横浜市営地下鉄車両紹介

10000形

編成 6両編成(6M)、4両編成(4M)
車両性能 設計最高速度:80km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
(駆動装置) 地上一次制御式リニアモータ
主電動機 車上一次片側式三相リニア誘導電動機 135kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
日本で6番目のリニア地下鉄となるグリーンラインの開業に向けて登場した系列で、平成18年に試験走行を兼ねて量産先行車2本が導入されました。試験結果を踏まえ、また同線の建設が進んだことから翌7月より量産車13本を順次導入。一部設計変更がなされ、量産先行車とは先頭車尾灯の取り付け位置や、乗務員扉直後の吸気口の有無に差異が見られます。外装及び内装のデザインは「近未来都市横浜にふさわしいデザイン」をコンセプトに、全車両の製造を担当する川崎重工の提案デザインから交通局内のアンケート調査によって選ばれたもので、前面は黒色を基調としていますが、1000形より受け継がれてきた前面形状のくの字は本系列でも維持しています。
平成26年には増備車となる2次車2本が増備され、行先表示器のフルカラーLED化やLED照明の採用など、ソフト面における改良が数多く施されました。後に1次車でも電気品の更新に合わせて、行先表示器のフルカラーLED化や車内案内表示器の交換を実施しています。なお同線は建設時より将来的な6連化の構想があり、令和4年より欠車となっている3・4号車の組み込みが始まりました。川崎重工製。

編成表

4000形

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:90km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 SBD-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
3000A形の代替に向けて令和3年に登場しました。1000形以来、横浜市営地下鉄の伝統だった前頭部のくの字は左右方向へのデザインとされ、車両を見る角度によって異なる表情を与えています。それも手伝ってか、当初は行政目録等に3000V形2次車として記載されながらも、実際には4000形に改められブルーラインとして29年振りの新系列となりました。日車式ブロック工法でない車体も久々となり、特に側引戸周辺の造りはOsaka Metro30000系に類似しています。令和6年までに3000A形と同数の8本が導入されています。川崎車両製。

編成表

3000V形

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:90km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 SBD-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
3000A形の更新に伴う編成数の減少を補うため、更新に先行して平成29年に1本が登場しました。3000形の5次車として5はローマ数字でVと表記できるため、3000V形と呼称されます。3000R形以来の車体をベースとしていますが、前面の灯具部はスピード感のあるデザインが採用され、側面吹き寄せ部にはヨットの帆をモチーフにした装飾が取り入れられました。機器面においても3000S形以来の技術革新が取り入れられましたが、発注のタイミングや競争性が相まった結果、約24億5千万円もの高額車両となりました。日本車輌製。

編成表

3000S形

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:90km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
SBD-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
ブルーラインのワンマン化に向け、更新を行うことなく廃車する方向となった2000形の置き換え用として、平成17年に登場しました。3000R形をベースとしていますが、台車や連結器、補助電源装置、制動装置など多くの機器類を2000形から流用することでイニシャルコストの低減に努めています。そのためか、走行時はモーター音が響くなど2000形の面影を感じることが出来ます。外観のカラーリングは水色を基調としており、他系列と比べ異彩を放っています。平成31年以降、3000R形同様に制御装置や行先表示器など電気品の更新に加え、車内案内表示器のLCD化が行なわれています。
2000形より1本少ない8本が製造されましたが、第53編成が横取り装置への乗り上げによる脱線事故のため令和2年に廃車、また第57編成が車両故障に伴い令和6年に廃車されており、6本が現存します。本系列は台車などを流用した関係で足回りは老朽化が進行しており、令和12年度までをメドに4000形により置き換える方向性が示されました。日本車輌製。

編成表

3000R形

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:90km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
SBD-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
3000形の最大勢力を誇るグループで、平成16年に登場しました。導入から30年が経過し老朽化していた1000形の代替として、取り換えを意味する"replace"の頭文字を採って3000R形と呼称されます。日本車輌製ゆえか日車式ブロック工法が取り入れられ、ビードや合わせ目の無いスッキリとした側面が特徴です。足回りは3000N形のそれを踏襲しており、新造経費の削減に貢献しました。また、「人と環境にやさしい電車」をテーマに、全車両の車椅子スペース設置や車高を10mm下げホームとの段差を小さくするなどのバリアフリー施策が施されています。 平成29年以降、制御装置や行先表示器など電気品の更新に加え、車内案内表示器のLCD化が行なわれています。1000形と同数の14本が製造され、ブルーライン随一の勢力を誇ります。

編成表

3000N形

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:90km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
ブルーラインの湘南台延伸に伴う輸送力増強を目的に平成11年に登場しました。前頭部の灯具周りは3000A形の面影を残しながらも、保守性の向上とイメージの刷新を目的に2000形までの角張ったスタイルが復活。登場時は3000A形のモデルチェンジ車としての位置づけでしたが、ワンマン運転対応改造後は3000N形と名乗るようになりました。IGBT-VVVFインバータ制御や戸閉力弱め機構といった新機軸が取り入れられたほか、側面幕板部のビードが廃され見栄えが向上しました。車内においては、側引戸間の座席を従来の7人掛けから6人掛けに改めるとともに、1人当たりの着席幅は3000A形より40mm広い460mmとされました。また、遮光ガラスとすることで側窓のカーテンを省略しています。
令和5年より、制御装置や行先表示器などといった電気品の更新が始まりましたが、現時点では車内案内表示器のLCD化はなさてれいません。それを裏付けるかのように、令和12年度までをメドに4000形による置換える方向性が示されました。
3000A形に続き、地元横浜の東急車輛で7本が製造されましたが、そのうち第38編成が踊場駅引き込み線での衝突事故により、令和2年に廃車され6本が現存します。

編成表

3000A形

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:90km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
ブルーラインの横浜~新横浜間の延伸開業による運用増加に合わせ、平成4年に登場しました。横市交初のVVVFインバータ制御車で、外観は側引戸部のゼブラ塗装をとりやめ青と水色の帯を採用し、従来車とは一線を画するスマートな見付とされました。前面オオイ部はFRPを採用し、丸みを持たせたさわやかで親しみのあるデザインとされています。車内では、1000形の更新によって登場した先頭車のボックスシートを引継ぎ装備。車内照明の蛍光灯には、関東の通勤型車両では珍しくグローブが取り付けられています(他社では京急2000形及び2100形の車内未更新車が該当しました)。
登場からしばらくの間は3000形を名乗っていましたが、ワンマン運転対応改造を機に3000A形と呼称されるようになりました。公式の発表はありませんが、サイコロやトランプで1を意味し、転じて最初の意味とも取れる英単語"ace"から来ているものと考えられます。平成20年には前面のはまりんステッカーが青地付きの長方形から、市営バスで見られる縁取りされたタイプに交換され、前頭部の見た目が変化しています。
8本が導入されており、内3本は平成30年度までに更新工事が行われる予定でしたが、経費削減のため全編成を新車への置き換えにシフトすることとなり、令和4年より廃車が進められています。東急車輛製。

編成表