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東急線を始めとする鉄道系ファンサイト

東急7700系




車両データ
編成 池上線・東急多摩川線用3両
車両性能 設計最高速度120km/h(営業上は85km/h)
加速度3.0km/h/s 減速度(常用)3.5km/h/s (非常)4.5km/h/s
集電装置 菱形パンタグラフ PT-43/PT-44/PT-44S-C
シングルアームパンタグラフ PT-7108B(7915F)
台車 軸箱守式軸箱支持空気バネ台車 TS-832(電動車) TS-835(付属車)
駆動装置 中空軸平行カルダンタワミ板継手式
主電動機 TKM-86 かご形三相誘導電動機170kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東洋・除く7915F)
IGBT-VVVFインバータ制御(東洋・7915F)
制動装置 全電気指令式電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ付)
保安装置 ATS TASC
表示装置 前面行先表示機 側面行先表示機(7912F〜7915F)

形式概要

◆冷房設置に伴うリニューアル
 東急7700系の歴史は、その前身となる旧7000系へと遡ります。1961(昭和36)年に国内初のオールステンレス車として登場した同系列は、東横線と田園都市線へ配置。特に前者では日比谷線への乗り入れ対応改造が行われ、直通運用に充てられていました。その後、1980年代には他の系列で冷房化が進む中、本系列では全車が電動車であった事から、冷房用電源を設置するスペースが捻出できないほか、クーラーの設置に伴う台車への重量増に対応できない事が原因で冷房化が行われていませんでした。また、走行機器や室内でも老朽化が進行しており、対策が迫られていました。

 それらを解決すべく、1987(昭和62)年に登場したのがこの7700系で、車体外版と骨組のみを再利用したリニューアル車です。先ず、抵抗カム軸制御の制御装置は、GTO素子のVVVFインバータ装置に交換され、台車も交換されました。屋根上には9000系と同型のクーラーが設置されましたが、日比谷線への乗り入れを考慮し、キセは両肩部が斜めに削られています。その他にも、運転台の交換によるワンハンドル化や制動方式の変更などが行われています。内装面では、化粧板や床材の貼り替えや座席の変更が行われています。なお、着席重視で座席が多く確保された(10人/4人)関係で、ドア横の立席スペースは設けられていません。前面の赤帯は従来よりも細いものとされました。

 4両14本が改造されましたが、そのうち3本は池上線に転属される事となり、3両に減車した上でワンマン運転機器(自動放送装置・車外スピーカーなど)及び側面行先表示器が設置(同時にLED化)されました。また、ワンマン運転対応車である事を明確にする為、8000系更新車と同様に黒色と赤色の帯が貼られ、通称「歌舞伎色」の意匠とされました。余剰となった中間車3両は、先頭車化改造を行い編成として組成。前面や乗務員室部で1000系の共通部品が用いられ、雰囲気が大きく変わっています。制御装置にはIGBT素子のVVVFインバータ装置を、集電装置には設置位置の関係でシングルアーム式が設置され、いずれも東急では初採用となりました。2000年の目蒲線分断により、運行範囲は東急多摩川線のみとなり、3両に減車。同時にワンマン運転機器が設置され現在に至ります。一部の編成は余剰により廃車されました。

 2007年には7000系への置き換えが発表され、2011年現在2本が運用を離脱しています。2013年4月には、ニュースサイトにて数年以内の引退が報じられており、翌年には1000系1500番台による置き換えが始まっています。

車両バリエーション

7906F
目蒲線向けに改造された通常のスタイルで、前面の赤帯は旧7000系の半分の太さとされました。
クーラーの両肩部は斜めに削られ、日比谷線への乗り入れに対応した仕様でしたが、1000系の投入により同線に乗り入れることはありませんでした。
7912F
池上線に転属されたグループで、赤と黒の特殊な配色(いわゆる歌舞伎色)とされています。側面行先表示器が設置されているほか、側面にも赤帯が貼り付けられているのがポイントです。
7910F
編成に含まれるクハ7910は、旧7000系時代のトップナンバーであるデハ7001であり、2012年に就役50周年を迎えました。池上線開通90周年を記念し、同年4月から赤帯を撤去した「クラシックスタイル」として運行に就いています。7700系のこの姿は、7901Fの登場から営業運転開始後の日が経たないうちと僅かな期間のみ見られました。
※2014年5月に運用離脱。
7915F
かつて7912Fには、IGBT-VVVFインバータの試験車としてデハ7815を連結していました。余剰となったサハ2両に先頭車化改造を行い、デハ7815を捻出し編成として組成したのがこの7915Fで、1000系と共通化された前面が大きな特徴となっています。
※2010年8月に運用離脱。

車内写真

車内の様子

9000系に準じたものとされました。ドア間の着席数は旧7000系と同様の10人掛けで、仕切り板により3人/4人/3人に区分されています。
当初は平天井としたうえで、横断流送風機の採用が検討されましたが、天井が低い為に見送りとなり8000系列と同様の見付けとされました。
車端部の様子

車端部はやはり4人掛けとなっており、優先席用である青色のモケットが採用されましたが、交換により減少傾向にあります。
短距離輸送用の線区使用を目的とした為に着席数が重視され、ドア横の立席スペースは設けられていません。
車椅子スペースの様子

改造当初は設けられませんでしたが、ワンマン運転開始に合わせ、2号車の蒲田寄り海側に設けられました。
スペースを設け、消火器を収納するスペースを新たに設置しています。

走行音

移管準備中です。

関連形式

◆リニューアル車
1000系1500番台
7600系

池上線・東急多摩川線
1000系
1000系1500番台
7000系
7600系