VR-150使用レポート






まず感じたのはノイズがやや多いということ。電波が弱いとAX400BやC710と比較してノイズが乗りやすくなります。
決して感度自体は悪い方ではないと思うのですが耳Sで劣ります。
大阪ATISの128.6MHzは絶品な感度のC710と同じレベル。380MHzも劣らずです。

筐体は宣伝どおり頑丈そうです。液晶部も大きくて視認性よし。但し、バックライトは結構暗めですね。液晶部下側に4つのボタンがあり、これもバックライトと同時に透けて赤く光るのですが、文字が黒のため見えないです。まぁ、覚えてしまえば問題ないのですが一工夫して欲しかったですね。
筐体の大きさの割りにスピーカー音声は結構大きく出せます。(ひずみにくいということです)
バンクスキャンなんですが、セットモードに入らないとバンクを変えられないのにはビックリ! 最悪です。

あと気になる点として、ハンディーアンテナでの受信において、146MHzの救急無線でベランダから室内に移動するとC710より明らかに感度の落ち込みを感じます。電波が強いせいもありますが通常の屋外では違いは感じられなかったです。どうも付属アンテナの特性による要因が大きいのではないかと感じます。C710は144/430/1200MHzで最適にチューンされていますから近隣周波数でもそのおこぼれがもらえるみたいです。
各々の付属アンテナでAX400BとVR-150を比べてみると144、150MHz帯ではVR-150の方が良好に入感しますが、アンテナをお互い取り替えると結果が逆転します。
多分VR-120と同じと思われる付属アンテナはかなりの高感度。これは特筆ものです。
同一の外部アンテナ(D190)では、長時間でている微弱な電波がなかなかなく非常に比較しづらいのですが、感度の違いはほとんど感じられませんでした。つまりVR-150は非常に耳がよいと言えます。
S/Nはほぼ全域にわたってC710>VR-150=AX400Bです。C710は微弱な電波でもかなりクリアに聞こえるのです。あらためてC710の凄さがわかりました。

混変調に関してはAX400Bよりも弱そうな感じ。アマチュア無線機で微弱な電波を出して受信中の受信機に近づいていくとVR-150の方が先に受信不能になります。AX400Bが受信不能になる倍の距離でアウトになりました。但し、影響を受けるのは微弱な電波を受信している場合だけ。
アンテナをGP-95にしたところ混変調がひどくなりました。150、380、420MHz帯は大丈夫ですが業務の348MHzでほぼ全滅です。
消防ヘリの129.75MHzで謎の無変調。業務の348MHzでも混変調が‥。これらの現象はVR-150のみで発生。
D130でも混変調でコードレス子機の全域が使い物になりませんでした。
D130でAM放送は受信不能かと思いきや、地元京都、大阪の局は良好に受信できています。AX400Bでは京都の局だけなんとか聞こえるレベルです。
内蔵AM用バーアンテナに切り替えると鉄筋室内での受信はきついもののベランダに出れば概ね良好に受信できました。でも専用ラジオ並という訳にはいきませんね。
FM放送はD130にて大阪、神戸の局まで良好に受信できました。付属アンテナでは室内でも地元の局のみ良好に受信可。屋外では大阪の局もOKでした。

いくつかの周波数において謎の断続信号でスケルチが開いてしまいます。スケルチを浅くしすぎるとそうなる場合があるようです。これも混変調を起こしているような感じです。スケルチを深くしていくと無音になるのですが、周波数によっては「ポコポコ」を音がする場合があります。これは結構気になり、イヤホンを使うと頭が痛くなりそうです。VR-120での不具合を継承しているようです。困ったもんです。
基本性能ではIC-R2に完敗ですね。

スキャン・サーチとも爆速ではないものの実用的な十分な速さ(10〜15ch/s程度)はあります。
VR-120と同様にバンクリンクが可能。
英数字6文字ながらメモリネームをつけられるのもマル。

空線信号キャンセラーですが電波の強さS1でそれ以上Sがあれば確実に動作しています。(初期ロットは個体により不具合があるようですがメーカーにて対策してもらえます)なお2280Hz以外の空線信号には対応していないようです。
JRのチャンネルをスキャンに混ぜると毎回始めの一瞬だけピー音が聞こえてしまいます。スピーカーで聞く分にはそんなに気になりませんがイヤフォンで聞くとかなり耳障りかも知れないですね。

空線信号キャンセラーをON、かつJRのチャンネルをスキャンの対象バンクに入れておくと信号のあるチャンネルで止まらなくなる不具合がかなりの頻度で発生します。
バッテリーセーブをOFFにしても変化ありません。
JRのチャンネルをスキャンの対象バンクから外すと止まらなくなる不具合は起きないようです。
これらの不具合は初期ロットのみで発生し申し出た人のみメーカーで対策してくれます。CPUの交換になるらしく、新CPUを乗せたものは2002年3月ごろから市場に出回っているらしいです。しかし公式な発表、対策済みシリアルNo等の発表もなく販売店にも連絡は無いとのことで、長期在庫の販売店では不具合品に当たる可能性があるため要注意です。

また、おもしろそうなのがチャンネルカウンタという機能。
これは現在のVFOの周波数から一定の範囲(±5、±10、±25、±50、±100MHzから選択)で高速サーチし最も強い信号を探し出して専用メモリに書き込むと同時にVFOをその周波数に合わせてくれる機能です。これの機能を使えば近くで使用されているトランシーバーの周波数を簡単に知ることができそうです。「あくまでも簡易的なものであり、測定した周波数は概略値です」と注意書きがありますが、200mW出力のトランシーバーを10mほど離れた場所から実験した限りでは正確に動作することを確認しました。難点は時間がかかること。±25MHzでやると約20秒くらいかかります。現場で機会があれば使い物になるか試そうと思います。

盗聴器発見機能はなかなか便利です。盗聴器があった場合、最大20chまで専用メモリに書き込みされ、一番強い周波数を表示および受信します。さらにボタンを押すとアッテネーターがONになり発信源に近づくにつれブザー音高い音に変わってきます。もっと近づくとスピーカーからハウリング音が聞こえる仕様です。
試してみたらパソコンから140MHzのモレ電波が出ていることを簡単に突きとめてくれました。盗聴器ではないのでさすがにハウリングは起こしませんでしたが(笑)

ハンディー機とは言え自宅で半固定で使用するケースが多いので外部電源端子がついているのは非常にありがたいですね。
イヤフォン端子が本体側面にあるのはマイナス点。L字型プラグのを使わないとポケットなどに入れて聞くときは困ると思います。

低燃費設計のため電池が非常によくもちます。公称値はアルカリ電池で24時間。
デジカメで緊急用として少し使ったアルカリ電池を使用しましたが、それでも19時間も持ちました。

電池の残量が少なくなってくると液晶部の電池マークが点滅するようになっているのですが、AX400BやC710のように音で知らせてくれないので、気がついたら電源が切れていたということになってしまいます。これは要改善項目。

スタンダードに別件で電話したついでに外部電源に関することを聞きました。
外部電源端子の許容電圧は3〜10Vとのことです。
ACアダプタもシガー電源アダプタも6Vを供給する仕様のようです。専用のシガー電源アダプタは電圧変換をしているようです。
汎用のシガー電源コードを使って12Vの電圧をかけると本体が壊れるようですのでご注意を!

最近は安く買える受信機が増えつつありますが、このVR-150も非常にコストパフォーマンスが高いと思います。
消防・救急・コードレス等の人気バンドはちゃんと押さえてあるなという印象ですね。それらしか聞かないのであれば大きな不満はないと思います。
逆の言い方をすると人気バンド以外のUHF帯はダメダメということです。MVT-3400と同じような感じですね。


※不具合対策続報
修理に出しても完全に直って戻ってこないとの報告があります。
具体的には、
(1)スキャン時に2,3周ごとにピー音が時々漏れる。
(2)駅停車中など基地局近傍の強電界域だとスキャンが止まりピー音が出っ放しの状態になる。
だそうです。



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