Power Mac G4 (MDD)は価格、拡張性、静寂性といった多くの面でPower Mac G4 Cubeのアンチテーゼとして生まれたMacであると感じます。自分は初めて部屋でPower Mac G4 (MDD)のうなるような動作音を聴いた瞬間、Power Mac G4 Cubeが思うように売れず苦悩するSteve JobsがやけくそになってこのMacを開発する姿を思い浮かべました…。
個人的にはCubeやPower Bookが好きなんですが、今のところMac OS Xが快適に動作する1GHz Dual以上の性能を求めると選択肢はPower Mac G4しか無いわけで、しばらくはこのデスクトップMacとつき合っていくしかなさそう。そんなやや妥協混じりで購入した感のあるこのPower Mac G4 (MDD)を好きになるために、まずは最大の欠点である騒音問題について取り組んでみました。

●電源ユニットを外付けにする

よい子はまねしないように…

電源ユニットには最大の騒音源である6cmのファンAFB0612EH (Delta)が2つ搭載されています。「キーン」という金属的な響きと共に6800rpmの高速回転でうなりをあげる2つのファンが奏でるハーモニーは凄すぎて目眩がしてくるほど。なぜこんなに強力なファンが必要なのかと疑問に思えてくるが、なるほど長時間稼働させていると確かにものすごい温風が中から吹き出してくる。電源ユニットのケース自体もかなり熱を持っている。ここのファンの風量を落とす事はかなりのリスクを伴うと覚悟しておくべきでしょう。
実は、今度届いたアップル純正の静音化Kitの電源ユニットを交換して喜ぶ、というレポートをする予定だったのですが、それは止めました。静音化Kitの電源ユニットのファンの仕様を見る限りでは、個人的にファンを交換して既に使用中の電源ユニットと動作音の差がほとんどないだろうと思ったからです。
リスクに怯えながら静かなファンに交換する方法に見切りをつけ、電源ユニットを外付けにする事によりファンレスで使ってしまおうというわけです。当然見てくれは悪くなるものの、これ以上ドラスティックな改善方法はないでしょう。

ATX電源用延長ケーブル

電源ユニットを外付けにするためにはユニットから出ている電源ケーブルの束やHDドライブの電源ケーブルをそれぞれ延長してやればよいわけですが、この本数の多さを考えると憂鬱になってきます。はんだごてを使うのは嫌いじゃないのだけど、さすがに面倒くさそう…。しかも意外と線材の値段が高かったりしていまいちやる気がわかない。
そこでATX電源用延長ケーブルを使用して作ってみる事にしました。用意したのは電源延長ケーブル(33cm)×3本です。秋葉原の東映無線で購入。後になってTSUKUMOで40cmの長さの物も見つけましたが、本来筐体の外にまで延ばす用途で売っている物ではないのでそんなに長いのは無い様です。

2本の延長ケーブル同士を繋げて66cmの長さにします。そしてPower Mac G4 (MDD)の電源のコネクタは24(12×2)ピン仕様なので4(2×2)ピン分足りない為、残りの1本でPC用の20(10×2)ピンコネクタでは足りない分の延長ケーブルを作ります。コネクタ部分はMac側にうまく挿さるように加工。大変でしたが自分はカッター1本で全て行いました。
あとHDドライブの電源ケーブルも必要に応じて何本か延長します。こちらはPC用として売られている延長ケーブルがそのまま使えるので問題ないでしょう。

指を切らないように…

こんなところに丁度いい穴が

延長ケーブルを作ってしまえばこのミッションは終わったも同然。電源ユニットを取り外し、作った延長ケーブルを注意深くMac内部に這わせていきます。画像ではまだ仮の状態ですが、問題がなければ要所を束線バンド等でビシッと固定します。外部への連絡はACコードの挿し込み口を利用します。

外に出した電源ユニットは、ケースを開けた後、うるさいファン2つの電源ケーブルを外し、作動しないようにします。電源ユニット内部は通電していなくても電気が残っている事があるので、感電しないように気をつけてください。
いくら外に出したからと言ってファンを完全に止めてしまって大丈夫なのか?という心配はありますので、自分は今のところ様子見でケースを開けたまま運用中です。はっきりした事は調査不足で書けませんが、外に出してみて感じたのは意外と熱くはならないなあという事。ケースの温度は明らかにMac内部で動いていたときよりも下がっています。これならケースを閉じても大丈夫かもしれませんが、メッシュ状の風通しの良いケースに入れ直すのが無難かなあと考えています。

●12cmファンの交換

CPUのヒートシンクの手前に位置する12cmのファンAFB1212SHE(Delta)は一見単なるCPUファンですが、実際はHDドライブ4台の熱とDVDドライブが収納されているケース内から押し出されてくる熱気等もまとめて排出する役割も担っています。ドライブの増設による熱源増加にフレキシブルに対応する為、ファンの回転数も段階的に変化します。通常はそれほどでもないですが本気パワーを出すとドライヤー並みの轟音と共に152CFMの風量をくり出します。
しかし考えようによっては、ドライブを増設しないのであればこれほどの風量は必要無いようにも思えます。電源ユニットも無い為、Mac内部全体の温度も下がっています。ここは思い切ってかなり回転数も風量も少ないファンに交換してしまいます。とりあえず自分はAD1212LB-A73GL(ADDA)を選びました。1,800rpm、72.0CFMと純正に比べてかなり非力な分、騒音レベルは最大でも34.4dBAと静かです。さらに少しでも空気の流れをスムーズにする為に、ファンガードや不要なHDドライブのキャリアを全て取っ払います。

光学式ドライブキャリアの底面を部分的に内側に折り込んでいます。

そしてさらに12cmファンの振動が筐体に伝わるのを防ぐ為、ファンをガイドから外し、上下にスポンジをかまして、ややCPUヒートシンク寄りに取り付けました。12cmファンは底面と光学式ドライブキャリアにほぼ隙間無く挟まれており、上下にアソビが無いので、この改造には光学式ドライブキャリアの加工が必要となります。当然キャリアの下段にドライブを収納するのはほぼ不可能になってしまうでしょう(SmartDriveの内蔵はあきらめました…)。しかしながらキャリアの下段を犠牲にするに見合う効果は十分に得られました。

結果的にはファンはかなりおとなしい回転のまま常時保っています。長時間使用していると限界まで回転数が上がってしまうという事はありません。
CPUの冷却を担う部分だけに、ここはミスの許されない改造になるわけですが、CPU付近の温度センサーが主体的にこのファンの回転数を決定しているわけですから信用したいと思います。試しに動作中アクセスパネルを開いてヒートシンクをファンから離すと回転数は上がりますが、閉じてあげると回転数は下がっていきます。これはちゃんと冷却効果が働いているという事です。

●HDドライブの動作音

すずし〜い

ファンの問題を解消したならば、残るうるさい物体は間違いなくHDドライブです。自分のMacには、最近のIBMのドライブなのに流体軸受けじゃないIC35L080AVVA07-0がデフォルトでのっていました。なるほど回転音がうるさいです。さらにHDドライブのキャリアと本体がシークの度に共振しまくりです。こんな音が今まで聞こえなかったほどファンの騒音がひどかったのかとあらためて驚かされます。
とりあえず簡単でおすすめな方法としてはHDドライブを前面ベイに適当な振動吸収材等を下に敷いて置く事です(自分のはただのスポンジですが…)。この場所は非常に涼しく、ドライブの寿命に貢献するかもしれません。スペースが狭くなかなかシビアですが、本体に直接接触しない様に注意深く設置しないとシークの際かなり本体に音が響きます。当然ながらHDドライブ自体も最新のより静かなものに交換するのがベストです。

補足ですが、光学式ドライブ用のATAコネクタがささっていると、干渉しないように入れるのは無理かもしれません。自分の場合は光学式ドライブとHDドライブをマスターとスレイブとして、HDドライブ用のATAコネクタに接続しています。
ちなみに背面側のATAコネクタに光学式ドライブを接続すると、CD起動ができなくなるのでやめた方がよいです。

●更なる静音化を求めて…

放熱効果が追加されたニュータイプ

HDドライブの静音化にはSmartDriveというHDドライブケースが市販されており、これがかなり有効ですが、これを光学式ドライブキャリア内などに固定してしまうと、結局本体に振動が伝わりあまり静かになりません。
SmartDriveを活かすにはATAケーブルを引き出して外付けにするのが無難でしょう。

光学式ドライブもまた、外付けにしてしまえば筐体内の温度を下げる事ができるので12cmファンの回転数が上がるのを抑えるのに貢献するでしょう。さらに光学式ドライブキャリア内に風を送っているサイドのファンも遠慮なく止める事ができます。
しかしながらここまでやってしまうとMacがほとんど図体のでかいただのCPUの箱(^_^;に成り下がってしまいます。せっかくの美しい筐体ですから、あまりにアイデンティティーを失ってしまうのはいかがなものかと現在試行錯誤中です。

●筐体内上部からの排気を追加

最近、長時間使用していると高速回転になっていく12cmファンの音が気になってきました。純正部品よりもかなり風量は落ちているので無理もないのですが、問題なのは以前の様に上がった回転数が下がっていく気配がない事です。
気温の変化やOSのバージョンアップなどもあったので原因ははっきりしないのですが、今までこんなに貧弱なファンがこんなにのんびり回っているだけで大丈夫なのだろうか?と感じていたのも正直なところ。以前のファームウェアのアップデートでも感じた事ですが、12cmファンのコントロールが妥当なものに調整されている様な気がします。

丁度良い機会なので、まずは試しに届いてからずっと放置してあったアップル純正静音化Kitの12cmファンを取り付けてみました。
結果はさすがに純正ファン、常時中速回転程度で余裕たっぷりに冷却します。しかし残念ながら今の私にはこの動作音に耐えられそうにありません…。ファン自体が重いせいでしょうか?低い振動音が筐体に響き、まるでエンジン音のようです。純正ファンにはまた箱に眠ってもらいました。

ここに有ると無いとでは大違い

やはり12cmファンは上記のAD1212LB-A73GLを継続して使用。気になっていた筐体内上部にこもる熱をもう一つファンを追加して排気してみる事にしました。
元々電源ユニットがあった場所あたりに6cmファンを無理矢理取り付けます。かなり乱暴ですが画像の位置にスポンジをかまして接着しています。ファンの型番はCF-60VR(ADDA)。電源ユニットを筐体外に出すまで、そのファンとして使っていたものです。電源はHDドライブ用のコネクタから12Vをいただきます。ちょうど回転数可変式なので、耳障りにならない程度の回転数に落としています。
結果は上々、一つのファンでブン回していた時よりもバランス良く冷却できている様です。12cmファンは何とか中速を保てるようになりました。それにしてもこのファンは何段階に変化するのでしょう?3段階と聞いた事がありますが、実際にはもっと細かく変化している様な気がします。

ここまでやって、個人的にはかなり満足のいく動作音になりました。過去のデスクトップでは静かな部類と思われたPower Macintosh 8500よりも確実に静かです。MDDユーザーにはおそらく驚愕の動作音ではないかと思います(笑)。


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Posted on 2003.08.18

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