三遊亭圓生音源データ

開帳の雪隠−1

1.TS-12513A2

2.1970.1.26,TBS,国立小劇場,落語研究会第23回

3.17:42

4.なし

5.出囃子 なし(拍手のみ)

えー、昔からこの、ァーッ、流行り廃りと言う事を申しますが。えー、まァ人間ばかりでなく、ァーッ、神様でさえも、どうもそのォ、ァー御繁盛なのと、余りパッとしない、神様がありまして。まいつも、ォーッ、御参りの有りますのが浅草の観音様。あるいは、ァー成田のお不動様なんと言う。お不動様なぞは、怖い顔をしておりますが、ァー婦人の方に大変人気がありましてね、アーどォも、大した御参りで、さぞ儲かるだろうと思って、ぇこの間坊さんに聞いて見たら「余り儲からん」と言いましたがね。どういう訳で、ェこんなに御参りがあって、儲かりませんかったら、えー利益の方を余計授ける為に、差し引き勘定損になる。不動尊(損)だてぇましたけどもあんまり当てにはなりませんけど。えー、まァこの昔は、ァ出開帳なんと言うものが大変繁盛致しまして。えー、会場に、両国の回向院なぞを借りまして、(白湯を啜る)一月とか二月と言う、こりゃァ、ちゃんと日を切ってありまして。その間、えー尊い神仏を、ォッここで拝めると言う訳で。こりゃァ大変流行ったと言うのは、昔でございますから御婦人方は遠くィはなかなか、ァ出る訳に参りませんで。居ながらにして、尊い神仏の拝めると言うので、えぇーこりゃァまァ大変、ァー盛ったものだそうで。えー、嵯峨のお釈迦様とか、ァーッ、或いは讃岐の金毘羅様、成田のお不動様なんという。えー中にはまた、余りその有名でない変な神様を持って来ましてね、えー宝物物と唱えまして真っ黒な物を、ォーごてごてと並べて、拝観料を別に取ってこれを見せようと言う訳で、坊さんが高慢な顔をして、……  ……<頼朝の髑髏〜貧乏神の開帳〜開帳の意味〜女の子の開帳〜ふんどし開帳〜御印文>……  ……両国(ドカン)回向院の側に、…何かひっくり返して落っこった様で、えー、(拍手)…これは別に噺の中へ入ってはおりません…。えー、お爺さんお婆さんで、駄菓子を売る店がありまして、えぇ子供衆を相手に、一文菓子を売っていようという「お婆さん、何を言ってんだよお前そこでぶつぶつ」「いいえさァやンなっちまうよ本当にィ。……

6.国立小劇場、落語研究会の録音。1982年6月14日にTBSラジオで放送されたのはこの録音をカットして短くしたもの。途中、舞台裏の騒音に対するくすぐりが愛嬌。

7.須永氏ライブラリー→仲野氏ライブラリー

8.須永氏ライブラリーから仲野氏がコレクトされていた録音であるが、放送記録は見当たらず、出所不明の録音。

開帳の雪隠−2

1.TS-12570B3

2.1957.10.17,TBS

3.13:44

4.Te.TETR-20040(CT),TECR-20040(CD)

5.出囃子 正札附

えー、ェーッ、『江戸へ来て、役者を頼む神仏』なんと言う、ァーッ川柳がございますが。まァこのォ、ァーッ神様でも仏様でも、人の、ォーッやはり力を借りませんと、繁盛をしないてぇ事を言ったんだそうでございますが。えー、昔はこのォ、ォーッ開帳と言うものが色々ございまして、出開帳と言いましてね。こりゃァ両国の回向院なぞを借りまして、えここでそのォ、オー開帳を致します。勿論、ァッ交通と言う物が不便でございますので、どちらへ参りますにも、ォァーッ容易な事では無い。江ノ島鎌倉を知っているのが昔は大変自慢になったんだそうで「あの人はいいねぇ、江ノ島へ行った事があるんだってぇじゃないのまァ羨ましいよゥ」なんてんでね。アー今はもう江ノ島や鎌倉辺りは、日帰りでぴょこぴょこお出かけンなりますが。昔はそう言う訳にいきません。えーでございますからまァ御婦人なぞは、遠い所の神仏へいながらにして拝めるという。こらァ重宝でいいと言うので、出開帳と言う物。……  ……<出開帳について〜頼朝公のしゃりこうべ>……  ……えー御印文と言うものを、戴かした事があります。御印文てぇのは聞いたらあらお釈迦様の印だそうですね。これを額へ、押して戴きますと、極楽往生が出来る。まどんな悪い事をしたもンでも、罪状消滅をすると言うんで、さァーこれが大評判になりまして。……  ……<御印文>……  ……えー、回向院の、えー、すぐ側に、一文菓子を売る、ンだこのゥ、お爺さんお婆さんがありまして、子供を相手に、駄菓子を売って商いをしていようという「どうしたんだいお婆さん、何をお前(めえ)ぶつくさ言ってるんだい」「いいえさァ、別にぶつくさ言う訳じゃァないが癪に障るから」……

6.1957年の録音で声が若い。同年の11月3日に放送されている。1983年9月12日に再放送されているが枕にカットがあった。

7.Te.TETR-20040 CT COPY

8.「御印文」が枕として入っている。

開帳の雪隠−3

1.TS-02852A2

2.?

3.15:24

4.Col.CHY-9087(CT)

5.出囃子 正札附(別の録音をつないである)

えー、昔はこの、出開帳と言うものを、ォーッ、所々方々でやりましたもので。えーまァ会場に良く使われましたのが、両国の、回向院と言う。ぇここでまァ一月なり二月なり、神仏を勧請致しまして、えー、お開帳をいたしますが。どういう訳で、これが流行ったかと言うと、御承知の通り、以前はこの交通と言うものが誠に不便でございまして、御婦人なぞは、遠い所へはとてもお詣りをするわけにはいかない、えー尊い神仏が居ながらにして拝めると言うので、えー良く、ゥーッこの開帳と言うものは、やりましたもので。で随分色んな開帳がありました中で、貧乏神のの開帳と言うのがあってね。こりゃァどうも、ォーッ不思議でございますね。……  ……<貧乏神の開帳>……  ……嵯峨のお釈迦様だとか或いは、成田の不動様、こう言うのは有名でございますが、中にはまた訳の分らない、ェッ開帳を致しましてね。えー宝物物なんてぇ物をを別に金を取って見せる。坊さんが高慢な顔をして、……  …  …<頼朝の髑髏〜ご印文>……  ……えー、回向院の、筋向うに駄菓子屋がありまして、一文菓子を売って、子供衆を相手に、なー何とか暮らしていようと言う爺さん婆さんが「おい、どうしたんだお婆さん、何をお前(めえ)そこで愚図愚図言ってるんだ」「いいえさァ。面白くねぇからだよ」……

6.出囃子は全然別の録音。録音年月日は不明。「御印文」が枕として入っている。尚、コロムビアのカセットはオリジナルの回転が速く、上記タイムは速度修正後のものである。

7.Col.CHY-9087 CT COPY

8.枕がたっぷり入った良い録音。

開帳の雪隠・解説

落ちの気の利いた、とても素敵な小品である。ほとんどのテイクに『ご印文』が枕として入っており、信心に関連した小咄を2つつないで1つの噺にしているわけであるが、信心に関連した咄をつないでいるために違和感が全く無く、一席の噺としての貫禄もある。誠に落語らしい落語で個人的にも好きな噺であり、こういう洒落た噺は永く残したいものである。

時代設定:公衆便所が普及してない時代。

舞台:両国回向院近くの駄菓子屋。

登場人物:駄菓子屋の爺さん婆さん、憚りを借りに来る婦人。

ベストテイク:「開帳の雪隠…1」がサイズ的にも、客の受けも良い。

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