AirMac Expressなどの無線LAN製品のおかげでADSL程度でのネット接続にわざわざLANケーブルを繋げる必要はなくなったわけですが、留守中CaptyTVを使ってテレビ番組を録画*1しているLAN上のPower Book G4 (Titanim)に保存されている動画をMacBookで再生しようとすると、さすがに802.11bの転送速度では再生できない為、結局直接LANケーブルを繋げなくてはなりませんでした。これではなにか負けたような気がします。
悔しいのでPower Book G4 (Titanim)の代わりに802.11gで通信可能なPowerBook G4 12-inchにおいても同様に試してみますと、こちらはなかなか惜しい感じではあるものの、定期的に再生が途切れてしまってあまり実用的ではありません。再生アプリケーションを変えたりしてみても大差ない様です。
結局、今のところMacは無線LAN経由でMPEG-2動画を再生できないのでしょうか?
802.11bはともかくとして、54Mbpsの通信速度を謳う802.11gで8Mbpsの動画が再生できないのはどうも納得がいきません。というわけで、まずはアクティビティモニタを使って、AirMac経由でのファイルコピー時の転送速度を実効速度の上限値の目安として計測してみます。すると約1.85Mbyte/secという数字が出ました。これは単位をbpsにすると約14.8Mbpsで、54Mbpsにはほど遠いと思われるかもしれませんが、実効速度としてはまあ平均的な値ではあるようです。
そして再生アプリケーションを常用しているVLCに限定して更に検証してみたところ、上手く再生できない理由が見えてきました。
VLCによるMPEG-2動画再生時のデータ転送量を見てみると平均値では約1.12MByte/sec程ではあるものの、瞬間的には約2.19Mbyte/sec程にも達している事が分かったのです。
AirMac経由でのFinderファイルコピー転送速度(上限値の目安)
MPEG動画再生時(VLC)のネットワークの様子。これなら問題なさそうですが…
アクティビティモニタの更新頻度を0.5秒にしてみるとこんなに振幅していました
つまりアプリケーションが読み込むタイミングが悪いと十分なデータ量が得られず、再生が途切れてしまうわけです。
平均値では間に合っているわけですから、アプリケーション側にある程度バッファがあれば問題無く再生できそうですが、果たしてそんな設定の変更ができるのでしょうか?
VLCならできます。
VLCのPreferencesから、Advancedにチェックを入れた後、Input / Codecs > Access modules > Fileの項目を参照してみてください。ここの「Caching value in ms」の値をデフォルトの300よりかなり多めに設定してやると、あらかじめ、より多くのデータを読み込んでから再生が始まる事が確認できるはずです。ここの設定の調節次第でスムーズに再生する事が可能になるわけです。
数値は多ければ多いほど再生が安定するわけですが、再生が始まるまでの待ち時間が長くなりますので、操作時のレスポンスとのトレードオフとなります。
他のアプリケーションがネットワークを使用する事もあったりで、思った以上に無線の転送速度は安定しておりませんので、個人的に試してみたところでは6000くらいが良いかなあという印象でした。視聴中、他の操作を全く行なわないのでしたらもっと減らせると思います。
結論としましては、VLCを使い、802.11g同士の通信であれば、なんとかDVD品質のMPEG-2動画は再生できる事が分かりました。
あくまでこれはAFPのファイル共有を利用したものです。
動画フォーマットにH.264を使い、送信側がちゃんとしたストリーミングをしてやれば、もっと余裕でDVD以上の高画質を再生するポテンシャルを発揮できるはずです。
先日顔見せしたiTV(仮)には次世代メディアを見越して上位規格の802.11nが載るとの噂ですが、802.11gのマシンでもちゃんと使えると良いですな。