三遊亭圓生音源データ
位牌屋−1
1.TS-12542B2
2.1967.10,11,(1968.2.24),TBS,「落語への招待」
3.27:03
4.Te.TETR-20024(CT),TECR-20024(CD)
5.出囃子 正札附
えー、色々この、ァーッ人(しと)には御気性と言うものが違いまして、えー大変、気の大きい方もあれば、ァーッ小さい方もあり、派手な人(しと)があるかと思うとまたァーッ逆にこの吝嗇な人(しと)と言うのがありますが。ま吝嗇の事を昔から『吝嗇(りんしょく)』とか、『しみったれ』、『六日知らずゥ』ェァーッ『我利我利亡者』なんという、色んな悪口を言いますが『六日知らず』と言うのは聞いただけではお分りがございませんが、これァ日を勘定するのに、一日二日三日四日五日と、指を折って勘定をする、六日てぇとこれを開けなくちゃァなりませんで、一旦握ったものはもう絶対離さないというんで、『六日知らず』と言う悪口がありますが。…… ……<人減らしで自殺>…… ……「えー、旦那(だァ)様、えぇこんちは、ァッおめでとう存じましてお慶びを申し上げまして」「え、何だい。おめでたいやァーッどうも、嬉しいね、アーめでたいと言うのはいい言葉だ。うんうん、ンー何か、儲かった事がある」「…いえヘッ別に、儲かったと言う訳ではございませんが、えー昨晩赤さんが、お産まれでございます」「…おーおーおぅおぅ昨夜(ゆうべ)ねぇ、厄介な物が出来ましたよ、うーん。どうした」「どちら様でも赤さんが、えーご誕生になりますとおめでたいと申しますが」「じゃ何かい子供が出来たからお前がめでたいと言うン。冗談言っちゃいけませんよ。えー昔から『薦の上から三貫の物入り』てぇ事を言うン。今はなかなか物が高いから、もうもうちっとやそっとの金じゃァ無いや、あれが大きくなるまで物を食わなきゃいいが食います」「へぇそりゃまァやはり大きくなりますのは召し上がります」「して見れば、相当な歳になるまで小僧代わりに使う訳にもいかないン。あたしゃまァ子供が出来たんでィどうしようかと思ってまァ、思案に余っているんだァ、そこへ何ですめでたいなんて、お前は人の憂いを好む」「いえそういう訳ではございませんで……
6.他の吝嗇噺と枕がつくと言うので百席に入らなかった為もあり、長らくレコード化されていなかった噺。
7.Te.TETR-20024 CT COPY
8.唯一の貴重な録音。出来も大変良い。放送の際には、人減らしで自殺の小咄をはじめ各所にカットがあった。
位牌屋・解説
吝嗇の枕が足りないと百席の中に入れなかった為に、録音が現在の所1本しかない。私事で申し訳なくしかも記憶が定かで無いのだが、この「位牌屋」をテレビの放送で見た様な記憶がある。筵を広げて結局買わない所が妙に記憶にあるのである。しかし、記録には「位牌屋」をテレビの放送で演じた事が無く、その辺の辻褄が合わないのだが…。どなたか「位牌屋」をテレビの放送で見た記憶のある方は有りませんか?。圓生師のこの噺は生意気そうな小僧が実に面白い。圓生師演ずる小僧ではこの「位牌屋」と「真田小僧」に共通するこまっちゃくれた餓鬼が見事である。この「位牌屋」に出て来る小僧は、「真田小僧」や「初天神」の餓鬼程は知能が発達していない様であるが、妙に大人ぶっていて実に生意気そうである。今は亡き小圓遊の「初天神」に出てくる餓鬼が本当に殴ってやりたい位に生意気だった様に子供や与太郎の表現には噺家夫々の個性がもろに反映されているので実に楽しい。そんな楽しみ方が出来てしまう人はもう落語の世界から足を洗えない重傷患者に相違ない。サゲは今様に言えばブラックユーモア。消えて失いたくない噺である。
時代設定:江戸時代。
舞台:赤螺屋吝兵衛宅、位牌屋店先。
登場人物:赤螺屋吝兵衛、赤螺屋番頭、小僧定吉、つまみ菜屋、芋屋(神田堅大工町に住んでいて多町で買い出しをし店賃とも四人暮らし…)、位牌屋、昨夜生まれた坊っちゃん。
ベストテイク:唯一の録音だが、文句なくベストだろう。