その他の動作・登録 「AR5000+3」の全機能徹底紹介!





●プライオリティ・チャンネル
プライオリティ機能とは指定されたプライオリティ(優先)チャンネルを、スキャンやサーチ、各VFO、メモリch読み出しなどすべての状態において、指定されたインターバル時間間隔で受信チェックを行い、プライオリティ・チャンネルを優先的に受信する機能である。

プライオリティ・チャンネルの通信が終了したあとは 元の動作に戻る。
プライオリティー機能を使用していて、ある周波数を連続受信している場合、プライオリティchを見に行くためプツ、プツと音がする。
プライオリティ・チャンネルはメモリ1000chの中から1チャンネルだけを最優先チャンネルとして登録する。
プライオリティ・チャンネルに登録を行うと元メモリchとは別にメモリされる。(1001個目のメモリchとなる。)

インターバル時間
インターバル時間登録はプライオリティ・チャンネルをチェックする時間間隔で、その設定範囲は、1秒〜60秒


●オフセット
オフセット操作は基地局、移動局などが別々の周波数を使用しているレピーターやデュープレックス運用などの基地局、移動局側の周波数を切り替える機能である。
オート・モードで受信周波数によりオフセット(元周波数より上下いづれかに移動する周波数)周波数がが設定されている。
手動でオフセット周波数の登録、動作もできる。手動で行う場合にはオフセット方向(+または−)の指定をする。
オート・モードの場合はすべて自動で行われる。


(1)オフセット操作
オート・モードでオフセット周波数が登録されている周波数で有効。
手動の場合は、(2)オフセット周波数の書き込みで行う必要がある。
  書き込みを行ったVFOやサーチ・バンク、メモリchで有効。
スキャン・サーチ時は受信信号で停止している時に行う。

(「FUNC」+5操作)キーを押すと受信周波数が指定された周波数オフセット分移動する。
再度同じ操作を行うと元の周波数に戻る。

(2)オフセット周波数の変更、書き込み
オフセット周波数表は全部で47個ある。その中の19個が変更、書き込みができる。
28個はオート・モードで使用しているのでオフセット周波数として利用することはできるがオフセット周波数の変更、書き込みはできない。
オフセットする周波数は1000MHz未満まで可能。
メモリchや各VFOにオフセット周波数(の番号)とオフセット方向が書き込まれる。

オフセット周波数を手動で設定、登録した場合はオート・モードは解除される。


●キーロック機能
キーロックしているとダイアルや操作キーを間違って触っても受信動作が変化するのを防げる。


●AGC
AGCはAM系の信号を受信する場合に大切な回路である。受信目的によりその特性を変更できる。

・AGC回路のリリース時間の変更を行う。
リリース時間とはAM系の信号で時間により信号の強度が変化する場合(CW、SSBなど)受信が受かった瞬間にAGCを働かせ(ゲインを下げる)弱くなった時に徐々にAGCを弱める(ゲインを上げる)時間のことである。
この時間を短くするとSSBの無音時やCWの送信していない瞬間にゲインが上がるために、雑音が増えた感じになるし、長くしすぎるとなかなかゲインが上がらずに、次に出てきた弱い局が受信できないことになる。
・AGCを変更するとオート・モードがはずれ、ステップ、モード等が設定する前の状態で登録される。
・AGC OFFにするとSメーターが動かなくなる。「RF.GAIN」機能と組合わせて使用するとよい。
外部にバンドスコープを接続した場合などでは受信信号によりAGCが掛かり全体的に画面が上下するのを防げる。


リリース時間
FM
AM/LSB/
USB/CW
FAST(早い)
×
MIDDLE(普通)
×
SLOW(遅い)
×
AGC ON(MIDDLE)
×
AGC OFF
○:設定できる、×:設定できない



●アッテネータ

(1)ATT
そばで強力な電波が出ている場合、目的の電波が受信しにくい場合がある。このような場合などでATTを入れると受信状態が良くなる場合がある。
特にHF以下の周波数を大きなアンテナで受信する場合や、TVなどの送信所近くのなどの場合には10dBを選びRF AMPをOFFに設定すると(230MHz以下)効果的である。

アッテネータは次のように表示される。



●5k〜230MHz
表示
RF AMP
ATT
0dB
ON
OFF
10dB
OFF
OFF
20dB
OFF
ON



●230MHz〜1000MHz
表示
ATT
0dB
OFF
10dB
ON
RF AMPのON/OFFはできない。



●1000MHz〜2600MHz
    RF AMP、ATTのON/OFFはできない。



(2)ATT AUTO
オートを選択すると受信信号の受信強度によりATTやRF.AMPが自動選択される。

オートを選んだ時の動作
Sメーターが「9+60dB」位、以上の信号を受信した時アッテネータの数値が増える。
Sメーターが「9+40dB」位、以下の信号を受信した時アッテネータの数値が減る。
1000MHz以上では動作しない。

●RFゲイン
SSBやCWも受信の場合RFゲインにより感度を落として受信した方が雑音が少なくなり聞きやすいことがある。状況により使用すること。

RFゲインは手動で受信機のゲイン(増幅度)を調整する。
この調整ツマミはスケルチ・ツマミと共用しているので、スケルチとの同時使用はできない。
スケルチは内部で反時計方向に回しきった状態に固定される。



●アンテナ選択
周波数別にいくつかの受信アンテナがある場合にはオートによりアンテナの自動切換えができる。手動で切り替えることもできる。

受信周波数でアンテナ端子を自動選択するにはアンテナ・プログラムが必要である。
アンテナは1〜4まであるが、1番と2番のアンテナ端子のみ有効である。
3番と4番のアンテナ端子を選んだ場合は1番のアンテナ端子になる。
オプションのアンテナ切り替え器を付けた場合には1〜4本のアンテナ切り替えが有効となる。
初期値はアンテナ1となっている。

アンテナ選択番号は各メモリCHやサーチバンクに登録される。

使用場所が変わるなどで、使用するアンテナの組み合わせが変わる場合では、アンテナ番号を番号でメモリしておくと目的外のアンテナにつながることがある。このような場合は、アンテナ切り替えをオートでメモリしておき、アンテナ・プログラムの再入力で切り替えるようにしておく必要がある。


●チューニング
高周波回路の同調回路(RF.TUNE)を手動で同調をとることができる。受信状況により使用すること。

高周波回路に電子同調回路を使用している。(500kHz〜1000MHzの間)これによりAR5000では放送局、近くの無線局などの混信や感度抑圧などが大幅に軽減されている。
この電子同調電圧と周波数の関係は工場生産時点ですべて登録されている。

マニュアル・チューニングは聞きたい信号をよりよく受信したい場合、手動チューニングを行ってみること。
マニュアル・チューニングに設定した場合に、オート・モードを指定すると自動的にオート・チューニングに戻る。(すべてのオート同調データはそのバンドを256点に分けて入っている)




●環境の登録
(1)ランプ 照明
ON/OFFを選択する

(2)ビープ音
キータッチ音(ビープ音)、操作エラーなどの音量を制御できる。
0〜255の範囲で設定する。この時実際にビープ音が出る。
音量を0にするとエラー音も出なくなる。


(3)IF外部出力選択
本体後部にある「IF OUT(10.7MHz)」の出力信号を選ぶ。

10.7MHz中間周波数(IF)信号の出力は外部検波回路やバンド・モニターなどの接続を行うものである。

動作は次のようになる。
OFF:出力OFF
1  :IFフィルタの前から。
   (バンド・スコープ等に使用する)
2  :IFフィルタの後から。
   (IF帯域幅により10.7MHzのフィルタは切り替わる)
(4)RS232C
コンピュータによるリモート・モードを行う場合の通信条件を登録する。
4800/9600/19200bpsの3種類から通信速度を選ぶ。


(5)アンテナ・プログラム
アンテナ端子を受信周波数により自動的に切り替えるためのプログラムである。アンテナの選択で「AUTO」を選ぶと受信周波数により自動的にアンテナが切り替わる。

使用アンテナの接続端子番号と使用する周波数帯をAR5000にプログラムする。
一つのアンテナ端子は各々に10バンド(周波数帯域)登録できる。
登録周波数帯が重なった場合はアンテナ端子番号の若い方が有効となる。
アンテナ端子3、4はオプションのアンテナ端子番号である。オプションを使用していない場合はアンテナ端子3、4はアンテナ端子1と同じになる。
周波数は1kHz単位で設定できる。指定のない周波数帯はすべてアンテナ1になる。

(6)周波数リファレンスの選択
AR5000内部には周波数リファレンス(基準)として12.8MHzのTCXO(温度補償水晶発振器 ±2ppm)を使用している。
もしさらに正確な10MHzの基準発振器がある場合にはこの基準発振器を使用することにより、さらに正確な受信周波数精度を得ることができる。例えば、ルビジューム周波数原器などを基準とする周波数精度を持つテレビのカラー信号を利用した10MHzの基準発振器などを利用する場合に有効である。
通常市販されている水晶発振回路程度(水晶や発振回路にもよるが大体3〜20ppm程度)であればAR5000内部のTCXOの方が精度が高い。

●オプション
AR5000+3に内蔵された、または追加した付属機能。

設定内容には次の項目がある。
AFC(自動周波数制御)    :内蔵(AR5000にはない)
ノイズブランカー         :内蔵(AR5000にはない)
ディコーダー           :オプション
CTCSS(トーン・スケルチ)  :オプション
DTMF              :内蔵
トーン・エレミネータ−(空線信号):内蔵


CTCSSとトーン・エレミネータ−機能はVFOやメモリchなどに登録される。
デコーダーとDTMF機能はすべての受信状態において、1つの設定である。


(1)AFC(自動周波数制御)
高い周波数では送信機の周波数が多少変化する場合や、衛生の電波はドップラー効果のため、受信周波数が多少変化する場合があり、このような時に使用する。


(2)N.B(ノイズブランカー)
自動車、オートバイ等イグニションノイズのようなパルス性ノイズが多い時に使用する。


(3)ディコーダー
市販されている音声反転などのディコーダーを内蔵できる。


(4)CTCSS(トーン・スケルチ)
CTCSS信号の待ち受け受信や、トーン周波数の確認ができる。
トーン周波数はここでは記述を省略するが50周波数に対応している。

CTCSS受信
設定を行うと登録したCTCSS信号が送られている信号のみ受信する。
受信周波数で信号を受信してもCTCSS周波数が違うと音がでない。

CTCSSサーチ
CTCSSを使用している通信信号のCTCSS周波数を捜し表示する。
CTCSS信号を捜すのに最大15秒程度かかる場合がある。それ以下の通信時間の場合には表示されないことがある。


(5)DTMFディコーダー
DTMF信号をディコードしてLCDに表示する。
この機能を使用するとDTMF(Dual Tone Multi Frequency:電話のピッポッパッ)信号を受信するとLCDに表示する。
表示する文字は数字1〜9、ABCD、#、*の16文字すべてを表示できる。60秒表示して自動消去する。
DTMFのデコードされたデータの表示は10文字を超えるとスクロール・アップするが、スクロールされたデータは消えてしまい、また再表示もできない。RS232Cには連続して出力される。


(6)トーン・エレミネータ(空線信号)
未使用時にピーという空線信号を使用している電波を受信する場合に使用する。
この機能は実際に信号を受信している状態で調整、登録する。
スキャン時のメモリchや、サーチ・バンクにこの機能が登録されていると、受信した周波数で空線信号を感知するとその周波数はパスする。
トーン周波数は0.4kHz〜4.4kHzに対応している。(通常の空線信号は2kHz〜2.4kHz程度の周波数が用いられている)






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