本文へスキップ

東急線を始めとする鉄道系ファンサイト

東急5000系




車両データ
編成 田園都市線用10両 東横線用8両
車両性能 設計最高速度120km/h(営業上は110km/h)
起動加速度3.3km/h/s 減速度(常用)3.5km/h/s (非常)4.5km/h/s
集電装置 シングルアームパンタグラフ PT-7108B/D
台車 軽量ボルスタレス空気ばね台車 TS-1019(電動車) TS-1020A(付属車)
駆動装置 KD453-A-M CFRPたわみ板継手式中実軸並行カルダン(TD継手使用)
主電動機 TKM-98/99 かご形三相誘導電動機190kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 全電気指令式電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ付)
保安装置 ATC-P CS-ATC 東武形ATS (田園都市線所属車)
ATC-P CS-ATC ATO 東武形ATS 西武形ATS/ATC (東横線所属車)
表示装置 前面行先表示機 前面種別表示機 側面行先表示機
車内液晶案内表示機(15インチ/17インチワイド・各ドアかもい部に2台配置)

形式概要

◆東急の新標準車
 東急5000系は、東武線への相互乗り入れを1年後に控えた平成14年に、在来車の8500系を置き換える目的で登場しました。東急では、この5000系を新標準車と定め、JR東日本のE231系との部品共通化によるコストダウンなど、従来の形式より大きく変化を遂げた形式となりました。先ずは先行試作車として1編成が登場。長きに亘る試運転のすえ営業に入り、データを反映させた量産車が2次車として製造されました。

 同系列の増備が進む中、平成19年初頭に東急より3つのプロジェクトが掲げられました。その中のひとつにあったのは「3年間で5000系を250両導入」でした。当時の時点では10編成が就役していたので、計画通り導入が進めば35編成となり、8500系の殆どは既に運用離脱・廃車となっていたはずです。しかし、平成19年度の導入は4本に留まり先行きが心配されましたが、平成20年度はリーマンショックの影響に伴い計画変更が行われ、当初予定の8本から3本のみの導入となりました。平成21年度は5編成が新造されましたが、甲種輸送時には側面上部のラインカラーが無い(出場直前に剥がされた可能性が高い)状態での東急線入線となりました。その後もしばらく運用に就くことは無く動向が注目されていましたが、8両編成に組み替えの上ピンクのラインカラーを貼り付け、東横線にてデビューを果たすという前代未聞の事態となりました。これにより、平成22年以降田園都市線で活躍している5000系は僅か18編成。計画の半分しか導入されない結果になりました。
 つい最近まで、東横線に転属した目的は、5050系の副都心線直通対応改造による予備分を補うものと見られていました。しかし、平成23年に5121Fが東急車輌へ甲種輸送を実施。そして副都心線直通改造を行い出場しました。平成25年以降も4編成32両が東横線で使用されており、結果的に5000系の東横線転属は9000系の置き換え促進にあったと見られています。

 話は前後しますが、去る平成16年10月3日の夕方、東武線内で運用に就いていた5104Fが幸手付近の踏切で、不幸にも事故に遭ってしまいました。自動車が踏切に突っ込み床下に接触し使用不可能となったサハ5304は、車体を新製する形で代替となりました(後に新造された5108Fに組み込み)。
 当時、東急田園都市線は首都圏でも首位となる混雑が問題となっており、解決が迫られていました。そこで東急は、代替車両にJR東日本で実績のある6ドア車を導入して、混雑の緩和に努めることとしました。平成15年2月1日〜3日に6ドア車を含めた代替車(及び5050系5154F)の甲種輸送が行われ、組み込み・試運転を行い14日から運用へ復帰しました。以降も6ドア車を含む5000系の新製は続き、平成20年5月には5101Fを除く全編成に6ドア車両が連結されました。翌年2月には5101F用の6ドア車も製造されましたが、3月には6ドア車を増結し編成あたり3両にすることを発表。結果、5101Fに6ドア車は組み込まれず、また6ドア車をねん出するため5102F及び5103Fはオール4ドア車に戻りました。
 その後平成27年に、東急では平成32年までに田園都市線においても全駅にホームドアを設置することを発表。これに関連して、6ドア車45両を4ドア車に置きかえることになりました。Shibuya Hikarie号でも実績のあるハイバックシートなどを取り入れた仕様変更車として導入し、合わせてドアかもい部TIPのデジタル化&大型(17インチワイド)化も実施。対象の編成は平成28年度内にすべて完了する見通しです。

次車別の説明

次車 製造年度 該当車 仕様
1次車 平成14年 5101F 5000系初期
2次車 平成15年 5102F〜5106F
(一部車両を除く)
サハ5418,5419
サハ5518,5519
車体寸法を一部変更
前面非常扉の形状及びワイパーを変更*
側面種別表示窓を拡大
側面ドアくつずりに傾斜を設置
側面ドアかもい部のLCDを各2台に増設*
LCDの筐体をつやありタイプに変更*
フリースペースを設置*
消火器の格納方法を変更
*印は後に1次車でも改修を実施
4次車 平成17年 5107F
(一部車両を除く)
サハ5415,5416
種別表示器をフルカラーLED、行先表示器を白色LEDに変更
冷房装置を小型化(三菱製搭載の編成)
座席を5050系同等の形状に変更
床材を5050系同等の灰色に変更
横断流送風機の吹出口をアルミ製に変更
消火器の格納方法を変更
5次車 平成18年 5108F〜5110F
(一部車両を除く)
サハ5505,5506
サハ5805,5806
妻引戸を傾斜式に変更
優先席に握り棒を設置
横断流送風機の吹出口の形状を変更
消火器筐体をステンレス製に変更
6次車 平成19年 5111F〜5114F
(一部車両を除く)
側面ドア窓を二層タイプに変更
側面ドア車内側に化粧板及びマーキングを貼付
側面ドアのくつずりに黄色のマーキングを取付
妻引戸に化粧板を貼付
車側扉開灯をLEDタイプに変更(既製車も取替)
7次車 平成20年
平成21年
5115F〜5121F
(一部車両を除く)
サハ5405〜5412
サハ5504,5804
サハ5521,5522
側面ドアのかもい下部にドア開閉予告灯を設置
補助排障器を強化型に変更
空気圧縮機をスクロール式に変更
裾仕切りを7000系同等品に変更
握り棒の形状を変更(優先席部を除く)
前面非常扉部の非常用梯子を小型化
側面ドアかもい部のLCDの筐体形状を変更
車掌スイッチを関節制御式に変更(既存車も改修)
8次車 平成20年 5122F
(一部車両を除く)
サハ5417(1),5420(1)
車体側面を全面ベルトグラインド仕上げに変更
9次車 平成22年 サハ5404 側面ドア車内側のマーキングを印刷に変更
13次車 平成27年
平成28年
サハ5412,5413,5415〜5417(2),5420(2)
サハ5512,5513,5515〜5517,5520
サハ5812,5813,5815〜5817,5820
座席をハイバック仕様に、合わせてモケットを変更
つり革を抗菌タイプ(JR東日本E233系同等品)に変更
化粧板、床材を変更
荷棚を板状に変更
裾仕切り形状を変更
妻引戸を水平式に変更

車両バリエーション

5101F
量産先行車として導入された5101Fです。
当編成は今日に至るまで、6ドア車導入による組み換えを唯一受けていない編成であり、導入当初の編成配置を現在も保持しています。
5108F
種別/行先表示器がフルカラー/白色LEDとなった、4次車以降のグループです。
5117F
7次車では、補助排障器が強化型に変更され、前面では大きな変化となりました。
因みに当編成は、6ドア車編成としては空調のメーカーと側面ドア形状が全車で一致している数少ない編成でした。
5122F
5121Fと5122Fは一時田園都市線で運用された後、東横線に転属しました。
当編成は5000系で唯一、車体側面のダルフィニッシュ処理が行われていない(中間車1両を除く)編成です。
※副都心線直通対応改造施工前

細部写真

FRP成型色の違い

2次車までは写真右側のゴールド、3次車以降はシルバーを採用しています。前者は人身事故によるFRP交換により減少傾向にあります。

6ドア車ステッカー

かねてから6ドア車運行で実績のあるJR東日本より使用許諾を得て、同デザインのステッカーを採用しています。対象編成の前面非常扉部と6ドア車ドア上に貼り付けしています(写真はクハ5005)。

13次車のつり革

13次車では車内において大きく変更が見られましたが、その一つとしてつり革にはJR東日本のE233系などで実績のある二等辺三角形の抗菌タイプを新たに採用しました。しかし、平成28年6月中旬には従来型に取り替えられています。

走行音

移管準備中です。

関連形式

◆新標準車
5050系
5050系4000番台
5080系
6000系
7000系

田園都市線
2000系
8500系
8590系

東横線
5050系
5050系4000番台