無線用語説明




五十音順にはなっていません。辞書のように引くのではなくて、順に読んでください。(笑)


アイソトロピック利得
あらゆる方向に等しい強さで電波を出すアンテナ(アイソトロピックアンテナ)を比較基準とした利得。絶対利得ともいう。単位はdBi。

インピーダンス
電流(特に交流)の流れに対する妨害的な働き。抵抗、コイル、コンデンサの三つの要素からなる。

打上角
垂直面指向特性で、ビームの最大方向と水平面とがなす角度。電離層の反射を利用するときは、到達距離と一定の関係がある。U/VHFでは普通打上角ゼロ(水平)が良い。

エレメント
放射素子、導波素子、反射素子など、アンテナを構成する素子部材をいう。3素子八木アンテナを、3エレ八木と略称することも多い。

給電点
アンテナに高周波を供給することを給電といい、その位置を給電点という。つまりアンテナに同軸ケーブルを接続する位置。

Qマッチ(ング)
インピーダンス変換に用いる一種のトランス。長さが、1/4波長(a quarter wave length)であることからこの名がある。

グランドプレーン(アンテナ)
地表面に相当する素子(グランド・プレーン)をもつアンテナ。GPと略す。素子の長さはλ/4の奇数倍にとる。放射素子としては、λ/4、5λ/8型などがある。

ゲイン
利得のこと。アンテナでは、一番強く電波が出ていく方向で、基準のアンテナに対して何倍になっているかで表す。dB(デシベル)で表示する。

コーリニアアンテナ
放射エレメントが直線上に複数個配置されたアンテナ。

サイドローブ
メインローブ(メインビーム)に対して副次的に発生するものをいう。普通は不要な部分だから、低いレベルであることが望ましい。

指向性
アンテナから電波が出ていくとき、方向によって強さが異なる。この特性を指向性という。 反意語:無指向性(または全方向性)

スタック
積み上げること。アンテナ利得を上げる方法として、複数のアンテナを配置する。これをスタックアンテナという。

前後比
指向性アンテナで、メインビームの最大点とその後側すなわち180°±60°の範囲における最大点とのレベル比。F/Bと略す。

ダイポール(アンテナ)
双極子。半波長のアンテナは、両端の電圧がプラスとマイナスになることからこの名前がある。アンテナでは最も基本的な形。ダブレット(アンテナ)ともいう。

地線
反射面として大地を人工的に作り出すための素子。長さがλ/4の奇数倍で、1本から数本で構成する。グランドプレーンともいう。

導波器
八木アンテナなどで、放射器の前に配置された素子。電波を受けるとそれを強めてさらに前に送り出す働きがある。λ/2よりやや短い。

反射器
放射器の後に配置された素子。電波を受けると、反射してもと来た方向へ追い返す働きがある。λ/2よりやや長い。

半値幅
半値角ともいう。一番強く電波が出ていく点を基準として、これが電力で半分の値になる点がつくる角度をもって、ビームの鋭さを表す。半値幅が狭い程そのアンテナの利得は高い。

ビーム
電波が一方向にしぼり込まれて出ていく状態をいう。またこのような放射特性を持つアンテナを指すこともある。

VSWR
電圧定在波比。給電線(同軸ケーブルなど)と負荷であるアンテナとのインピーダンスマッチングの度合いをあらわすことば。

ヘリカル
ヘリカルアンテナには二種類ある。ひとつは、放射素子を螺旋(らせん)状に巻いて長さを短縮したもの。もうひとつは、らせんの一巻きが約1λのもので円偏波を出すアンテナ。

放射器
給電線につながって、電波を放射したり、取り込んだりする素子。受信アンテナでも放射器という。ProjectorまたはRadiator、輻(ふく)射器ともいう。

ホイップ(アンテナ)
ムチ。車載のアンテナは、しなやかなムチ状なのでこの名がある。ロッドアンテナのような棒状だが、伸び縮みしない。そのかわり、少し曲がる。

マッチング
インピーダンス整合のこと。

無指向性
電波の放射特性に方向による強弱が無いこと。つまり全方向にまんべんなく放射する特性。

ヨンパラ
4列パラレル。すなわちアンテナを4列、並列に配置したアンテナのこと。水平面の指向性が鋭くなる。

ラジアル
地線が放射状に配置されていることから、地線のことをラジアルと略すことが多い。

ローディングコイル
放射素子の長さを短縮するために用いるコイル。挿入する場所により、ベースローディング、センターローディング、トップローディング等という。

JARL(ジャール)
日本アマチュア無線連盟の略。アマチュア無線家の会費で成り立っている社団法人。アマチュア無線の保護と社会的地位の向上が主な目的。

Q符号(キュー符号)
通信内容を簡略化してわかりやすくするための略号。アマチュア無線でも使っている。SOSなどもQ符号の一つ。

フォックスハンティング
特定の電波を出す標的を狐に見立てて受信機を使って探し出しタイムを競うゲームのこと。

帯域幅
周波数の範囲内での最高周波数と最低周波数の差。ヘルツで表す。

ヘルツ (Hz)
1 秒ごとのサイクル。周波数を測定する単位。無線通信では、キロヘルツ (KHz、1 秒に1000サイクル)、メガヘルツ (MHz、1 秒に100万サイクル)、およびギガヘルツ (GHz、1 秒に10億サイクル) などの形式が一般的。

ライフライン
生命線。都市において市民の生活に不可欠な水道、ガス、電気などをいう。

アップリング
中継局を使って交信する時、無線機から中継所に送る電波の周波数。 その逆はダウンリング。

ダウンリング
アップリングの反対。

フェージング
外国の局のような遠距離の局を聞いているとき、受信音が大きくなったり小さくなったりする現象。 フェージングの原因は、電離層の状態の変化による反射波の強度が変化するものや、伝播経路の異なる電離層波と地表波の干渉や、地球の北回りの電波と南回りの電波との干渉などがある。

携帯局
ハンディートランシーバーなどの携帯無線局 。

セレコール
無線機ごとにそれぞれ独自のトーン信号を決めて、その一定の無線機だけ呼び出せるような仕組みのこと。同じ周波数で複数の無線機と 交信できる。

水平偏波
電界が大地に対して水平方向に変化している電波のこと。この電波を受信するにはアンテナを水平に立てる。送信側と受信側の偏波面を合わせる(アンテナの垂直・水平を合わせる)ことが重要。

垂直偏波
電界が大地に対して垂直方向に変化している電波のこと。この電波を受信するにはアンテナを垂直に立てる。送信側と受信側の偏波面を合わせる(アンテナの垂直・水平を合わせる)ことが重要。

占有周波数帯域幅
つの電波が占有する周波数の幅。 AM・SSBは狭くてすむが、FMは大きい。

電離層
空に浮かぶ低い電波を反射する層。普段は短波や長波、中波(AM放送)を反射している。反射することによって電波が凄く遠くまで飛ぶ。昼には高い周波数の短波。夜は低い周波数の短波や、中波、長波を反射する。だが、春から夏にかけてスポラディックE層(Eスポ)が、たまにFM放送まで反射することがある。

特定小電力無線
技術基準適合(技適)証明を受けた設備を使用し、10mW以下の無線を指す。ある条件を満たせば、免許はいらない。

ナロー化
普通より、使う電波の帯域を狭くして、同じ周波数でもより多くの通信が出来るようにするやり方。もっとも、当然音質は悪くなる。

フェージング
短波などで、電離層を介して受信してる場合、あちこちの電離層からそれぞれ、かすかに受信機への到着時間のずれた同一波が来ると干渉し合って、聞こえなくなってしまう現象。

ラジオテレタイプ(RTTY)
FAXの短波放送。気象やニュースなど色々やってる。

レピータ (リピータ)
中継局のこと。

ローテータ
アンテナを回す機械。八木アンテナ用、パラボラアンテナ用など色々ある。

ログペリアンテナ
指向性広帯域アンテナのこと。八木アンテナに似ており、前の素子ほど短くなっている。こうすると、指向性が鋭くなり混信が少なくなる。

ロッドアンテナ
ラジカセでおなじみの、伸び縮みするアンテナ。

ワイヤーアンテナ
ワイヤーを使ったアンテナ。短波帯でよく利用される。

AGC
自動音量調整を行うもの。Automatic Gain Control(自動利得制御)の略。弱い電波の時には感度を上げ、強い電波の時は感度を下げて、受信機の出力を一定に保つためのもの。これはフェージングなどで受信電波の入力レベルが変わる場合に有効。

CW
Continuous Waveの略。モールス通信(電信)のこと。

DSB
普通AM(Amplitude Modulation)と呼んでいる振幅変調波のこと。Double Sideband(両側波帯)の略。

DX
遠距離送受信を表す。

Eスポ(スポラディックE層)
電離層の一種。春から夏にかけて短時間発生するもので、VHF帯まで反射するため、遠距離通信(受信)が可能である。届く範囲は、放送局から半径1000Kmから(それ以下にも届きにくい)2000Km位まで。

SINPOコード
放送状態を示す5桁の数字。 Sは信号強度、Iは混信状況、Nは雑音、Pは伝搬障害(フェージングの状態)、Oは、総合評価(それまでで一番悪い数字を書く)

SSB
Single Sideband(単側波帯)の略。搬送波を音声などの振幅変調したときにできる上側波帯、あるいは下側波帯のいずれかを使って行う通信方式。

STL回線
演奏所(放送局)と、送信所を結ぶ回線。

VOX
音声による自動送受信切り替え回路のことをいう。マイクに向かって話すと送信状態になり、音声が途切れると受信状態に切り替わる。これはトランシーバーなどでよく用いられる。Voice Controlled exchangeの略。

搬送波
音声や映像などの情報を乗せて伝送する役割を持つ電波のこと。「キャリア」と同義。

変調
音声などの情報を伝播に乗せて送信するための要となる電気的操作。まず音声を電気信号に変換し、それによって搬送波に変化を与える。この変化を通信の相手側が読み取ることによって音声が伝達される。

無変調
変調されていない搬送波のことで、これを受信しても音声信号が含まれていないため無音となる。

復調
受信した電波から音声信号を取り出して音声に復元すること。検波と同義。

デジタル変調
音声を0と1からなる数字信号に置き換えたデジタル信号によって行われる変調。携帯電話やPHS、警察無線、デジタル衛星放送などで採用されている。アナログの復調回路しか持たない受信機では、デジタル変調された電波を受信してもビロビロビロという電子音だけで、音声は聞えてこない。

電波形式
無線通信で用いられている変調方法・伝送方法のこと。例えばAM、FM、SSBなどが代表的。さまざまな電波を適切に受信するためには、受信機も送信機と同じモードに設定しておく必要がある。これを怠ると奇妙な音声になったり、ほとんど聞えなくなったりすることがある。いわゆる「受信モード」のこと。

出力
電波送信の強さを表わす単位。空中線電力の大きさ、つまりアンテナに流れる電力の強さで示される。単位はW(ワット)。基地局の出力が大きければ大きいほど、遠くからでも受信できる。

信号強度
受信した信号の強さを表わす数値。S値(シグナル値)として9段階で示され、数値が高いほど信号は強い。

耳S
耳で聞いた印象による受信状態の善し悪し。受信機が表示するS値が高くても聞く人が感じる耳Sが悪いこともある。これはスピーカーの性能に左右される。

スクランブル
暗号化。第三者に傍受されたくない通話の内容を秘密にする方法の総称。身近なところではコードレスホンにおける音声反転秘話などがある。秘話を解読し、通話の内容を聞き取れるようにする装置のことを秘話解読機と言う。

周波数割当
さまざまな無線局がどの周波数を使うのかを郵政省が定めているもの。初めて聞く交信でも、その周波数から割り当てのジャンルを調べることができ、使用者を推定することができる。

チャンネル
交信回線のこと。

コールサイン
「呼出符号」のこと。無線交信を行う時、自分が何者であるかを名乗る名称。アマチュア無線のように数字と英文字の組み合わせからなるもの、防災無線などのような「地名+数字」といったものなど、無線のジャンルによって形態もさまざま。

単信方式
通話する2局が一つの周波数を用いて交信する方法。「シンプレックス」と同義。ひとつの周波数を共有するため、Aが喋っている間はBは聞くのみで喋れない。

複信方式
二つの周波数を使って行われる交信方法で「デュープレックス」ともいう。送信周波数と受信周波数を併用することにより、交信している2局が電話のように同時に喋ることが可能。

半複信方式
二つの周波数を使いながらも、単信方式のように送受信を交互に切り替えて通話する方法で「セミデュープレックス」ともいう。タクシーなどで採用されている。周波数を基地局側に合わせると基地局側しか聞えないので注意が必要。

トーン信号
主に業務無線などで、一つの周波数を複数の使用者が使っている時、交信すべき相手にとって識別信号となるような低周波信号を乗せることがある。これをトーン信号と言う。トーン信号が含まれている電波だけを拾い上げる装置(トーンスケルチ)と組合わせることによって目的の相手が行う送信だけを選り分けて受信することができる。

空線信号
鉄道無線などで、通信がない時でもピーという音を乗せた電波が常時発射されていることがある。この音が空線信号である。空線信号キャンセラーを使うことで不要な信号音をカットされ、音声通話のみがスピーカーから出るようになる。

VFO
「可変周波数発振器」の略語。周波数を変化することができる発振回路で、受信機に目的の周波数を打ち込んでおいて受信できるのはこの回路のおかげ。そこから転じて、受信機に任意の周波数を受信する機能のことも意味する。

バンク
メモリーチャンネルをまとめた単位。

スキャン
「走査」のこと。いくつものメモリーチャンネルを次々と受信していく機能。

ステップ
周波数と周波数の間隔。周波数をアップダウンさせる操作によって変化する周波数の大きさのこと。

サーチ
受信しようとする周波数そのものではなく、周波数の上限と下限、ステップ、電波形式を指定して、周波数をステップ順に受信していく機能のこと。但し、「サーチ」と「プログラムスキャン」という言葉の用い方は各メーカーによって異なり、統一できていないのが現状。

スケルチ
信号のない不要な電波をカットする装置。信号が出ているかどうかを電気的に判断し、設定値に満たないときは電波を通さない(音声出力しない)。

バンドスコープ
受信している前後数十〜数百KHzの範囲の周波数帯での電波の強さをバーやドットを使って表示する機能。正しくは「スペクトラムスコープ」という。

プリアンプ
「前置増幅器」のことで「受信アンプ」ともいう。アンテナで受けた電波を受信機に送り込む前に増幅する装置(内蔵している受信機もある)。受信したい電波が微弱な場合に、これを増幅することで聞きやすくするために使用する。

アッテネータ
「減衰機」のことで「ATT」と略される。アンテナから送られてくる電波が強すぎて受信の障害となるとき、意図的に受信感度を弱める働きをする。おもに混変調対策に用いられる。

イメージ受信
「イメージ混信」ともいう。ある周波数の電波がまったく別の周波数上に現れてしまう現象。受信機内で、受信電波を変換処理する工程の中で発生してしまう問題である。イメージ受信があらわれる場所は、受信機の使用する中間周波数から算出できる。 イメージ周波数=受信中の周波数±(中間周波数×2)

混信
同一周波数で送信された電波が同時に受信されることにより妨害または混じって聞こえる現象。

かぶり
近接周波数による一種の混信現象。自分が交信しようとしている周波数の近くに、他局の周波数による交信があるとき、ふたつの音声が重なってしまう現象が起こり、特に高出力の発信局の近隣ではこれが顕著に発生する。

混変調
受信機の近くで強力な電波が出てたりすると、あちこちの周波数でその電波が受信されてしまう現象のこと。

相互変調
目的周波数を受信中に他の2局以上の送信電波の和と差の周波数に両方の音声が混じってきこえてくる現象。

飽和現象
強力な電波のため受信回路に規定以上の電波が入り、回路がパンクして受信が妨害される現象。目的の周波数以外の音声などが近隣周波数に広帯域にわたって聞えてしまう。混変調と似た現象であるが広帯域にわたって起きる点で混変調と使い分けしている。

ノイズ
雑音など信号に対して不要なもの。

S/N
信号対雑音比。Sは目的の信号(Signal)のレベルで、Nは雑音(Noise)レベルを指している。

歪み
音声などで、本来のものとは違った出力を出してしまうこと。だから歪み

強電界
簡単に言えば電波の強いところ。

抑圧
目的周波数以外の強力な電波の影響で聴きたい周波数の感度が悪くなってしまう現象。感度抑圧のこと。

スプリアス
無線機や受信機において目的とする周波数以外の電波が発生し漏れてしまう現象。この不要電波が漏れると混信やテレビ・ラジオなどの画像や音声を乱してしまう。

内部発振
スーパーヘテロダイン方式(受信した電波を一度中間周波数に変換してから増幅・変調する方式)の受信機・無線機において、中間周波数に変換するために局部発振器から高周波(電波)が出されること。広帯域受信機自身の内部発振回路の周波数は当然その影響で聞こえないがその倍数などの周波数にも聞こえないところが出る。中間周波数は、455KHzや10.7MHzがよく使われる。

局発漏れ
局部発振器から出される電波が外へ漏れてしまうこと。その周波数とその関連する周波数に影響を与えてしまう。スプリアスの一種。

局発の回り込み
電子回路の中を本来通らないところまで発振電波が回り込む、つまり漏れること。局発漏れと同じ。

内部干渉
局発は一つではないのでその和と差の組み合わせでいくつかの干渉波が発生しその周波数でも聞こえなくなる。

CPUのノイズ
CPU周辺ではその働きを助けるために発振回路が使われてる。それが漏れて影響すること。例えばペンティアム430MHzでは430MHzに無変調が出る。アイマックなどでは特にひどい。

TVの局発
テレビも受信機なので内部に発振回路がある。そこから漏れ電波が出て受信機に影響を与える。


私の知識はたかが知れているため、ラジオライフ誌、アマチュア無線参考書、元関係者さんの投稿内容、各種HPなどを参考にさせて頂き、引用・編集しました。
この場を借りてお礼申し上げます。



戻る