阪急車両紹介

所属線区により、次のように色分けしております。

神宝線
神戸線(今津線・甲陽線を含む)
宝塚線(箕面線を含む)
京都線(嵐山線を含む)

1300系

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比18:96=5.33
主電動機 全閉内扇形三相かご形誘導電動機 190kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
1000系の京都線仕様として平成26年に登場しました。京都線は平成15年にも新型車として9300系を導入していましたが、クロスシートを持つ特急型車両に分類されていたため、オールロングシートかつ地下鉄堺筋線に乗り入れる車両としては8300系以来、実に19年振りとなります。
車体寸法が異なるほかは概ね1000系の仕様を踏襲していますが、走り装置を東洋製とする京都線仕様は本系列でも健在。全閉内扇式かご形誘導電動機を国内で初めて本格採用し、極数は6極とされたことから今までにはない甲高い界磁音を発するのが特徴で、神宝線のPMSM主回路システムと並び京都線車両の更新車でも採用される標準仕様となっています。1000系と同じく電気連結器は装備せず、8連単独の運用により営業します。日立製作所製。

編成表

1000系

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比18:96=5.33
主電動機 全閉永久磁石同期電動機 190kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
今後中長期的に昭和30~40年代に製造された抵抗制御車の大量代替が見込まれるなか、阪急電鉄の新たな標準通勤車両として平成25年に登場しました。多数の増備が見込まれることもあってコストの削減にも注力しており、9000系などで採用された屋根上のカバーは廃止され、外観の見付としては従来車に回帰しています。平成24年から8000系に試験搭載されていたいわゆるPMSMが本採用され、新たなセンサレス制御を用いたこともあり低速域でも静かな磁励音を実現しました。神宝線向けの車両として、それぞれの路線にほぼ同数が配属。7000系に次ぐ20本160両が在籍します(令和5年時点)。日立製作所製。

編成表

9000系

編成 8両編成(3M5T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比18:96=5.33
主電動機 三相かご型誘導電動機 200kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
9300系をベースとした神宝線向けの車両として、平成18年に登場しました。8000系以来14年振りの新型車となり、オールロングシートで純粋な通勤型車両としての仕様を持ちますが、車内の間接照明や自動式とされた貫通扉や側窓と、9300系でも採用されたハイグレードさが垣間見えます。側窓の高さ寸法は他系列に準じて縮小されていますが、側引戸窓は手は加えられておらず若干チグハグした印象を受けます。なお、駆動方式は平成28年よりWN駆動への改造が進められており、令和5年時点でC#9005×8R、C#9006×8R、C#9009×8R、C#9010×8Rの4本が製造時のTD継手式並行カルダンを保持しています。日立製作所製。

編成表

9300系

編成 8両編成(3M5T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 三相かご型誘導電動機 200kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
京都線の特急で長らく活躍した6300系の置き換えに向けて、平成15年に登場しました。同様の使命を持ちながらも6300系と大きく異なるのは、3ドアでかつドア間のみをクロスシートとするセミクロスシートが採用されたことで、特急と名乗りつつも以前より停車駅が増大し、各駅での乗り降りも多くなったことへの配慮が伺えます。しかしながら特急型車両らしさは失われておらず、間接照明が用いられたほか、連結部各妻面の貫通扉は自動式を採用。天地寸法を大きめにとった側窓はすべて固定式とされました(増備車では車端部が一枚降下式の自動窓に変更)。また、路面電車以外の鉄道車両の製造から撤退したアルナ工機に代わり、日立製作所(C#9308×8Rのみアルナ車両製)にて製造されA-trainを採用。今後の阪急電鉄の車両調達先となります。
令和6年夏に座席指定サービス(PRiVACE)を開始することに伴い、2300系が増備されるまでのショートリリーフながら過半数にあたる6本において4号車に新造の専用車両の組み込みが始まりました。

編成表

8200系

編成 2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比15:92=6.13
主電動機 三相かご型誘導電動機 200kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
神戸線において朝ラッシュの混雑緩和の切り札として投入された系列で、平成7年に登場しました。当初はJR東日本に代表される収納式座席を採用し、営業時は立席のみとされていましたが、平成19年の改造時に9000系と同等の車内に改められ今日に至ります。乗降時間の短縮を図り、側引戸の開口を1,500mmに拡大しましたが、その関係で側窓の枚数が減少することから、全体の寸法を拡大し総面積においては従来車に極力そろえられています。また、シングルアーム式パンタグラフや側窓におけるロールカーテンが阪急電鉄で初採用となったほか、側面の行先表示器は3色LED式が採用され異彩を放ちます。現在は平日朝ラッシュ時の増結車にのみ使用されており、目にする機会は非常に限られています。阪急電鉄最後のアルナ工機製。

編成表

8300系

編成 8両編成(4M4T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 三相かご型誘導電動機 170kW
全閉内扇形三相かご形誘導電動機 190kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東洋)
IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
8000系に続く京都線のモデルチェンジ車として、平成元年に登場しました。8000系同様の額縁スタイルとされた前面形状を持ちますが、他系列と比較すると電車通過時の風圧が大きく沿線住民からの苦情が寄せられたこともあり、C#8303×8R以降では前面形状を変更し風圧の低減を実現しました。同様の改良は8000系においても適用されています。近年は主制御装置のIGBT-VVVF化に加え、令和4年よりC#8300×8Rを皮切りに更新工事が始まりました。本系列は初期に製造された3本が東急7600系に類似した界磁音を発することから注目を集めていましたが、同年中に消滅しています。アルナ工機製。

編成表

8000系

編成 8両編成(4M4T)、2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31、18:96=5.33
主電動機 三相かご型誘導電動機 170kW、200kW
全閉内扇形三相かご形誘導電動機 190kW
制御装置 GTO-VVVFインバータ制御(東芝)
IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
神宝線向けに昭和63年に登場しました。7000系のモデルチェンジ車である同系列は、額縁スタイルと呼ばれる前面デザインが大きな特徴で、ワシントン地下鉄(米国)やソウル地下鉄(韓国)の車両に影響を受けたといわれています。半数の編成の下り寄り2両は神宝線向けの車両として唯一転換式のクロスシートを持ちますが、窓割りが座席位置と一致しておらず、非常に受けが良い訳ではないようです。平成24年よりPMSMを用いた新型車両向け電飾品の実用試験がC#8000×8Rの1ユニットにて行われ、後の1000系にて晴れて本採用となりました。本系列においても平成28年以降、主制御装置ならびに主電動機の換装が行われ、令和3年には宝塚線所属車から8連固定のGTO-VVVF編成が消滅。神戸線所属車においても1本のみとなりました(令和5年末時点)。また、更新工事も並行して行なわれるようになり、クロスシートはロングシートに改められました。アルナ工機製。

編成表


7300系

編成 8両編成(4M4T)、7両編成(4M3T)
6両編成(4M2T、3M3T)、2両編成(1M1T、2M)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 直流複巻電動機 150kW
全閉内扇式かご形三相誘導電動機 190kW
制御装置 界磁チョッパ制御(東洋)
IGBT-VVVFインバータ制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
7000系の京都線仕様として昭和57年に登場しました。初期の6連2本は鋼製車体により製造されましたが、以降はアルミ車体に移行しています。現在は幾度となく行われた組み換えにより、両車は編成内に混在しています。製造時から地下鉄堺筋線との直通運転も考慮されており、規定の見直しにより平成元年に乗り入れを果たしています。
平成20年に更新工事が始まり、第一陣となったC#7320×8Rは9300系と同様の前面に改修される大きな手直しを受けました。平成26年に施工された2本目以降は見直しにより前面は原型を保持することとなりましたが、貫通扉の窓が天地寸法に拡大され、車番も助士側に移設されたため判別は容易です。また、走行機器の更新も併せて行われ、1300系の同等品を用いることでコストダウンに寄与しています。
令和4年を以て10両運転用の増結車2連の運用が消滅していましたが、それら3本に長らく休車となっていたC#7851を組み込んだ7連が令和6年に新たに組成され、営業運転を開始しました。なおこれに先立ち、編成内出力を補う格好で7321×6Rと河原町方面の先頭車を差し替え、4M3Tとしています。アルナ工機製。

編成表

7000系

編成 8両編成(4M4T)、6両編成(4M2T)
4両編成(2M2T)、2両編成(1M1T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直流複巻電動機 150kW
永久磁石同期電動機 190kW
制御装置 界磁チョッパ制御(東芝)
IGBT-VVVFインバータ制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用)
6000系をベースとして昭和55年に登場した神宝線の主力車両で、とりわけ神戸線には19本が所属する大所帯であるほか、歴代の阪急車両では最多の製造両数(210両)を誇ります。製造途中に普通鋼製からアルミ製に移行していますが、冷房装置のレール方向の位置や側引戸のクツズリ形状などが異なるため、両者の区別は比較的容易です。
平成10年より更新工事が進められており、編成により実施内容が異なります。また主制御装置のVVVF化も進み、現在では8連のほとんどが主電動機にPMSMを有するIGBT-VVVFインバータ制御へ換装されました。このほか、平成31年には神戸線で使用された6連1本が観光列車「京とれいん 雅洛」に改造され、土休日に固定運用となる快速特急にて京都線でも見られます。アルナ工機製。

編成表

6000系

編成 8両編成(4M4T)、6両編成(4M2T)
4両編成(2M2T)、3両編成(2M1T)、2両編成(2M)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直巻直巻電動機 140kW
制御装置 抵抗制御(東芝)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
昭和51年に登場した神宝線向けの車両で、5100系の足回りと2200系(引退)の車体を組み合わせた格好です。このうちトップナンバー(ただし製造は昭和52年)となるC#6000×6Rは阪急電鉄初のアルミ車として導入(後に8連化)され、鋼製車体比で3.5tもの軽量化を成し遂げました。しかし他の6000系では採用されず、本格採用は昭和57年のC#7302×8Rまで持ち越されることになります。平成7年に発生した兵庫県南部地震では被災を受けた車両が発生したことから、共通の車体を持つ2200系のうち先頭車を含む10両が改番のうえ6000系に編入。今日でも中間車6両が編入車として残ります。今津南線および甲陽線向けの3連も本系列が担っており、能勢電鉄への譲渡車も存在することを含め多方面に汎用的な活躍を見せています。アルナ工機製。

編成表

6300系

編成 4両編成(2M2T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.4km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 直流直巻電動機 140kW
制御装置 抵抗制御(東洋)
制動装置 電気指令式空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
京都線専用の特急型車両として昭和50年に登場しました。肩部にアイボリーの塗装が施されるようになったのは本系列が最初で、当初は屋根部分も含めアイボリーでしたが、他系列と同様にその部分は灰色に戻されたのち、8000系以降の新造車で踏襲されました。貫通扉や灯具類の周りにステンレス製の飾り帯を取り付け、特急車としての差別化を図るとともに引き締まった印象を与えています。側引戸を両端に寄せたその間には転換式のクロスシートを設け、乗務員室からの操作で一括して転換できるものとされました。
9300系の導入により平成22年に京都線の一般営業から撤退。ロングシートも取り入れ、クロスシート部は1+2列の座席配置とする更新工事を受けた4連3本が嵐山線専属で残ります。また、平成23年にはC#6354×8Rが6連に短縮のうえ観光列車「京とれいん」に改造され、土休日に限り営業に就いていましたが、令和4年12月のダイヤ改正を前に営業運転を終え、翌年に廃車となりました。さらに、本系列が残る嵐山線のワンマン化(令和9年春ごろ)が発表され、それに併せて引退する可能性が出てきました。アルナ工機製。

編成表

5300系

編成 8両編成(4M4T)、7両編成(4M3T)
車両性能 設計最高速度:130km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用)、4.2km/h/s(非常)
駆動装置 TD継手式平行カルダン駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 直流直巻電動機 140kW
制御装置 抵抗制御(東洋)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
5100系の京都線版として、また3300系に次ぐ地下鉄堺筋線への乗り入れが可能な系列として昭和47年に登場しました。主電動機の出力を向上させることでMT比を1:1に抑え、経済性の向上を図るとともに、加減速時の静粛性が向上しました。平成元年より更新工事が行われ、前面では種別と行先で字幕表示器を独立させ、標識灯と尾灯は別々として窓下に設置し現在のスタイルとなりました。そのほか、側面字幕表示器や補助送風機としてローリーファンが設置されました。平成7年以降に更新を受けた車両は前面の方向幕枠が天地寸法に拡大され、表情が変化しています(写真)。かつては大半が8連を組みましたが、1300系の導入により徐々に堺筋線乗り入れの役割を譲り、7連に短縮(正雀車庫の容量不足による対策)のうえ自社線内完結の運用にシフトしています。アルナ工機製。

編成表

5100系

編成 8両編成(4M4T)、4両編成(2M2T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:4.5km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直流直巻電動機 140kW
制御装置 抵抗制御(東芝)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
阪急電鉄初の本格的な冷房車として昭和46年に登場しました。屋根上スペースの占有面積を減らす目的で、下枠交差形パンタグラフを同社で初めて採用。投入線区こそは神宝線ですが、機器類の規格は極力京都線向けのものと合わせており、全線での運用も考慮されています。一部の編成では更新工事が行われましたが、マルーン一色の車体や補助排障器の無い前頭部など、神宝線にとってはひと昔前の阪急車両の姿を残す唯一の系列です。1000系の導入により活躍の幅は次第に狭まり、宝塚線の8連は平日のみの営業にシフトしています。そんな中、令和3年に迎えた本系列の登場50周年を記念し、C#5100×8Rの車体に旧社章の表記が復活。更に懐かしさを感じられる装いとして活躍しましたが、令和5年に廃車となっています。アルナ工機製。

編成表

5000系

編成 6両編成(4M2T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:4.5km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 WN駆動方式
歯数比16:85=5.31
主電動機 直流直巻電動機 170kW
制御装置 抵抗制御(東芝)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
神戸線の電車線電圧1,500Vへの昇圧後、神戸高速鉄道と山陽電気鉄道への乗り入れ車両として昭和43年に登場しました。一時は宝塚線で活躍した編成もありましたが、長きにわたり神戸線で活躍。登場から30年が経過した平成12年より更新工事が行われましたが、これは平成7年に発生した兵庫県南部地震の影響により沿線再建に資金が集中され、新車による置き換えができなかった(その後、平成18年より9000系を導入)背景があります。しかしながらその甲斐もあって、登場から半世紀が経過した編成も古さを感じさせない車内を持ちます。外観面でも車体肩部はアイボリーが塗られ、補助排障器を設置。前面の貫通扉は窓ガラスの天地寸法を拡大、標識灯は8000系同等品に交換され若返りが図られました。1000系の導入により神戸線からの撤退が進み、令和2年に最後のC#5000×8Rが撤退した今日では、ワンマン運転に対応した3連7本が今津北線の主力として残ります。アルナ工機(←ナニワ工機)製。

編成表


3300系

編成 8両編成(6M2T)、7両編成(6M1T、4M3T)
車両性能 設計最高速度:110km/h
起動加速度:3.3km/h/s
減速度:4.5km/h/s(常用)、5.0km/h/s(非常)
駆動装置 中空軸平行カルダン駆動方式
歯数比16:84=5.25
主電動機 直流直巻電動機 130kW
制御装置 抵抗制御(東洋)
制動装置 電磁直通空気ブレーキ(発電ブレーキ併用)
地下鉄堺筋線への乗り入れ車両として、昭和42年に登場しました。当時の大阪市交通局と協議のうえ設計した車体寸法では同局と阪急電鉄で意見が割れ、阪急は自社の標準車体を断念。最終的には前者の主張が取り入れられました。地下区間での推進運転が行えるよう、電動車比率が高く設定されているのが特徴です。登場から30年余りが経過した平成15年から更新工事が行われましたが、先に行われた5000系と同様に兵庫県南部地震の影響による沿線再建への資金集中により、当時新車が導入できなかった(当時は6300系の置き換えを優先)ことによります。ただし5000系と異なりコストダウンのためか外観に手は加えられず、従前の貫通扉や標識灯を残しました。平成29年以降、5300系とともに地下鉄を走る国内最後の抵抗制御車となっているほか、地下鉄堺筋線の開業時から今日まで活躍する唯一の系列ですが、1300系の導入により置き換えが進行しています。アルナ工機(←ナニワ工機)製。

編成表