江戸の食卓と物価
江戸庶民の食生活は、白米を炊いたご飯とわずかのおかず、一汁一・二菜に漬物といった形で、副食といってもさびしいものでしたから ご飯が主なエネルギー源となっていました。
   
野菜類は大根・ねぎ・人参・他 今あるものは殆どありました。農家が「大根を 年間25,000本作って 135貫文の収入があった」とありますので、小売価格がその倍と仮定すれば 1本約10文と言うことになります。

味噌は、竹皮に包んで 大きさにより12文から百文で売られていました。

又、魚介類についても 鯛・鮪・鰹・烏賊・蛸・等々 長屋の人達の食膳にのったかは別にして、豊富にありました。
鮪は 安い時は 24文出すと 2〜3人が食べて余る程あったとのことです。

肉類は、鳥肉が主で 卵も売られていました。

人々は 長屋にやって来る色々な物売り(俗に一文商いといわれた)から これ等を買っていました。

表通りから狭い路地を入った処に裏長屋が並んでいて、そこには車曳き・火消人足・大工・畳刺し・籠かき・魚売り・浪人者・等々さまざまな人達が暮らしていました。
長屋は 基本的には間口九尺奥行二間の大きさで、割り長屋(吹き抜けになっているもの)と棟割り長屋(一棟を縦に仕切ったもので三方が壁のもの)とがありました。
家賃は、平均で月千文、棟割り長屋で月500文程度、老朽化したもので月300文程度でした。
次に、江戸時代を語る上で欠かせないのが 屋台や物売りです、勿論 一膳飯屋・煮売り屋・うどん屋等の食べ物屋も多くありましたが、庶民は 気楽に屋台・物売りを利用していました。
二八そば 16 文(1668頃)
24 文(1865頃)
串団子 4〜5 文
握り鮨 1ヶ 8 文
豆腐 1/4丁 14〜15 文
甘酒 一杯 8 文
小蛤 一升 20 文
 
   
   
米・味噌・お酒
それでは、生活に欠かせないものとして 米・味噌 それに お酒の価格を次に示します。
 
文政年間(1818〜1829) 1石/銀70匁
(1.3升/銭100文)
安政年間(1854〜1859) 1石/銀130匁
(7合/銭100文)
味噌 文政年間(1818〜1829) 1貫/銀1.5匁
(6匁/銭100文)
安政年間(1854〜1859) 1貫/銀2.5匁
(4匁/銭100文)
酒(上) 文政年間(1818〜1829) 1升/銭248文
(4合/銭100文)
安政年間(1854〜1859) 1升/銭400文
(2.5合/銭100文)
 
  金・銀・銭・換算早見表  
江戸時代は、1603年から1867年まで 264年間続きましたが、その間の物価上昇は著しく 特に末期のそれは激しいものでした。
参考までに、米価の推移を百相場で示します。
 
長屋で生活している人達は貧しかったので、その日暮らしが気楽に出来る様 百文単位で生活物資が買えるようになっていて、これを百相場と言っていたそうです。
 
   
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