■2006年2月■

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2/26
この日は毎年恒例になりつつある、押井守と岡部いさくのトークショー
「Howling in the Night 2006 押井守 戦争を語る」に行ってきました。
最初はボチボチという感じで始まったのだけど、
中盤以降エンジンがかかってくると数々の妄言と迷言が飛び交って大変愉快だったです。
押井さんは果てしなく天然なのか、それとも韜晦しているのかさっぱりワガリマセン。
内容に関しては「ウェブの日記で書いたり活字にしない」という紳士協定があるので書けませんけども。

そしてパックス・ヤポニカ企画がいよいよ本格始動ですよ!
amazonにも出ているから、もうこれは書いても問題ないでしょう。
や、3月末に出る『雷轟 rolling thunder -PAX JAPONICA-』の話です。
20世紀、太平洋の覇権をうっかり握ってしまった日本がとにかく苦労するシリーズになるそうで、楽しみ楽しみ。
で、登場する兵器の設定について押井守の怪気炎と岡部いさくのツッコミがやたらに面白かったわけで。

こういう、純粋なミリオタ談議に久々に触れた感じで実に楽しかったですよ。
ミリオタって、一定成熟してしまうとドクトリンとか戦略とか地政学とか、そういうものと
絡めて語りたくなるもので、いやそれ自体は構わないのだけど、
でもそういう「もっともらしさ」を一切無視して「おれは好きなんだ」的
プリミティブミリオタ話というのもやはりいいものだなぁ、と。
初心に帰ると言いますか(いやそんな上等なものじゃないのだけど)。

しかし、毎年そうなのだけど岡部いさくのしゃべりが少なくて残念。オタク丸出しでやたらに面白いのに。
一度岡部いさくメインのトークで、ゲストで押井さんのイベントをやってみてくれないかしら。

イベントでは『立喰師列伝』の予告編も上映されました。行くぞう。
あと、客の眼鏡とヒゲ率高すぎ。おそらく結構な確率で字書きと絵描きと編集者が混じっているのではありますまいか。

『獣たちの夜』の話がちょっと出たので焼肉を食べたくて矢も盾もたまらなくなり、
イベント後池袋で貪り喰ってきました。じゅー。

買った本
『勝つために戦え!』(押井守 エンターブレイン)

イベントで押井守が喋ったことの1/3ぐらいはこの本に書いてありますね。

オリンピックが終わってしまった。ああ。
2/25

フィギュアスケートのエキシビジョンを観たり。
大変素敵だったけど、やー、プルシェンコが別格ですね。
一体どうやればあんな動きができるのか。僕と同じ種族の筈なんだけどなぁ。

昨日のデイリーポータルZ「部屋を風船でいっぱいにする」を読んで吹き出しました。
小野法師丸さんはずるいなぁ。雑誌の投稿コーナーのキャプションとか書かせたらすごくいいんじゃないだろか。
そして風船が充満する部屋を外から撮った写真、風船がゼリービーンズに見えてサイズの感覚が狂います。

チケットが余っているというので、『ナルニア国物語』の先行上映に行ってきました。
いろんなクリーチャーがわんさか出てきて満足満足。ミノタウロスが圧倒的にかっちょ良かったです。
次点でケンタウロスとグリフォン。
しかしターゲットがいまいち見えぬ映画よのう。
ファミリー向けにしては長いし、かといってドラマはちょっと弱いし。
まぁ、原作にできるだけ忠実であろうとした結果だと思うので、それもまた良し。
僕が一番「おおっ」と思ったのは冒頭、ロンドンを空襲するHe111のシーンだというのは秘密ですが。
だってコクピットとクルーが結構丁寧に描写されててですね! たぎる!
地上にHe111の機影が通り過ぎるシーンは漫画的演出だけど、ちょっとぞくぞくしたよ!
あのくだりはあきらかに必要以上の凝り方だったと思うので、監督が好きなのかあーいうの。
バトル・オブ・ブリテン映画、新しく誰か撮りませんか。できればドイツ軍視点で。

2/24

お、NHKの時代劇『柳生十兵衛七番勝負』が再放送されちょるぞ。
これは面白かったので大歓迎。
夏八木勲の柳生但馬も全然悪くないのだけど、錦之介の但馬があまりに印象深くて、比較すると……。

『ダークローダーズ 魔王のおしごと』(藤浪智之 佐々木亮 ワニブックス)4巻に、
ゲストでちょろっと描かせてもらいましたよ。よろしくお願いしますね。

オリンピックや民主党のポカやイラク情勢や、いろいろと世の中動きはあるんだけれども
最近一番気になったのは鳥インフルエンザ感染を防ぐために
ロンドン塔のカラスが塔内に避難させられたというニュース
ロンドン塔からカラスがいなくなるとイギリスが滅びるという言い伝えがありまして、
わざわざ羽を切ったカラスを中庭で飼ってるんですね。
僕も見ましたが、まぁ伝統を大事にするお国柄とはいえ、大真面目に飼っている風景は変なものです。
万が一感染して全滅したらどうなるか実験……なんてのはやっちゃダメなんだろうなぁ。

買った本
『プルトニウム・ブロンド』(ジョン・ザコーア ローレンス・ゲイネム ハヤカワ文庫)
『羊皮紙に眠る文字たち スラヴ言語文化入門』(黒田龍之助 現代書館)

2/20

突如、ゴーゴリ『外套』の主人公、アカーキイ・アカーキエヴィチを女キャラ化したらどうなるか妄想。
多分、とても冴えない古典的メガネっ娘。化粧っけ一切無し。無口。そのうえ動揺しやすい。
友達づきあいはまったく無く、ちまちま書類を綺麗に仕上げることだけが生き甲斐。
そんな彼女が苦労して外套を買って、急に皆からひっぱりだこの美少女に!
……むう、行けそうな気がしてきました。
や、ゴーゴリ大好きなんですけどね。

オリンピック、カーリングの試合前に必ず「Scotland the Brave」が流れるのが気になります。
バグバイプの、おそらく一番有名な曲です。しかしなぜバグパイプ。
イギリスの応援団が演奏しているのかしら?

買った本
『ヤングガン・カルナバル 銃と恋人といま生きている実感』(深見真 徳間書店)
『標的は11人』(ジョージ・ジョナス 新潮文庫)

2/17

19日のコミティアですが、今回はお休みします。一般でも行きません。残念無念。

さて『迷宮キングダム』サプリメント『迷宮クロニクル Vol.7 愚神礼賛』がそろそろ出ます。
また例によってコミック「オープンダイスキングダム」を描いてますんで、よろしくお願いしますね。
今回は宗教ルールを定めたサプリメントでして、コミックも王国の神官、テオドラ話です。

あと、今日はコマンドマガジンの最新号が届いたり。
ここんとこのコマンドは面白いと思うんですが、今号は特に調子がいいような。
好き勝手度が高まってきて、非常に僕好みです。
雑誌からこういう元気さを感じると嬉しくなりますよ。いいぞ浅田さんもっとやれ。
古代オリエントやカデシュの戦いに関する歴史記事も楽しみだし、
「ウォーゲーム 新たな方法論の模索」も興味深そう。や、まだ読んでないんですけどね。
付属のカデシュは是非遊びたいなぁ。
WW2もいいけど、古代戦とかナポレオニックとか架空戦とか、いろんなのがやりたいですよ。
まぁ、人気はWW2が圧倒的なんだろうけど。
あ、ヨム・キプールも未プレイなのだった。なんとかせねば。
さらに新作紹介に載っていた冷戦をテーマにしたゲーム『TWILIGHT STRUGGLE』も
すごくやりたいのう(バランス・オブ・パワーファン)。
2/14

急に暖かくなって、ポトスも一安心かしら。
あと液体肥料も買ってきましたよ。

ユーラシアブックレットで『ロシア・ファンタスチカ(SF)の旅』(宮風耕次)
というのが出ていたので、あわてて買ってきたり。

こちらではご無沙汰ですが、mixiでは相変わらずちょこちょことバトンに答えてたりします。
先日絵師バトンなるものがやってきたので、レッツ転載。

■回してくれた方の絵の印象■

中村哲也さん
ごく自然にいちゃいちゃしている二人を描ける人。
エロい絵でもどこか健康的といいますか、のびのびしているというか、天然自然な風雅があります。
その一方で激情とかひそやかな狂気なども描ける人なのが素敵だなぁ。

■周りから自分のイラストにもたれる(と思われる)印象5つ■

・ちまちまごちゃごちゃ。
この趣味は幼児の頃から変わってないようです。
あーでも、空間を生かしたシンプルな絵も描きたいんですよ?

・ステッチと木目を描きたがる。
ステッチの強迫観念はどこから来たんだろう。木目は松本零士の影響です。

・独特な絵とよく言われるけど、そこんとこは自分でよくワガリマセン。
基本をサボりまくった末の我流なので、著しく様式化されたスタイルだとは思うんですが。よくないよね。
特にキャラの動きに関しては研鑽すべし。

・自画像がよく似ている。
皆そう仰るので、相当似ているらしい。まぁわかりやすい顔だとは思う。

・世界や物語を想起させる絵を目指したいし、実際そう評価してくれる方もいて嬉しいのだけど、
反面それは仕事を選ばせてしまうのかも。

■自分の好きな絵柄5つ述べてください■

・世界や物語を想起させる「存在感のある」絵。一定の日常性を感じさせる絵。
・微妙な感情、押し殺した内心の表情を表現できている絵。
・好きだったり描きたかったりするテーマがあり、単に「好き」に留まらず研究や妄想を経てきた絵。
・基本ができた上でのディフォルメというのは気持ちいいですね。到底真似できない。
・メカと美少女(悪いかよ! 80年代世代なんだよ!)

■では反対に苦手な絵柄■

・いやいや描いている、もしくは腰が引けながら描いているのが見えてしまう絵というのはつらいですね。
・風景や小道具等に愛のない絵は苦手というほどではないけど、スルーしてしまうかも。

■自分が描きたい、描けるようになりたいと思う理想の絵柄、スタイル■

具体的なゴールや理想形はさっぱりわかりません。
ただ、三度目のくり返しになっちゃうけど世界や物語を想起させる絵は描きたいし、
そのための説得力や妄想力は日々研いでいかねばと思うのですよ。
あと、ここで答えることではないかもしれないけど、
ロシアの漫画家やオタクたちから「お前の絵が好きだ」と言ってもらえたのはすごく嬉しかったです(お世辞かもしれないけど)。
言葉は通じなくても、なにかを伝えることができる喜び。素晴らしい!

■自分のイラストを好いてくれる人に叫んでください■

あなたのためにもがんばります精進します。そしてもっと誉めて誉めてッ。

■そんな大好きな人にバトンタッチ5名(絵の印象つき)■

というわけで、mixiで回しちゃったのです。

2/12

ウチにはポトスの鉢植えがふたつあります。
夏の間はこれでもかと生い茂り、冬になるとしょんぼりするわかりやすい植物。
ソロモン諸島原産らしいので、寒さには弱いんですね。
この冬しばらく放ったらかしにしていたら(水はやってますよ)、
最近になってところどころへんにょりしてきたので一部切ったりしてレッツ手入れ。
そしたら、今日になって寒波ですよ。
がんばれポトス。春は近いぞ持ちこたえろ。
2/10

『ホテル・ルワンダ』を観てきました。
主演のドン・チードルが素晴らしい。特に中盤、ネクタイを結ぼうとして泣き崩れるくだりは圧巻。
外国人だけがルワンダから脱出できる場面、僕は逃げる側の立場にすごく共感を覚えてしまいます。
あのシーン、映画を観ながら泣いてしまったのは久しぶりかも。
もとが実話というせいもあり、ドラマの進み方がまったく予想できません。
しかもルワンダの虐殺ドキュメンタリーではないので、
あくまで主人公視点で描かれており全体が俯瞰されることがありません。
おかげで状況の不条理さと不安感に満ちた、すごく居心地の悪い雰囲気を味わえます。
いろいろ整理できていない部分もあるので、また行きたいな。サントラも良かったので買おう買おう。
これだけ迫力のある作品なのに、最初は日本公開する予定がなかったんだよなぁ。

ついでながら『キリング・フィールド』をもっぺん観たくなったですよ。
あと『ジェノサイドの丘』を読み直そう。

タチの悪い感想ひとつ。
ルワンダ政府軍と将軍がそれはもうステキで、腐敗した体制フェチとしては大興奮モノでした。ハイ。

トリノオリンピックが始まりましたよー。
ご興味のない方も多いようですが、普段馴染みのない競技がいろいろ観れるので僕は大好き。
アイスホッケーとか、楽しみじゃのう。ロシア勢がんばれ!
開会式も観てましたよ。
選手の衣装を観察するのが好きなのです。
冬季オリンピックは、夏に比べるとバリエーションが少ないかな?
フランス、イギリスのセンスがいいのは流石でしょうか。あとカザフスタンがお気に入りかな。
どうもマフラーを配したデザインが好きなのかも。
日本のは面白みに欠けますのう。単体で近くから見れば悪くないのだろうけど、開会式ではどうにも映えませんね。
ロシアのは昔のカフタンをイメージしたデザインなのかな。
あと、イタリアは着こなし方が皆ばらばらなのが「らしい」ですね。

イタリア諸都市の旗を使ったパフォーマンスはかっこよかったな。
イタリアの祭りでよく見られる、旗をぐるぐる回したり放り投げたりするアレです。

中3の女の子とつき合う夢を見ました。どうしたおれ。
2/8

お知らせお知らせ。
いま発売中のRole&Roll誌18号に、『迷宮キングダム』コミック「オープンダイスキングダム」が載っています。
普段はサプリメント『迷宮クロニクル』に掲載しているシリーズですが、その番外編になります。
まよキンをご存じない方でも大丈夫ですので、よろしくお願いしますね。

欧州連合が琴欧州に化粧まわしを贈呈するそうですよ。
今のブルガリアヨーグルトな化粧まわしはあんまりだと常々思っていたので、大変喜ばしいことではないかと。
デザインはこれから募集だそうなので、まかりまちがえばもっとナニがアレな代物になりかねませんが。
選考はおそらくEU代表部でしょうから、彼らのヨーロッパ的センスに期待するしかありません。
あ、ウチが応募してもいいのか。
クブラート・ハーンやアスパルフ・ハーンな化粧まわしとか!
ディミトロフやジフコフは……ダメだろうな。

そういやディミトロフ廟があった筈なんだけど、いまどうなってんでしょうね。
……と思って調べてみたら、1989年に遺体は放り出されて火葬にされて、今は荒れ果てたまんまなんだとか。

伊福部昭死去。お悔やみ申し上げます。
2/7

トルクメンバシ(トルクメニスタンの父)ことニヤゾフ大統領がまたやらかしてくれました。
しかも、今度はかなりシャレになっていません。
や、今までも病院を閉鎖したりシャレになってない人なんですが。

「年金生活者計33万6000人のうち、10万人以上が全額支給停止、
20万人以上が大幅減額の憂き目にあう。身体障害を持つ人々への年金も廃止される。
その上、政権は、「旧ソ連時代以来、国家は年金を支払い過ぎて来た」との論拠で、
高齢者たちに指定額の“返済”まで義務づけた」

ってあーた。ちょっとあーた。

フツーの国ならこんな暴挙をやらかせばデモどころか暴動まで起こりかねませんが、どうなんでしょうね。
次のスターリン・ジョークを思い出しましたよ。

「訪ソ中のニクソン大統領がブレジネフ書記長に質問した。
『ソ連では、なぜ労働者のストやデモが起こらないのですか』
『全労働者が共産党と政府のあらゆる政策を支持しているからです。なんなら、大統領が試してください』
翌日、ニクソン大統領は労働者の集会に出席し、『ソ連政府の通達』として発表した。
『今月から賃金を半分にする』(嵐のような拍手)
『明日から物価を二倍にする』(嵐のような拍手)
『明日、十人に一人をシベリア送りにする』(嵐のような拍手)
『明日、十人に一人を絞首刑にする』
すると、拍手は起こらず、会場にざわめきが広がった。一人の労働者が質問した。
『その場合の紐は自分で用意するのですか、それとも労組が用意してくれるのですか』」

2/6

朝日新聞の「ジャーナリスト宣言」に文句つけている方が多々いはるようです。
それに関してぺり公さんの感想で膝を打ちました。
ああ、確かになにかといえばウェブで攻撃される新聞は朝日だけですよ!
読売や毎日や産経では、どうころんでもこうはいきません。根本的にはさほど変わらない筈なのにね。
いや、朝日の影響力ちうのはさすがなのだなと素直に感心したものです。

実家で取っていた新聞なので、心情的には朝日好きなんですよね。
や、数々のポカをやってきた新聞なのはわかってますよ?
今は新聞取ってませんが、喫茶店などで読むのは朝日、毎日、日経かしら。
赤旗も読みたいのだけど、近所には置いてないしな。まぁウェブで見てますよ。
とはいえ、どれも基本的には毒にも薬にもならなくて面白みがないのは事実かのう。あ、赤旗は別ね。
ロシアのコメルサントとか、すごく面白そうなのに(奥野さん曰く、「邪悪な日経」だそうで)。

今後も朝日には戦後民主主義的でちょっとお高くとまっていて欲しいです。いや本気で。
朝日的な建前って、実はとても大事なんじゃないだろうかと最近思いつつあるのですよ。

あ、ペリ公さんといえば、アフマディネジャド大統領を見ると平井堅を連想するそうです。
そうかな……? そんな気もする……かな?

イワンの馬鹿さんの『Europe Universalis II』モスクワ大公国リプレイが大変面白いです。
そうか、ゲーム的にはノヴゴロドはお薦めなのに、モスクワはそうではないのか。
モスクワの台頭についていろいろひどいことが書かれてますが、
しかしこの必死の成り上がりっぷりこそ史実におけるモスクワの魅力だと思うのです。
プロイセンあたりと共通するんじゃないかな。
プロイセンの君主だと、フリードリヒ・ヴィルヘルム1世が好きな僕ですよ。友だちにはなりたくないけれど。
2/4
NHKスペシャル『幻の藤十郎 伝説の天才歌舞伎役者に挑む・人間国宝・中村鴈治郎生涯の夢』を観たり。
1953年に『曽根崎心中』でお初をやったときの映像が出てたんですが、
いやこれがぞくりと来るほどの美人で。びっくりしました。
あんなアンコウみたいなお顔してるのにねえ(失礼)。
なんか、昨日書いた『ライト・グッドバイ』のアンジェラを思い出したり。

その後年をとってからのお初も出てました。芸は深みをましているんでしょうけど、なんつーかこう、
やっぱああいうのは若い方が素直に綺麗なんじゃないかしらと思うのは素人の浅はかさなんじゃろうか。

女形が何百年の伝統を持つ素晴らしい芸だというのは重々承知してます。
虚実皮膜を一直線に進む魅力というのはやはりたいしたものですし。
しかし以前猿之助が京劇と共演したときの公演をTVで観ましたが、当然京劇は女優が出てくるわけですよね。
女形と京劇の女優が並ぶとなんだ、さすがに次元が違う気がしました。むむう。
2/3

節分です。恵方巻き、食べましたよ!
大阪の寿司屋の陰謀(いや、海苔屋の陰謀でしたっけ)ってこたぁ百も承知なんですが、
こういうセンスは好きなので喜んで騙されますよ!
恵方という方角を決めて、黙ってかぶりつけというもっともらしさ!
素直に寿司を食え、ではなくわざわざ太巻きを指定する妙なあか抜けなさ!
デビアスやホワイトデーといった同種のプロパガンダに比べてなんかドンくさい雰囲気があって憎めません。

バレンタインを引き合いに出さないあたりが弱気だな、貴様!

や、でも太巻きよりも福豆の方が好きなんですけどね。
プレーンな豆もいいし、海苔がまぶしてあるのも捨てがたい。
重大な欠点としてはお腹がパンパンになってしまうことですか(そんなに食うな)。
誰か、胃で膨らまない豆を発明してくれんものかのう。

子供の頃、家で豆まき中にふざけて「鬼も内〜」と言ってたら、
父親にえらい剣幕で怒られたことがありました。
子供心に「ええやん、そんな本気で怒らんでも」と思ったものです(信仰心の形骸化)。
たしか兄が受験中だったような気がするので、それでピリピリしてたのかもしれませんが。

『ライト・グッドバイ』(東直己 早川書房)をようやっと読みました。
ススキノ便利屋シリーズの最新刊です。好き好き。
シリーズもこれだけ続けば、若干「流して書いている」感が出てしまうのはいたしかたないところです。
またキジルシが登場するしな。でもそれ以上に「俺」やレギュラーの皆さんにまた会えるのがすごく嬉しいわけで。
レギュラーでは桐原や松尾が出てこないんですよね。どうしちょるんかのう。

しかし、ゲイバーでダンサーをしている元陸自レンジャーで外見セーラー服美少女のアンジェラという
とてつもない萌えキャラが登場したのはなんだ、その、たまらないものが。しかも高田とゴニョゴニョ。
他の小説で出てきてもさほど驚かないタイプのキャラかもしれませんが、
どちらかというと地に足のついた作風のシリーズなのでインパクト強いです。
ちゅか、はっきり言って高田とのバトルシーンは浮いてました。好きなキャラですがね! うへへ。

作中はおそらく2004年から05年にかけての冬。「俺」も49歳で、酒に弱くなったとこぼしています。
最近の便利屋シリーズは「俺」がどんどん歳食っていて、せつなくてたまらんですよ。
前にも書きましたが、このシリーズの登場人物は実際に今、
この瞬間にもススキノで呑んだくれたり映画観てたりフラフラしてるんじゃないかという、そんな気がするのです。

東直己とぜひご一緒に呑んでみたいなー。 誰か紹介してくれないかなー(ぼんやり)。