極楽亭進行状況

 1998年9月にスタートして以来、1999年4月現在、約2200席の音源をMDへリストアしました。現在、市販されたレコード、テープ、CD音源の完全網羅、並行して古いオープンリール・テープに記録された放送録音の復刻作業中です。使用したMDは500枚を超え、その内288枚が完成しました。現在把握している音源を全てリストアすると、約2500枚から3000枚のMDに収まる予定ですが、新発見の音もかなり出てきており、更に増えるであろうと予想されます。

 復刻作業を始めて、市販されている音源で、改めて古いLPレコードが貴重なものである事を痛感しました。近年、差別用語などに関しての自主規制が厳しくなり、元々時代の生活や風習に直結した形で語り継がれて来た落語には、現在は差別用語(実際には差別として使われていないものがほとんどですが)として放送などでは厳しくチェックされる言葉が、現在発売されているCD等でカットの憂き目にあっているものがかなり多いと言う事です。1970年代までは、これらの規制もさほど厳しくはありませんでしたので、LPではそのまま収録されているものでもCD化に当たってカットされてしまっているのです。せっかくノイズの少ないCDで発売されているのにカットがあっては、ノーカット・オリジナルで収録と言う極楽亭の主旨にそぐいません。ですからこうした音源はLPレコードから起こす訳です。しかしリストアすると言っても、単純にMDへコピーしている訳ではありません。こうしたノーカット・オリジナル主義を徹底するために同一音源の聞き合わせ、音質の優れた盤の選択、正しいピッチへの修正など、細心の注意を払って行っています。現在手に入りうる音源の中で最もオリジナルに近く、音質の優れているものを選んでいる訳です。

 オープンリールに記録された放送音源に関しては現在1960年代半ばから記録された方数名の方から所蔵テープを借り受けて一つ一つ丁寧に再生させて移しています。経年変化によりテープ自体の劣化の激しいものもあり、難渋するものも少なくありません。テープがわかめ状に変形してしまったもの、磁性体の粉落ちの激しいもの、激しくテープ鳴きを起こすもの、レベル変動の激しいもの、スプライシングの剥がれてしまうもの。一つ一つ諦めずに対策をして何とか再生させています。勿論同じ放送を私も含めて複数の方が録音している音もあります。こう言った音は、受信状態が良くテープの状態の良いベストのものを選んでいます。あまり状態が悪いと、時には放り出したくなってしまう気持ちにもなりますが、どれもこれもかけがえのない貴重な音源ですので諦めずに最善を尽しています。

 折角やるのだから、現在望みうる最良の状態でと、丁寧に作業を進めているため、進行は遅々としています。現在約五分の一、とはいえ新しい音源も増え続けているので、席数はどんどん増加します。やってもやっても、やらなくてはならないものが減らない、嬉しい悲鳴と言うべきでしょう。

 そんな折、当HPを見て興味を持ったと言う、日本経済新聞文化部の記者から取材の申し出がありました。それが5月13日付の文化欄に掲載された記事です。多少宣伝になればと軽い気持ちで引き受けたのですが、あんなに堂々と掲載されるとは思ってもいませんでした。あの記事を見て、極楽亭を建ててあげましょうって人が出てくればいいのですが…。(1999/06)

古いテープ、SPレコード、LPレコード等お持ちの方、ご連絡待ってます。

こんなものは大したことが…、と言うものが結構貴重だったりします。

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