東武車両紹介

70090型

編成 7両編成(3.5M3.5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 全閉永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
スカイツリーラインと地下鉄日比谷線を結ぶ座席指定制列車(TJライナー)用の車両として、令和元年に登場しました。基本スペックは70000型と同様ですが、同系列と区別ができるよう黒色をメインとした前面や側面帯シートの意匠に違いが見られます。車内は50090型と同様にマルチシートを備えますが、座席形状は1人ずつ独立したものとされたほか、中央には細めながら可動式のアームレストが備えられブラッシュアップが図られています。令和2年までに6本が増備され、THライナーのほか運行が無い時間帯は70000型と共通で営業に就いています。近畿車輛製。

編成表

70000型

編成 7両編成(3.5M3.5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 全閉永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
将来的なホームドア設置を見越した日比谷線直通車両の大型化に向けて平成29年に登場しました。コストダウンの観点から東京メトロ13000系との共通設計が組まれ、その関係もあり東武初の近畿車輛製、三菱製の制御装置、操舵台車など初物尽くしとなりました。外観のカラーリングは、在来車のマルーンを昇華させたイノベーションレッドとピュアブラックにより組み合わせられ、強いインパクトを与えています。戸閉装置は50000系以降お馴染みの電気式を採用しており、静かな開閉動作に定評があります。令和2年までに18本が増備され、専ら日比谷線直通運用に徹しています。

編成表

60000系

編成 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.23km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 全閉三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
専ら他線区からの転入車両により運行されていた野田線待望の新型車両として、平成25年に登場しました。50000系をベースに設計していますが、外観には東京スカイツリー開業を機に東武グループのメインカラーとして用いられたフューチャーブルーをベースに、また側面戸袋部には視認性に優れるブライトグリーンを配し、新制東武に相応しい意匠とされました。前照灯や室内灯には東武初となるLEDタイプが用いられたほか、袖仕切りの形状を本系列のオリジナルに変更。更に側引戸かもい部には、LCD式車内案内表示器を設置し案内表示の充実化を図りました。平成27年度までに当初計画の18本が出そろい、8000系の全てを置き換えるには至っておりませんが、東武アーバンパークラインの主力として活躍。令和6年度以降、80000系の導入に併せて順次5連化される見通しです。日立製作所製。

編成表

50090型

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
関東において、座って帰れる電車ブームの火付け役となった車両で平成20年に登場しました。座席指定制列車であるTJライナー以外での運用も考慮し、近鉄のL/Cカーで名高いマルチシートを用いることで、詰め込みに有利なロングシートでの運用も行えるようにしました。実際に平日の朝ラッシュでも上り電車を含めロングシートの運用が見られるほか、クロスシートの設備を生かして土休日に川越特急として運用するなど、マルチな活躍が見られます。令和4年以降、51094編成と51095編成において70090型同等のマルチシートに換装されており、今後他の編成にも波及するか注目です。日立製作所製。

編成表

50070型

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
平成19年に登場した、いわば50050型の副都心線直通仕様です。当時設置が進んでいた副都心線のホームドアの開口に合わせるため、他系列では客室部を後退させて乗務員室を拡大している分、先頭車全長を200mm延長しているのが大きな特徴で、車端部の側窓の位置においてその特徴が見て取れます。9000系の更新車に合わせて種別・行先表示器はフルカラーLED式とされました。51076編成以降では、これまでのLED式に代わってLCD式車内案内表示器を新たに採用するとともに、すべての側引き戸かもい部に設置。既存車においても令和元年以降設置が進められ、令和5年に全編成で完了しました。日立製作所製。

編成表

50050型

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
50000系列の最大勢力を誇るグループで、平成17年に登場し18本が在籍します。かねてより東武では半直運用に向けて30000系を製造していましたが、6+4両の分割編成ゆえに中間運転台によりデッドスペースが発生し、田園都市線の朝ラッシュに支障をきたしていたことから同系列により早々に置き換えられることとなった背景があるといわれています。前面に非常扉を設置し、旧東急新玉川線の建築限界に合わせて車体幅を若干縮小させたほかは50000型に準じており、順次30000系を地上運用に転用させました。後期の製造分では腰掛のクッションや側引戸両端の手すりが改良され、換気対策としてドア間の側窓は1枚降下窓に変更されました。日立製作所製。

編成表

50000型

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
人と環境にやさしい次世代車両をコンセプトとした東武の標準車両として、平成16年に登場しました。通勤・近郊電車の標準仕様ガイドラインに適合する日立製作所考案のA-trainに基づき、10000系以来続いたステンレス車体からアルミ車体へ切り替え、そこにシャイニーオレンジと呼ばれる斬新な配色を用いることで、次世代車両として相応しい装いとしています。またA-trainの思想として取り入れられたのか、号車表示をLED表示器に内包させることで車内外の表記類を最小限に抑える挑戦的な試みも見られます。
51002編成以降は50050型同等の車体により製造され、前面には非常扉が設けられたほか、車体幅は若干縮小しています。長らく東上線の地上運用で完結していましたが、令和2年から翌年にかけて30000系の追加転入に伴い2本が本線に転属し、半直運用のデビューを飾っています。

編成表

30000系

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:99=7.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 190kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
10000系の後継車両として、また地下鉄半蔵門線・東急田園都市線への乗入れをにらみ平成9年に登場しました。外観は東武らしさを残しつつも、IGBT-VVVFインバータ制御やワンハンドルマスコンの運転台など新機軸を積極的に取り入れ、中でも大型の側面行先表示器は目を引く存在です。
当時の整備上における制約や地上運用での使用を加味して6+4両の分割編成として製造されましたが、中間に入る乗務員室の存在が田園都市線内のラッシュ捌きにおいて障壁となったのか、本来の使命ともいえる半直通用は平成18年に営業運転を開始した50050型により早々に置き換えられることとなりました。ATC装置やIRアンテナなどといった機器を50050型に移設しながら地上運用への転属が進みましたが、平成23年には8000系が残っていた東上線への置き換えに回ることに。転属にあたっては分割を考慮しない10両固定の編成が組まれ、乗務員室こそは残るものの中間運転台は撤去のうえ、サハを名乗るようになりました。最後まで残った第9編成も令和3年に本線での営業を離脱し、18年余りの半直運用の歴史に幕を閉じました。東急、アルナ、富士重工製。

編成表

20070型(引退)

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:87=6.21
主電動機 三相かご型誘導電動機 150kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
北千住駅改良工事の完成および草加~越谷間の高架複々線化に伴う日比谷線直通運用の輸送力増強に向け、平成8年に登場しました。再び全車3ドア車に回帰したほか、結露防止を目的に側引戸窓を複層ガラス化し、側引戸かもい部にはLED式車内案内表示器を千鳥配置にて設置。安全対策として転落防止ほろを設置し、更に東武初となるシングルアーム式パンタグラフを採用したのが主な相違点となります。後継となる70000系の導入により20000系では平成29年より先陣を切って置き換えが進行し、翌年までに営業から離脱。ローカル線向けに20410型に、また20000型の先頭車と組み合わせた20420型にそれぞれ改造され、本系列としては廃系列となりました。

20050型(引退)

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:87=6.21
主電動機 三相かご型誘導電動機 150kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
20000型のマイナーチェンジ車両で、乗降時間の短縮を狙った5ドアと東武初のVVVFインバータ制御およびLED式行先表示器を採用し、平成4年に登場しました。車内においても化粧版を白色に、座席モケットおよび床敷物はそれぞれ茶系に改められ、車いすスペースも設置しています。また、登場時は5ドア車の側引戸かもい部(6か所)に、当時としては先進的なLCD式車内案内表示器およびドアチャイムを装備していましたが、平成11年に撤去されています。後継となる70000系の導入により、20000型とともに令和2年に営業から離脱。本系列としては廃系列となりましたが、ローカル線向けに20430型に改造されたほか、中間車2両と20000型の先頭車と組み合わせ20440型に改造。いずれも走り装置は更新せずそのまま使用しています。

20000型(引退)

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:87=5.44
主電動機 直流複巻電動機 140kW
制御装置 AFE式チョッパ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
日比谷線直通運用にて使用した2000系の老朽化に伴う代替にあたり、昭和63年に登場しました。前頭部は併結を想定しない前提から非常扉を向かって左側に寄せ、前面窓をワイドにとる新たなデザインが施され、フレッシュなイメージを与えています。また、側面においても従来のコルゲート板から梨地仕上げのビードプレスに改められ、スタイリッシュな外観を実現しました。後継となる70000系の導入により平成29年に2本が編成単位で廃車されましたが、残りの先頭車は順次20420型・20440型に更新。本系列としては令和2年に営業を終了し、廃系列となりました。

10030型

編成 10両編成(5M5T、6M4T)、6両編成(3M3T)
4両編成(2M2T)、2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:87=5.44
主電動機 ●直流複巻電動機 140kW
☆三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 ●界磁チョッパ制御(日立)
☆IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
20000型の改良点を取り入れた10000型のマイナーチェンジ車で、3000系の置き換え用に昭和63年に登場しました。前頭部は6050型に類似した額縁スタイルのFRP製とし、車体側面は腰部も含めビードプレスを採用し、全面をダルフィニッシュ仕上げとすることでスタイリッシュな外観に一新しました。車内では1人辺りの着席幅を450mmに拡大したほか、側引戸や貫通扉を化粧板張りとして明るい雰囲気でまとめられています。平成4年度以降は10050番台に移行しており、クーラーカバーを連続化させた一体型に変更。車内には車いすスペースを設ける改良がなされました。平成23年よりリニューアル工事が10連と4連のおよそ半数に対して行なわれており(令和5年時点)、とりわけ前者では6連+4連も組ませ、30000系同様に中間運転台を撤去する固定編成としています。また10連の一部においては、走り装置の部品取りの名目で50000系に準じたIGBT-VVVFインバータ化がなされました。令和5年に、本線系統の未更新編成において廃車が始まりましたが、2連においてはリニューアル工事を行い、8000系2連を順次置き換えています。アルナ、東急、富士重工製。

編成表

10000型

編成 10両編成(6M4T)、8両編成(4M4T)
6両編成(3M3T)、2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:87=5.44
主電動機 直流複巻電動機 140kW
制御装置 界磁チョッパ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
長きにわたり増備された8000系に次ぐ地上専用車として、昭和58年に登場しました。9000系に続いてオールステンレス車体としたことでランニングコストの低廉を図ったほか、新たに抑速・回生ブレーキ付きの界磁チョッパ制御を採用することで省電力化にも寄与しました。前頭部はデザイン性を優先してその輪部をFRP製としていますが、大部分にはステンレス板を用いることで違和感のない見つけとしています。一方で、台車は8000系同等品とすることで整備性にも配慮しました。平成19年より6連に対してリニューアル工事が行なわれ、当時の最新鋭である50070型に準じた車内アコモデーションにするとともに行先表示器のフルカラーLED化、シングルアームパンタ化もなされ(写真)、平成22年に完了しました。なおこのリニューアル編成においては、令和5年より廃車が発生しています。東急、アルナ、富士重工製。

編成表

9050型

編成 10両編成(6M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:87=6.21
主電動機 三相かご型誘導電動機 150kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
9000型のうち、輸送力増強として平成6年に製造された2本はマイナーチェンジ車として9050型に区分されました。ビードプレスとされた外板は9108編成から引き継いだものですが、制御装置は新たに20050型同等品の東洋製GTO-VVVFインバータ制御が用いられました。そのほか、側引戸の天地寸法を30mm拡大し、側窓の降下方式を変更するなどといった細かい面での改良がなされています。9000型同様に地下鉄副都心線乗り入れ対応工事と車内のリニューアルが行われ、共通に運用されています。東急、アルナ製。

編成表

9000型

編成 10両編成(6M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:87=5.44
主電動機 直流複巻電動機 150kW
制御装置 AFE式チョッパ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
地下鉄有楽町線への乗り入れ車両として、東上線に昭和56年に登場しました。大量増備が続いた8000系以来18年振りの新系列ということもあり、当時の新機軸を数多く取り入れました。ステンレス車体の外板にはコルゲート板が目立ちますが、ステンレス車製造が初であったアルナ工機および富士重工業に配慮し、東急8090系で既に実用化されていたビードプレス方式は敢えて用いなかった背景があります。平成18年より地下鉄副都心線への乗り入れ対応工事を行うとともに車内リニューアルを実施。50070型に準じた配色が取り入れられました。外観面でもスカートの設置や前照灯のHID化、行先表示器のフルカラーLED化、シングルアームパンタグラフへの交換が行われました。対する9101編成は他編成とドア位置が異なることから副都心線内のホームドアの開口部に適合できず、工事は見送られています。その後、地下鉄有楽町線内でもホームドアの設置工事が始まると、同編成は地上専用車として転身、引き続きリニューアル前の姿を残して活躍しました(写真、令和5年に廃車)。アルナ、東急、富士重工製。

編成表

8000型・800型・850型

編成 6両編成(4M2T)
3両編成(2M1T)、2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.23km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直流直巻電動機 130kW
制御装置 抵抗制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ
私鉄の103系の異名を持つ本系列は昭和38年に登場し、旧型車両の置き換えと沿線人口の増加に合わせた増備により計712両を製造。国鉄およびJRを除く電車の系列としては今日でも最多の製造記録を誇ります。ローカル線向けの2連から10連まで柔軟な組成が可能で、鬼怒川線、東武スカイツリーラインの押上~曳舟間と、かつて存在した非電化路線の熊谷線を除く全線で活躍しました。昭和61年から車体修繕と称したリニューアルが行われ、より近代的な6050型に準じた前面への改造(一部車両を除く)が特筆されます。修繕の内容はとりわけJR西日本や京急の更新工事に大きな影響を与え、車両リニューアルの走りとされました。3連は当初のバリエーションとしては存在していませんでしたが、8連のローカル線転用に当たり前後の6両を改造することで誕生しました。種車の違いにより800型と850型に分類され、遠目でもパンタグラフの位置の違いで判別可能です。今日でも東武アーバンパークラインでは6連をつなぎ最高速度100km/hでの活躍が見られるほか、伊勢崎線系統の館林以北と亀戸線、大師線、東上線の小川町以西、越生線で運用されていますが、東武アーバンパークラインおよび伊勢崎線の舘林以北においては車両置き換えに伴い令和5年以降、順次廃車が発生しています。がアルナ(←ナニワ)、東急、富士重工、日車製が現存。

編成表

6050型(引退)

編成 2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:1.65km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直流直巻整流子電動機 130kW
制御装置 抵抗制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
日光線で活躍した6000系の更新車で、野岩鉄道の開業に合わせて昭和61年に登場しました。クロスシートを基本とする2ドア車両である点は種車から変わりませんが、前面は当時の流行である額縁スタイルとされたことをはじめ、冷房の新設や側引戸の両開き化、1枚降下式の側窓とするなどもはや別形式といっても過言ではないメニューが施されました。後に増備用として新造した車両も登場し、いずれも急勾配や寒冷地の降雪対応として、抑速抑圧ブレーキ、砂撒き装置を備えています。
長きにわたり、野岩鉄道を経由し会津定道へ乗り入れる浅草~会津田島間の快速や区間快速で活躍しましたが、平成29年のダイヤ改正で浅草口から撤退。南栗橋以北の運用にシフトされました。更に老朽化も影響し、令和4年のダイヤ改正に併せて東武車が相次いで営業を離脱したほか、自社線内の運用区間も鬼怒川温泉~新藤原のみ(野岩鉄道車により運行)となり実質的な引退を迎えました。アルナ、東急、富士重工製。