三遊亭圓生音源データ

看板のピン−1

1.TS-02598C3

2.1969.12.31,NET,新宿末廣亭,「年忘れお楽しみ寄席」

3.11:46

4.なし

5.出囃子 正札附

えー、ェーッ、昔からこの、碁将棋に凝ると、ォーッ親の死に目に会わないなんと言う事を申しますが。まァ勝負事と言うものはァ、ァーッ夢中になってはいけませんが、まァ面白いもんではございますが。えー良くあのォ、ォーッ…、道具に使われますのが賽と言う物で、エヘッ、あれは誰が考えたのかは思いましたら、インドのお釈迦様と言う方があのゥ、ォッ賽を発明したんだそうで。えー色々、お経の講義を致しますが難しい、えどうも人が集まらないと言うので、何かこれは面白い事をして遊(あす)ばせたら良かろうと言うので、賽を考えまして、えーお弟子を大勢集めて、博奕をさせまして、でこの集ったお金で、祇園精舎と言うお寺を建てましたので、だから博奕場で取る、ゥー金をその寺銭と言いましてね、えー取られてすっ裸ンなった人を『おしゃかンなった』なんてぇのはこれから始ったてぇがあんまり当てにはなりませんけれども。えー昔はまァこの、集るてぇと良く、袁彦道と言うのが始ったもん「オゥオゥオゥ、オゥオッ、親分が来たよ親分がどうも珍しいね、えっ、どうもいらっしゃいまし。えーまァまァどうぞ、お上んなすって」「お上んなさいはいいが何だまた手前(てめえ)達は悪戯ァしてやがン、えー。寄るとさわると博奕ばかりしてやがン」……

6.寄席では逃げの噺として重宝がられている噺である。圓生師もテレビラジオの番組の様な短い枠の時の為の持ちねたとしていたようである。

7.NET TV 年忘れお楽しみ寄席 放送録音 佐藤氏ライブラリー

8.

看板のピン−2

1.TS-02748A3

2.1964.11.20,TBS,人形町末廣,「落語名人会」

3.13:54

4.なし

5.出囃子 正札附

えー、昔からこの、碁将棋に凝ると、ォーッ親の死に目に会わないと言う、ァッ、譬えを申しますが。まァ勝負事と言うものは、誠に、ィーッ面白いもので、ェついこれにーッ、ぇー嵌り込むてぇと、何事も忘れてどうもそれ、夢中になりますが。昔はこの大手先へ参りますと、下馬札と言う物がありまして一寸、将棋の駒の様なこう形をしてこれへ大きく『下馬』と書いてある。で将棋の好きな者が見ると、桂馬とほこれを間違えたてぇますがね。「ァー、恐ろしい、大きな桂馬だ」ンな大きな桂馬は無いが。『下馬札を桂馬と読んだ将棋指し』『下馬札を下馬(したうま)と読む鉄火打ち』なんと言う悪口がありますが。「惜しいなァ、今日の勝負はなァ。……  ……<大手の将棋〜釈迦が賽を発明〜賽の勝負法〜双六>……  ……まァ。今と違い昔は良く、こういう手慰みをやっていた所が「オーオゥ、オゥ、親分がおいでなすったよ珍たらしいじゃねぇ、どう、いらっしゃいまし。えーオーオッどうぞ、お上んなさい」「何だい、お上んなさいはいいが、てぇそうまた集まってるな」「えーえーえー、エヘヘヘヘヘッみんなね、ここィみんなたむろしてます」「たむろォしてるのはいいが、また博奕をしてやがったんだろ。えぇーっ、手前(てめえ)達ときた日にゃ寄るとさわると、悪さばかりしてやがん。博奕なんてぇものをするんじゃねぇ」……

6.「圓生全集」の速記はこの録音を元にしている様だが、放送の方は枕にカットがある。

7.TBS R 放送録音 佐藤氏ライブラリー

  TBS R 落語名人会 放送録音 1964.11.20 都家歌六ライブラリー

  二つの録音の相互カットを復元したもの。

8.枕の小咄が面白い。この録音は、佐藤氏ライブラリーの録音を元に、都家歌六ライブラリーの一部を挿入してある。「圓生全集」の速記がオリジナルとすると、まだ3箇所程のカットがある。

看板のピン・解説

これも、どちらかと言うと小噺である。枕にもなる小噺なのだか、圓生師がこの噺を振って他の噺へ入っていったのは記憶には無いので、おそらく圓生師自身も独立した噺として扱っていたと思われる。現在録音は2種類所持しているが、『看板のピン…2』の方は最近別のルートから入った音源が同一音源ながら元からあった音と相互カット状態にあり、2つの音を切り繋いで復元する作業となった。元々このテイクは『圓生全集追悼編』に載っている速記と同じと思われ、放送時に大幅なカットが入って縮められていた様で、今回復元作業でかなりの部分を復元しているが、それでもまだ枕に3箇所程抜けている部分があり、完全なるオリジナルに復元されていないのは残念である。噺は『付焼刃は剥げ易い』シリーズで、単純なだけに演り難い噺であろうと思われる。でも、麻雀の見せ牌と言えこの看板のピンの場合と言え戦略として当たったら快感でしょうなァ。俺もどっかでやって見よう…。

時代設定:銭の設定としては圓生師の演出は江戸時代。

舞台:長屋のどこかと思われる博奕場、もう一つ同じ様な博奕場。

登場人物:本卦帰りの親分、中もピンだった運の悪い奴、三下数名(二組)。

ベストテイク:夫々枕に捨てがたい味があり、なんとも言えぬが、長さで『看板のピン…2』か。

戻る