京成車両紹介

AE形

編成 8両編成(6M2T)
車両性能 設計最高速度:170km/h
起動加速度:2.0km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
主電動機 三相かご型誘導電動機 175kW
歯数比19:93=4.89
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
平成22年に開業する成田スカイアクセス線におけるスカイライナーの160km/h化に向け、平成21年に登場しました。本格的な採用としては京成初となるアルミ製の車体には藍色をモチーフとしたウインドブルーとストリームホワイトの二色使いを用いて、前頭部は疾風をイメージした流線形とし、ノーズ部を大きくすることでスピード感を演出しています。凛をモチーフとした車内においては、無駄なものをそぎ落として解放感を高めることに念頭を置かれ、併せて間接照明が取り入れられました。シートピッチは訪日外国人旅行客の利用も考慮して1,050mmを確保していますが、これに加えて背ずりのクッションを薄く設計することで、リクライニングを使用しても後方がきゅうくつに感じないよう配慮されています。平成29年には前照灯がLED製に換装されたほか、スカイライナー終日20分間隔での運行に伴う増発用に、令和元年に1本が増備され9本体制となりました。日車、東急製。

編成表

3100形

編成 8両編成(6M2T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 全閉外扇式三相かご型誘導電動機 140kW
制御装置 SBD-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
3000形以来16年振りとなる京成の標準車両で、令和元年に登場。同時期に登場した新京成80000形との共同設計車ながら、3050形に次ぐ成田スカイアクセス線向けの車両として、増加が続いた訪日外国人旅行客や空港利用者に向けた利便性への配慮を念頭に設計されました。車体では京成本線方面との誤乗防止の意味合いも含めて、路線図にも使用しているオレンジ色を基調とした鮮やかな配色が取り入れられました。車内はロングシートながら背ずりを170mm高くしたハイパックシートを採用。8人掛け座席の中央を跳ね上げ式として、スーツケース置き場を新たに設けた点が特筆されます。アクセス特急やエアポート快特といった運用が中心ながら、時折西馬込や京急久里浜にも足を延ばします。日車、総車製。

編成表

3050形

編成 8両編成(6M2T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 125kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
3000形のうち7次車に区分される車両で、成田スカイアクセス線向けの一般車両として平成21年に登場しました。登場時は空港アクセスにかけて空をイメージした青系の車体装飾をまとい、車内ではブルー系の2色使いとした床材や水色地の妻面化粧板を採用。いずれもさわやかなカラースキームによりまとめられてました。また、側引戸かもい部には京成初のLCD式車内案内表示器が設けられています。3100形の登場に併せて、同系列に準じたオレンジ色を基調とした車体意匠に順次変更されましたが、同系列の増備が進むと更に3000形の意匠としたうえで本線への運用に転属。玉突きで3600形や3400形を置き換え、写真の意匠をまとう編成は令和5年に消滅しました。日本車輌製。

編成表

3000形

編成 8両編成(6M2T)、6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
(3001編成と3026編成以前の偶数編成)
WN駆動方式(上記以外)
歯数比14:85=6.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 125kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
抵抗制御車の3200形、3300形や3500形未更新編成の置き換えに向け、平成14年に登場しました。本系列は京成の標準車両として設計され、京成グループに属する新京成電鉄、北総鉄道、千葉ニュータウン鉄道においても同一の車両が投入されています。日車ブロック工法による車体が新たに取り入れられましたが、前頭部は引き続き普通鋼製とされステンレスに合わせた塗装を施しています。前面ではガラスの総面積を縮小させており、コストダウンならびに整備性向上に寄与しました。そのほか、21世紀に登場した鉄道車両としては珍しく、TD継手式平行カルダン駆動とWN駆動の両者を並行採用していたのも特筆されます。車内では1人当たりの着席幅が460mmとされたほか、3700形6次車でも採用された大型の袖仕切りとすることで快適性が高められています。当初は3色LED式の行先表示器が用いられましたが、3050形が登場した平成21年にフルカラー・白色LED式に順次換装されました。平成31年までに42本278両が導入され京成の主力として活躍、平成を代表する京成車両となりました。日車、東急(総車)製。

編成表

3400形

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 直流複巻電動機 140kW
制御装置 界磁チョッパ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
初代AE形のいわば機器流用車で、平成5年に登場しました。初代スカイライナーとして活躍した初代AE形は20年程度しか使用されず、制御装置をはじめとする走行機器には劣化が少ない状態であったため、新製した普通鋼製車体と組み合わせた格好です。先に登場した3700形に準じた車体を持ち3700形の鋼製車体版ともいえますが、前面は垂直となっており表情が若干異なります。また、冷房装置も3700形で採用された集中式ではなく、伝統ある白色のキセを持つ集約分散式とされています。また、前面の下部に単体で表示する京成独特の種別表示器は本系列が最後となりました。旅客面でのサービスにおいては、側引戸かもい部に設置されたLED式車内案内表示器も相まって高い水準にありましたが、機器流用車の宿命として老朽化の進行を受け、令和2年より廃車が進行。令和5年の京成線列車無線のデジタル化以後は、3448編成の1本のみが孤軍奮闘しています。大榮車輛製。

編成表

3700形

編成 8両編成(4M4T)、6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
WN駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 130kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
京成初のVVVFインバータ制御車として、平成3年に登場しました。後に登場する3400形と同等の車体設計ながら、デザインの容易化のため普通鋼とされた前面は、横から見たとき種別表示器を境に内側へ折れ曲がっており変化がつけられています。増備の過程で駆動装置は2種類を並行して採用しており、リース分を除くと今日ではWN駆動車が多く、約6:4の比率で在籍します。平成12年に登場した6次車では大幅なマイナーチェンジが施され、中でも後の3000形に通じる前面の灯具類の配置変更は判別しやすいポイントとなっています(写真)。日車、東急製。

編成表

3600形

編成 6両編成(4M2T)、4両編成(2M2T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 ●WN駆動方式
歯数比14:84=5.25
☆TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 ●直流複巻電動機 140kW
☆三相かご型誘導電動機 130kW
制御装置 ●界磁チョッパ制御(東洋)
☆GTO-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
当時の新機軸を惜しまず投入した3500形以来となるモデルチェンジ車で、昭和57年に登場しました。オールステンレス車体の採用や、運転台のワンハンドルマスコン化(初代AE形では既に採用)、電気指令式ブレーキ(および回生ブレーキ)の導入といった新機軸が取り入れられました。前面の窓配置は3500形未更新車と同様ながら、経済性を重視して切妻とした同系列に対して折妻構造とすることで軽快感を持たせたほか、これまで1か所の設置だった種別・行先表示器はそれぞれ独立させ、貫通扉の直上に行先表示器が新設されました。灯具類の配置も大きく変わり、モデルチェンジ車であることをアピールしました。先頭車をクハとした編成も当初注目を浴びましたが、これが災いし先頭車を電動車とする京急線内での営業運転は今日に至るまで行われていません。
平成9年に行われた6連から8連の組み換えにあたり先頭車が6両余剰となりましたが、うち4両に対して平成11年に3700形同等品の走行機器をぎ装し電動制御車化。付随車化した2両と組み合わせて6連化されました。平成29年に付随車2両は廃車され全電動車の4連となりますが、その特性を生かし金沢八景からの新造車けん引でも活躍しており、ターボくんの愛称で親しまれています。平成29年以降は廃車が進行し、現在は登場時のファイアーオレンジ帯をまとい6連に戻った3688編成と先述した4連1本のみが残ります。東急、日車製。

編成表

3500形

編成 6両編成(4.5M1.5T)、4両編成(3M1T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:97=6.06
主電動機 直流直巻電動機 100kW
制御装置 抵抗制御(東洋)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
旧性能車である青電の置き換えとそれに伴う輸送力増強のため、昭和47年に登場しました。2両でユニットを組み形式上は全電動車ですが、先頭車の片側は付随台車としており4連の場合は実質3M1Tとなります。登場時は後の3600形にも通じる窓割を持つ額縁付きの切妻スタイルの前面でしたが、平成8年より行われた大規模な更新工事により折妻構造を採用。窓の天地寸法も拡大されたことも相まって、近代的な見付とされました。側窓はフリーストップが可能な黒色サッシとされ、側引戸間の窓割は3600形に倣い2連に改められました。車内にも手が加えられ、3700形同様の床敷物や化粧板が採用されたほか、板状の袖仕切りが新たに設けられました。大規模な車体修繕となりましたが、コストダウンの関係で新車への置き換えによりシフトすることとなり、平成13年に中断。未更新車は平成29年まで残ることとなりました。蛇足ながら、本系列の前には3300形が登場しており、順当にいけば3400形とされるところですが、当時は4の数字を用いるのは縁起が悪いとされ3500形とされた経緯があります。東急、日車、川重製。

編成表