バスコレで語る路線バス

レイアウト制作の傍らで収集したバスコレですが、気づけばそこそこの台数を数えるようになりました。ふと整理しているとき、そういえばこんなバスコレも買っていたなと思う場面も。このページでは、そんなバスコレの数々を、自身のエピソードに添えてご紹介します。

横浜市交通局

関東近郊で市営バスと言うと9割方この横市交をさします。ただスローガンにのみ「信頼を心で運ぶ市バス・地下鉄」と書いてありますが。セン南、新横、横浜に行く際はたびたびお世話になり、またそれらの行先からお察しの通り今は無き港北NT営業所のエリア出身なので、幼少期から日産信者なところはありました。
バスコレではここ10年ほどでちょこちょこ製品化されていますが、どうしたことか人気事業者のようで、開封売りでも定価以上の売値はザラとなっています。そんな背景もあってか都交に次ぐスペシャル弾が企画されたのだと推察しますが、大量に並べたい層から見ると内容は微妙なものでした。

全国バスコレクション(JB041)
QDG-KV290N1
平成28年から導入されている日野ブルーリボンで、新型エルガや貸切登録を含め196台(令和4年度末)が在籍する大所帯です。初回生産品は滝頭所属車がモデルのため前面には車番ステッカーが貼られていますので、他営業所の車両としたい場合は2次生産品の浅間町所属車を買うのが無難でしょう。

全国バスコレクション(JB041-2)
QDG-KV290N1
車番等が変更され、実質的な再生産となった2次生産品です。浅間町所属車で、今は撤退した44系統です。前扉下部に金属板の印刷が表現されていますが、これは平成29年以降導入の新型エルガに見られるものでエラーとなります。

富士工業業7E 5台セットA(N060)
NE-UA460HAN改
何故かほぼガス車縛りだったセットで晴れて新塗装が製品化されました。製品状態ではなぜか普通の鉄チンホイールだったので、実写に倣い扁平タイヤに交換しています。また、タンポ印刷との兼ね合いなのか、左側面後方の横浜市営表記がオミットされているのが残念です。

横浜市営100周年スペシャル(387)
2SG-HLANBP
ここから横市交だけのブラインド弾です。環境配慮車枠は平成29年登場の新型ブルーリボンハイブリッド。エルガボディが増えますが、まぁ順当な選択でしょう。

横浜市営100周年スペシャル(389)
QDG-KV290N1
客船ラッピングをまとう通称黄玉。例のクルーズ船の下船輸送を担い、コロナバス呼ばわりされた時期もありました。はっきり言って蛇足なラインナップですが、直営の各営業所に最低1台はいるのでまだあってもいいかとは思えます。

横浜市営100周年スペシャル(388)
QDG-KV290N1
青玉と呼ばれるピアライン専用車でした。トミーテックとしては、先に発売した連接バスのベイサイドブルーと並べてねという意図もあるのでしょうけど、上の黄玉を含めこんな手抜きなインクジェットバスに貴重な枠を取られてしまい残念―が、ピアライン廃止後は浅間町に転属し一般路線に充当されるようになり、今になって製品化の意義を感じてしまいました。

横浜市営100周年スペシャル(384)
QPG-KV234L3
気を取り直して、日野ブルーリボンⅡです。平成24年に導入されたLKG-代モデルのQPG-代ですが、ただでさえJISネジホイールの車が少なめなのでここはPKG-代をモデルにしていただきたかった。唐突のお気持ち表明ですが。2箇所ある尿素水投入口も見事にオミットされています(PKG-代ならこんなこと考えることもなかったのに)

横浜市営100周年スペシャル(385)
QPG-LV234Q3
いすゞエルガの長尺ワンステです。長いだけあり、さすがの存在感です。尿素水投入口はもう目をつぶるにしても、平成25年式なのに側窓が熱線吸収ガラスとなっておりエラーです。考証の詰めの甘さが露呈する格好となり非常に残念です。

横浜市営100周年スペシャル(383)
PKG-RA274KAN
開封売り人気の一二を争う西工RA。鶴見に行った車もいる中、順当に滝頭車が選ばれました。という訳で前面には車号ステッカー入りです。

横浜市営100周年スペシャル(386)
LKG-MP37FK
こちらも開封売りで人気の高い背高のエアロスターノンステ。磯子営業所の車はホイールハブが銀色なので、色差しでそれを表現するのも一興です。モデルは初号車となる緑2667号車で、デビュー当初はこの1台のみの運行でした。

バスコレクション第19弾(218)
KL-MP37JK
こちらは扁平のエアロスターノンステ。ターボエンジンとなった平成15年式がモデルで、右側面最後部は小窓とされています。元々のデッドスペースの多さもあり、中ドア以後は4列でシートピッチには余裕がありました。

横浜市営100周年スペシャル(380)
P-LV314K
持ち合わせの金型の都合か、いすゞの旧型車はP-代のキュービック。300系統をはじめ、黎明期の港北ニュータウンも走り抜けましたが、その古さゆえか開封売りでは不人気筆頭です。

横浜市営100周年スペシャル(381)
U-MP218M
三菱の旧型車は、神奈中の事業者限定に次ぐリニューアル品のエアロスターM。他製品では殆ど使われることがないであろうメトロ窓も含め金型が起こされました。撮影セットは市が尾駅の背景を使っていますが、港北NT営業所廃止の直後はこのエアロスターMも同駅に乗り入れていました。ただしモデルは本牧車なので標準尺ですが。
またしても愚痴になりますが、屋根上のエバポレータの取付位置が実車と異なるのが残念です。

横浜市営100周年スペシャル(382)
KC-HT2MLCA
塗装のおかげで旧型車扱いですが、本弾唯一のKC-代となる古い方の日野ブルーリボンです。 それゆえに平成19年度末までは見られた車ですので、レイアウトにおいても比較的使いやすい車両であると思います。この5系統は出入庫便(現207系統)以外は平成20年2月に神奈中に移譲しており、路線の撤退と運命を共にしました。

富士重工業5E 5台セットA(N017)
P-U32L
バスコレ第6弾での富士重5Eの製品化ののち、数年後に標準尺車の金型が新たに起こされました。丸みを帯びた後面ガラスなど5Eらしさの表現が豊かになっていますが、このモデルにおいてはマーカーの表現が残っていたり後面の補助ブレーキランプが印刷表現だったり…振り返ると、まだ表現にうるさくない時代でした。

横浜市営100周年スペシャル(379)
P-U32L
同じ富士重5Eでもスケルトンボディになった直後の車です。前面ナンバープレートの位置が異なるほか、側面方向幕の窓枠にモノコック時代の面影を残します。個人的には7Eで来てほしかったのですが、後面のテールランプが角型タイプの金型しか無かったと思われますので致し方ないですね(なおその後、東京急行スペシャル弾で丸型テールの金型が起こされました)。

横浜市営100周年スペシャル(390)
LKG-RU1ESBA
平成23年以降、貸切輸送の本格的な復活を掲げハイデッカー車が再び導入されました。当時運行していた横濱ベイサイドラインと同系統の塗装ですが、今にしてみれば既に廃止を検討していて、専用車も塗装変更なしにそのまま流用する目論見だったのでしょうかね。行先表示はスパリゾートハワイアンズで、宿泊者向けの無料送迎バスとしても使用されています。

だいぶ愚痴が多くなりましたが、バス趣味の原点ともいえる事業者なので口うるさくなってしまいました。ただファンにとっては事業者を問わずどのバスも待望の製品化であるはずですから、トミーテックはそれに真摯に向き合って真面目に考証をしていただきたいものです。
そんな訳で、JB041-3辺りでPKG-代のエルガノンステをお待ちしております。

東急バス

横市交ほどではありませんが、当時共同運行をしていた川和線や市が尾線のほか、市が尾中山線、荏田南線辺りを利用していました。青葉台営業所エリアなので日野車指定で、ツーカツーという独特のシフト音には幼少期から魅力を抱いていました。

東急バスオリジナルバスセット(事業者限定品)
PKG-RA274KAN
平成22年7月から8月にかけて4台が導入された東急バス最後の西工車です。日産を含め、この代から側面ならびに後面のNon-Step Bus表記が廃止されています。クーラーは平成20年度車からノンステ車に限りサーモキング指定でした。

東急バスセット(事業者限定品)
KL-UA452KAN改
数年にわたりまとまった台数が入った車両で、残念ながら乗ったことはありませんでしたが、川和線の青葉台移管後もセン南でよく見ていたのは今や思い出深いところです。東急バス初の事業者限定品ですが、カップリングとなったエアロスターMも一般車仕様のリニューアルを期待したいところです。

小田急バス

柿生線でたまに乗っていたのがこの小田急バスで、かつての都交と同じく中扉が4枚折戸でインパクトがありましたが、開閉ブザーが低音でどことなくダサく感じたのは懐かしい思い出です。塗装は小田急らしかぬ赤と白の組み合わせ(振り返るとHiSEっぽい?)ですが、白は忠実や清潔を、赤は情熱と誠心をそれぞれ意味しているそうです。

全国バスコレクション(JB069)
QPG-LV234N3
都内を中心に三菱車も見られますが、多くはいすゞ車なので真っ当な選択でしょう。平成29年度より換気扇が角型に変更され、また前のりに統一されたことで平成23年度以来装備していた左側面の後輪巻き込みカバーも廃止されました。

小田急バス創立70周年記念2台セット
2PG-MP38FK
70周年記念ラッピングのカップリングには、コンデンサが小型化された現行のエアロスターが選出されました。エアロスターについては引き続きメーカ標準の丸型換気扇を装備します。

小田急バスオリジナルバスセットⅢ(事業者限定品)
QKG-MP38FK
関東では貴重な後輪カバーですが、いざ付けてみるとその厚みが気になります。

小田急オリジナルバスセット(事業者限定品)
PJ-LV234L1
ツーステップ車の置き換えで大量に導入されたPJ-代エルガ。ボンネットバスとのカップリングでした。

小田急バスオリジナルバスセットⅢ(事業者限定品)
U-LV318L
かつての主力であるツーステップ車です。かつての町田、生田では路線環境に合わせて高出力エンジンにて導入していました。実車はホイール色がグレーのはずなのでエラーとなってしまうのが残念です。

神奈川中央交通

西鉄と肩を並べる国内最大のバス事業者で小田急グループに属します。社名とは裏腹に町田市や多摩市、八王子市などにも路線網を広げており、神奈川県バス協会と東京バス協会の双方に加盟しています。市が尾駅では1日を通しても片手で収まる本数しか来ないために印象は薄かったのですが、終点になってようやく神奈中と名乗る(広告を除く)合成音声の放送が印象に残っているほか、発車時の「左よし、下よし、右よし」など運転手の指差喚呼が有名です。

神奈川中央交通オリジナルセットⅡ(事業者限定品)
PKG-MP35UM
事業者限定第2弾以降ではマニア向けにシフトし、ベースの車体色はからし色とも呼べる実車に近い色調とされました。最近でこそ数を減らし始めていますが、神奈中と言えばワンステのエアロスターを思い浮かべる方は多いのではないかと思います。既存金型を使用する関係でPKG-代となりましたが、窓サッシを他製品と入れ替えれば大所帯を誇ったPJ-代風に仕立てることもできます。

神奈川中央交通オリジナルセットⅤ(事業者限定品)
QKG-MP38FK
神奈中では平成27年度よりワンステップ車の導入と取りやめノンステップ車に一本化したことで、この新顔エアロスターのノンステップ車が神奈中トップを誇る在籍車両となりました。国交省標準ノンステステッカーが緑色なので、平成26年7月~平成28年2月の導入車がモデルとなります。

神奈川中央交通オリジナルセットⅦ(事業者限定品)
U-MK218J改
平成7年、イニシャルコスト低減の観点から全ての営業所の新車が中型車で導入され、朝ラッシュ帯を含め利用者が多い路線にも形振り構わず投入していた時期がありました。そのこともあり良くも悪くも広く認知されたエアロミディですが、バスコレでは前面が角張っていていまいち似ていないのが残念です。これまで数多くの車両を製品化してきましたが、これに限っては失敗作と言えます。

神奈川中央交通90周年記念セット(事業者限定品)
PKG-AA274KAN
事業者限定第1弾では、当時トミーテックが持ち合わせていた金型の都合からノンステップ車として製品化できるのはエアロスターSのみということもあり、この車種が抜擢されました。かなちゅうロゴが今や懐かしいですが、解釈の違いなのか第2弾以降と比較するとクリーム色がかなり明るくなっています。

川崎市交通局

横市交の市営バスに対し、市バスの通称で通っています。都交と横市交に挟まれ地味な印象はありますが、輸送能力に合わせて営業所により異なる車体長の車両を導入しているほか、ノンステップの長尺車も導入し意気込みを感じられます。大学時代にバイト先の行き帰りで利用していましたが、残念ながら特にこれと言った思い出話はありません。車検の回送なのか、鷲ヶ峰営業所の車両をたまに江田駅付近で見かけます。

西日本車体工業96MCノンステップバス 5台セットA2
PKG-RA274KAN
全営業所で見られたスペースランナーRAですが、令和6年の新車導入で遂に消滅してしまいました。視野拡大窓といわゆるシビリアンテール、そして前扉寄りに設置された行先表示器の組み合わせはバスコレでは貴重で、川市交特有のかまぼこ型ベンチレータを除けば横市交の良い種車となります(なおその後製品化されました)。