三遊亭圓生音源データ

永代橋−1

1.TS-02835B2

2.1978.9.29,東横劇場,東横落語会第213回

3.29:48

4.AP.KSZ-2039(CT)

5.出囃子 正札附

えー、近頃はこの、交通地獄とか、えー、交通戦争なんと言う、色んな言葉がありまして。まァ事故というものは、ァー随分ァー頻繁(しんぱん)にございまして。まァ自動車で、ェどうしたなんてぇ事は近頃珍しくなくなりましたが、昔はそういう、車と言うものは、ァ無かったんでございますが、えー勿論、丸っきり無い事はありませんで、大八車と言う、あの荷を、載っけましてこう引(し)っ張りましてね、えーっ荷物が大きくなると、綱を付けて引っ張る、ゥー二三人が後からこう押すという様な。ァーこういうのは大変重い物でございましてね。掛け声をかけて、「エエイ、ヤホーイ、エエイ、ヤホーイ、エンサカホイ」なんてな事を言って、でこの車に轢かれて死んだ人があったてぇますが。ァどうも、ァー世の中てぇものは、お、おかしなもので。昔はのんびりした人間がいたもんでございますが。……  ……<文化四年に永代橋が落ちた時の話>……  ……十万八千人死んでらァ」なんてんでどうも、話が段々段々大きくなっていく。さ、こういう時に、大変なのはあの家主、大家さんという、でェ今の方はあの家主と言うとその家の持主だと思っていらっしゃいますがそうではございませんで、あれはァ、えー差配人、つまりィ今の様に、番地というものが昔は付いておりません。(白湯を啜る)何々町と言う。それに家主と言う者が一町内に何人もおりまして、(ポン)『何々町、家主、太郎兵衛』とか、ァー『六兵衛』とか、ま何か名前があって、で、その支配内と、こういう事ンなる。だァーその家主へ行けば、ここィはこういう者が住んでいるてぇ事が分ります。だからたとえ地面、家屋を持っているもんでも、えー、家主の支配、内という事になる訳でございまして。あァ自分の、関係の者に何か間違いがあっちゃァならないってんで尻っ端折りでね、血眼で、「おいおい、お前(まい)のうちはどうしたい松っつぁん。……

6.珍しい噺だが、ホールでは度々演じている。東横落語会では、1971年7月30日にも出している。

7.AP.KSZ-2039 CT COPY

8.

永代橋−2

1.TS-02933D2

2.1975.6.20,CBS・ソニー,スタジオ,客なし,「圓生百席第七十六席」

3.32:40

4.CS.60AG-309,SR.SRCL-3806(CD)

5.出囃子 屋台囃子 受け囃子 ばか囃子

当節はこの、交通地獄とか交通戦争なんと言いまして、まァどうも自動車の事故なんというものは、…もう珍しくないンですがなァ。まァ発明する人(しと)もあんなにぶつかるもんと思って、こしらえた訳じゃァないでしょうけれども。まァ後から後からと、色々な事故が起こっておりますが。ま昔はそのゥ、車なんてぇものは無いんで、あったのはあの大八車と言いまして荷物を積んでね、ァ人間が引(し)いて押すんですが、重い物ンなるてぇと、一人が引き、綱を付けた者が引張り、後から四五人でこれを押しましてね、掛け声を掛ける「エエイ、ホーイ、エエイ、ホーイ、エンサカホイ」なんてんで。この車に轢かれて死んだ人が昔あったんだてぇますから、ェヘッどうも、実にのんびりした人間もいたもんですが。……  ……<文化四年に永代橋が落ちた時の話>……  ……十万八千人だそうだ」なんてんでどうも段々、話は大きくなりまして、それからそれへと伝わっていくヵーッ江戸中はひっくり返る様な騒ぎ。いやこういう時に、心配をするのはこの家主でございまして。えー家主と申し上げると今はみんなあの、家を持った人だと思うがそうではなく、昔は、えー、町内に、家主という者は何人もおりますが、ぇ、つまり、そこの支配をする。だから地面持ちであろうと自分のうちであろうとも、家主というものがちゃんと、そこにはある訳で。えー『何々、家主』名前が、安兵衛なら『安兵衛』、えー太郎兵衛なら『太郎兵衛』。でその下に、えー『支配内』として入る訳でございますから。でこのゥ家主と言う者は何か事が有るてぇと引張り出されるン。さァこんな時に間違いでもあっちゃァ大変だてんでね、尻っ端折りで血眼で「おいおい、六さんや、六さん!」……

6.「圓生百席」の録音。これを元にした速記が集英社文庫「圓生古典落語5」に収められている。

7.CS.60AG-309 DISC COPY

8.

永代橋・解説

「粗忽長屋」と似ている噺として有名。どっちが先かは不明。しかし、サゲのこじつけからして、どうも「粗忽長屋」にヒントを得て作られた時事落語の様に思える。珍しいと言うだけで面白さは「粗忽長屋」には全くかなわないが、事実かどうかは別にして、噺の日付が特定出来るのが珍しい。

時代設定:1907(文化7)年8月19日。

舞台:神田大工町太兵衛店、奉行所。

登場人物:神田大工町家主太兵衛、店子(六さん、兼さん、おかねさん、松っつぁん)、死んだと思った武兵衛、武兵衛と間違えられた死人、お奉行様(名前不明)。

ベストテイク:「永代橋…1」の、やはりライヴを採ろう。

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