ウィルソン ユーフォニアムの謎が解き明かされた!?
| すべては「なぜ?」から始まる。 |
ウィルソンのユーフォニアムを買うにあたりウィルソン社のユーフォの仕様などについていろいろ調べたのだが、疑問に思えることがあった。
スイスの金管楽器メーカー、ウィルソン社のユーフォニアムは、アメリカではDEGが、日本では(株)グローバルが輸入代理店となっている。そのウィルソンだが、
欧米仕様と日本仕様が若干異なっているようなのだ。
B.ボーマン氏をはじめとする欧米諸国の奏者が使っているウィルソンは「TA2900S」であり、ヨーロピアンシャンクのマウスピースレシーバを持つ。
調べると、米国でも欧州でも、このタイプや、同機種のラッカー仕上げが販売されている。(余談:本国スイスのウィルソン社のサイトでは「2900TA」になっていた。)
しかし、日本国内でこのタイプを見ることはほとんどないのだ!
国内ではそのかわりに「TA2900BS」「TA2900SS」「TA2900BS/GP」「TA2900GP」というラインナップとなっていて、どれもみなラージシャンクなのだ。
しかも、そのラインナップは海外にはない。「インナーベル金メッキ」「総金メッキ」という仕様は、日本国内のみの仕様のようである。
国内外で、これほどまでに違うというのは、どういうことだろうか。まあ国内最大手のヤマハだってわれわれ日本人が買えないような特別な輸出仕様がある
わけだから、同じような「日本輸出仕様」なのかもしれないが…。
そんな中、「ボーマンさんは日本のウィルソンは認めていない」とか「実は日本のウイルソンのマウスパイプはグローバルの専門学校で取り付けている」
とかいううわさも、どこからか流れてきた。
このうわさの真偽のほどは確かではないが、やはりわたしが持ったのと同様の疑問が、国内の奏者、愛好家のあいだで話題となり、ふくらんでいったのだろう。うわさを生むような「ウィルソンの謎」が、そこにはあるように思えた。
この仕様の違いは、どこから来るものなのか?これらのウイルソンユーフォニアムは、すべてスイスメイドなのか?
わたしはこの疑問を、直接スイスのウィルソン社に聞いてみることにした。
| Willson Band Instruments社へのメール |
わたしは本国スイスのウィルソン本社のウェブサイトから、本社へ直接Eメールを送ってみた。
メールの内容は、ボーマン氏が2004年に来日し、東京でマスタークラスを行った際に楽器を選定したこと、そしてわたしがそのボーマン氏選定品を購入したこと、それから、肝心の 日本におけるラージシャンクのウィルソン2900シリーズのの存在と、欧米で同型モデルがヨーロピアンシャンクであることとの違いについて、さらにはすべてスイスの工場で製造されているのかどうかの質問である。
返事は半分期待していなかったのだが、何と、送った翌日に返事が届いた。しかも差出人は Willi Kurath氏、ウィルソン社の社長である。そしてWilli氏はそのメールで、 わたしの質問に丁寧に答えてくださったのだ。
その内容を以下にまとめる。
| ■ | 日本輸出仕様のウィルソンには、特別にラージシャンクのマウスピースレシーバを取り付けてある。これは日本の奏者の好みにあわせたもので、日本のプレーヤはラージシャンクのマウスピースを使用する人がほとんどで、 ヨーロピアンシャンクは好まないという理由からである。 |
| ■ | 日本輸出仕様の楽器のラージシャンクマウスピースレシーバは、ここスイスの工場で取り付けている。なお、変更はレシーバのみで、マウスパイプはオリジナルと同じものである。 |
| ■ | 日本からもヨーロピアンシャンクのウィルソンを注文できるが、特注となり、納品までに2〜3ヶ月かかる。 |
| ■ | ゴールドプレートやインナーベルゴールドプレートもすべてスイスの工場で行っている。ゴールドプレートのほとんどが日本に輸出される。 日本では大変人気があるようだ(とよ注:これは、みなさんご存知の通り)。 |
…というわけで、ラージシャンク仕様のウィルソン2900シリーズは、日本の奏者用にスイスで特別に製作しているものだということが明らかになった。 Willi Kurath氏は、さらにわたし宛に本国のウィルソンカタログを送ってくださると約束してくれた。Willi Kurath氏には、この場を借りて御礼申し上げたい。
メールを送って間もない2005年5月、スイス Flums の Willson社 よりウィルソンの金管楽器カタログ(パンフレット)が届いた。英語・ドイツ語・フランス語併記のもの。 日本にはグローバルが作ったカタログしかないから、たいへん貴重なものになると思う。日本では売っていない「2950 TA」の紹介もあった。 また、ヤマハ カスタム YEP-842S やベッソン プレスティージュ 2051&2052 のような部分金メッキの2900TAの写っているパンフレットもあった(下の写真の右端)。
Willi さん、どうもありがとうございました!今後ともよろしくお願いします。(←もちろんここでお礼を書いても本人には届かないので、英語でお礼のメールを出しました。)
Willson TA2900 BS/GP Brian.L.Bowman 選定品 写真集