15MB(メガバイト)クラスのRGB,TIFFデータは印刷媒体専用で、カタログ上でキャビネサイズ程度の扱いの場合は35mmポジフィルムでの撮影に匹敵する品質です。
 キャビネサイズというのは写真屋さんで焼き増しを頼んだ場合の出来上がりプリントの大きさの呼び名で、手札サイズがほぼ10px12.5p、キャビネサイズが12.5px17.5p位の大きさをさします。
 通常アマチュアの方が撮影するデジカメのデータはjpegと呼ばれる圧縮保存方法が使われます。
 データの大きさもプリンタ出力用にせいぜい5MBくらい、モニターで鑑賞するためなら数百バイト止まりです。jpegで5MBの大きさがあれば、いわゆる写真画質といわれる程度のきれいなプリントがA4サイズまで出力できます。
 撮影した人にしてみれば、こんなに大きなきれいな写真ができる程のデータなら印刷物にも流用できるだろう、とか、モニターでこんなにきれいに見えるんだからカタログに使っても同じように印刷できるんじゃないか、と考えがちです。
 プリンタは200から250dpi、モニターは72dpiで表現しますが、印刷には350dpiが要求されます。つまりモニターで画面いっぱいのきれいな映像も印刷物になると3x4pの絵になってしまいます。それを必要な大きさまで引き延ばすと、ガサガサの荒れた画像になってしまい、(下手な印刷屋だなあ)、ということになります。
 しかも、いったんjpegで圧縮されたデータはディテールの部分が削られて、仮に大きなサイズのデータに戻されても350dpiの印刷過程でその欠点がはっきり見えてしまいます。
 従って、印刷を前提にした撮影では、いっさい圧縮をかけないTIFFという保存形式を使います。
 仮に15MBのデータの場合は,15MBで撮影し、画像処理、保存、納品、印刷所渡し、までずっとそのサイズを維持しますので、途中の作業はかなり煩雑になり、納品もメールやFDは使えません。(MO、CDが必要です。)画像修整も印刷に適したレタッチをくわえますので、アマチュアの方が年賀状作りに使う合成用テクニックとはかなり質的に異なります。

 「印刷用のポジでの撮影はいくらになるのですか?」という問合せがありますが、現状では、アマチュアが自分のカメラで作るデータとプロの作る印刷用デジタルデータとの違いがあまり認識されていないようです。
 
プロとアマの違いって何?
 
アマ−カメラ側でプリント用に自動的に加工されて、圧縮保存されているので、モニターやプリントで見るときれいだけれど、カタログやパンフの印刷に使ってみるとガッカリするデータ。
プロ−圧縮保存をしていない、大きなサイズで、カタログ印刷用にレタッチしてあるのでそのまま印刷所に渡せるデータ。

カタログ上で10x15p位の写真ならポジフィルムの撮影と同じ品質です。