■2000年1月■

(あらためて字にするとすごいなあ)

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Flying Circus →


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駸々堂が自己破産申請したとの情報。
いろいろお世話になった店なのに(涙)。
関西大手の書店なのです。

ETV特集『アイヒマン裁判と現代』を観たり。
アイヒマン裁判を扱ったドキュメンタリー映画『スペシャリスト』と絡ませた番組でした。
『スペシャリスト』はぜひ観に行かねば。

あと、『ベルリン陥落 史上最大の市街戦』てなビデオを借りてきたので観たり。
45年、終戦直後に作られたソ連のベルリン戦記録映画。
時期が時期だけに、プロパガンダ色は非常に強いんだけど。
ただ、映像はほぼすべて従軍カメラマンの手によるものの様なので、非常に興味深かったです。

まず圧倒的に多いのが戦車でも歩兵でもなくて、砲兵の射撃シーン。
お国柄というべきか、撮りやすい素材なのか(笑)。
カチューシャを直接ビルにたたき込んでいるような映像は、ドイツももう終わりだと実感しますね。
あと、ヘルメットのない歩兵が過半数ということとか(ひいい)。
知ってはいたけど、市街戦の映像で動くのを観てると、ヤだなあ。
ドイツの戦車は影も形も出てこなかったなあ。破壊されたのも。
反対に、燃えてるT-34などをちゃんと見せてたりして、ちょっと感心。
ドイツ軍降伏後、捕虜の列に敬礼するドイツのワイトリング将軍が印象的でした。

画面に出てくるドイツの女性たちが、みんなソ連兵から暴行受けたんだろうなあとか思うとやりきれなくなりますが。

わあ、お茶を本の山にこぼしてしまったあああ。

「広島県のある村。妻が犬神つきとなり、なおらない。
夫と息子が、犬神社へ連れていって、焼き殺した。裁判でどうなるか(東日)。」
星新一『夜明けあと』

ついにストーブ導入。
ううむ、負けた気がする。

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ゆうべは『空軍大戦略』やってたので観てたり。
何回観てもたまりません。
スペイン製とはいえ、ハインケルHe111のホンモノが飛ぶんですもの。むふー!
あ、速水は一番好きなドイツ機がハインケルという、変な奴です。
「空飛ぶ鉛筆」ドルニエも捨てがたいけど。

午後からV-MATというミリタリー系のイベントに行って来ました。
そのテのイベントに行くのは初めてだったんですが、面白かったです。堪能しました。
金さえあれば、念願の内戦時赤軍制服とか30年代VKVD制服とか簡単に手に入りそう。
ミリタリー系のイベントなだけにコスプレも多いんですが、速水もそのうちしたいかな。
イェニ=チェリ軍団とか(かなりマジ)。イワン雷帝の銃兵隊もいいなあ。む、主旨がだいぶ違う(笑)。

買い物は結局、西山洋書のブースでMEN-AT-ARMSシリーズを3冊買った程度という華のない結果に。
とはいえ、行ったのが遅かったせいで2割引中だったという。オトクだったのですよ。
しかもそのウチの一冊は『ARMIES OF THE OTTOMAN EMPIRE 1775-1820』てなシロモノ。
ああこんな新刊が出ていようとは。絵は尊敬するANGUS McBRIDEだし。
TRPG『指輪物語』の箱絵とか描いてる人です<アンガス
誘ってくださったROCKPEEKさん、ありがとうございました。

「私は諸君に質問する。諸君は総力戦を望んでいるか? 
諸君は、必要とあれば、われわれが今日なお考えることができる以上の総力戦を、
徹底的な戦いを望んでいるか?」
1943年2月18日 ヨーゼフ・ゲッベルス

1/28

なにげに『男おいどん』を読み返して焦燥感にかられる。
林さんっていいキャラだよね。

喫茶店でこりこりと作業。
外の方が木が散らないという建て前もあるけど、自室にいると手がかじかむためという説が濃厚。
素直にヒーター出せばいいのに、つくづく自分はバカなんじゃないかと悩んでみたり。
ヒーター出すと、負けるんじゃないかという妄想にとらわれているんだよね(笑)。

近所の四つ辻にあった大きな木が倒されてがっかり。
真夏にあの木の下を通るのが好きだったのになあ。

「売り手は『全部を売ることはできない。高すぎるからな』と言った。
彼は二〇分間、ペンチや斧、ハンマーで、プルトニウムの塊をちぎったり、たたいたりしながら、
六グラム相当のかけらを切りとった。売り手は『商品』に放射能測定器を近づけた。
『(数値が)高いな』と自慢し、『容器はあるか』と尋ねてきた。
『ない』と答えると、うなずいて、鉛を管のような形にして、その中にかけらを無造作に入れた。
放射能測定器はピーピーと鳴り続けた。
売り手は、次に『一・八キロ』、その次には『二五キロ』を売ろうと提案してきた。」
西村陽一『プロメテウスの墓場 ─ロシア軍と核の行方─』

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大島渚の『御法度』を観に行きました。
や、なかなかに面白かったですよ。さすが大島。
というか、松田龍平を観に行くだけでも1800円の価値有り。おつりも出ます。
速水はもう、なんというか、ああん(バカ)。
瞳がねえ、瞳がズルイんですよ。あと口もと。あごのラインはこれからがやや不安(笑)。

トミーズ雅がいい味出してたし、
武田真治の沖田総司も評価高いです。
それに、まあ、田口トモロヲと松田龍平のカラミという異なモノも観れたので。
『ジャンヌ・ダルク』より、やっぱ良かったですかね。

晩から、お友だちの魚蹴さんや同居人かわしまと酒など呑んだり。
今年の抱負や野望といった若者らしい話題のためにとっておきの酒を開けたりする。
もうひとり誘ったんだけど、ちえー、来れば良かったのになー、吉井くん。

「ボートじゅうにものをほめる形容詞として“ボムフォルチオネル”というのが、流感みたいにはやった。
こんないい方をはじめたのが何者か、誰も知らない。
しかし、急に何から何までボムフォルチオネルになった。
新しい単位も蔓延した。“シュトラール”(光線)という。
はじめは朝食の席でしか聞けなかった。
『すまんが、コーヒーをもう一シュトラール』ついで“シュトラール”は時間の単位にもなった。
『やるよ──だけど、一シュトラールあとでな』
機関長でさえ、わたしに、横へ“一シュトラール”どいてくれないか、という始末。」
ロータル=ギュンター・ブーフハイム『Uボート』

1/26

北海道で零下30度を記録したとか。
おいらはそういうところに住むべきなのだ(笑)。

『王道の狗』が最終回。
ミスターマガジンも最終号。
最近話のペースが早すぎてつまんないと思ってたら、そんな事情があったのね(苦笑)。
『わが名はネロ』もそうだったけど、どうも最近の安彦良和は掲載紙に恵まれません。

一方、コミックGUMで広江礼威の新連載『Phantom BULLET』が始まったり。
いきなりはじまりがポーランドですか?
しかし、あいかわらず端役の軍人がかっこいいなあ(笑)。
これからが楽しみですね。ひひひひ。

椎名林檎のマキシシングル『罪と罰』『キブス』をゲット。
タイトルなどがロシア語で書いてあって、椎名林檎も汎スラブ主義に目覚めたかと一人納得。
ああ、しかしスピーカーからあの声が聞こえてくるだけでふにゃふにゃ(重傷)。

ゆうべは突発的に『トラ!トラ!トラ!』が観たくなってビデオごそごそしてたり。
ふむむむ(堪能)。
あの映画の白眉は、やはり夜明けの真珠湾攻撃隊発艦シーンだよねえ。
薄暗いなか、零戦が滑走をはじめて艦橋わきを通り過ぎた瞬間に朝日で逆光になって。
あとは、ジェリー・ゴールドスミスのいやがうえにも盛り上がる音楽でありましょう。
むむ、サントラ買おうかしら(笑)。

ほっぺたのヒゲも伸ばそうと思って実験してみたところ(ジャン・レノ化希望)、
単にだらしなくなったので剃りました。ちょほほ。

夕方から、呑みのご招待を受けたのでひょいひょいと。
ひさしぶりにがばがば呑んで、いろいろお話ししてきました。
ごちそうさまでした(ぺこり)。
これからもよろしくなのです。

「それはなんの変哲もない鎚だった。
だが、鎚からデトレフの体に注ぎこんでくる力強さは、尋常ではない。
デトレフが攻撃しようと鎚を構えると、それはまるで
鉛に金がまじっているかのように、かすかに輝いて見えた。
「シグマーの御名において!」デトレフは高らかに言いはなった。
痛みは消え、狙いは命中した……。」
ジャック・ヨーヴィル『ドラッケンフェルズ』

1/25

朝日新聞で、プチン大統領代行の表記がプーチンに変わったですね。

ピカチュウ目覚ましを実戦投入。
神経にさわるを通り越して、もはや怒りさえ沸いてくる目覚まし音がある種秀逸。
むむ、やるな、服部セイコー。

まだヒーター導入せず。
寒いのは十分にガマンできるんだけど、手がかじかむのが困りものですねえ。
手だけ暖めるグッズはないものか(悩)。

YAHOOオークションのことを掲示板などで紹介する人が多いけど、
あれは競争相手を増やしているだけということに気づいていないのか。愚かモノめッ。
って、ならお前もこんなところに書くな(笑)。

明日は椎名林檎のマキシシングル『ギブス』『罪と罰』の発売日ですよ。楽しみ楽しみ。

「『正真正銘のあたたかい乾いた握手ですな』
わたしはいったが、ボンドは笑わなかった。軽口は明らかに場違いなのだった。
気まずい沈黙があって、そこでボンドはたばこに火をつけ、深く一服した。」
ジョン・ピアースン『ジェイムズ・ボンド伝』

1/24
プッチンプリンが食べたい。

どうも速水は読書を中断するというのが苦手な方で。
今日は莫邦富『蛇頭』を読了してしまいました。
昨日は『子供たちは森へ消えた』を一気に読んでしまうし。
やらなきゃいけないことは多々ありますのよ?

『蛇頭』は中国人の密航に関するルポルタージュ。
速水も、これ読むまで蛇頭というのは大規模な犯罪組織だと思っていたので、その実体はかなり意外。
あと、密航者が決して貧しい農民というわけではない、てな話も新鮮。

『子供たちは森へ消えた』は再読。
ソ連末期の、50人以上を殺した有名な連続殺人犯アンドレイ・チカチーロ事件のノンフィクション。
ブラコフ中佐かっこいいなあ。

「男らしくない男は死に
男らしい男も死ぬところ
いやが上にも楽しく
いやが上にもモノ悲しく男がノシ歩くところ
大砂塵が嵐を呼ぶのか嵐が大砂塵を呼ぶのか
深くは考えなくていいところ
ここはガンフロンティア
男が男であればよい世界
ガンフロンティア
そうだ涙なくして
この男の物語は語れない」
松本零士 『ガンフロンティア』

1/23
宴会の続き。
その後、サタスペの話などをしばしだべったあと、
明け方になってやにわにセッションを始めようとする若人たち。
12月上旬(ひょっとしたらもっと前か?)以来RPGしてないので、かなりゲームしたい熱が上がっているのですが。
しかしさすがにおねむなのです。
君たち、元気だなあ。これが若さか(笑)。
速水は横でにぎやかにゲームしている会話を聴きつつ、ばたんきゅー。

で、夕方にのたのたと起き出しました。
こまごまと仕事などたまっております。
はふ。

共同通信社社会部編『沈黙のファイル −「瀬島龍三」とは何だったのか−』読了。
印象は、実に有能なテクノクラート。
解説にもあったけど、芯までプラグマティストなんですかね。
なんというか、児玉誉士夫や辻政信といった人物のような個性と気迫には乏しいような。
大変面白かったです。オススメ。

ピカチュウ目覚ましを試してみたり。
じりりりりり「ぴかぁ」
……いろいろ聴いてると腹の立ってくる声ですが。
まあ、居心地の良い目覚ましの音というのは意味がないわけで。
むむむむ(複雑)。

「当時の為替レートで八万ドルは三千万円近い大金だ。銀行の支店長室でボストンバッグいっぱいに詰めた
千円札を受け取り、タクシーで赤坂の開業間もないホテル・ニュージャパンに駆け付けた。
部屋ではバスキとその仲間の二人が待ちかねていた。小林がベッドわきのテーブルの上にボストンバッグを
置くと、バスキはバッグを開けて帯封の付いた札束を取り出し、ベッドに次々と放り投げた。
見る間に札束の山が二つできた。それを相棒と山分けしながらバスキが言った。
『トゥモロウ、テン・オクロック。サイン、サイン』
契約書にサインするから明朝十時に来いという意味だった。」
共同通信社社会部編『沈黙のファイル −「瀬島龍三」とは何だったのか−』


1/22
午後からぞろぞろと映画など出かけてみたり。
当初、『ファイト・クラブ』を観に行く予定でした。
ところがこれがあなた、いいかげん長いことやっている映画なのに、映画館の前は長蛇の列。
日本人の娯楽が多様化しているのというのは、あれは嘘に違いない。
『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』は一行の中にすでに観た人もいるし、
ここは『GTO』にしようかと爆弾発言も出ましたが強硬な反対意見もあって断念。
結局『ジャンヌ・ダルク』を観ました。ベッソンの。
あまり面白いという評判は聞いてなかったんだけど、普通に面白くてちょっと意外(苦笑)。

まあ、百年戦争の映像がでっかい画面でがっつんがっつん観れるだけでも多いに結構なのだけど。
それに、ジャンヌものはわりと好きだったりもしたりするので。
ヴァンサン・カッセル(ジル・ド・レエですよ。きゃー!)やチェッキー・カリョが出ているのに嬉しくなったり。
ラ・イールがヤケにいいヤツだったり、それなりに満足。
なにより、『ストームブリンガー』あたりのがっつんがっつん斬りあい殴りあうRPGがしたくなりましたよ。

夜から、監獄舎に戻って鍋パーティ。
新年会&送ればせながらの速水の誕生会です。
プレゼントも頂いたし、本場のカニと鮭もごっつう美味しくて、ありがとうございました♪
いや、ホント美味しかったんですよこれが。

その後、カードゲーム『ファミリービジネス』や『6ニムト』などをぽてぽてやったり。
『ファミリービジネス』は、ギャングものやヤクザものが好きな人が集まると、勝手にロールプレイが始まって実によろしい。
速水は池上遼一が描きそうなデブの武闘派ヤクザライクなプレイに終始してました。
美形キャラに撃ち殺されるようなヤツね。
わが「BANK ROBBERS」にはマシンガン・ケリーやボニー&クライドがいたりして結構嬉しかったり。
『ファミリー・ビジネス』というのは、20年代のギャング抗争をイメージしたカードゲームなのです。

「ラウーランはもはや動けぬと感じた。見事な盃を唇へ運ぶことさえ。
動けぬことは気にならなかった。頭は冴え、教えを乞うている。ほかはすべて些細なこと。」
タニス・リー『パラディスの秘録 幻獣の書』


1/21
湯河原で1話だけ観たんだけど、いまBSで古い朝の連ドラの再放送をしてるみたいです。
76年製作の『雲のじゅうたん』。
番組のために複葉機を実際に作ったということで、名前だけは知ってました。
や、と思って眺めてますと、どうも大正時代っぽいドラマなのですね。
で、主人公がパイロットをめざす娘さん。パイロットの服装をして、「まこと」って名前で。
うがふ!
つかみオッケー!

もっと観たい観たい! どこかにビデオはないものか(悩)。

今日はとある新年会のパーティーに連れてってもらいました。
いろんな方にお会いできたり、タダ飯が食えたり。
パーティーといえば恒例のビンゴですが、ここのは「ホワイトビンゴ」というちょっと変わったものでした。
数字部分が空白になっていて、そこに参加者の名前を書いていくのです。
つまり、名前を数字がわりに読み上げて行くわけですね。
いきおい、「名前おきかせくださいー」と自己紹介合戦になるので、こういう場には向いてるかもしれません。ナルホド。
って、わざと空白にしといて、んでビンゴにしてから読まれた名前を書き込むというズルができないかいこれ(笑)。

でまあ、いろんな方とご挨拶しましたよ。
声優の女の子もいましたけど、なんですかあのアニメ声は(笑)。
おじさんびっくりしてしまいました。

そのビンゴですが、速水、当たっちゃったのです。
わーい。
ビンゴに当たるなんて初めてですよー?
で、なにが当たったかあらためてガラガラ。よんばーん。
ピカチュウ目覚まし時計!
ぐはあ(死)。しかも、ヤケにでかい!
ま、まあリカちゃんウェディングセットとかじゃなかっただけ良しとしよう!
DVDデッキ欲しかったなあ(ぐずぐず)。

ピカチュウ目覚まし、熱烈に欲しがる人を約一名知ってるんですが、献上するというのもどうかな(考)。

その後は池袋の焼鳥屋に連れてってもらったり。
湯豆腐が……(複雑なタメイキ)。

□□□□□□□

ポーランドがロシアの外交官をスパイ容疑で多数追放したそうで。
え、えらくなったもんじゃないか(ぶるぶる)。
ポーランド・ロシア友好ごっこは遠くなりにけり、ですか(とほほ)。

いや、いつかライン川まで行っちゃるけんね。

「少年たちは、ひとりのこらず朝ごはんをすましていた。
エミールもホテル・クライトで、もうたべたあとだった。
しかし小さな女の子が、せっかくいい気ぶんになっているのをだれもぶちこわしたくはなかった。
だから男の子たちは、まるで四週間もひぼしになっていたように、
手のない茶碗でミルクコーヒーをのみ、バタパンにぱくついた。」
ケストナー『エミールと探偵たち』


1/20
散髪してきました。
床屋というのもいろいろチョイスに悩むものです。
速水も京都の馴染みの床屋がやはり一番肌にあっていたわけで。
2000円以下のところしか行かないから、選択肢は狭まるんだけどなあ(ケチ)。

今日行った店はまあまあで、次回からもあそこにしようと決意。
しかしなんですな。世の中には手の甲に装着して、手のひら越しに刺激を与えるマッサージ機なんてものがあるんですね。
ちょっとヒーローっぽいアイテムじゃないか(偏見)。

川上稔『閉鎖都市 巴里』上巻をぼちぼち読みはじめてます。
ヲタク的にいろいろ無粋な不満点はあるものの、うん、まあまあ面白いじゃないですか。
てなわけで、下巻を買いに本屋へゴー。
いやあ、いけません。本屋なんか行くモンじゃありません。

莫邦富『蛇頭 スネークヘッド』
共同通信社社会部編『沈黙のファイル −「瀬島龍三」とは何だったのか−』
田中克彦『「スターリン言語学」精読』

ふう、面白そうだ(苦笑)。

そうそう、昨日書いてたタイガー田中というのは、『007は二度死ぬ』に登場する日本情報部のトップです。
原作では「公安調査庁」と明記されてたりする。
映画では丹波哲郎が演じてました。
戦前オックスフォードに留学して、戦時中は憲兵帯に属して国際諜報活動に従事し、特攻帰りでもあるらしい。
東京の地下鉄は情報部専用の秘密移動用だし。やるなあ公安調査庁。忍者だって使うぞ。

『神は在る、鉄塔の碍子に在る。
神は在る、起重機の斜線に在る。

神は在る、鉄柱の頂点に在る。
神は在る、鉄橋の弧線に在る。

神は在る、晴天と友に在る。
神は在る、鋼鉄の光に在る。

神は在る、近代の風景と在る。
神は在る、鉄板の響と在る。

神は在る、怪奇な機関に在る。
神は在る、モオタアと廻転する。

神は在る、装甲車と駛る。
神は在る、砲弾と炸裂する。

神は在る、円形の利刃に在る。
神は在る、一瞬に電光を放つ。

神は在る、鉄筋の劇場にある。
神は在る、鉄鋼のメーデーに在る。

神は在る、車輪のわだちに在る。
轣音は野菜を啖ふ。

神は在る、はてしなき軌道に在る。
神は在る、雷雲に反響する。

神は在る、立体のキュビズムに在る。
表現派は都市を湾曲する。

神は在る、颯爽と牽引する。
神は在る、鮮麗に時期を生む。

神は在る、天体は鉄鉱である。
神は在る、炎炎と熾っている。』
北原白秋「鋼鉄風景」

1/19
チェックアウトまでにも往生際悪く二度ほどお風呂お風呂。
特に、9時過ぎに行ったときは、岩風呂が清掃中だったので婦人風呂に案内されたり。
ふ、婦人風呂ですよ?
ドキドキしますよ?
温泉華やかなりし頃は、初々しい新妻が入ってたりしたですよ?
大きい家庭用浴室、という感じで風呂場自体はつまらなかったけど(苦笑)。

蜂が死んでいたり、串刺しにされた鼠を見ることもなく無事にチェックアウト。
小雨が降っていたので、宿のご主人さんが駅まで送ってくれました。
紹介には「リーズナブルな価格と家庭的な宿」とあったけど、たしかにえらく家庭的でしたね。
安いからといって不満な点もなく、大満足でしたよホント。
また湯河原に来るときは、この宿にしようと思います。
ありがとうありがとう。

駅前で簡単なおみやげなど買ったりして、いわゆる温泉地らしいキッチュな品はなかったなあ。
探せばあったのかしらん。
あと、ふらりと入った本屋に『閉鎖都市 巴里』の上巻があったのでとりあえず購入。

帰りの電車で読んでいたのが『007は二度死ぬ』だったり、ゆうべの『ライジング・サン』といい
国辱系が流行りなのか、速水(笑)。
それはそうと、タイガー田中かっこいいなあ(うっとり)。映画でもかっこよかったしなあ。
おいらのまんがに登場させたいキャラナンバー1かもしれぬ(笑)。

「わたしは人生を無駄にすごさない。自分の時間を思う存分使うんだ」
イアン・フレミング『007は二度死ぬ』


1/18
朝食前にまず風呂。ぶはー。
朝食もヤケにしっかりした取り合わせ。満足満足。

さて、今回温泉に来たのは温泉それ自体が目的でもありますが、
いろいろネタや企画を考えようと、まあ「自主トレ」をしようと企んでいたのです。
いやあ、温泉と執筆活動というのは、ねえ、そそるじゃないですか俗物根性を。
てなわけで、紙を前にぐるぐるとラクガキなどをしておりました。

で、なんか飽きてくるとまた風呂に。うはー。
お昼は宿では出ないので、散歩がてら表に出てみます。
ゆうべは遅かったので良く分かりませんでしたが、いやあ、湯河原ってホント古典的温泉町なんですね。
射的屋がならんでいたり、床屋や写真屋の建物がこじゃれていたり、坂が多かったり、川があったり、
速水はホント嬉しくなってしまいました。
どうも、速水は温泉町には坂が多くて川が流れていないと許せないという偏見があるらしい

手近にあったラーメン屋で中華丼を食べてから(イマイチ)、のたのた帰ってきてお絵かき。
午後にまたお風呂、お風呂、お風呂。
TVでBSが観れるので、ひさしぶりにCCさくらを観てたり(笑)。

夕食後もお絵かきとお風呂。
ただ、昨日今日とBSでやっていたモスクワ〜サンクトペテルブルクの紀行番組はとても面白かったので思わず観入っていたり。
ロシア正教の鐘というのは、すごくかっこいい演奏法をするのですよ。
西欧の鐘と違って、多数の鐘を一人で綱を使って操作するのですが。
CDとか多分あるだろうから、今度新世界レコードで探してみよう。うん。

あと、深夜に『ライジング・サン』をやっていたので観てしまったのは失策だったかも(苦笑)。

「クツーゾフの副官マイエフスキーは、彼のことを『モーツァルトかロッシーニの音楽を
聴いているような優雅な会話でわれわれの耳を愉しませてくれる人で、人の気持を
上手に利用することがうまい。彼ほど巧妙に人をおだてたり、そそのかしたりできる人間を知らない』
と言っている。彼は用心深く、動作は緩慢だった。独創的というよりは狡猾。
部下には嫉妬深かった。書類を読んだり、署名したりするのは嫌い、忠告や激励をしにくい人物でもある。」
ナイジェル・ニコルソン『ナポレオン一八一二年』

1/17
行って来たのですよ。
湯河原。
温泉ですよ、あなた、これがもう!

ここ数年、ずっと行きたかった宿願のウィンター温泉ですよ!
それも、古典的トラディショナルヤポンスキー温泉旅館。
温泉って、案外安いレジャーなんですねえ。
ちょっとした贅沢がしたいときにはとても都合がいいかもしれません。

しかも、湯河原というのは東京から鈍行で1時間半という戦略の要衝。
こまごまと仕事をしてから行ったので宿に着いたのは午後6時頃。
入ると、昭和40年代の夢野名残漂うロビー。明かりも消えていてドキドキします。
人気のないロビー、インターホンを押しても人は現れません。
「計られた!」と閃いた瞬間、トレーナーを着たおばさんが「あ、二泊三日の方ですか?」

なんでも16日からだと思っていたらしい。
いや、おいら17日からって言ったけど……まあ、この辺のアバウトさもイイカンジだ。
部屋は古びた畳の香り漂う八畳間。
ここでかわいい一人っ娘の仲居さんが給仕してくれれば純文学の始まりだったんですが、
お膳を持って来てくれたのは鉈が似合いそうな背の曲がったお婆さん。
いやまあ、いろいろ面白い会話をしましたが。なんてったって客慣れてるし。
いわく、来年大学受験の娘さんがこの宿にはいるらしい……ぎぎぎぎ(歯軋り)。

安い宿なんですが、しっかりしたご飯出してくれました。
上等のモノでこそないけど、品数も多かったし、なんせ速水が満腹になったほどで。
岩風呂にもつかって、さっそくご機嫌。
速水の部屋は新館にあって、これはこれで味があるんですが(新館と言っても昭和39年築だそうで)、
風呂場はもっと古い建物の中。
タイル張りの洗面台とかあったりして。
もうたまりません。むふー!

時間も早いのに、なにやらどっと疲れてしまってその晩は幸せに寝ましたとさ。

「これはレニングラードのできそこないどもの資料だよ、資本主義の復活を夢見るばかものどものな。
読まんでもいいよ。私と同志スターリンがもう目を通した。全部正しい。どうぞ署名してください、
そのソ連邦検事総長とタイプしてあるところに」
F・ニェズナンスキイ『犯罪の大地 ソ連捜査検事の手記』よりベリヤの言葉

1/15
パンツァーフロント、ACEモードでは戦車が故障する可能性があります。
試みに壊れやすそうな戦車でやってみました。ティーゲルです。
のたのた。
ずるずる。
どかんどかん。
やや、動けなくなりましたぞ。
見ると、「履帯故障」の文字が。

以降、おいらは戦場の後方でなにもできすにただ戦場を見守っておりました(苦笑)。
虎だから遠距離砲戦には強いんだけど、敵はみんな稜線の向こうにいるんだもの。
いや、部下を駆使してシナリオはクリアしましたが。
すげえ。
しばらくACEモードで続けたいと思います。

いろんな方からお酒や食べ物をどっさり頂いたり。
2/29日のY2K対策もこれで万全といえましょう。

「腹上死であった、と記載されている」
酒見賢一『後宮小説』


1/13
昼夜逆転しているのでこの日付はあまり意味がないかも。

メールが便利なご時世ですが、手紙をちまちま書くのも大好きです。
やっぱり物理的になにか届くって嬉しいと思うし、それにメールと違って
こちらの手元に記録が残らないのが潔くていいし(笑)。

今日もひと仕事終えたあと、茶店でこりこりしたためておりました。われながらこじゃれた生活だ(陶酔)。
難点があるとすれば、明け方だったのでマンガ喫茶だったということであろうか(苦笑)。

川上稔の『閉鎖都市 巴里』がとあるサイトで絶賛されていたので買おうかと思ったり。
都市シリーズ、あまり興味はなかったんだけれども、幸いそれぞれ独立して読むこともできるみたいだし。
ところが、近所の書店では下巻は平積みになっているクセに上巻は影もかたちもなく。うぬぬぬ。
そのかわり、古本屋で石川文洋『フォト・ルポルタージュ 北ベトナム』なんて写真集を買っちゃいましたよ。

都市といえば、おいらはベトナム戦争中のサイゴンというのに果てしないロマンを感じるなあ。
ロマンを感じる、と言いきってしまってはまだいろいろ生なましいネタかもしれないけど。

で、その後郵便局でやや面白いイベントに遭遇。
モスクワに小包を出そうとしている娘さんがおりました。
若い郵便局員氏、なにやら分厚い国際郵便番号表(?)のようなものを一生懸命にめくっております。
あちこちページをばたばたやったあげく、ちょっと困った表情をして、娘さんに尋ねました。
「ロシアの首府ってどこですか?」

……おい、にいちゃん。
世界地理の基礎知識がないことを嘆くべきか、
宛先にきっちり書いてある「MOSCOW」という字を読めない英語力のなさを嘆くべきか。
ああ! 郵便業務といえば古くはアケメネス朝ペルシアにもあった国家の基本業務なのにそれなのに。

「市街戦が始まると、ホテルは種々雑多な人々の世にも不思議な集団で超満員になった。
外国のジャーナリスト、各党各派の政治犯容疑者、共和国政府に雇われているアメリカ人の飛行士、
さまざまな共産系の工作員、その中には太ったうさんくさそうなロシア人もいた。
このロシア人はO.G.P.Uの工作員といわれ、チャーリー・チャンという渾名を奉られていたが、
ベルトから回転式拳銃と小ぶりの手榴弾をぶらさげていた。
このほかにファシストの支持者らしき裕福なスペイン人の数家族、『国際旅団』の傷病兵が二、三人、
フランスへオレンジの積み荷を運ぶ途中、戦闘で足止めを食った大型トラックの運転手が一団、
それから多数の人民軍将校がいた。」
ジョージ・オーウェル『カタロニア賛歌』


1/12
ちょこまかと忙しいのに、暇があったら戦車に乗っていたり。
ソ連軍のシナリオはひととおり済ませたので、シャーマンでフランスをうろうろしたりしています。
やあ、キビシイですねえ(苦笑)。
とはいえ、予想外にシャーマンの性能がよくて驚愕したり。
なんですか、あの装填速度は。機関砲ですか。

ところで、誰かM47にバルカンクロイツつけただけとか、T-34を改造したような「タイガー戦車」が
出てくるゲーム、作らないかしらん(笑)。

『奇想天外 SF兵器』という本を買ったり。
全イラスト加藤直之というところにフラフラつられたんですが。
著者と加藤直之の好みなどがイロイロ食い違っているところが意地悪く面白かったり。

ああ、でも素直に宇宙が出てくるまんがが描きたくなったなあ。

「あなたとお会いするほんの少し前にわが国の科学陣が月へ探査機を送り込みました。
ソ連の紋章をつけた探査機がいま月面にあります。地球は少し軽くなり、月は少し重くなりました。」
ニキータ・フルシチョフ
1959年9月15日 ワシントンにてアイゼンハワー大統領に語った言葉

1/9
むしょうにサラダが食べたくなるときってありませんか?
いまなんか、そんな感じです。
うおー、サラダバーよこせぇ。

サラダといえばアレです。
『ドグラ・マグラ』が印象的です。
「それから野菜サラダをフォークに突っかけて、そのトテモたまらない美味しさを
グルグルと頬張って、グシャグシャと噛んで、牛乳といっしょにゴクゴクと嚥み込んだ。」
うう、おいしそう(じゅる)。

そんなこと言いつつ、ホントにサラダバーがあったらイモとコーンばっか食べるような気もしますが。
ドレッシングもサザンだろうし。

「ニューヨークは粉雪の中らしい
成田からの便はまだまにあうだろうか
片っぱしから友達に借りまくれば
けっして行けない場所でもないだろうニューヨークぐらい
なのに永遠の嘘を聞きたくて 今日もまだこの街で酔っている
永遠の嘘を聞きたくて 今はまだ二人とも旅の途中だと
君よ永遠の嘘をついてくれ いつまでもたねあかしをしないでくれ
永遠の嘘をついてくれ なにもかも愛ゆえのことだったと言ってくれ」
中島みゆき『永遠の嘘をついてくれ』

1/6
昨晩、ブギーポップのアニメやってましたね。
ぬぬ。丁寧には作ってるけどツカミには弱いような。
これからどうやっていくのか興味はあるので、来週も観ようっと。

今日は友達からもらったレーザープリンタが届いてにこにこしたり。
ケーブル買ってこなきゃ。
って、机の上がどんどん狭くなるんですけど(苦笑)。

ダイス袋さがして右往左往して部屋の中ひっくり返して、
ふと気づくと机の上、目の前にあったり。
老い先みじかいか、速水?

■UNSOCIALISTIC REALISM■にイラストひとつ追加しました。

「『死んでますね?』グレゴリイは当惑し、署長にむかっていった。
『最初に死体置場へ入ったときはまだ生きていた』
『へえ』グレゴリイは、思わずびっくりしたように大声をあげた。
『いつなんです、死んだのは?』」
スタニスワフ・レム『捜査』

1/5
てなわけで、ゆうべ帰って参りました。
あけましておめでとうございます。

正月ボケで呆然となりそうなところをがんばってマンガ描いたり。
年賀状のお返事描いたり。
パンツァーフロントのたのたやったり。

ニュースステーションに久米宏が復帰してましたね。
わりと好きなので、復帰は素直に嬉しいなあ。うんうん。
ニュースといえば、大晦日にエリツィンが辞任したのは面白かったなあ。
プチンというのはわりと曲者そうな気はするが、どうか。

1300円で買ったカーゴパンツ、ロクにはかないうちに金具が取れてしまいました。
安物買いの銭うしないとはこのことか。ううむ。
ちうか、こんなのカーゴパンツじゃない(苦笑)。

『メイキング・オブ・カウボーイビバップ レックレス・プレイヤーズ』買ったり。
カウボーイビバップのスタッフインタビューです。
ああ、いい作品創りたいなあ。創るぞう。

いままでのトップ絵置き場を作ったり、12月の日記を切り出したり。

「私は前へ飛び出して、じっとして動かないその顔を見ました。両眼は閉じられていました。
顔の皮膚は、日の光と風のために褐色にやけていました。
けれども、私にとって見まごうはずのないその口、その鼻、そのあご。
それはジョン・ドリトル先生でした。」
ロフティング『ドリトル先生月から帰る』