三遊亭圓生音源データノート

金明竹−1

1.TS-12542B1

2.1973.9.26,TBS,国立小劇場,落語研究会第67回

3.27:01

4.Te.TECR-20024(CD),TETR-20024(CT)

5.出囃子 正札附

えー、ェーッ、我々の方でこの、ァーッ与太郎さんと言う、これは大変、ェーッ大立者でございまして。もう馬鹿と言う者が噺家の方の、ォーッ、第一のこれは、ァッ立役者と言う訳で。えー馬鹿にもま色々あるなんと申しますが、ウーン、ある、与太郎と言うこの、ァーッ、御馬鹿な息子さんが、お父っつぁんが死にまして、ェーッ、継母が一人、えこれが大変与太郎を憎んで、えー、患ったところがこれがどうもその苛めてね、とうとう、ォーッ苛め苛めて、責め殺されてしまったと言うので。がァどうもいかに馬鹿でも余程悔しかったと見(め)えて、えー毎晩その幽霊になって出ると言う。これはどう大評判で。……  ……<与太郎の幽霊〜二階で寝ている>……  ……これじゃァどうにもしょうがありませんで「おいおいおい、そうアーぶらぶらしていちゃァいけないその店の、はなのォ少しこう掃除でもしなさいよ。どうしてすき、気が付かないんだな。散らかしっばなしにしておかないで掃くん、おいおれ、掃かせりゃそう言う掃き方をする。こっちィバアバアやったらみんなこ、店へみ、その、ゴミが入って来るだろう。先へ水を撒きな水を。水を撒いて後で掃く様にすればいいんだそうすりゃゴミが立たなくてそうそう。……

6.TBSのテレビでは放映されなかった落語研究会の高座。『金明竹』は晩年のホール落語や放送ではこの時しか記録が残っていない。後半喉の調子がおかしくなったのか、盛んに痰を切っている。サゲの後、もう一発痰を切っているのが録音に入っているが、CD化に際してこれはさすがにカットされた。

7.保田氏ライブラリー

8.

金明竹・解説

圓生師のレパートリーの広さを知る一席。『金明竹』としては三代目金馬のものが、与太郎の表現といえ歯切れの良さと言い圓生師のものよりずっと面白く聴けるが、こういった前座噺とされる一編を大看板がきちんと所演したものは少なくとても貴重なものと言える。圓生師は高座に掛ける事は少なかったが、弟子にはこの噺をきちんと教えていた様で、三遊亭圓丈が名古屋版に直して演じているものも、実はこの圓生直伝なのである。圓生師は、大阪生まれと言う事からでも無いだろうが、我々東京の人間からして見れば流暢な大阪弁を聞かせるが、これとて上方の人に言わせると滑稽な上方弁なのだそうである。むしろ三代目金馬の言い立ての方が実際の大阪弁に近いそうだ。『金明竹』と言うと、学生時代、関西の友人が私があげた金馬のテープを気に入り、それを覚えて上方弁の部分が純粋な上方弁、江戸弁が怪しい江戸弁で得意にして高座に掛けた事があった。言い立ては本場物で、さすがに面白く良い出来であったのだが、サゲに来て「道具七品を預けてあるが、買ってかなァ」と言うところで、うっかり「買わずかなァ」と演ってしまい、大受けになってしまった思い出がある。

時代設定:関西弁がまだ東京では良く理解できない時分。

舞台:道具屋さんの店先。

登場人物:がみがみ口うるさい亭主、そのおかみさん、与太郎さん、中橋の加賀屋佐吉方から使いに参じましたわて。

ベストテイク:選択の余地無し。

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