Osaka Metro車両紹介

31系(30000系)

編成 御堂筋線 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:99=6.19
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
老朽化した10系の置き換えに向け、平成23年に登場しました。先に登場した32系をベースとしていますが、側引戸かもい部のLCD式車内案内表示器が三菱電機製に変更されるなど、旅客面での改良が施されました。平成28年増備の第04編成以降では21系から引き継いでいた車内を刷新し、新幹線グリーン車座席の構造を応用した改良型ロングシートが採用されたほか、暗い箇所を無くし安心感を高める取り組みとして、座席下には足元照明が新たに導入されなど話題に。また室内灯は、季節や時間帯により5色に調光・調色できるLED製とされました。併せて、制御装置は日立製に変更されました。令和4年までに22本が増備され、10系のみならず10A系も淘汰し御堂筋線の主力として活躍しています。川崎、近車製。

編成表


21系

編成 御堂筋線 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.36
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
30系の置き換えによる御堂筋線の冷房化を目的に、平成3年に登場しました。第13編成までは当初9連で登場しましたが、後に4号車に付随車を増結。両車で側引戸窓の支持方法が異なることから、比較的容易に区別ができます。ピーク時2分30秒間隔となる高密度運転に対応できるよう、起動加速度は新20系の中でも高めに設定されています。平成24年から令和3年にかけて中間更新と称したリニューアルが行われ、主制御装置のIGBT-VVVF化をはじめ、車内案内表示器のLCD化などが行われました。初期の更新車では床敷物にラインカラーの赤色を、側引戸には新緑のイチョウをイメージした緑色を取り入れましたが、それぞれサラミとレタスのような色と後ろ向きな評価が多かったことを受け、平成30年度以降は素材感を生かした上質さをモチーフにグレー系の床敷物と木目調の側引戸としました。このほか、車内案内表示器のLCD化のみを行なった編成や、LED式車内案内表示器およびマップ式路線図が存置された編成も存在し、計5パターンにも及びます。本数の多い順に日車、東急、近車製に加え、増結付随車に川重製が存在。

編成表

10A系(引退)

編成 御堂筋線 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:99=6.16
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
谷町線における急行運転を想定して、昭和48年に登場した初代20系を源流とする系列です。結果的には局内での反対により急行運転は実現しませんでしたが、本系列で採用された電機子チョッパ制御がトンネル内の温度上昇を抑止できるとして脚光を浴びることとなり、運転密度の高い御堂筋線に活躍の場を移し、昭和54年より量産車が登場しました。
10A系はこの10系のうち、主制御装置をIGBT-VVVFインバータ化した車両で、後期に製造された第17編成~第26編成を対象に平成19年から平成23年にかけて改造が進められました。31系の増備により令和元年より置き換えがおこなわれ、令和4年に惜しまれながら引退を迎えました。

32系(30000系)

編成 谷町線 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:99=6.19
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
30系の置き換えに向けて平成21年に登場しました。新20系以来19年振りとなるモデルチェンジ車で、それをベースに80系で採用された技術革新が取り入れられました。前頭部は丸みを帯びたやわらかなデザインが取り入れられましたが、FRPではなく引き続きステンレス打ち出しにより製作されているほか、車体側面ではレーザ溶接の採用でせぎりの無いフラットな外観を実現しています。車内では腰掛の1人あたりの着席幅が470mmに拡大されたほか、LCD式の車内案内表示器を初めて採用し、側引戸かもい部に千鳥配置で設置しました。これは谷町線沿線に本社のある交通電業社製で、黄緑色を背景とした他では見られない独特なフォーマットを持っています。平成25年まで増備が続き30系を一掃し、13本が存在します。近畿車輛製。

編成表

22系

編成 谷町線 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.36
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(日立、三菱、東芝)
IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
新20系の第一陣として、四つ橋線向けの23系と時を同じくして平成2年に登場しました。現在は、元OTS系の2本と元24系の全11本も本系列に編入され活躍しています。平成23年から中間更新と称したリニューアルが行われ、主制御装置のIGBT-VVVF化をはじめ、車内案内表示器のLCD化などが行われています。しかし年1本程度のスローペースとなっており、24系の全編成転入前で見ても8本が未更新のまま残っていました。この未更新編成においては、令和5年より廃車が始まっています。日立、東急、アルナ、近車、川重、日車製が現存。

編成表

23系

編成 四つ橋線 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.36
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱)
IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
30系の置き換えに向けて平成2年に登場しました。置き換えが完了した平成8年以来、四つ橋線で活躍する唯一の系列です。22系と同様、初期車と量産車(写真)で前面車番の大きさが異なっています。平成24年から中間更新と称したリニューアルが行われ、主制御装置のIGBT-VVVF化をはじめ、車内案内表示器のLCD化などが行われています。しかしスローペースなこともあり、未更新編成においては22系とともに、他の新20系列では既に消滅したGTO-VVVFによる迫力ある走行音が楽しめる希少な系列です。日車、日車、川重、東急製が現存。

編成表


30000A系

編成 中央線 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:99=6.19
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
令和7年に開催予定の大阪・関西万博の会場最寄り駅が中央線延伸予定の夢洲であることから、万博開催期間中の輸送力増強に向けて令和4年に登場。Osaka Metroへの民営化後、初の新形式です。直近に製造された31系をベースとしていますが、内外装にはスパークルドットと呼ばれる水玉模様を配しているほか、流動性の更なる改善を狙ってか側引戸間の座席はすべて5人掛けとされ、側引戸横に余裕のあるスペースが確保されています。翌年までに10本が出そろい、400系に先んじて老朽化した20系を置き換えています。近畿車輛製。

編成表

24系(消滅)

編成 中央線 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:95km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.36
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
既に中央線に導入されていた20系のモデルチェンジ車として、平成3年に登場しました。11本が製造されましたが、これは新20系の中では少数派となっています。平成26年から平成28年にかけて中間更新と称したリニューアルが行われ、主制御装置のIGBT-VVVF化をはじめ、車内案内表示器のLCD化などが行われました。後期の更新車では床敷物にラインカラーをモチーフとした青緑色を、側引戸と袖仕切には魚のイラストと水玉模様を取り入れた化粧板がそれぞれ採用され、海遊館へのアクセス路線としての雰囲気を醸成しました。近鉄けいはんな線開業に際して20系を谷町線とトレードした関係で本系列は5本の陣営となったのち、新型車両の導入により谷町線(うち1本は古巣の四つ橋線)への転出が進み、令和5年に消滅しました。東急、日車、日立、アルナ、川重製。

20系(引退)

編成 中央線 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:95km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.36
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
老朽化が進んだ50系や30系といった抵抗制御車の置き換えに向け、昭和59年に登場しました。制御装置には、かねてより開発を行っていたVVVFインバータ制御を国内で初採用(路面電車を除く)した記念すべき系列です。車体は10系を継承したアルミ合金製で、同様に側窓は2段式といささか古風な雰囲気を残します。しかし前頭部では、窓周りを黒塗りとすることで全体で一体感を持たせる当時の流行が取り入れられました。
側面行先表示器は平成14年以降後天的に設置されたもので、時を同じくしてLED式車内案内表示器も設置されました。また、平成18年の近鉄けいはんな線の開業を機に主制御装置をIGBT-VVVF化。同線で行われるワンマン運転設備も搭載され、このタイミングで谷町線所属車もすべて中央線に転属しています。第01編成が平成26年に引退したほかは全編成が現存していましたが、30000A系や400系の導入により令和4年より本格的な置き換えが進行し、令和6年に惜しまれながら引退しました。日立、川重、東急、近車製。

25系

編成 千日前線 4両編成(2M2T)
車両性能 設計最高速度:70km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.36
主電動機 三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
開業以来、他線区で使用された車両での運用が続いた千日前線待望の新型車として、平成3年に登場しました。新20系では他系列に先んじて平成20年より更新工事が行われ、外装デザインの変更や制御装置のIGBT-VVVF化のほか、側引戸かもい部へのLED式車内案内表示器を千鳥配置で設置しました。しかし更新時期が早かったこともあり、他系列のリニューアルで見られる内装デザインの変更はおこなわれず、座席モケットおよび床敷物の変更に留まっています。東急製のほか、地元の近車製、アルナ製が存在します。

編成表

66系

編成 堺筋線 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比17:98=5.76
主電動機 三相かご型誘導電動機 180kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝、三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
冷房化で先行していた阪急に対し、非冷房車となっていた60系の置き換えに向けて平成2年に登場しました。新20系列では前頭部を含めステンレス製とされましたが、本系列ではデザイン性を重視した関係かFRP製の前面オオイが用いられました。やはり前照灯は前面上部の中央、標識灯は下部の両端に配しており阪急車に寄せたスタイルとされています。非冷房車の淘汰が完了すると一旦増備はストップしますが、60系冷房車も置き換えることとなり平成14年に増備が再開。主制御装置はIGBT-VVVFとされたほか、前照灯周辺の部分がガラス張りとなり、洗練された見付となりました。第12編成までにおいては令和5年までに中間更新を受け、主制御装置のIGBT-VVVF化をはじめ、車外表示器がフルカラーLED製に換装されたのが大きなポイントです。また、前頭部には新たに補助排障器を装備しています(写真)。堺筋線のほか、阪急千里線と京都本線の高槻市まで乗り入れます。川重、近車製。

編成表

70系

編成 長堀鶴見緑地線 4両編成(4M)
車両性能 設計最高速度:80km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
(駆動装置) 地上一次制御式リニアモータ
主電動機 三相かご型誘導電動機 100kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
現在の長堀鶴見緑地線の開業時から活躍する系列で、昭和63年に試作車が登場しました。国内初のリニアモータ地下鉄ということもあり、南港地区に設けられた試験線での調整が続けられ、平成2年に量産車が登場し路線の開業に至ります。車内空間を最大限に確保するため、車体は床上1,400mmまで垂直とし、そこから上は内側に折り曲げる設計とされ、その関係で側引戸窓も途中で折り曲げられているのが他にはない特徴となっています。シングルアーム式パンタグラフの採用も本系列が国内初で、平成3年にローレル賞を受賞しました。平成23年から令和5年にかけて中間更新と称したリニューアルが行われ、主制御装置のIGBT-VVVF化や車体意匠の変更が主だったポイントですが、平成28年以降の施工編成では立席向けの居住性改善を図り、一部の荷棚を撤去して横断流送風機の設置も行なわれています。日車、近車、川重、アルナ製。

編成表

80系

編成 今里筋線・長堀鶴見緑地線 4両編成(4M)
車両性能 設計最高速度:80km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
(駆動装置) 地上一次制御式リニアモータ
主電動機 三相かご型誘導電動機 100kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
今里筋線の開業を前に平成17年に登場しました。リニア地下鉄が国内でも広がりを見せる中で得られた知見を踏まえたコストダウンが行われ、車体は背ずりの直上で折り曲げることで側引戸窓を平面としました。そのほか、荷棚のパイプ状ステンレスへの変更や、グローブを廃した室内灯など実情に合わせた適正化が図られています。長堀鶴見緑地線での運用増加に合わせ、令和元年に同線に1本が転属しています。近車、川重製。

編成表

200系

編成 南港ポートタウン線 4両編成(4M)
車両性能 設計最高速度:60km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 車体装架直角カルダン駆動方式
歯数比6:41=6.83
主電動機 三相かご型誘導電動機 110kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
ニュートラムの開業時から活躍した100A系の置き換え用として平成28年に登場しました。前頭部デザインは遊び回る子どもをイメージしたユニークなもので、21本が在籍しますが、すべて異なるカラーリングまたは意匠をまとっており十人十色のバリエーションを誇ります。車内はこれまでの地下鉄車両に準じたものから一新し、沿線の南港ポートタウンに咲くサクラの花や草木をモチーフとしたパステル基調の配色が採用されました。座席配置もオールロングシートを改め、部分的にクロスシートを用いることで立席スペースの増加に寄与しています。側窓は熱線吸収ガラスとすることでカーテンは廃されました。新潟トランシス製。

編成表