MVT-9000DX使用レポート



<たくさんによる投稿です>

ディスコーンアンテナD-130を接続して、初代IC-R2との比較によるレポートになります。ケーブルはD-130の付属ケーブルで、地上高約10m程度です。ただし、周辺と地形的に低い位置にあり、周囲の土地とあまり変らない高さになっています。(ただし、見とおしはきく)
ちなみに、うちは結構田舎なので、周辺にデッカイ電波塔も有りませんし(ローカルハム局はけっこう多い)、深夜になると受信機壊れたか、ケーブルはずれたかなぁと思うほどスキャンで何も引っかからないことがあります。特に業務無線は夕方のピークを除きちっとも面白くありません。
そう言う意味で、受信環境としては結構良いです。

まず気がついたことは、なんか筐体が安っぽい。これで定価¥90kとは、落としたら即ひびでも入りそうです。その分R2の丈夫そうなこと。 そして音質が悪い。IC-R2と比較して、高音がざらついた感じがする。ステレオであればドルビーを効かしたいくらい。

感度について、もともとMVTシリーズはエアーバンド専用機も発売されているとおり、エアーバンドの耳が非常に良い。室内でM型からBNC型への変換ケーブル30cmくらいをつけた状態で、Sメータ振り切れでカンパニー無線が飛び込んでくるのには驚きました。(IC−R2は同じ状態で無反応)
また、関空の誘導無線ですが、R2でも受信していましたが-9000の方が受信感度は上です。(というか、この帯域に音質を調整してるのかなと思えるほど、受信感度の割に音声が非常に明瞭です。)
150MHz帯は、驚異的に感度が良い。エアーバンド周辺にある私のメインチャンネルである消防・救急が面白いように受信できます。キョウショウ1chの移動系が本部の受信しているスピーカーから出ている音声で受信できます。音は小さいですが、移動系の内容はこれですべて理解できます。さらに、かなり広域の消防・救急も受信できます。
380MHz帯のコードレスは-9000の方が受信局数は多いです。ただし、音質があまりに悪い。sメータはものによってR2より振れてるのに、それ以下の感度のような気がしてしまいます。

感度そのものはIC-R2より上を行っているようである。ただ、捕まえた電波をしっかり復調することが出来ていないような感じが見られる。復調(フィルター処理)技術に問題がありそうです。(聞けない電波でもガリガリ受信してしまう)
その分R2は聞けるものはしっかり受信できると言う基本姿勢が明確です。スケルチの技術がユピテルより上なんでしょうか。それとも超高速スキャンのためにユピテルはそこを犠牲にしているのかもしれません。(2機種を使い比べて見た感想で、そんな気がします。)

350MHz帯で時々混変調があります。
メインの消防(140〜155MHz)では、一部内部発振が見られますが、ATNだけで50メモリー有りますから、PASSさせれば実用上問題ありませんし、受信能力そのものはR2より上と思います。

期待の2VFOですが、やはり便利。とっても便利。それと、もうひとつ購入に踏み切った機能のバンドスコープ機能(受信周波数の周辺をサーチしてグラフで表示する機能で、周辺に出ている周波数へ視覚的に移動できる機能。A-VFOで受信しながら、B-VFOが周辺をスキャンしつづけている状況)これが、やっぱとても便利、コードレス聞きながら、周辺でどれくらい電波が出ているのか一目で分かる。それに、結構バンドスキャンのスピードも速い。

なにしろ、メモリー1個1個に9文字までネームを振れますが、これがまた、とても骨が折れる作業でして、VFOの周波数ダイヤルをぐるぐる回して一個ずつ表示させるためとても面倒です。しかし、1度振ってしまえば、メモリースキャン中スケルチが開くとメモリーバンク名とメモリー名が交互に表示されます。(例えば、「B:コウイキショウボウ」<バンク名表示後メモリー名>「M:キョウト−1CH」)これは、ホントに便利です。それに余裕の1バンク50ch、20バンクで小さく小分けしておいて、必要なバンクだけ指定してスキャンでき、高速スキャンで大容量スキャンも大事な電波を逃しません。プライオリティーメモリーも10局で1〜10を指定可) -9000に慣れると、R2のスキャンの遅いこと。
また、そのサーチスピードは、結構速いと定評のあるIC-R2の公表値30ch/secより速いみたいです。
それでも、2台目として何を買うかといわれれば、迷わずR2でしょう。値段、性能、携帯性、考えて。
今後のR2使用の方法は、ひたすら日中の携帯機と、移動のモービル用でしょうか。

ところで、秘話解読器ですが、OFFの状態でもディレイが効いていて、お風呂場で聞いているような感じです。¥10Kの品らしいですが、たしか松本無線パーツさんの秘話解読器は¥15Kですので、どっか他の回路だと思います。ひょっとして秘話解読器もあなどっていると、本体の回路との相性がわるく受信感度、音声出力を妨げることがあるのでは...と思います。実際今の秘話解読器外したいです。offにしてても、すこしモゴモゴ言います。変に思ったので、試しにoffの状態で階調の操作をしてダイヤルを上げたり、下げたりしたのですが、これが、音声の裏にひっついた微妙なモゴモゴ音のトーンが変化しやがるんですよ、これがまた。。。な〜んか、信号洩れてるように思うんですが。

-9000を購入して2週間ほど経ちました。
そもそも、-9000購入の動機は、以下のとおりでした。
○メモリーをスキャンさせスケルチが開いた時に局名を確認できるネーム機能付がほしかったこと。
○バンドスコープにより目で見て周辺の発振状況を確認して見たかった。(AR7000みたいなやつ)
○小分けされた多くのメモリーバンクがほしかったこと。(IC-R2は40CH×8バンクで状況に応じてあらかじめメモリーを振り分けるには非常に不満があり、1バンクは常に、行き先が決まった時点で書換するバンクとして利用し、出張や旅行のたびに書き替える作業が必要。また、プライオリティー専用バンクは沢山入力しすぎると5秒ピッチで1メモリーサーチなので実用性が無くなってしまうので3〜4CHしか使っていない)
○バンクとサーチプログラムに個別にネームを振れる機能がほしかった。(IC-R2がバンクの8CHまではなんとか覚えているが、プログラムサーチ:24プログラムの方は、どこになにを設定したのか分からなくなる。<メモしておくにしても面倒>)
○自宅で固定機運用を目的として外部電源対応であること。
○固定機は高価なことと、1歳半の息子にいじくられるのが目に見えているので、ハンデー機で使用後は引出にしまえること。値段は5万円程度が限界。
以上のことを、総合的に勘案するとMVT-9000がきっちりはまってしまっているわけで、思っていた以上の機能に満足しているからです。
また、主な使用目的が消防、エアーバンドの130〜160MHzであり、この帯域では、内部発振についても実用上問題がありませんので、余計に不足を感じていないのです。
ただ、今後、別の帯域に興味が出てきた時はおそらく不満が出てくるでしょう。(ユピテルのMVTシリーズにはエアーバンド専用機が出ていますから、もともと得意な帯域なんだと思います。そこを見越して、いろいろウワサがあったものの購入に踏み切りましたから。)



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