京王車両紹介

5000系

編成 10両編成(6M4T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 全閉内扇式三相かご型誘導電動機 150kW
制御装置 SBD-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
京王の座席指定列車である京王ライナー用に開発された系列で、平成29年に登場しました。既存車両との違いを明確にするためシャープな前頭部を採用したほか、補助排障器もピンク色とされたことで大きなインパクトさを与えており、これまでの京王車両にない見付となりました。車内では、京王ライナーでの運用時はクロスシートに、それ以外ではロングシートに転換できるL/Cシートが取り入れられ、高尾山の木々をイメージした深いブラウンと、繊維の街である八王子の絹糸をモチーフとしたデザインの座席とすることで上質さを演出しています。令和4年に増備された5737編成では、L/Cシートとして初となるリクライニング機能が採用されました。
京王ライナーやMt.TAKAO号のほか、一般運用として線内の特急や急行といった優等種別に加え、間合い運用として都営新宿線にも乗り入れます。総合車両製。

編成表

9000系

編成 10両編成(5M5T)、8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 170kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
老朽化した6000系に代わる次世代車両として、平成13年に登場した系列です。車体では日車式ブロック工法が採用され、鋼製の前頭部は傾斜を付けた曲面ガラスにより旧5000系のイメージを残したデザインとされましたが、従来車より運転台を200mm上げた高運転台構造により前面はリフトアップしています。一部の背ずり裏側には折り畳み式の階段を設けることで、緊急時の脱出に活用できる点が特筆されます。その後、平成17年より都営新宿線乗り入れ編成が10連で製造され、妻窓の廃止やメーカ標準の側引戸が用いられるなど、登場時のコンセプトの一つであったコストダウンに磨きをかけました。8連は6000系および7000系との併結も可能で、現在も新宿寄りに7000系2連を併結した運用が見られます。また、8連は当初3色LED式行先表示器でしたが、平成20年から翌年にかけてフルカラーLED式に換装されています。日車製のほか、8連に東急製が存在。

編成表

8000系

編成 10両編成(6M4T)、4両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:3.5km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:85=6.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 150kW
全閉型内扇式三相かご型誘導電動機 150kW
全閉型永久磁石同期電動機 150kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(日立)
SBD-VVVFインバータ制御(日立)
IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
府中駅や北野駅で行われていた高架化工事の完了に伴う輸送力増強と、5000系の置き換えに向けて平成4年に登場しました。6000系以来続いていたスタイルを一新し、前面は曲面ガラスを用いたデザインとされました。また、制御装置には京王初のVVVFインバータ制御を採用しています。設計上の制約から、都営新宿線には乗り入れない地上専用車とされ、今日に至るまで京王各線のみの活躍となっています。かつて分割併合が行われていた関係で6連と4連からなる10連が製造されましたが、平成7年以降は8連の製造に移行。後期の編成では製造時から転落防止幌を設置。最終製造車では台車がボルスタレス台車に変更されるなど、小改良を重ねながら増備されました。10連の分割併合運用廃止後は、混雑対策で新宿寄りに6連が来る編成に組み替え、中間先頭車は補助排障器も撤去のうえ実質的な固定編成とされました。平成26年以降はその中間先頭車を中間車化する大規模なリニューアル工事を行っており、10連は既に完了。現在は元々固定編成である8連にて進められ、施工編成はパンタグラフが1基増設されているため遠目でも判別が可能です。東急、日車製。

編成表

7000系

編成 10両編成(5M5T)、6両編成(3M3T)
4両編成(2M2T)、2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.5km/h/s
減速度:4.0km/h/s(常用)、4.5km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 三相かご型誘導電動機 150kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
2000系など旧型車両の置き換え用として、昭和59年に登場した系列です。京王としては初のステンレス車両となりましたが、車両寸法や機器が6000系と同等なことから、同系列のマイナーチェンジ車と位置付けられています。当初は5連で製造されましたが、組み換えや増結を経て4連および8連に。昭和62年以降はコルゲート車体からビードプレス車体に変更されていますが、増結用の車両では編成美を保持するべく、敢えてコルゲート車体で製造した車両も存在します。8000系の登場後も製造は継続され、平成8年までに2連・4連・6連・8連・10連の編成が出そろいました。平成13年よりリニューアル工事が行なわれ、座席の更新や床敷物の張替え、車内案内表示器・車椅子スペースを設置するなど、変更点は多岐に及びます。また平成15年からは制御装置の更新も始まり、一部車両では改番が実施されました。いずれも平成24年までに全編成で完了し、大手私鉄で初めて全営業車のVVVFインバータ化を成し遂げました。5000系の導入により、平成29年以降廃車が発生しています。日車、東急製。

編成表

1000系

編成 5両編成(3M2T)
車両性能 設計最高速度:120km/h
起動加速度:2.6km/h/s、3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比14:99=7.07
主電動機 三相かご型誘導電動機 160kW
全閉内扇式三相かご型誘導電動機 180kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(日立、東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
井の頭線で活躍する主力車両で、従来から活躍した3000系の代替に向け平成7年に登場しました。輸送力増強のため20m級の4ドア車とされたのが大きな特徴ですが、前頭部は湘南顔だった同系列のスタイルをレインボーカラーとともに受け継いでいます。平成22年までの長きにわたり増備が続いたこともあって3タイプに大別されますが、特に1721編成以降は9000系の設計思想を取り入れたマイナーチェンジ車で、車内外の見付が変化しています(写真)。
1715編成までの各編成は令和2年までにリニューアル工事がなされ、かねてより実用試験を行なっていた全閉内扇式の主電動機を本格採用したほか、車内においては沿線の線路わきで見られるアジサイをモチーフとした配色ならびにデザインが取り入れられました。東急、日車製。

編成表