三遊亭圓生音源データノート

蝦蟇の膏薬−1

1.TS-02521B4

2.不明,ニッポン放送,「パンチ・パンチ・パンチ」

3.7:53

4.なし

5.出囃子 正札附(テープ)

えー、ェーッ、蝦蟇の膏薬、を売ります、えー落語、は、皆さんは御存知でございましょう。えー「御用とお急ぎでない方は、ァーッ、ゆっくりとお聞きなさい」と言う。えー、あのゥ、膏薬を売る、昔、ィーッ、親子がありまして、お父っつぁんの方が口上を言って、この、蝦蟇の膏薬を売る。大変、これは繁盛すると言うのがその娘が、えー、この薬を、えー蝦蟇の膏薬の、えーっ入りました、昔はあのゥ入れ物が、不自由でございますから、蛤の貝へ入れる。えー両方へ、膏薬を入れて、えー売ります。これがその一貝と言う。一貝は百文で売る。で半貝と言うのがありまして半分だけ、貝をこォー、二つに割りまして、片側へ入れて、お客様へ出すこれはその五十文。で一貝と言うのは、両方へ入って、売ると言う。えー、これがその繁盛したのは申し上げた様に、娘が、大変美人でございまして、もう色の白い事なぞは、ァーッ、この抜ける様で。今朝食べた沢庵のお香々が、このゥ肋の三枚目へぶら下ってんのが表から透いて見(め)えると言う位、実にどうも色白でございましてね。えー目もとに、何とも言えない愛嬌があり、ま美人と言うと、何かこうツンとしている様な愛嬌の無いのが多いもので、でこの娘は愛嬌滴るばかりと言うので、えー口上が終わる。「一貝が百文。半貝は五十でございます。あなた、いかがでございますか」「えへへへへ。えーじゃあたくしもひとつ一貝戴きましょう」「そちらのお方は」「へぇ、えー、ェッあたくしは二貝戴きます。どうも有難うござんす」なんてんでね。なに買う方で別に礼を言う事は無いんですが。ゥらーもォう娘の顔が見たいと言うので、いつも前は黒山の様な人だかり。……

6.深夜放送で艶笑落語を特集した時の録音。貴重な噺であり、滅多に演らなかったと思われる。その為か、導入部分等は思い出しながら喋っている様である。

7.ニッポン放送 放送録音 佐藤氏ライブラリー

8.録音年代は不詳であるが、1970年代前半である。

蝦蟇の膏薬−2

  ※七両二分〜品川の豆…2より続く。テープの演題は「艶笑噺」。

1.TS-02851B2

2.1971.3.9,銀座東芝ホール

3.25:22(「品川の豆…2」のサゲよりのLap 7:37)

4.Col.CHY-9087(CT)

5.(そうかも知れねぇ、品川で豆ェ食わしたから」って)…(拍手)…えー、「蝦蟇の油と言う、噺がございます。「さあ、御用とお急ぎでない方は良くお聞きなさい」と言う。(白湯を啜る)あの蝦蟇の油を売ります。えー、あの時分の膏薬と言うものは入れ物は大抵蛤の、貝でございます。えー、これへこの、膏薬をこォー、入れます。ぇ両側ィこう入って、こいつを蓋をして一貝。これは、百文と言う。でぇー、半貝と言うのがございまして、蛤の貝をこう二つにしてしまいまして半ぺらだけこう入れて、これを売ってくれますこれをその半貝と言う。この方は五十で売ります。でぇ、このゥ、蝦蟇の油が大変繁盛する。ゥーどうして、そんなに繁盛するのかてぇと、お父っつぁんが口上を言って例の通り、ウーン、蝦蟇の油を売る。とこれを、渡しますのが娘でございますが年が十ーゥ、七八で、色の白い、ァどォーも実にいい器量でにっこり笑った時なんてぇものは、へぇ、はァー間抜けな人が見るとぶるぶるっと震えて小便が漏ォらすてぇな位で。ハァどうも実に、いい女でございまして。えー、口上が済むてぇと、これを、「あの、いかがでございますか。一貝が百文で。半貝は五十文でございますが。あなた、いかがでございます」「へぇっ、あたくしですか。えへへへへっ。えー、じゃ、いっ、戴きましょう」なんてんでね。娘に声を掛けられる。「えー、じゃ一貝戴きます」「有難う存じます。あなたは、いかがでございます」「えー、あたくしもじゃァ。ァーッ、一貝戴きます。えへへどォーも有難うござんす」なんてんでね。なに物を買って礼を言わなくったっていいんですが。……。

6.銀座の東芝ホールでの録音。この種の録音は貴重である。テープは「艶笑噺」と言うタイトルで収録されており、「七両二分」「品川の豆」「蝦蟇の膏薬」を続けて口演している。

7.Col.CHY-9087 CT COPY

8.何か特殊の会だったのだろうか、雰囲気のある貴重な録音が残っていたものである。世に出るのが遅れたためか、『圓生全集』をはじめ速記が残っていない噺である。

蝦蟇の膏薬・解説

圓生の艶笑噺だなんてつまらない洒落を言っても仕方ないが、恐らく放送やレコードで、コードぎりぎりの艶笑落語であろう。ずばりそのものの描写があるなんて、怪しからんものだが、本当はこんな噺演じたくてしかたがなかったんじゃないか?。六代目三遊亭圓生のプライドがなかなか許さなかった様である。出来る事なら国立の研究会あたりで堂々と演じて欲しかったと思う。残ってる音は真面目な落語番組ではなく、ニッポン放送で確か牧伸二が司会をしていた深夜番組で流れたものを佐藤氏が残しておられたのと、コロムビアから艶笑噺として、七両二分、品川の豆と続けて演じているものの2本である。サゲも気が利いていて面白い噺である。二年前の写落の忘年会で扇生大師匠がなんと首提灯の枕で演じられたのは記憶に新しい。

 

時代設定:なんとなく江戸か。

舞台:どこかの大通りの角を一寸入った所、と言った場所の様である。

登場人物:蝦蟇の膏薬売りの親子(父は口上を言い、娘はぶるぶるっと震えて小便を漏らしそうな美人)、助平連中。

ベストテイク:こういう噺はどっちと言う程でもなく、またどっちも良いものである。

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