東急1000系1500番台

系列概要

問診

久々のリニューアル車

かつて東横線では地下鉄日比谷線と相互乗り入れを行っており、乗り入れ用車両に1000系を用いて運用していました。平成25年の副都心線との相互乗り入れ開始に伴い、日比谷線との相互乗り入れが取りやめとなったことで営業に就いていたそれらは余剰となり、編成単位で元住吉検車区にて留置されました。
一方の池上線・東急多摩川線では、改造から20年が経過した7700系や7600系の置き換えとして7000系の導入が決まっていましたが、増備は道半ばで一時凍結状態に。多くのそれらが継続して使用される状態が続きましたが、今回余剰となった1000系をリニューアルさせたのがこの東急1000系1500番台で、在来車のリユースによる車両新造費の削減と7700系・7600系の置き換え促進を目指して平成26年に登場しました。東急では平成11年の3000系以来、在来車の改造から新型車両の直接投入へシフトしてきたこともあり、この手のリニューアル車は昭和62年の7700系以来となります。

少々話は前後しますが、平成25年1月に1003Fが、続いて1001F、1004Fと総合車両製作所横浜事業所に甲種輸送され、翌年2月に先頭車を含む3両が転用改造を終え再び長津田へ甲種輸送されました。制御装置は7000系の同等品とされましたが、主電動機や駆動装置は流用したため、速度が増すと1000系らしい走行音が響いてきます。車内の配色も7000系に準じたものとされたほか、車体の帯シートは1000系のスタイルを基に7000系で用いられた3色を取り入れ、戸袋部にはアクセントとして三日月形の帯が張られているのがポイントです。なお、東横線時代のATC装置は撤去されており、検査時など回送の際にはTOQ iとの併結が必要となります。

1000N'系の改造と今後

登場当初、改造計画には未確定な部分があるとのことでしたが、結果的には元日比谷線直通各編成の両先頭車と中間車1両は全て改造され、7編成が出そろいました。
その後は1000N'系に移行し、平成28年には1024Fが、令和2年には1023Fが本系列としてそれぞれ改造を受けましたが、車齢が近い9000系の置換えが発表されていること、また令和5年になって、1000系のまま残る各編成において車内LED案内装置の稼働が始まったことを踏まえると、今後長期的には新型車両により1000系を置き換えていく可能性があります。

車両データ

編成 池上線・東急多摩川線用3連(2M1T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用最大)、4.5km/h/s(非常)
台車 ボルスタレス空気ばね台車
TS-1006(電動車)
TS-1007(付属車)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 三相かご形誘導電動機 130kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
保安装置 東急ATS
表示装置 前面行先表示器、前面種別表示器、側面行先表示器
車内LED式案内表示器(各車両4台配置)
次車 改造年度 該当車 仕様
1次車 平成25年
平成26年
1501F、1503F、1504F 1000系1500番台初期
2次車 平成26年
平成27年
1502F、1505F、1507F、1508F 運転台受話器の設置位置を変更
3次車 平成28年 1524F 電動車ユニットを2、3号車に変更(種車を踏襲)
全車両にフリースペースを設置
妻部に防犯カメラを設置
床敷物の材質を変更し、側引戸付近の滑り止めを省略
4次車 令和2年 1523F 3次車と同様

編成表

旧1000系(狭義)の3両編成(平成26年4月~)
旧1000N'系の3両編成(平成28年12月~)

バリエーション

●池上線・東急多摩川線所属 1501F
登場直後の姿で、前照灯がシールドビームである点が現在との相違点です。当編成は補助排障器が早期から設置されていたため、9000系や2000系との同一品を備えます。

車内

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