麻雀漫画「哭きの竜」(能條純一、竹書房、1985-1990年)の主人公の有名な決め台詞「あンた、背中が煤けてるぜ」について、「意味が分からない」という声をこれまでに何度か見かけました。 この台詞の意味の考察もいくつか見ましたが、私の考えと一致するものはありませんでした(参考:「【背中煤ける】の意味は何ですか? お願いします!」「「あンた、背中が煤けてるぜ」どういう意味です…」)。
能條様の真意は分かりませんがこの台詞は、尻に火が付くと煙で背中が煤ける、つまり「尻に火が付く」という言葉を言い換えたものだと考えれば収まりがいいように思えています。
……という記事を2018年に書いたのですが、2024年に「麻雀漫画50年史」(V林田、文学通信、2024年)を読んだところ、この台詞についての解説がありました。
本作の闘牌原作を手がけ、麻雀シーンに関しては台詞の原形も書かれていた土井泰昭様によれば、この台詞は元々「あんた手牌が透けてるぜ」だったのだそうです。
ウェブで調べたところこのエピソードは、V林田様の2021年の記事「“ジャンル:翔丸”としか言えない漫画界の孤立峰?ハッタリ100%で構成された純・能條純一漫画『翔丸』」にも掲載されていました。
「あンた、背中が煤けてるぜ」の意味を敢えて解釈するなら、これだということになりそうです。
公開:2018年7月12日、更新:2024年9月15日