近鉄車両紹介

シリーズ21(3220系・5820系・9020系・9820系・6820系)

編成 6両編成(3M3T)、2両編成(1M1T)
電算記号 3220系:KL 5820系:DH 9020系:EE
9820系:EH 6820系:AY
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:101=6.31
主電動機 三相かご形誘導電動機 185kW、160kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
近鉄では平成12年にこれまでの通勤型車両をフルモデルチェンジし「シリーズ21」と命名しました。使用線区や運用によるバリエーションを持ちつつも、標準化設計によるコスト低減を実現しています。車体塗色は32年振りに一新され、アースブラウンとクリスタルホワイトのツートンに、その間にはサンフラワーイエローのラインが入りました。前頭部は20000系のイメージにも通ずる上端まで窓ガラスを拡大したデザインで、くの字とされた3220系以外は垂直な断面を持ちます。車内を見ると、1名辺りの着席幅が485mmに拡大された腰掛けが特筆され、側引戸に近い1席には、その両端にひじ掛けを設けることで着座や立ち上がりを補助しています。阪神電車との直通運転に向けたイメージアップ狙いか奈良線に集中して導入されましたが、平成20年製造の9820系EH30を最後に途絶えており、以降は通勤型車両の新車が導入されていない状態が続いています。

各系列のギャラリー
①京都線と直通先である地下鉄烏丸線向けの車両だが、間合い運用で大阪難波にも顔を出す。
②5800系の後続となる形式で、座席配列も同様にL/Cシートを持つ。
③増結用の2連。当編成は行先表示器がフルカラーLED式に換装され、英字表示は丁寧に黄色とされた。
④9020系の6連版で、全車ロングシートとなっている。
⑤南大阪線唯一のシリーズ21で、主電動機出力は160kWとされた。組成の関係上多くは上り方に連結される。


5800系

編成 6両編成(3M3T)、4両編成(2M2T)
電算記号 奈良線:DH 大阪線:DF 名古屋線:DG
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:86=5.73
主電動機 三相かご形誘導電動機 165kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
高品質な輸送を求める声の高まりを受け、2610系X21で試用された可変式腰掛のL/Cシートが本採用された系列で、平成9年に登場しました。21世紀に関東大手私鉄でも広く普及することとなる、大量輸送と長距離着座輸送を一つの車両で行う汎用型通勤車の草分け的存在で、オールクロスシートによりラッシュ時の運用には不向きとされていた5200系での課題も克服しました。クロスシート時のシートピッチは特急車並みとなる975mmとされ、一人当たりの着席幅もゆとりのある480mm(車端部は490mm)とした腰掛には、当初ラベンダーブルーのモケットが採用されましたが、後に一般通勤車と同様の赤系統に張り替えられています。大阪線と名古屋線に加えて奈良線にも投入され、現在は阪神電車にも乗り入れます。車体デザインは従来と共通ながら現在も前面にはL/Cのプレートが残されており、それにより遠目でも判別が可能です。

編成表

5200系・5209系・5211系

編成 4両編成(2M2T)
電算記号 VX
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:101=6.31、15:86=5.73
主電動機 三相かご形誘導電動機 165kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
2600系の代替に向けて、特別料金が不要ながら高品質な輸送を実現した長距離列車用の一般車として5200系が昭和63年に登場しました。オール転換式クロスシートを持ち、座席数確保のため3ドア車とされ一般車両の扱いながら実質的には急行兼団体用車両に区分されます。その後、補助電源装置を静止形インバータとした5209系、ボルスタレス台車を採用した5211系が平成3年にそれぞれ登場しています。

編成表

1220系・1230系・1026系・1021系・1031系

編成 6両編成(4M2T)、2両編成(1M1T)
4両編成(2M2T)
電算記号 1220系、1230系:VC(奈良線以外)、VE(奈良線)
1020系列:VH(6連)、VL(4連)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比16:101=6.31、15:86=5.73
主電動機 三相かご形誘導電動機 165kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
標準軌線向けの量産型VVVF車両として昭和62年に1220系(2連)が登場しました。全幅は2,800mmに拡大され、裾が絞られた車体にはアルミ合金を採用。既に確立されていた前面スタイルと含め、今後の近鉄通勤車のスタンダードなります。その後、大阪・名古屋線と奈良・京都線でそれぞれ異なっていた車両性能や仕様をできる限り共通化させた標準軌全線共通仕様車として平成元年に1230系(2連)へ移行。その両数違いとして平成3年に1020系(後にワンマン化で1021系(6連)または1031系(4連)に改番)が登場し、マイナーチェンジを受けたVH26以降は1026系(6連・4連)に細分されました。
令和5年より、1620系に続きB更新が開始されました。前頭部への転落防止ほろの設置、行先表示器や標識灯類のLED化、車内アコモデーションの刷新と同様の内容にて行なわれています。

編成表

3200系

編成 6両編成(3M3T)
電算記号 KL
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:101=6.31、15:86=5.73
主電動機 三相かご形誘導電動機 165kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
昭和63年の地下鉄烏丸線との相互乗り入れ開始に伴い、同線への乗り入れ車両として昭和61年に登場しました。イメージの一新を図った近鉄は昭和50年から続いた一般車塗色であるマルーン単色から、シルキーホワイトと組み合わせたツートン塗装を新たに採用。以降、他系列にも波及しました。車体規格は京市交側にそろえられており、他の一般車と比較して車体長は220mm短く、その分連結面の長さも縮小されています。他系列との併結を行わないことから、前頭部の貫通扉は向かって左側にオフセットされ、緊急時の脱出に特化した非常扉に改めるとともに運転台スペースの拡大が図られました。同様の理由から、電気指令式空気ブレーキが近鉄で初めて採用されています。

編成表

1420系・1422系・1430系・1435系・1436系・1437系・1440系・1620系

編成 2両編成(1M1T)、4両編成(2M2T)
6両編成(3M3T)
電算記号 1420系列:VW
1620系:VF(6連)、VG(4連)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:86=5.73
主電動機 三相かご形誘導電動機 165kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
近鉄のみならず、電車線電圧が1,500Vの路線では国内初となるVVVFインバータ制御車として昭和59年に登場したのが1420系(2連)で、その量産車として昭和62年に登場したのが1422系(2連)です。その後、車両性能や仕様をできる限り共通化させた標準軌全線共通仕様車として平成2年に1430系(2連)へ移行。更に平成4年から平成6年にかけて、補助電源装置を静止形インバータとした1435系(2連1本のみ)、ボルスタレス台車を採用した1436系(2連1本のみ)、台車に路面清掃装置を装備した1437系(2連)のバリエーションが誕生し、また両数違いとなる1620系(6連・4連)が登場しています。なお、1437系のうち名古屋線所属の編成は平成18年にワンマン運転への対応改造を受け、1440系(2連)に区分されました。
令和5年より、VG23を皮切りにB更新が開始されました。前頭部には新たに転落防止ほろを設け、行先表示器および標識灯類はLED化。後者では配置が入れ替わったこともあり新たなスタイルを確立しています。車内は今後導入予定の新型車両に合わせ、ベージュをメインとしたカラースキームに改められました。

編成表

6400系・6407系・6413系・6419系・6422系・6432系・6620系

編成 2両編成(1M1T)、4両編成(2M2T)
電算記号 6400系列:Mi 6620系:MT
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比15:86=5.73
主電動機 三相かご形誘導電動機 155kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(日立)
SBD-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
標準軌線向け1420系の狭軌線版で、まず昭和61年に6400系(2連)が登場。以降、台車の軸距を2,100mmに短縮した6407系(2連)が平成元年に、車体や台車の仕様変更を受けた6413系(2連)が平成2年に、補助電源装置を静止形インバータとした6419系(2連)が平成4年に、ボルスタレス台車を採用した6422系(2連)が平成5年にそれぞれ登場しており、ほぼ1年ごとに改良を受けながら製造されました。6432系(2連)は6422系のワンマン運転対応車で、平成11年に登場した後天的な系列です。一方の6620系は、6422系の4連版として平成5年に登場しています。令和5年より、一部の編成においてB更新に併せて主制御装置の換装が行われ、ひのとり向け80000系同様のハイブリッドSiC適用となりました。

編成表

6600系

編成 2両編成(1M1T)
電算記号 FT
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:93=6.20
主電動機 直流角型電動機 150kW
制御装置 界磁チョッパ制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
現在の1201系の狭軌線版として、昭和58年に登場した南大阪線唯一の界磁チョッパ制御車です。角形の大容量主電動機を装備したため、設置スペースねん出のため電動台車の車輪径が910mmと大きくされたほか、駆動装置には薄形のギヤカップリングを用いているのが特徴です。また、南大阪線仕様として抑速制動をなくし、力行・停止回生制動の2つの制御モードを持ちます。ただしVVVF車の採用が非常に早かった近鉄において本系列は4本の製造に留まり、以降の増備は6400系に移行しました。
令和4年までにB更新を終えており、車内のカラースキーム変更に加え前照灯がLED化(FT04を除く)されています。

編成表

8810系・9000系・9200系

編成 4両編成(2M2T)、2両編成(1M1T)
電算記号 8810系、9200系:FL(奈良線)、FC(大阪線)
9000系:FW
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比18:85=4.72
主電動機 直流複巻電動機 160kW
制御装置 界磁チョッパ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
1400系で採用された界磁チョッパ制御の試験結果が良好だったことを受け、奈良線向けの量産車として昭和56年に8810系(4連)が登場しました。昭和58年には9000系(2連)および9200系(3連)が登場しますが、後者は後に付随車が増結され4連化(写真)。車体規格の変更後に製造されたため、下部に拡大された車体裾部が大きく目立つほか、窓割が線対称になりました。現在は8810系と共通に扱われています。

編成表


1400系・1200系・1201系・2050系

編成 2両編成(1M1T)、4両編成(2M2T)
電算記号 1400系、1200系:FC
1201系、2050系:RC
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比18:85=4.72
主電動機 直流複巻電動機 160kW
制御装置 界磁チョッパ制御(三菱)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
抵抗制御に代わる省エネルギー車として、製造コストの低廉にも寄与する界磁チョッパ制御を搭載した1400系(4連)が昭和56年に登場しました。車体は肩部を約166mm高くし、丸み半径を200mmに小さくしたいわゆる角屋根が採用されました。これにより、側面行先表示機は地面と垂直に取り付けられるようになったことで視認性の向上に貢献しました。昭和57年には名古屋線向けに1200系(2連、4連)が登場しますが、このうち2連は平成12年より行われたワンマン運転対応により1201系に区分されました。また、昭和58年には3連版となる2050系が登場しています。

編成表

2610系・2800系・2000系

編成 2両編成(1M1T)、3両編成(2M1T)
4両編成(2M2T)
電算記号 2610系:X 2800系:AX 2000系:XT
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比18:83=4.61
主電動機 直流直巻電動機 125kW
制御装置 抵抗制御(三菱)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
一般車への冷房導入に向けたデータ収集を目的として、全席クロスシートを持つ2600系(引退)をベースとした2680系(引退)が昭和46年に登場。近鉄一般車初の冷房車である一方、主制御装置および主電動機は旧ビスタカーの10000系より転用した機器流用車の側面を持ちます。その後、量産冷房車として2610系(4連)が昭和47年に登場。同年にはロングシートを持ち、大阪・名古屋線共通仕様とされた2800系(2連、3連、4連)も登場しました。
その一方、名古屋線に残っていた旧性能車の代替として、昭和53年に2000系(3連)が登場。ビスタⅡ世の愛称で親しまれた10100系の主電動機と一部の台車が転用されており、名古屋線向けとされながらも大阪線での運用もできるよう抑速ブレーキを装備した大阪・名古屋線共通仕様車です。

編成表

2410系・2430系・2444系

編成 2両編成(1M1T)、3両編成(2M1T)
4両編成(2M2T)
電算記号 W(2連)、G(3連)、AG(4連)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比18:83=4.61
主電動機 直流直巻電動機 125kW
制御装置 抵抗制御(三菱)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
昭和41年に登場した2400系(引退)は、155kWの主電動機を装備することでMT比1:1でも青山峠を越えることができるようになり経済性の向上に寄与しました。のちに横断流送風機を搭載し、車体直結式の空気ばね台車を採用した2410系(2連・4連)が昭和43年に登場し、更に3連版となる2430系が昭和46年に登場しました。このうち、平成19年にワンマン運転対応とされた編成は2444系とされ現在に至ります。

編成表

6020系・6200系

編成 3両編成(2M1T)、4両編成(2M2T)
電算記号 6020系:C 6200系:U
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:92=6.13
主電動機 直流直巻電動機 135kW
制御装置 抵抗制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
標準軌路線向けの8000系と同世代の狭軌線向け大出力車で、新ラビットカーの名を持つ6000系(引退)が昭和38年に登場しました。その後、車内天井の送風機をラインデリアとした6020系(3連・4連)が昭和43年に登場。2410系同様の車体が用いられ、前頭部の灯具類も同系列にそろえられました。更に昭和49年には当初から冷房を装備した6200系(3連・4連)が登場。前頭部の行先表示器や補助排障器も落成時から装備しています。いずれの系列もB更新を受けていますが、6200系の一部編成では車内において黒色を基調とする化粧板やグレー調の座席モケットが採用され、印象を変化させています。

編成表

8000系・8400系・8600系・8800系

編成 3両編成(2M1T)、4両編成(2M2T)
6両編成(4M2T)
電算記号 8000系、8400系:B(3連)、L(4連)
8600系:X 8800系:FL
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直流直巻電動機 145kW
制御装置 抵抗制御(日立)
界磁位相制御(日立)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
現在の生駒トンネルの開通に伴う奈良線の輸送力増強のため、昭和39年に登場したのが8000系(3連、4連)です。建築限界が拡大されたことを受け全幅2,800mmの拡幅車体とされました。電車線電圧の昇圧直前となる昭和44年には8400系(3連、4連)に区分され、機器配分の見直しと集約を図ったマイナーチェンジ車となりました。昭和47年には、製造時から冷房車とされた8600系(4連、6連)へ。更に昭和55年、1C8Mのユニット形式を取り入れた界磁位相制御を採用した8800系(4連)へと続きました。このうち、8400系B09編成に含まれるモ8459(元ク8559で3次車)が昭和41年3月の製造で、近鉄一般車の最古参となります(令和5年時点)。令和6年秋に新型車両が導入される方針が示されたため、とりわけ8000系、8400系については先が見えてきました。

編成表

第三軌条車両(7000系・7020系)

編成 6両編成(3M3T)
電算記号 HL
車両性能 設計最高速度:95km/h
起動加速度:3.0km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:103=7.35
主電動機 三相かご形誘導電動機 140kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(三菱、日立)
IGBT-VVVFインバータ制御(三菱、日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
7000系は東大阪線(現・けいはんな線)の建設が進むなか昭和59年に登場した、大手私鉄では初めてとなる第三軌条方式の車両です。普通鋼製とされた車体は直通先の大市交に合わせて19m級と他の自社線比で若干短縮されましたが、全幅は2,900mmを持ち近鉄車最大の寸法を誇ります。しかし検査時に他の自社線内を通れるよう、肩部と裾を絞った東急8090系のような車体断面とされ、いわゆる拡幅車体の立ち位置とされています。前面の非常扉は向かって左側にオフセットさせることで運転席のスペースを拡大させ、外板塗色にはパールホワイトをベースに、ソーラーオレンジとアクアブルーの帯を組み合わせた他の近鉄一般車と大きく異なる配色が取り入れられました。鉄道車両では初めてグッドデサイン賞を受賞した車両で、これを皮切りに鉄道車両の業界においてデザインにも重きが置かれることになります。
7020系は、けいはんな線の延伸開業に伴う運用増加分として平成16年に登場。7000系をベースにしながらも、主制御装置のIGBT-VVVF化や側引戸かもい部に設置されたLED式車内案内表示器、床敷物といった部分のほか、20番台とされた車番を含めシリーズ21の設計思想が取り入れられましたが、集電方式や塗装の違いからか、シリーズ21の一形式としては扱われていません。

編成表