こねた (その2)
旅の途中で遭遇したおもしろい出来事や、そのほかもろもろ思いついたことを書き足していくページです。
その1その3

道路と車の話 (3) =続・フロントガラスから見えるもの=(2003/09/15 up)
ニュージーランドで運転すると必ずといっていいほど出会うのが「自転車旅行者」。もちろんママチャリではなく(笑)、高速で走る立派な自転車に乗ったチャリダーさん達です。彼らのほとんどは旅行の移動手段に自転車を選んだツワモノたち。男性が多いなか、女性もかなりの割合で居たりしますのでオドロキ(@_@)です(というか尊敬です!)。

車で走ると意外と気付かないのですが、まっすぐ平坦に思える道路も実はけっこうアップダウンがあります。しかも郊外では時速100キロ以上でぶっ飛ばす車が往来するなか、彼らは自転車の両サイドに旅行用荷物をくっつけた姿で負けじと爆走(!?)しています。追い越す私たち(車)も怖いけど、生身の彼らはもっと怖いに違いありませんね(^〜^)

自転車旅行の利点といえば、止まりたい場所ですぐ止まれる、細い(狭い)道も簡単に入って行ける、新鮮な空気を吸いながら全身でニュージーランドを満喫!できる、人力なので燃料費ゼロ、そしてなんといっても健康的!?(笑)。反対に不便な点といえば、移動距離が短い、天候の影響を受けやすい、荷物積載量が少ない、やや危険(-_-)、ケガをすると…ピンチに陥る!、という感じでしょうか。

私たちは結局一度もチャリ旅行はしないままでしたが、体力に自信のある方はチャレンジしてみてはどうでしょう?現地ではバイク旅行より人気があるようでしたし、「峠越えの長距離移動は自転車も一緒にシャトルバスに乗っけて楽ちん移動!」なんて手もあるようです。

さて話は一変し、次の『見えるもの』は看板です。看板といってもさまざまで道路標識から休憩所案内まであるのですが、なかでも楽しいのは「動物看板」です。その土地に野生で生息している動物を絵で表し、車は注意して通行してねという看板なのです。定番ともいえる羊や牛の看板から、プケコ(鳥)やカモ、ペンギン、キウイなども珍しいものも(^ー^*)こういう看板を探しては、写真に納めてコレクション?してきました。いずれ「こじゃれ旅」の中で紹介しようと思っていますので、どうぞお楽しみに♪

最後にまた夜の運転に関するお話をひとつ。ニュージーランドには夜行性のポッサムというタヌキのような動物がたくさん住んでいます。夜の間に活動するため、道路横断中に事故死するポッサムが続出(-_-;)。しかし現地の人々はポッサムを害獣として扱っているため、轢くことに関して躊躇はないようです(むしろ駆除に貢献できたと思ってるのかも?)。

私たちとしてはあんまり気持ちいいものじゃないので、極力夜の運転は避けていました。おかげでポッサムの事故は一度もなし(^o^)ホッ。残念ながらニュージーランドでは昼夜に関わらずウサギや鳥、ハリネズミなどを轢いてしまうことが多いのですが、高速で走行中に急ブレーキ、急ハンドルは大変危険ですので…心の中で手を合わせることにしましょう(-o-)
ごめんやで、成仏してなぁ。

道路と車の話 (2) =フロントガラスから見えるもの=(2003/06/14 up)
ニュージーランドでのドライブは、まず移動手段として「速くて便利」という利点があるのは言うまでもありませんが、なにより『景色が素晴らしい!』の一言に尽きます。これは長距離バスからの車窓でも十分楽しめることですが、「あ!ここ!この景色を写真に納めたいっ!」とひらめいた瞬間に自由に休憩タイムができるのは、個人ドライブの最大の楽しみなのです。

ニュージーランドの道路を走っていると、この素晴らしい景色だけでなく実にさまざまなモノに出くわします。例えば、動物好きな人にはたまらない羊や牛の大移動行列。まさしく「これぞニュージーランド!!」とうれしくなっちゃう風景です。有り難いことに私たちも何回か遭遇し、シャッターチャンスをいただきました(*^ー^*)

美しい景色といえば、海も最高です。天気が良ければなお良し。海岸線をドライブすれば、青い海が目に飛び込んできます(よそ見運転にご注意!)。ひとことで青といってもその色はさまざま。北島ではネイピア、南島ではカイコウラのあたりが私のオススメです。

さて、南島の真ん中には南北に連なるたくさんの山があり、これを超える峠道はほんの数コースしかありません。日本のように利便性を優先させてトンネルばっかり掘ってしまうようなことをしていないのです(まあ、技術的にも資金的にも不足しているという理由もあるでしょうが…)。ですからトンネルは貴重です。ここは掘らなきゃどうしようもない!というところにしかないのです。ニュージーランドに行ったら、ぜひ手掘りのような狭い狭いトンネルを通ってみて下さい。

あと、他に珍しいのは電車と車が共有する橋。上下2段になっているものはいいとして、まさしく「共有」している場合はかなりドキドキものです。なにしろ遮断機がなくて信号だけだったような気がします。ちなみに橋の幅は狭いので、車は1台しか通れません。優先方向を示す標識に従い、譲り合って通行します。でもこれでちゃんと成り立っているというのが、ニュージーランドという国なんですね。

最後にフロントガラスから見えないものをひとつ。車を運転する人なら誰だって、日が暮れてからの運転を経験したことありますよね?でも、それがもし、全く外灯のない暗闇だったら!?ニュージーランドの郊外はまさしくそういう感じなのです。これは慣れるまでちょっとコワイですから、夜の運転にはぜひご注意を。

暗いだけでも怖いのに、さらに追い討ちをかけるのは地元の人たち。慣れているので暗闇の中を疾走(!?)しています。
あおられて怖さ倍増すること間違いナシですよ(^_^;)

お客様は神様?(2003/05/17 up)
とあるホリデーパークでいつものように「アイス買おう〜っと(^o^)」とオフィスへ行った時のこと。
実はこの宿の裏手には遊覧飛行用のヘリポートがあり、オフィスのある建物はそのお客さんの待合所を兼ねていました。そのためここにはカフェやお土産屋さんがあり、ヘリ待ちの団体さんがくつろいでいたのです。

そんなことに関係ないの私たちは、お気に入りのアイスを選んでお会計のためカフェのレジへ。昼間だったからかカフェの店員さんは1人だけで、しかも先客があって忙しそうでした。
「アイスがとけるぅ〜!お金払うだけやねんけどなぁ。」
と思いましたが、ここは我慢ガマン。

店員のおばさんも待っている私に気づいたようなのですが、先に会計をしてくれないところを見ると「ちょっと待ってね」ということだと思い、先客さんの注文品が出そろうまで待つことにしました。

するとそこへ、カフェにいた日本人団体さんの中から年配のおじさんがツカツカとやって来ました。忙しそうにしている店員さんに向かっていきなり片手を突き出し、ひとこと「コーヒー!」と言ったのです。突き出した手には小銭が握られていました。

この態度にムッとした(と思われる)店員さん、まずは無視。
するとおじさんは、聞こえなかったのかというようにさらに声を大きくして
「コーヒー!!」
と言い放つ始末。これは英語で注文できるとかできないとか、そういうレベルの話ではありません。並んでいる人を無視し、いきなりお金をちらつかせてエラそうな態度で注文すれば、誰だって腹が立つに違いありません。

なんだか同じ日本人として恥ずかしいやら情けないやら腹立たしいやら…。何度か「コーヒー!」と叫んでいたおじさんも、店員さんの無視攻撃にとりあえず諦めた様子。それでもまだなおかつ、私の前に割り込もうとしたのですが…(-_-;)でもそこは店員さんがちゃんと助けてくれたので、この傲慢おじさんより先にお金を払うことができました。

ちょっとおじさん!「お客様は神様」じゃないんですよっ(^_^;)

挨拶は「ち〜っす!」(2003/05/04 up)
ニュージーランドでトランピング(トレッキング)をしていた時のこと。コース上で行き交う人たちの間ではいつも挨拶が交わされるのですが、その挨拶の言葉も人それぞれです。若い人は「Hi !!」とか「Good day !!(もちろん発音はグッダイ!)」をよく使いますが、中には「How's going?」など一瞬返事に困ってしまう挨拶もあってなかなかあなどれません(笑)。←まあこれも単なる挨拶なんですが…。

ある日いつものように挨拶しながら歩いていると、前からお兄さん2人組がやって来ました。そこは少し道が狭くなっていたので、先に道を譲ろうと立ち止まりました。するとお兄さんたち、ニコニコしながら「ち〜っす!」と言って通り過ぎていったのです。
「ん?今の日本語???」

その時は、「実はあのお兄ちゃんたち、ものすごい日本通 !?」なんて冗談を言ってたのですが、あとで辞書を調べてみると予想どおり「Cheers(ち〜っす、じゃなくてチァーズです、念のため。)」には「ありがとう」の意味がありました。なるほど。

ところが、です。この後にも「Cheers !」と笑顔で言われることが何度かありましたが、その状況ではどうも「ありがとう」が当てはまらない???ますます謎は深まるばかりです(^_^;)日本では「乾杯という意味」と教わったのですが、そもそもこの言葉にはたくさんの意味があるようで、軽い挨拶として「どうも!」とか「さよなら!」という感じで使われるようです。関西人的にいえば「まいど!」です(笑)

今度ニュージーランドへ行った時には、この「Cheers !」を使ってみよっかな。

車が突き刺さってる〜!?(2003/04/06 up)
クイーンズタウンに泊まっていたときのこと。いつものようにスーパーマーケットへ買い物にでかけました。私たちが向かったのは町の中心地から少し離れたところにあるフレッシュチョイス。ここは比較的新しくできた大型マーケットで、ニュージーランドには珍しい2階建てタイプ(1階は駐車場でその上に売り場があるタイプ)のスーパーでした。日本ではスーパーに限らずよく見かける形ですが、ニュージーランドでは広大な平面駐車場が確保されているのが普通ですね。

私たちが買い物を済まし、駐車場に戻ってくると…な、なんとキャンパーバンが駐車場入口の天井に思いっきり頭から突っ込んでいました!キャンパーバンとはニュージーランドで人気のあるキャンピングカーで、通常のバンに比べて頭の部分がさらに上に高くなっています。ですからこういう事故が起こったんでしょう。

この車を運転していたおじさんは、たぶんいつもの感覚で何も考えずに入ろうとしたんでしょうけど、その上についている頭部分がしっかり天井につっかえてしまったわけです。その突っ込み方というとそれはそれはものすごいもので、まさに「ささってる」というのが的確な表現かと...。ちょうどレスキュー(日本のJAFみたいなもんでしょうか?)のおじさんたちが到着し、さっそくタイヤの空気を抜き始めました。「おいおい、そんなんじゃ絶対(車を抜くの)無理やろ〜。」と車の中でしばらく様子をみているうちに、とうとう全部の空気が抜かれてしまいました。

しか〜し、思ったとおりそんなことじゃビクともしない!しばらくがんばっていたおじさんたちも、これには困った様子。どうするのかと思って二人してあーだこーだと言いながらじ〜っと見ていると、おじさんたちは次の手段に出ました。な〜んと、そののめり込んでいる部分をチェーンソーみたいな機械で切りだしたのです。そうでもしないと車を動かせないほどだったんですねぇ。

「これでとりあえずは移動できるなぁ、良かった良かった(^o^)」と一通り見届けていざ帰ろうとしたら…。突き刺さったキャンパーバンはスーパーの外壁をも破壊していたのでした(-_-;)こ、これは…。スーパーとレンタカーの修理代っていうのは保険が降りるんでしょうか!?(高いで〜、キャンパーバンは...たぶん。)

それにしてもあの突っ込み方、車の3分の1はグシャッといってました。少しの迷いもなく思いっきり突っ込んだって感じです。でもどうみても、あの車高じゃ確実に頭がつかえるねんけどなぁ(^_^;)。天井のある駐車場なんて滅多にないから仕方ないのかもしれないけど(笑)。まぁ何より怪我人が出なかったのが不幸中の幸いかな、というアクシデントでした。

虹色のキウイ =その4 「森の番人」=(2003/03/29 up)
「さあ、キウイよ。心の準備はいいかね?」
みんなが見守るなか、いよいよタネが魔法をかけるときがやってきました。

森の神は大きく深呼吸をすると、小さく呪文を唱え始めました。するとキウイの美しい虹色の羽根は消えてなくなり、かわりにふさふさの茶色い羽根が現れました。細かった足はみるみる太くなり、くちばしはまるでアイスピックのように細長くなりました。

「気分はどうじゃ?今ならまだ、元の美しい姿に戻ることもできるぞ。」
タネは念を押すように、やさしくキウイに尋ねました。しかし、小さなキウイは少しも慌てる様子もなく、こう答えたのです。

「いいえ神さま。これで私たちの森を救えるのなら、虹色の羽根なんてちっとも惜しくありません。それどころかこの新しい足、なんだかとっても歩きやすい!これならたくさん虫を捕まえられそうです。」
キウイは、この役目を引き受けられたことを心から喜んでいるようでした。

「なんて醜いの!私だったら絶対にイヤだわ!」
変わり果てたキウイを見てトゥイがこうつぶやいたのを、森の神は聞き逃しませんでした。
「トゥイや。確かにこの姿は美しいとは言えん。だが、このキウイの勇気ある行動を誰も忘れてはならんのじゃ。」
ふと、タネは何かを思い出したように、いたずらっ子のような笑みを浮かべました。
「おお、そうじゃ!君にも大切な役目を頼むとするかな。」

そう言うと、森の神はすっかりおびえてしまっているトゥイに少しだけ魔法をかけました。
するとどうでしょう。トゥイのあごに白いぼんぼりのような髭が生えてきたのです!これはキウイの姿を醜いと言ってしまったトゥイへの、ちょっとしたおしおきでもありました。
「森の住人たちは、君の白い髭を見るたびにキウイへの感謝の気持ちを思い出す。そして君は、その美しい歌声でキウイの勇気をたたえる歌をあちこちで歌うのじゃ。」

こうして小さな勇者キウイは、森とその仲間たちの危機を救いました。そしていまなお、森の番人として大地に住み、夜になると森の中を歩きまわっているのです。

おしまい
**************

いかがでしたか?
創作した部分も多々ありますが(^_^;)、これを読んだらキウイを見る目がちょっと変わったんじゃないでしょうか?

実際に昔のマオリ族の間ではキウイは英雄のシンボルであり、その羽根を身につけることはその人物がとても信望が厚いということを意味したんだそうです。今でも大きな博物館へ行けば、キウイの羽根で作られた立派なコートを見ることができます(でも、残念ながら触れません)。もちろん、そのコートは歴史に名を残すような人たちが着ていたものだったそうですよ(^-^)

虹色のキウイ =その3 「救世主登場」=(2003/03/20 up)
こうしてタネは一羽ずつ話を聞き続けましたが、結局のところ誰もこの役目を引き受けてくれるつもりがないということがわかり、悲しみで胸がいっぱいになっていました。
「ああ、森を救ってくれる者は誰もおらんのか…。我々の森ももう終わりじゃ。」

エメラルドの森が大きな悲しみに包まれていたその時、突然タネの足元からかぼそい美しい声が聞こえてきました。
「か…かみさま!」
タネは大きな身体をゆがめて、下を覗き込みました。するとそこには、美しい虹色の羽根を持った小さな鳥がタネを見上げていたのです。

「おお、小さな美しい鳥よ。君にはまだ話を聞いとらんかったな。」
タネもうっかり忘れてしまうほど、誰もこの美しい鳥のことをよく知りませんでした。
「神さま、私はキウイと申します。私には、みんなのように素晴らしいとりえも大事な役目もありません。でも、もし、こんな私でよかったら、この森を守るお役目をぜひやらせて下さい。いえ、私が守りたいのです!」

この美しい鳥の突然の言葉に、ほかの鳥たちは驚いて一斉に叫びました。
「き、きみ、気は確かなの!?」
「そのきれいな虹色の羽根が台無しだよぉ!」

「静かに!」
森の神は、キウイともっとよく話をするためにみんなを黙らせてから、こう続けました。

「おお、勇敢なキウイよ。君の勇気はとてもうれしいぞ。しかし、この大切な役目を引き受けてもらう前に、君にはいくつか言っておかなければならないことがあるのじゃ。まずはそれを聞いてから、最後にもう一度君の考えを聞くとしよう。」
そうして、タネはキウイにいくつかの『言っておかなければならないこと』を話し始めました。それは、ほかの鳥に言わせれば『死んでしまうほど耐え難いこと』くらいに恐ろしいことでした。

「そんな、ひどい!それじゃあんまりです!」
と、周りで話を聞いていた鳥たちは、口々に不満をもらしました。
いったい、その耐え難いこととは何だったのでしょう?

それはなんと、今の美しい姿を捨てて森の中で目立たないような姿に変わること、虫たちの生活サイクルに合わせるため夜中に起きて昼に寝ること、そして空を飛ぶことを止め、いつも地面を歩きまわって虫たちを探すこと、でした。
姿が醜くなるだけでも不幸なのに、鳥の特権である空を飛ぶ自由を奪われるというのです!

しかしキウイは黙ってうなずくと、この条件を快く受け入れました。
「神さま、私はそれでも構いません。それで森を守れるのなら…。」
その言葉を聞いたタネは、この小さな鳥の勇気に心を打たれ、大粒の涙を流しました。そしてこの小さな鳥が森で困っている時には、必ず助けてやろうと誓ったのです。

「さあ、キウイよ。心の準備はいいかね?」
みんなが見守るなか、いよいよタネが魔法をかけるときがやってきました。
(→その4へ続く…)

虹色のキウイ =その2 「それぞれの役目」=(2003/03/15 up)
「さて、まずはルルに話を聞くとするかな?」
タネは、じっと静かにこの騒動を見守っていた小さなフクロウに話しかけました。
「君のような賢くて知識のある者こそ、森を救うのにふさわしいと思うのじゃが…。」

ルルはまさか自分が頼まれるとは思ってもみなかったという様子で、目をまんまるくして答えました。
「神さま!私はここに住む鳥一族が常に幸せに暮らせるよう、みんなの相談にのったり、時には問題を解決してやらなければならない立場にあるんですよ。それでなくても毎日忙しいっていうのに、私に虫を食べる役目を命じるとおっしゃるのですか?いやいやまさか!そんなはずはないですよね!」
ルルはだんだんと羽をふくらませ、まるで威嚇するような姿を見せました。

「では、ケレルよ。」
タネは、美しい色とりどりの羽根を持ったハトに話しかけました。
「君のような森に詳しい者こそ、森を救うのにふさわしいと思うのじゃが…。」

ケレルは森の神から指名されたことを少し誇りに感じた様子で、胸を張って答えました。
「神さま。私がそのような重要な役目にふさわしいとおっしゃるだなんて、このケレル、とても光栄に存じます。ですが私は森の案内人。私がいなければ、森はたちまち迷子だらけになって大変なことになってしまうでしょう。それでもよろしいのですか?」
ケレルの言っていることは、誰が聞いても正しいように聞こえました。

「では、そこでおしゃべりしている小さな鳥よ。そうそう、君じゃ。」
タネは、森一番のお調子者のファンテイルにやさしく話しかけました。
「君のような元気いっぱいな者こそ、森を救うのにふさわしいと思うのじゃが…。」
さっきからじっとすることなくおしゃべりを続けていたファンテイルは、一層大きな声をあげて飛びまわりました。

「神さまっ!私があんな暗い森の中で暮らせると思う?冗談じゃないわっ!それにね、私があっちこっちでダンスを披露したりおもしろい噂話をしてあげたりするから、みんなこうやって楽しく暮らしてるんじゃない?きっと私がいなかったら、それだけで森が死んだように静かになっちゃうわよ!」
こう叫びながらもダンスを踊り続ける彼女を見ていると、タネはとても暗い森の中で静かに暮らしておくれとは言えませんでした。

「うーむ、それでは…。トゥイはどうじゃ?」
タネは、姿も声も大変美しいトゥイに話しかけました。
「君のような美しい歌声の持ち主こそ、森を救うのにふさわしいと思うのじゃが…。」

木の一番高いところで気分よく歌っていたトゥイは、美しい羽根を整えながら答えました。
「お言葉ですが、神さま。この美しい私が、どうしてじめじめした薄汚い森の中に住めるというのでしょう?それに私の美しい歌声は、森の中ではなく森の上から聞こえてこそ価値があるというもの。森の中に降りるなんて考えただけでも恐しいことだわ!お願いですから、二度と私にそんな話をしないで下さいな。」
タネは、この繊細で臆病な鳥にはこの大役は務まらない、と思いました。

こうしてタネは一羽ずつ話を聞き続けましたが、結局のところ、誰もこの役目を引き受けてくれるつもりがないということがわかっただけで、タネの心は悲しみでいっぱいになっていました。
「ああ、森を救ってくれる者は誰もおらんのか…。我々の森ももう終わりじゃ。」
(→その3へ続く…)

虹色のキウイ =その1 「森の一大事」=(2003/03/08 up)
かわいい姿としぐさでおなじみのキウイ。ところで、どうしてキウイが飛べなくなったのか、ご存知ですか?
今回はマオリの人たちに伝わるちょっとおもしろいお話を見つけたので、それをもとにしてKororaなりに書き直してみたものをご紹介したいと思います(^-^)では、はじまりはじまり〜

**************
昔むかし、ニュージーランドの大地は今よりもっと豊かな森で覆われていました。その頃はまだ人間の姿はなく、一面に広がったエメラルド色の森には、たくさんの鳥が古い大木の姿をした『タネ』という名の神に守られて平和に暮らしていました。

そんなある日のことです。森の神であるタネは、この平和な森の中でとても恐ろしいことが起こっていることに気づきました。なんと、森の木が次々と枯れ始めていたのです!このままでは森が死んでしまうと心配になったタネは、急いで鳥たちを集めました。

「緊急事態じゃ!我々の森が枯れ始めておる。誰も気づいておらんのか?」
大木の周りに集まった鳥たちは、口々に言いました。
「神さま!僕たちはね、いつも空高く飛んでいるから、森の中のことはよくわからないよ。」
「ちょっと水が足りないだけじゃない?最近、晴れ続きだったからね!」
タネはこののん気な鳥たちに、森がどんなに危険な状態かを教えなければ、と思いました。

「みんな、よくお聞き。これはもっと深刻なことなんじゃよ。実はな、森の中に住む虫たちが、そこらじゅうの根っこを片っ端から食べあさっておる。このままではどんどん食べつくされて、やがて森も鳥もみんな死んでしまうじゃろう…。」
タネは、静かに聞いていた鳥たちを見まわしながら、真剣な顔つきでさらにこう加えました。
「今こそ森を救わなくてはならん!それにはこの中の誰かが森の中を歩きまわり、片っ端から虫を食べることが必要なのじゃ。」

一瞬、森は張り詰めた静けさに覆われました。
でも次の瞬間、鳥たちは我に返ったように口々に叫びながら、翼をばたつかせたり、木の上をぐるぐる飛びまわったりしました。
「うわっ!虫だってさ!」
「そんなもの食べたくないよ!」
「森の中を歩くだって?」
「あんなに暗くて怖くてジメジメしたところ、僕はイヤだよ!」

それもそのはず、鳥たちは昔から木の上に住み、美しい木の実やおいしい果実を食べて暮らしてきたのです。暗くて恐ろしい森の中に降り立ち、生きた虫を食べるなんてことは想像できないことでした。

森の神であるタネですら、誰もが嫌がるこの役目をいったい誰に頼んだらいいのか、判断できずに困っていたのです。案の定、鳥たちはみんな、まさか自分がその役目を頼まれるとは思っていないようでした。しかし、森を救うためには何としてもこの重要な役目を誰かに頼まなくてはならないのです。

そこでタネは、興奮している鳥たちを落ち着かせ、一羽ずつにゆっくりと意見を聞いてみることにしました。
「さて、まずはルルに話を聞くとするかな?」
(→その2へ続く…)

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