「VFO」動作は周波数や各種設定、などの操作を行うことができる。
VFO−AからVFO−Eの5つのVFOがある。各VFOは次のように使用目的が分けられている。
VFO−A: VFO−A、B間のマニュアルサーチ
VFO−B:
VFO−C:
VFO−D: サーチからの周波数が入る
VFO−E: メモリchからの周波数が入る(スキャン時)
「VFO」キーを押すと「A」、「B」、「C」、「D」、「E」と切り替わる。
(1)数字キーによる入力
(2)ダイアルをによる回すことによっても受信周波数を変えられる。
各VFOに登録されている周波数ステップで受信周波数が上下する。
(3)サブ・ダイアルを回すことによっても受信周波数を変えられる。
サブ・ダイアルは別のステップ周波数にできる。
サブ・ダイアルの設定は次の11種類の中から選べる。
(各VFOごとやメモリchごとに別々に設定可能)
MAIN(メインダイアルと同じステップ)
×10(メインダイアルの10倍のステップ)
0.1kHz、0.5kHz、1.0kHz、5.0kHz、10.0kHz、50.0kHz、100.0kHz、500.0kHz、1000.0kHz
(1)サーチ周波数から移す。
サーチ中で受信信号が停止している時に、サーチ周波数から移す。
(2)スキャン周波数から移す。
メモリch読み出し時に、またはスキャン中で受信信号で停止時に、周波数を移す。
(3)VFOを他のVFOにコピーする。
VFO間でも周波数やVFO個別設定内容のコピーができる。
(1)オート・モード
「数字」キーで受信周波数を入力すると設定されているステップと関係なしに入力された周波数を受信可能。但し、ダイアル等の操作を行うと設定されているステップにより周波数の末尾が強制的に変わる。
(2)マニュアル・モード
「数字」キーで行うと0.001kHz〜999.999kHzまでのステップを任意に設定できる。
サブ・ダイアルを回して選べる設定は、
1Hz、10Hz、50Hz、100Hz、500Hz、1kHz、5kHz、6.25kHz、9kHz、10kHz、12.5kHz、20kHz、25kHz、30kHz、50kHz、100kHz、500kHzとなっている。
オート・モードとマニュアル・モードが設定できる。
今までのワイドFMやナローFMはAR5000ではすべてFMに統一されている。IF帯域幅の設定やオーディオ特性の設定により、きめ細かにFMを選別できる形式をとっている。
オート・モードでは自動的に設定される。
内部に組み込まれているIF(中間周波数)フィルターの帯域幅は受信モードと関係なく選ぶことができるが、IF帯域幅は受信モードと密接な関係がある。適切なIF帯域幅を選ばないと混信したり、音が割れたりする。
IF帯域幅を変更するとオート・モードがはずれ、ステップ、モード等を別途手動設定する必要がある。
| | |
FM | 220kHz | FM放送 |
FM | 110kHz | テレビの音声 |
FM | 110kHzまたは30kHz | 放送用中継、ワイヤレス・マイクなど |
FM | 15kHz | 一般業務無線、アマチュア無線、無線電話(UHF・VHFではほとんどこのモード) |
FM | 6kHz | 一部の電話など。最近だんだん増えている。 |
AM | 6kHzまたは15kHz | 中波放送、V・UHFエアーバンド |
AM | 6kHz | 短波放送 |
USB | 3kHz | アマチュア無線、HFエアーバンド、短波通信 |
LSB | 3kHz | アマチュア無線 |
CW | 3kHz、0.5kHz | 船舶通信、アマチュア無線 |
VFO、VFOサーチのスケルチ動作を便利にするための操作。
下記の設定は「VFO−A」から「VFO−E」のすべてに対して共通に動作する。
(1)ディレー時間
受信信号がレベル・スケルチ、ボイス・スケルチなどの設定を行った項目が設定値以下に信号がなってからミュート(消音)するまでの時間を設定する。
レベル・スケルチ、ボイス・スケルチの両方とも設定した場合には、どちらか一方でも設定値以下になった場合に作動する。
受信信号がなくなった場合(通常透ける値を閉じた場合)にはこの設定時間は関係なしに、すぐにミュートする。
ディレー時間の設定範囲は、OFF、0.1秒〜9.9秒。
(2)レベル・スケルチ
受信信号が設定値より強い場合に受信する機能。
信号の強さが設定値より弱くなると音声がミュートされる。
設定値は、OFF、1〜255。
(3)ボイス(オーディオ)・スケルチ
音声などの変調音がない無変調信号をミュートする機能。
音声の大きさが設定値よりも弱くなるとミュートする。
常時電波が出ていて通信を受信する場合などに便利。
音声の検出レベルを選べるこの検出レベル設定には音声などの変調信号がある信号を受信しながら設定を行う。
(AF.GAIN(音声ボリューム」の位置には影響されない)
設定値は、OFF、1〜255。
受信音質の調整を行う。自動的に設定されるが手動による設定もできる。
オーディオ特性は受信モードとIF帯域幅により設定される。
手動でモードやIF帯域幅を変えても(オート・モードが外れても)自動設定される。またオーディオ特性を手動で設定することもできるので。音質を自由に変更することができる。
オーディオ特性を変更するとオート・モードがはずれ、ステップ、モード等が設定する前の状態になる。
オーディオ特性は次の5つがある。
(1)ローパス・フィルタ
ローパス・フィルタ(ハイカット・フィルタ)はどの周波数まで音を出すのかを設定する。
ローパス・フィルタ(高音をどの周波数から切るか)のカットオフ周波数は、3.0k、4.0k、6.0k、12.0kの4種類がある。
(2)ハイパス・フィルタ
ハイパス・フィルタ(ローカット・フィルタ)はどの低域周波数から出すかの設定をする。
ハイパス・フィルタ(低音をどの周波数から切るか)のカットオフ周波数は、50Hz、200Hz、300Hz、400Hzの4種類がある。
(3)ディエンファシス
ディエンファシスはFMモード時のみ必要となる。
ディエンファシスはFM特有の回路で、FMを受信した場合に高い周波数の音で雑音が多くなる傾向があり、これを補正するための回路。
FMの送信機側で高音を強調して出し(プリエンファシスという)、受信側では逆に高音を減衰して再生することにより高音域の雑音を少なくしている。
(4)CWピッチ
電信を受信する場合の音程を合わせる。
CWピッチはCW(電信)受信時、音のピッチ(音程=周波数)をここで指定した周波数に合わせると受信周波数表示と送信されている周波数が一致する。
(5)音声入力選択
外部にデコーダーを接続した場合に使用する。
オーディオ(音声)信号の入力を選ぶ。INT(内部)とEXT(外部)の2種類がある。
プログラムなしで簡単に行うことができるサーチ機能。
(1)「VFO−A」、「VFO−B」の場合。A、B−VFO間の周波数を検索する。
(2)「VFO−C」、「VFO−D」、「VFO−E」の場合
VFOの周波数から受信可能な上限周波数(2600MHz)から下限周波数(5kHz)までのすべての周波数間を検索する。上限または下限周波数まできたら検索方向を反転する。
モード、ステップ、開始周波数は始めに表示されているVFOの受信モード、ステップ等で始まる。