは良く、ゥッ問答を致しまして。越前の永平寺と、ォーッ鶴見の総持寺と、余程以前でございましたが大変、エーッ揉めた事がありまして。えーもっとも、ォッ揉める訳でございまして、お宗旨が、アーッ曹洞宗と言うんですからまァ、何か、アッ事が起こるんじゃァないかと思っておりましたが。まァ、本当の問答と言う物は、難しいもので解りませんが。……  ……<芭蕉の永平寺での問答>……  ……“古池や蛙飛び込む水の音”と言いながら、飄然と去ったと言いますが。何のこってすかあたくしにはちっとも解りませんで。えー、…ヘヘッ。こういう事を演って見ろってんで教わっただけでございますが…。何かもうちんぷんかんぷんでございますが。……  ……<寄席の余興の問答〜喧嘩問答「権助となって汝を口説く」>……  ……実に、ィーッ、だらしの無い問答があるもので。上州安中の在に、蒟蒻屋の六兵衛と申しまして、(白湯を啜る)江戸にいた時は親分とか兄ィとか言われて、ゥアー相当な顔役でございましたが、何かの、オーッ間違いで江戸にはいられないと言うので、今じゃァもう田舎へ引っ込んですっかり堅気ンなっておりますが。それでも昔の縁、「こちらへ参りましたから親分どうぞ一つ宜しくお願い申します」なんと言う、色んな、ァッさいぎょうが飛び込んで来る。まァ世話好きでございますから一月二月、世話をしては経たせようと言う訳で。「おいおい、八公。おう、こっちィ来ねぇ話があるんだ。まァ立ってねぇで座れ」「へぇ、何で」「お前(めえ)もォ、いつまでうちにごろごろしていてもしょうがねぇなァ。かれこれもう二月ンなるン」……

6.東宝名人会での独演会の録音である。「圓生百席」の補遺篇の形で出たが、その後他社から再発売されたものは枕にカットがある。

7.CS.20AG-735 DISC COPY

8.

蒟蒻問答−2

1.TS-02854A1

2.1975.3.28,東横劇場,東横落語会第171回

3.35:10

4.AP.KSZ-2090(CT)

5.出囃子 正札附

えー、ェッ、ようこそ、ァーッお運びでございまして。(カット)えー『蒟蒻問答』と言う、こらァまァお古いお噺でございますが。えー問答と言う事は、昔は、ァーッ随分、盛んな、ァッものだったそうで。ンーお坊さん同士で、ェッ議論を致しますが。えー、鶴見の総持寺と、それからァーッ越前の永平寺、これが大変、以前揉めた事がありまして。当時二派に、ィッ別れてしまうのではないかなんと言う、えー事件がありましたがもっともまァ、お宗旨の名前が曹洞宗と言うんですから。えー、ェッ、何か、ァッ事が起こるんじゃァないかと思いましたが。まァこの問答と言う物を盛んにおやりンなるんだそうで。(白湯を啜る)ところがまァ我々には、アッとんと解りません難しい物で。……  ……<芭蕉の永平寺での問答>……  ……『古池や蛙飛び込む水の音』と、口ずさみながら、ァッ飄然と去ったと言いますが。何のこったかあたくしにはちっとも…。…ヘヘヘ。面目ないがただ喋ってるだけで。えー、こういう事はどうもいけませんで。噺家の方の柄に合わないもので。……  ……<寄席の余興の問答〜喧嘩問答「権助となって汝を口説く」>……  ……世の中にはだらしの無い問答があるもので。上州安中の在に蒟蒻屋の六兵衛と言うこりゃァまァ、若いうちは江戸で、ひ、人に親分とか兄ィとか言われたんですが、何かの間違いで、江戸にはいられないと言うので、今じゃァもう田舎の方へ引っ込んで蒟蒻屋と言う、堅気ンなっておりますがそれでも昔の縁、「こちらへ参りましたんで親分まァ宜しくお願い申します」なんと言う、色々この厄介者が飛び込んでは来る。でそういうのをまた、丹念に世話をしてね、(白湯を啜る)幾らかの小遣いをやってこの経たせようなんと言う。アー厄介者がもう入れ代わり立ち代わりで「おいおいおい、八公、おい。ちょいと来いこっちィ」「へぇ、何、えー何」「用があるから座れそこィ」「えっ、何」「お前(めえ)もうちィ来てかれこれェ二月位ェンなるな」……

6.東横落語会の録音。枕をカットした痕跡が認められる。

7.AP.KSZ-2090 CT COPY

8.

蒟蒻問答−3

1.TS-12516C2

2.1956.10.31(?),?

3.28:42

4.なし

5.出囃子 正札附

えー、ェーッ、昔からこの、流行り廃りと言う事を申しまして、えー色々まァこのゥ、ァーッ流行と言う物がございますが一頃、えー、お寺で問答と言う物が大変、ァーッ流行った事がございまして。問答が流行ると言うとおかしい様でございますが。もっともまァあの禅宗と言うものは今でも、問答と言うものは、ァーッ盛んにやるもんだそうですが。越前の永平寺と、鶴見の総持寺と大変、エーッ一時ごたごた致しまして。二派に別れるのではないかなんてぇ、ェーッ噂があった事がございますがもっとも、お宗旨の名前が曹洞宗てんですからまァ、アー何か、事が起こるんじゃァないかと思いますが。えー、このまァこの、ォー問答と言いましても噺家なぞが余興に演りましたのは、ァーッ洒落問答で。……  ……<寄席の余興の問答〜喧嘩問答「権助となって汝を口説く」>……  ……世の中にはだらしの無い問答があるもので。上州安中の在に蒟蒻屋の六兵衛と言う、若いうちは江戸におりまして親分とか兄ィとか言われましたが、何かの間違いで江戸にはいられないと言うので、田舎の方へ引っ込んだがそれでも昔の縁、「こちらへ参りましたからどうぞ親分宜しくお願い申します」なんてんで、色々な者が飛び込んで来るが世話好きでございますから、一月なり二月世話をしては、幾らかの小遣いを持って経たせようと言う。厄介者がもうしょっちゅうごろごろ「おいおい、八公、おい」「へぇ」「ちょいと、話があるんだこっちィ来ねぇ」「へぇ、何、えー何」「お前(めえ)もうちィ来てかれこれェ六十日位ェンなる」……

6.1956年の録音となっているが甚だ疑問である。1960年代の録音の様だ。仲野氏のコレクションのテープだが、譲り受けた方のデータに記載されていたもの。

7.仲野氏ライブラリー

8.上記の様にデータは怪しいが、TBSの録音らしい。時間的にも放送に合わせて短縮して演じられている様子だ。

蒟蒻問答・解説

画面で見なくては解らない部分の多い、この噺が、音だけのレコード・テープで二種類あるのは興味深い。かつて古今亭志ん生の「蒟蒻問答」はアナウンサーの解説つきで放送されたし、柳家小さんのレコードでは丁寧に写真が添えられた。テレビ時代になってかっこうのねたとなったが、残念な事に圓生師の「蒟蒻問答」は残されていない。音として残されたものは、3本ともほぼ同じスタイルで、枕の展開やギャグも似たりよったりである。時代設定:江戸時代。

舞台:上州安中・蒟蒻屋六兵衛宅、薬王寺。

登場人物:蒟蒻屋六兵衛、贋坊主弁正こと八五郎、薬王寺の権助、煮湯かけられ未遂永平寺沙弥托善。

ベストテイク:「蒟蒻問答…1」が全体の出来と客に恵まれている。

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