三遊亭圓生音源データノート

かわらけ町−1

  原題は「艶笑小噺」。「遍照金剛」へ続く。

1.TS-02891D3

2.?,ポニー,スタジオ,客なし

3.8:00(かわらけ町のサゲまでの Lap Time 4:04)

4.PN.CPB-5001(CT),CRCY-10083(CD),CRTY-10083(CT)

5.出囃子 正札附

昔からこの、御縁と申しまして、町名なぞに、色々の縁があると言いますが。一から十まで、ェーッ東京で揃う所がございますが、市ヶ谷、二長町山谷四ッ谷五軒町六間堀七軒町八丁堀、九段に十軒店。これが一から十まで揃いまして。でぇ、麻布と言う所には、おできに縁があると言う。余り綺麗なお話しでございませんが。根太坂と言う坂があって、坂の途中に『ようせん寺』と『ちょうせん寺』と言う寺が、ァー、二軒並んでおりまして、これで癰疔根太と言う。坂の下に『伊丹屋』と言う大きな、酒屋ございまして、坂を上がると、公儀の御番所があって、これを、公儀の御番所と言うのは、面倒ですから公約番所と言ったそうで。で下に神谷町と言うのがあります。エー、癰疔根太に痛みがあって膏薬があって紙がある。もうこれですっかり腫物が揃いまして。坂を上がると、品川の海(膿)が見えたてんですが…。こりゃァ汚い御縁で。であのゥ麻布には面白い、町名がありまして昔、かわらけ町と言うのがあった。でここに、お旗本で下原九十郎と言う方が、住んでいらっしゃいまして。旗本の変名組といいましてね、長坂血槍九郎なんと言う、面白い名の方が、いらっしゃいますが。で下原九十郎と言う方はこのかわらけ町に住んでいたン。ゆっくり言えば別に、ィー何の事も無いが、急いで言うとおかしい。『麻布かわらけ町したらくじゅろう』ってんですが。でこのゥ、かわらけ町に妙な話がありまして。萬屋幸右衛門と言う質屋があって、ここに長く奉公してえた女中が、暇を貰って国へ帰りましたんで。……

6.バレ噺がこの様な形で録音が残っているのは珍しいと言える。「圓生全集・追悼編」所載の速記はこの録音から採られている。

7.PN.CPB-5001 CT COPY

8.サゲの後、短い受囃子が入り、すぐ「遍照金剛」が始まる。録音年月日は明記されていないが、1975年前後の録音であろう。

かわらけ町・解説

艶笑落語、というより艶笑小噺。たった4分の噺である。圓生全集にも『艶笑小噺』として収められている。ポニーから出ている『艶笑小噺』のカセットに入っている録音で、この『かわらけ町』と『遍照金剛』が短いお囃子を間に入れて続けて入っている。まあ、枕に使われるべき小噺と言えるがこの様な形で発表されているので、敢えて一遍の落語とした次第。しかし、よくぞこの内容のものが、ポニーと言う様なメジャーなレーベルから発売されたものだとつくづく感心する。もっともその後再発売されてはいないが…。当然の事ながらこれに続く『遍照金剛』は、当節の差別用語問題で発売不能である。艶笑小噺とは言えこの噺は、内容的にも非常に教養を必要とする噺であり、その点からも圓生師あたりが適任者と言えよう。

時代設定:江戸でしょう。

舞台:麻布かわらけ町質屋萬屋幸右衛門店先。

登場人物:萬幸さん、太田蜀山。

ベストテイク:貴重な1本です。

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