新連載

L.三枝 大七

うなぎ割烹
「吟なべ」
社長
 料理自慢の奥方のおつまみに舌鼓を向けるメンバーの面々も多いのではないかと思います。とは言え、「本当に旨い!!」ものは「男の手から作られるもの」というのは古今東西を問わない一つの定説でもあります(なぜなら一流の板前もシェフもその95%が「男」なのでありますから)。
 しかしながら、料理などは「何もしない」とか「男たるもの厨房などに入るものではない」とか言ったままでは、メンバー諸氏の中にきっと眠っているであろう(?)料理の才能は、家族はもとより何よりも本人が気がつかないままに朽ち果てて埋もれてしまう運命にあります。それではいささか残念ではありませんか? 今からでも遅くはありません。もともと腕自慢のメンバーも包丁には無縁であったメンバーも、この「おすすめ、男の料理」の数々に一丁チャレンジしてみてはいかがでしょう。首尾良くいった暁には家族一同からの拍手喝采は、まず間違いはありません・・ですゾ!
  皆さん、料理を作ってみた感想もお聞かせください!

第一回 「生イカ」偏

 豪快に、しかもシンプルにさばいて食べたいという、男っぽくてそのくせ面倒くさがりや(?)の皆様方にうってつけの調理方法を今回はご紹介いたします。とりあえず内臓だけは取り除いて、生イカの中をきちんと水洗いをしてください。イカのゲソ(足)のほうも、目と口はかたいので適当に切り捨ててしまいます。皮はそのままで大丈夫。この生イカに市販の(S&B食品など)「味付あらびきこしょう」(これはスパイスとしてもなかなかの優れものです)をサッと適宜ふりかけ、あとは金網の上に乗せて直火で焼けばよいです。二〜三度、火ばさみでイカを裏返ししたりして均等に加熱できるように。イカの本体も足も一緒でかまいませんし、鮮度の良いイカなら完全に火が通らない八分焼きぐらいが美味しいでしょう。所々に焦げ目がつく程度に焼けたらサッと輪切りにしてレモン汁などふって食します。ダイコンおろしを添えてもいけますヨ!
 

第ニ回 「生イカ」偏

 前回の焼イカはいかがでしたか?新鮮で厚みのある「生イカ」がお手頃な値段でスーパーなどに並んでいます。丁寧に薄皮までを取り除いたあと、イカ刺しにしても美味しいし、細切りにして「イカそうめん」などにしていただいても絶品ですが、今回更に簡単でありながらひとひねりした男っぽいイカ料理をご紹介しましょう。名づけて「生イカの塩魚汁いため」!
 基本的に必要なのは秋田名産のこの「塩魚汁」という調味料だけです。この「しょっつる」は、皆さんもご存知のように魚を原料として生成された醤油のような調味料で、色んな和食の料理のかくし味などとして使われることが多いのですが、今回はこれをいためものに使います。
 前回の「味付けあらびき塩こしょう」と同様なんにでも使えますから、小瓶で一本買っておくとベストです。生イカは内臓を取り除いて中を洗い、皮はそのままで適当な厚さに輪切りにしておきます。野菜は冷蔵庫の余りものでかまいませんが(これからの季節ですと、白菜、椎茸、水菜、えのき、長葱などでしょうか)、野菜炒め風に包丁で切り分けておきます。食材がそろいましたらフライパンを充分に熱し、油を敷いて火の通りにくいものから炒めていきます。輪切りにしたイカも入れてサッと炒めたらお酒をカップ半分ほど加え、更に「塩魚汁」も同量ほど加えて炒め、仕上げに生姜の千切りをひとつまみ加えて出来上がりです。イカの旨味に「塩魚汁」の独特の風味が加わって一味違った炒め物が完成です。火を止める直前に水溶き片栗粉をサッと回しかけて全体にトロみを付けたり、青じその葉を細かく刻んで混ぜ合わせたりと、何度か作ってみて加減がわかりましたらこの「イカ塩魚汁いため」をあなたに独自の一品にアレンジしてみたらいかがでしょう。作る時のポイントは、食感として少し薄味に感じられるくらいの「塩魚汁」の分量が食べやすいと思います。酒のつまみにもご飯のおかずにも最適ですので、ぜひ何度かチャレンジしてみてください。

     

第三回 「カニの甲羅焼き」でひとひねりした煮込み

 冬季定番の煮付け料理の一つに「ブリ大根」というのがあります。寒冷の大海を泳ぎきる中で成長したブリは脂がのって臭みも薄まり、大根を中心とした野菜などに独特の風味とダシを添えてくれます。
 同じように今が盛期の各種カニ漁。丸々と太ったズワイガニやタラバガニ、毛ガニ等々魚屋さんやスーパーにも所狭しと並べられているのを見ると、つい手が出したくなる冬の代表的な味覚の一つですネ。今回はこのカニの頭や足などの甲羅を、中身を食べた後も捨てずに活用。ブリの様に或いは魚のアラのように煮付けのダシとして使う、名づけて「カニの甲羅焼き彩々」をご紹介いたしましょう。方法は簡単です。中身を食べた後のカニの甲羅を布袋などに入れてスリコギ(棒)やカナズチなどで豪快に叩き潰します。これを日本手ぬぐいやガーゼなどに包んでしばり、大根やおでんなどの材料の煮込みの中に放り込むだけ。後は煮れば煮るほどカニの脂味が大根などの食材に染み込み、上品で味わい深い煮物が出来上がります。薄切りの牛タンなどはやや多めの水の中にこのガーゼに包んだカニの甲羅と一緒にネギや人参なども加えてコトコトと火にかけ、40分くらいして牛タン柔らかくなったら甲羅だけ取り出して、塩、コショウで味を整えると牛タンスープの出来上がり。さらにこれに牛乳と生クリームを加えて10分程煮込むと、一味変わった牛タンのクリーム煮が完成です。ぜひ一度お試しあれ!

  
 

第四回 「練り味噌」編、その1

 本日は超簡単で、造っておけばなにかと便利な『万能練り味噌』のレシピ、基本編をお送り致しましょう。
 まいにち日本人の食卓や食生活に欠かせない「各種味噌」。近年健康志向の視点から世界中の注目が集まっているとも言われはじめている伝統の和食調味料。味噌汁から始まって、味噌煮、味噌田楽、酢味噌などなど、その活用の有様はまさに種種様々で、どの家庭にもなくてはならないものそれが『味噌』です。今回和食の調理人の世界の中で最も基本的で、かつ超簡単でしかも美味しい『万能練り味噌』の作り方をお教えいたしましょう。
 基本となる材料はたった二つのみ。500gの赤だし味噌に同量500gの砂糖(つまり味噌と砂糖の同割りです)を用意するだけです。これをやや厚手の鍋に入れて、底が焦げないように中火以下でゆっくり、じっくり、木じゃくなどで混ぜ合わせましょう。これでグツグツとなってきたら完成です。出来上がったらさじなどでちょこっとすくって味を見てください。ホラッ美味しいでしょう。オーブンで魚やカキ、お肉などを田楽焼きにしたい時は、それらの食材を七分焼きにした後、この練り味噌を、お酒とみりん少々を加えて幾分柔らかめにのばし、表面にお好みの量をぬって、味噌の香ばしい匂いがして、やや焦げ目がつく程度に焼けば、魚やカキ田楽の出来上がりとなります。また、大根をじっくり薄味のおでん風に煮込んだ後、この練り味噌を上から適当にかければ、即席のほろ吹き大根の完成ともなります。これに柚子の皮の千切りを少々添えればまた一興の風情となります。この万能練り味噌は、冷蔵庫に入れておけば、1〜2ヶ月くらいは平気で保存がききますから便利でもありますし、ほんの少しのアレンジでさまざまな料理への応用も可能です。
 次回は、この万能練り味噌 応用編をお送りいたします。

   

第五回 「練り味噌」、その2 応用編

 前回は簡単で美味しくて、しかも保存の効く「万能練り味噌」の作り方をお伝えしましたが、「今回はその応用編」です。先ずは和食の定番の一つでありながら、意外と満足な出来上がりのものに出会えない「サバの味噌煮」の、その完璧!な作り方です。
  サバはあらかじめ、切り身のものを用意致します。皮目の方にはいくつかの切れ目を包丁で入れておき、味が良くしみこむようにしておきましょう。
 さて、煮込み用の鍋の方には、水もしくはダシをカップに@、しょう油@、みりん@、酒@、砂糖@と同カップで入れて(つまり全部のものが同じ割合なのです)、煮立てます。この煮汁に生姜の千切り少々(生姜の皮でもOK)を適宜入れて、前回の練り味噌(赤だし500gと砂糖500gを練り込んだもの)を同じくカップに半分もしくは2/3(この辺はお好みで大丈夫)加えて3〜4分さらに煮立てましょう。練り味噌が煮汁に溶け込んでなじんだところを見計らって、あとは切り身のサバを入れて行くだけ。この煮立っている煮汁の中にサバを入れるのが一つのポイントで、こうすれば魚類の煮物は皮がはがれたりせず、どれもきれいな仕上がりとなります。この後、強火から中火で煮汁が半分くらいになったら、もう出来上がりです。こくのある風味豊かな「サバの味噌煮」の出来上がりにきっと驚かれるでしょう。
 次に焼肉、シャブシャブ、サラダ、各種揚げ物などなど、すべての調理にびっくりするほど、相性の良い「付け味噌」の作り方です。ベースになるのは中華の「こちじゃん」です。ピリッとソフトな辛味の効いた独特の風味のある味付けですが、これは豆板醤(とうばんじゃん)程には辛味が強くなく、少しの工夫や隠し味などに活用の幅の広い中華の調味料です。最近はプラスチックなどの容器に入れられ、お手頃な値段でどこでも手に入るようになりました。この「こち醤(じゃん)」1kg(もちろん500g入れのものでもOK)の容器のものに、ゴルフボールくらいの分量の生姜と、大体同じ分量のニンニクを細かく刻んで入れ(出来ればすりおろしした方がベストではありますが)、さらに一本文くらいの長ネギのみじん切り、そして前述の万能練り味噌を大さじ2〜3杯ほど入れてよくかきまぜます。こうして混ぜ合わせたこち醤を密封して1日置けばもう出来上がりです。バーベキューの時などの焼肉にちょこっと付けて食べても、レタスなどの野菜に少量入れて巻いて食べても絶品の付け味噌となりますので、一度ご賞味あれ!