東京メトロ車両紹介

1000系

編成 6両編成(実力2.5M3.5T)
車両性能 設計最高速度:80km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 永久磁石同期電動機 120kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
SBD-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
01系の代替として平成23年に登場しました。当初は同系列にB修を施工し継続使用する方針でしたが、銀座線向けの小型車両に対応する機器開発のコスト上昇を踏まえ、低廉となる新造での置き換えにシフトした背景があります。かつて同線で活躍した1000形をほうふつとさせるレトロな前面デザインに加え、車体全面にラッピングを施すことで暗いトンネルでも目立つ塗装車のような外観を実現しました。その甲斐もあってか、平成25年には鉄道友の会よりブルーリボン賞を受賞。地下鉄車両では初となるうえ、純粋な通勤型車両としても昭和52年受賞の名鉄6000系以来となる快挙でした。
運用増加分として製造された最後の2本は、特別仕様と銘打って前面の灯具形状が変更され、ラッピングのデザインも変更することでより旧型車両に近い見付となりました。車内も木目調の化粧板をメインに大きく手が加えられ、リコ型をモチーフにしたしずく状のつり革が採用されるなど車内もレトロさがあふれるものとなっています。日本車輌製。

編成表

2000系

編成 6両編成(実力2.5M3.5T)
車両性能 設計最高速度:80km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 永久磁石同期電動機 150kW
制御装置 MOSFET-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
02系の代替に向けて平成30年に登場しました。02系の製造時と同じく、先に登場した銀座線向け1000系をベースに設計しながらも、先頭形状には丸みを帯びたインパクトのある形状が採用され、旧型車両のイメージを追求した同系列とはコンセプトの差別化が図られました。車端部の側窓は丸型とされたほか、側引戸周辺のつり革も丸型が用いられ、レール方向に車内を見ると丸が浮かび上がるデザインとされるなど、随所に丸ノ内線の丸をかけたデザインがみられます。車体側面には、旧型車両を思い起こさせるグローイング・スカーレットのフルラッピングが施され、丸ノ内線の代名詞ともいえるサインウェーブはホームドアに被らないよう幕板部にデザインされました。車内化粧板では300形と同系色の淡いピンク色が復活。また新しい試みとして、各車両に2か所設けられたフリースペースの片側には、ミニテーブルと携帯端末の充電に使用できるコンセントが設けられています。令和5年度までに52本が投入され、02系の全編成を淘汰しました。日車、近車製。

編成表

02系

編成 6両編成(3M3T)
車両性能 設計最高速度:80km/h
起動加速度:3.2km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:101=6.73
主電動機 永久磁石同期電動機 120kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
丸ノ内線で開業以来使用していた旧型車両を一掃する目的で、昭和63年に登場しました。先に登場した01系をベースに設計されましたが、車両デザインは陳腐化しない都会的なエレガントさを追求し、直線的な形状が目立った01系に対して丸みを持たせることでイメージチェンジが図られたほか、前面窓の支持方式も伝統的だったHゴムをとりやめ接着式に改められました。乗降性向上のため、側引戸開口は1,400mmに拡張。制御装置に高周波分巻チョッパ制御を有した79編成までは、平成21年より平成26年にかけてB修を施工。主電動機のPMSM化を軸とした制御装置のIGBT-VVVFインバータ化に加え、アコモデーションの改善が図られました。
本線向けに53本、分岐線向けに6本の計336両が在籍する大所帯でしたが、2000系の登場により令和元年より置き換えが加速。B修未施工車と3連を組んだ分岐線向け80番台が令和4年11月に消滅しています。川重、日車、近車、東急製。

編成表

13000系

編成 7両編成(実力3.5M3.5T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
MOSFET-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
日比谷線の車両大型化に際して、03系の代替で平成28年に登場しました。相互乗り入れを行う東武側でも並行して置き換えを行うことから仕様の共通化が行われ、東京メトロとして初となる近畿車輛が全44本を製造しました。前面は3000系から続く曲面ガラスを採用し、また上部は黒塗りとすることで、汚れを目立たなくさせるとともに引き締まった印象を与えています。江戸切子の模様が刻まれた強化ガラス製の荷棚には、LEDライトが組み込まれたことでガラス部が発光し目を引きます。両数こそは異なるものの、かつて相互乗り入れを行っていた東急東横線と車両長がそろうことになり相互乗り入れ復活を期待する声も聞かれますが、現時点では復活の話はありません。但し定期検査は引き続き鷺沼工場で行われる関係から、入出場のため不定期で東急各線も走行します。

編成表

03系(引退)

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 三相かご型誘導電動機 190kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
日比谷線の開業時から活躍する3000系の置き換えに向けて、昭和63年に登場しました。東西線向け05系の設計中に急きょ計画が変更されたこともあり、基本的な設計や走り装置は同系列と共通しています。保安装置は全編成が東武・東急の両線用を搭載しますが、これは3000系が編成ごとにいずれかの装置しか搭載しておらず、運用の制約が発生した反省によるものです。増備の中でおよそ半数の編成は5ドア車(写真)として製造され、ホームの両端に階段が多い日比谷線の路線事情に合わせて、前後両端の2両ずつに組み込まれました。平成24年以降、一部の編成において簡易的なB修がおこなわれましたが、13000系への代替が決定すると中断され、平成29年より置き換えが開始。令和2年に引退を迎えました。

15000系

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 三相かご型誘導電動機 225kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
朝ラッシュ時の混雑率が首都圏でも一二を争う東西線における定時運転確保の切り札として、平成22年に登場した車両です。通常の車両より1.4倍近い開口を持つワイドドア車で、乗務員室直後を含めた全ての側引戸開口を1,800mmにそろえたことで、ワイドドア車の完成系と評されます。新系列に区分されながらも05系13次車を直接べースとしており、民営化以降唯一となる妻窓の存在を含め、意匠や灯具の形状が変わりながらも05系らしさを色濃く残しています。平成29年までに16本が導入され、05系のうち初期車を淘汰しています。日立製。

編成表

07系

編成 10両編成(4M6T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
形式名から想像される通り、元々は有楽町線向けの増備車両として平成4年に登場しました。同時期に登場した06系と同様、屋根位置を高めて張り上げ屋根のスタイルとすることで、地下鉄線内の駅ホームから見たときに屋根部分を見せない設計思想とされており、丸みを帯びた前頭部を含めデザインに重きを置いています。また、乗務員室がレール方向に広くとられましたが、車体全長はそのままに先頭車と中間車でドア位置をそろえるため車端部は4人掛け、ドア間も6人掛けを主体とした変則的な座席配置が特徴です。しかしその特殊なレイアウトがアダとなり、ドア間7人掛けの他系列車両をベースに設計された副都心線のホームドアには適合できず、同線の開業を前に東西線への転属を果たしました。
その後東西線でもホームドアの整備が始まりましたが、本系列にも対応した大開口タイプが採用されたことで継続使用が決まり、平成30年の71編成を皮切りにB修を実施。令和4年に全編成で完了しました。日車、川重製。

編成表

05系

編成 10両編成(4M6T、5M5T)、3両編成(1.5M1.5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79、14:87=6.21
主電動機 三相かご型誘導電動機 205kW、165kW
永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝、三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
5000系の置き換えに向けて昭和63年に登場しました。17年の長きにわたって43本が製造されたこともあり、メトロ車屈指のバリエーションを誇る系列で、一般的に外観の違いから24編成までを05系、25編成以降の前面デザインが変更された05N系(写真)として大別されます。優等運転の存在と、自社線内でも地上部を走行することからスピード感あふれる流線型のデザインが採用されました。14編成では制御装置に営団初となるVVVFインバータ制御を採用。混雑緩和をめざしドア開口幅を1,800mmとしたワイドドア車を導入(14~18編成)するなど意欲作ともいえる系列です。
15000系の導入で初期車両に廃車が発生し、一部が千代田線に転属されたほかはKRLジャボタベック(インドネシア)に譲渡されました。一部編成は3連に組み換えを受け千代田線の北綾瀬支線で活躍するほか、14編成以降はB修が行われ今後も活躍する見通しです。川重、近車、日立、日車、東急製。

編成表

16000系

編成 10両編成(4M6T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.7km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝、三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
製造から40年が経過した6000系のうち、制御装置が従来の電機子チョッパ制御の編成を置き換えるべく、平成22年に登場しました。「環境」を新たなコンセプトに加えて設計され、02系B修車に続き主電動機にはいわゆるPMSM、永久磁石同期電動機を採用し以降のメトロ車の標準を確立しました。
 本系列は「より先進的な技術を導入することで省エネルギー社会の実現へ向けて着実に貢献しようという、21世紀における通勤電車の新しいモデルを提示した」として鉄道友の会で高く評価され、平成23年にローレル賞を受賞しました。
当初は10000系と同様に非常扉は中央に設置され左右対称の前面とされましたが、平成23年度製造分の46編成からは非常扉が向かって左方向にオフセットされ、表情が変化しています(写真)。平成29年度までに計37本までを増備し6000系と06系を一掃した結果、千代田線の自社車両は本系列に統一されました。川重製。

編成表

6000系(引退)

編成 10両編成(●6M4T、☆5M5T)
車両性能 設計最高速度:100km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.7km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 ●160kW、☆165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
千代田線の建設が進む中、電機子チョッパ制御の実用化に向けて昭和43年に試作車が登場しました。斬新なデザイン、アルミ車体、回生付きの電気指令式ブレーキといった新機軸も積極的に取り入れ、電機子チョッパ制御の見通しがついた昭和46年、千代田線はもとより当時の営団の標準車両として10連の量産車が登場し、同線の開業とともにデビューを飾りました。米サンフランシスコのベイエリア高速鉄道の影響を受けたといわれる前頭部は、非常扉を向かって左側にセットバックして運転席の視界を広げたほか、非常扉は前方に倒すとそのまま避難はしごになるユニークな構造で8000系まで引き継がれました。B修や、それに伴う制御装置のIGBT-VVVF化を受けながら47年の長きにわたり活躍しましたが、平成22年以降は16000系の投入が進み、平成30年に引退しました。

17000系

編成 10両編成(4M6T)、8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:99=7.07
主電動機 永久磁石同期電動機 205kW
制御装置 MOSFET-VVVFインバータ制御(三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
7000系の置き換えに向けて令和2年に登場。およそ1年をかけてち密なハンドル訓練を行い、令和3年2月に営業運転を開始しました。線内の歴代車両で馴染みの深い丸型の前照灯を大きく際立たせ、前面はより丸みを帯びたデザインが取り入れられました。10000系では控えめだった有楽町線のラインカラーである黄色帯の面積も増え、同線に向けた新型車両であることも強く意識した見付となっています。
令和4年までに10連6本、8連15本が導入され、7000系の全編成を置き換えました。10連は日立製、8連は近車製でそろえられていますが、両車では車体肩部の形状などが異なっており製造工法の違いを見て取ることができます。令和4年には、18000系とともに鉄道友の会よりローレル賞を受賞しました。

編成表

10000系

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:87=6.21
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
東京メトロへの民営化後初の新型車両として、平成18年に登場しました。副都心線の開業に向けた運用増加分および7000系の置き換えを目的に導入されました。最終的に36本が出そろい有楽町線の主力となったほか、副都心線の優等種別で活躍します。05系13次車をベースとしながら衝突対策を強化したほか、輪重調整の容易性から台車はボルスタ付きに回帰しました。 初期に製造された41~45編成は8連への組み換えを念頭に置いており、車内の号車札が差し替え式となっているほか、識別の関係か前面には細い金帯を有します(45編成を除く)。日立製作所製。

編成表

7000系(引退)

編成 10両編成(5M5T)、8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:100km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:98=6.53
主電動機 三相かご型誘導電動機 160kW、165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
有楽町線の開業に合わせて昭和49年に登場しました。先に登場した6000系をベースに製造され、同系列とともに営団の標準車両と位置付けられました。主制御装置には、6000系の電機子チョッパを改良させた自動可変界磁型のAVF式チョッパ制御を新たに搭載したほか、乗り入れが予定されていた西武池袋線における優等種別への充当を見越して、前面非常扉上には種別表示用の小窓が設けられ、外観における判別ポイントとなっています。
増結により長らく10連を組み有楽町線で活躍していましたが、副都心線への乗り入れに向けて編成組み換えと制御装置の更新が始まりました。当初は10連は10本用意される予定でしたが、計画の変更により6本に減少。後期の編成は8連に組み替えられ、副都心線専属となりました。組み換えの対象外となった黄色帯のみをまとう編成は10000系に置き換えられ、平成22年までに引退。残留した編成も令和3年より17000系への置き換えが始まり、翌年に全編成が淘汰され引退を迎えました。

18000系

編成 10両編成(4M6T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:99=7.07
主電動機 永久磁石同期電動機 165kW
制御装置 MOSFET-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
8000系の置き換えに向けて令和2年に登場しました。08系までは赤紫をイメージした帯色でしたが、本系列ではラインカラーである青柴を強く意識したカラーリングとされたのが特徴です。半蔵門線では初の日立製作所製で、先に導入された17000系と共通の思想により設計され、前面デザインは丸みを帯びることとなりましたが、灯具類の形状を変更することで歴代車両の持つ端正なスタイルを引き継いでいます。そういった投入線区の独自性を演出したことが評価され、令和4年に同系列とともに鉄道友の会よりローレル賞を受賞しました。令和7年度までに19本が導入される見通しです。

編成表

08系

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:87=6.21
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
半蔵門線の押上延伸に伴う増備用車両として平成14年に登場しました。営団としては最後の新系列で、同時期に製造された05系をベースとしながらも、平成12年に発生した日比谷線脱線事故を踏まえた改良がなされました。前面は丸みを持たせた05系とは異なり、8000系を意識して直線を強調したデザインとされています。なお、ワンマン運転を考慮した車両ではありませんが、前面窓には遮光フィルムが貼られているのが特筆できます。平成26年の車内照明LED化を皮切りに、車内案内表示器のLCD化、行先表示器のフルカラーLED化、前照灯のLED化と小幅な動きが続いているほか、令和6年度をメドにB修が予定されています。日本車輌製。

編成表

8000系

編成 10両編成(5M5T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:86=5.73
主電動機 三相かご型誘導電動機 165kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
半蔵門線用の車両として、同線開業後の昭和55年に登場。国内では初めてとなるボルスタレス空気ばね台車を導入しました。先に登場した6000系や7000系の思想を踏襲しながらも前面のデザインは大きく変更され、当時の時代に適合する車両として新たな設計を受けました。
当初は8連及び6連で製造され、各駅停車のみの運用でしたが、平成3年のダイヤ改正より優等種別での運用を開始しました。平成6年には全編成が10連化され、07編成までは0系ベースの車体を持つ付随車が組み込まれ異彩を放っています。
平成15年の東武線乗り入れに伴い、直通機器設置と行先表示器のLED化、自動放送装置の設置を行いました。翌年からは09編成を皮切りにB修が行われ、制御装置の更新や車内のリニューアルなど大規模な工事が行われています。最高速度も110km/hに引き上げられ、田園都市線内の急行でその能力を発揮。平成27年7月に出場した10編成を以て完了しました。その後18000系への置き換えが決定し、令和3年より廃車が始まっています。両数の多い順に、東急、日車、近車、川重製が現存。

編成表

9000系

編成 6両編成(4M2T、3M3T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:109=7.79
主電動機 三相かご型誘導電動機 190kW、225kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立、東芝、三菱)
MOSFET-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
南北線の開業に合わせて平成3年に登場した本系列は、来たる21世紀を指向して先進技術の導入、地域との調和、人に対するやさしさをコンセプトに製造されました。外観からも丸みを帯びた前面でそれを垣間見ることができます。当初は4連で登場し、編成ごとに制御装置のメーカも異なるといった試作的要素の強い車両として扱われていました。6連化後もとりわけ01編成は試作的要素を色濃く残していましたが、平成28年から令和元年にかけて08編成までのB修が行われ、制御装置の素子はSiC化がなされました。ウェーブデザインの側面カラー帯採用や補助排障器の設置も相まって、従来の見付とは大きく異なっています。その後、09~22編成のB修および8連化が行われる運びとなり、第一陣となる09編成が令和5年に営業運転を開始しました。川重、日車、東急製。

編成表