三遊亭圓生音源データ

紙入れ−1

1.TS-02923D1

2.(1966.4.10),TBS,朝日生命ホール,「まわり舞台」

3.25:30

4.なし

5.出囃子 正札附

えー、この、ォッ、御夫婦と言う、えー、まそりゃ誠に考えてみると、ォーッ、面白いもんでございまして、ウーン東京でお生まれンなった方は必ず、こちらの方と縁組をするかと言うとそう言う訳ではございませんで。まァその九州とかあるいは、ァッ、えー北海道の方から、ァーッ、御縁があるなんと言う。まァそのゥ、ォー縁を結ぶと言うのは、出雲の、オー社で、神様がお集まりんなってここで縁結びと言う物をするんだそうで。えー十月は神無し月と申しまして、えーあるいは神無月。神様がみな出雲へおいでになって、ェ留守になります。でその留守を預かりますのがあの夷様と言う、神様で。えー御商家なぞでは、ァーッ、それをまたお奉りをいたしまして夷講なんと言う物を致しますが。えー、出雲へ来ると、十月は大変で神様が……  ……<出雲の国神の賑い〜三角関係>……  ……えぇーっ、どうもその人間と言うものは、妙な所がありまして、見ていけないてぇと、見たくなる、食べて毒だからお止しと言われると、(白湯を啜る)ちょいとその、ォ食べて見たくなると言うのがこりゃまァ人間の人情だてぇますが。……  ……<喋っちゃいけない豆腐屋騒動>……  ……悪い事をするとどっかしらんから現れるもんだてぇますが。あのォー、当人同志は悪いに違いないが、旦那の方にも幾らか罪が有りまして。(白湯を啜る)浮気をしてうちの方へは丸っきりお帰りが無いそこで、やきもちや何かがこんがらがって、ェッそう言う間違いが出来る。中にはまた向うを無闇に、旦那の方で信用して「いやァ大丈夫だよあの男は堅いから」なんてんで、堅いなんてぇのがあんまり当てンならないもんで「どうしたの新さん。いやに落ち着かないのねぇー。何をそんなそわそわしているの。何を」……

6.比較的高座で掛ける事の少なかった珍しい噺。放送でも晩年ではこの一回だけの様でである。

7.TBS R まわり舞台 放送録音 大渕氏ライブラリー

8.25分掛かっているが、半分位が枕であり、本篇は以外に短い。寄席などでは良く掛けていたいたのだろうか。豆腐屋騒動の枕で豆腐屋に喋る男を与太郎にしていないのは珍しい。

紙入れ−2

1.TS-02940D2

2.1976.6.16,CBS・ソニー,スタジオ,客なし,「圓生百席第八十四席」

3.25:42

4.CS.60AG-315,22KG-160(CT),SR.SRCL-3820(CD)

5.出囃子 おたがいに 受囃子 恋の痴話文

世の中と言うものも段々変りまして、あたくしの若い時分にはまだ、姦通罪と言う物がありまして。ぇこれは、夫のある女が、他の男と関係を結ぶ、ま今で言う三角関係と言うんですか、えーして見るとまァお女郎なんぞは金兵糖関係ンなるかなんか分りませんが。えーそういう時には、夫の方から訴えますと、罪になる。姦通罪と言う。勿論まァこの、あんまりいい事ではございませんが。昔は、お侍ならば、えー女敵と言いましてね、この、姦夫姦婦を斬るなんと言う。でもし、逃げた場合(ばやい)にはその後を追って、これを殺す。女敵と言いましてね、えぇ親の敵討ちとか、あるいは主人の仇を討ったなんてぇのは大変勇ましいが、女敵てぇのはどうもあんまりこれ、名誉の話ではありませんが。えー喧しく言っても、やはりそういう事は、昔っから絶えなかったもんで……  ……<喋っちゃいけない豆腐屋騒動>……  ……悪い事をすりゃァどっかしらんから、事が現れると言いますが。ま当人同志は、悪いに違いないが旦那の方にもまたこれで罪が有りましてね。浮気をしてうちの方へは丸っきり、お帰りが無いそこで、ついそのやきもちや何かがこんがらがって、チュッ、そう言う間違いが出来るなんてぇ事もありまた旦那の方で無闇に、向うを信用して「あァいい大丈夫だよあの男は堅いから」なんてんでね、であんまり堅いなんてぇのが当てンならないもんで「ちょいとどうしたのゥ。お上んなねぇー。ン嫌だねぇこの人はそわそわしているよう。何を考えてんの」……

6.「圓生百席」の録音。これを元にした速記が朝日文庫「圓生好色ばなし」に収められている。

7.CS.60AG-315 DISC COPY

8.豆腐屋騒動の枕で豆腐屋に喋る男はこの録音では与太郎になっている。

紙入れ−3

1.TS-12705A1

2.(1956.9.15),TBS

3.19:02

4.Cr.CRCY-10084(CD),CRTY-10084(CT)

5.出囃子 正札附

えー、ェーッ、人間と言うものはどうもその、妙な、ァッ癖がみなございまして。えー食べていけないと言うと、ちょいとその、オーッ無理にも、食べて見たくなると言うのがこれが人情だてぇますが。でぇ見ていけないよと、人に言われるてぇとちょいと覗きたくなる。「こりゃァねぇ悪いこったから喋っちゃいけないよえー、お前だから話をするがね脇ィ行って喋んなさんなよ」なんてんでね。これは余計な事でね、喋っていけない事なら言わなきゃいいんですが「お前だから話をするン」「大丈夫だよあたしはもう口が堅いから決して喋らないよ」なんてんでね。請け合った奴があんまり当てンならないもんで……  ……<喋っちゃいけない豆腐屋騒動>……  ……これじゃァ何にもなりゃァしませんが。えー、悪い事てぇものはどっかしらんから現れるもんだてぇますがまァ当人同志は悪いに違いないが、(白湯を啜る)旦那の方にも、オー罪が有りましてね、浮気をしてうちの方へは丸っきりお帰りが無いところからまァ、やきもちや何かが、ァッこんがらがってそう言う間違いが出来る。中にはまた向うが「いやァなに大丈夫だよ、あの男は堅いから決して間違いが無い」なんてんでね、堅いなんてぇのはあんまり当てンならないもんで「どうしたの新さん。何をそわそわしてんの、何を」……

6.1956年の録音。筋立ては晩年と変わりないのがわかる。

7.Cr.CRCY-10084 CD COPY

8.

紙入れ・解説

艶笑落語だが、今の不倫ドラマなんぞに比べたら丸で幼稚園のお話見たいなものである。こんなのでも昔は怪しからんとお咎めを受けたそうだから凄い!。まあこの噺は一応古典落語の正統であるので圓生師匠も堂々と(?)掛けていた様だが、意外に録音は少なく、これまた2本である。その内の一つはあの客なしスタジオ録音の百席のものだ。しかし、やはりこういった噺は圓生師や小さん師の様にとちらか言うと真面目な雰囲気のある噺家さんにはやはり似合って無いように思えますがいかがなもんでしょう。圓生師も本来は大変なお助平でいらっしゃったらしいんですが、やはり一寸いい男過ぎるんでしょう、…いやァ得ですね。

時代設定:やはり姦通罪なんてのがあった時代でしょう。

舞台:問題の夫婦宅。

登場人物:不倫女房、間男新吉、気がつかねぇ亭主。

ベストテイク:やはりライブの「紙入れ…2」でしょう。

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