あった!kcy家庭菜園>トマト作りほどおもしろいものはない

                                           


 家庭菜園を始めると誰でもトマトを作ってみたくなります。トマトは大変ポピュラーな親しみやすい作物です。皆さんご一緒にトマト作りを楽しみましょう。

では、山田さん一家のスタイルをお借りして、物語風に我が家のトマト栽培をご案内してみます。

お姉ちゃん
信一君
お父さん
私にこんなに美味しい
トマトが作れるなんて!
肥料はどうすればいい
のだろう?
どうしてだか、毎年出
来が違うんだよ

俊彦兄さん
お父さんは俊彦兄さんにトマトの苗を作ってくれるように頼みました。お兄さんは農業高校に通っているので苗の作り方を知ってます。種から作るとトマトの品種が選べるので、毎年違った種類のトマトを試すことができるのでお父さんは兄さんに頼んだのです。

最近では大型の「福寿」、ピンク色の「福寿2号」、作りやすい「はやぶさ」「瑞栄」やを作っています。店頭で人気商品の「桃太郎」はハウス栽培用に開発されたプロ用品種ですが、この「桃太郎」の家庭菜園版のような「ホーム桃太郎」も魅力的な品種なので数年続けて作っていました。お父さんの技術が足りないせいか、その年の天候によってうまくいかないことがあるので、最近では別の種を使っているようです。
 OK!


品種と育苗

 俊彦兄さんのトマトの苗の作り方

三月はまだトマトの生育には気温が低いので、30穴トレイに種を蒔いて我が家のベランダに置いてある小さな温室で育てます。電気保温マットをトレイの下に敷いて土の温度を昼は28度、夜間は20度くらいに保ちます。この温度差がよい苗を作る必須条件です。5日程度で発芽すれば温度管理がよかったという目安になります。

この育苗期間中、特に気をつけることは、天気の良い日はこの時期でも温室の中はかなり高温になるので窓を開けるなど温度調節を忘れないこと、また、水分を少なめに管理してやることです。水分過多の状態が続くと温室内で蒸されたようになって、成長は早く大きくなりますが、徒長したひ弱い苗になってしまいます。土が乾いた状態まで我慢してから水をたっぷりやってまた乾かすようにすると、葉の間隔の詰まったがっちりした苗を作ることができます。そして
本葉が二枚になったころ3号ポリ鉢に移植してやります。

苗はいつも隣の苗と葉が少し触れ合うくらいの間隔に保ってやるといいようです。このようにして
背丈は30cm程度、一段花房は下から7本目の枝の上に付くのでそのころまでベランダで約70日間かけて苗を育てます。
10日目の苗 温室で30日目の苗


畑の畝つくり

トマトの育苗期間は約二ヶ月間なので、3月になったら早めに畝の準備にとりかかります。連作にならない場所を選んでよく耕します。元肥は山田さんちの場合、苦土石灰と少量の米ぬか、そして牛糞堆肥を一平方メートルあたり10kgと化学肥料を使わない分だけ多めに入れます。

完熟した堆肥は肥料分が少ないのでこれだけでは肥料が不足のようですが、前作の肥料が残っているので、チッソ過剰状態にするより、後で生育の状態を見ながら追肥で調節する方法をとっています。
3月中旬、お父さんはトマトを植える予定場所の準備にとりかかりました。
1週間前に苦土石灰で散布して、土の酸度を調整しておいたので今日は基礎的な土作りをします。
トマトは2列に24本植える予定なので、
1.5m巾の畝に約120kgの牛糞堆肥を入れて丁寧に攪拌しました。
少し多いようですが、牛糞堆肥は他の堆肥に比べて窒素分がすくないので、肥料と言うより、むしろ土壌改良剤の役目をします。

畝は幅1.5mと少し広めにとり、両側に長さ2m10cmの太目のビニール竹でがっちりした支柱を45cm間隔で立ててしまいます。株間が狭いと光線が不足するため徒長し、着花が少なくなります。株間をこの位とれば、チッソ分が多めでも生育し発育が早くなります。


いよいよ定植

 1ヶ月前に堆肥をたっぷり入れてよく深耕し、ビニールマルチを半掛けした畝は堆肥がすっかり土になじみ、地温も上がっていて、定植を待つばかりになっています。毎年天気のよい5月の連休の時期に植付けをしますが、この頃になると風も暖かくなり、中空にはヒバリが囀り、家庭菜園作業の最も楽しい季節です。
幅1.5メートル長さ5mの畝に、2列で24本の合掌仕立てに立てておいた支柱に添えるように植え付けます。後から支柱を立てるよりこの方が根が痛まなくて根のつきもいいのです。
トマトは花の付く側は一定なので、必ず花を外向きに植えるのがコツなのです。
隣の畑のおじさんが応援にきました。怖い顔をしているけど、いろんなこ
とを教えてくれる親切なひとです。

育成中の作業
 植え付けてから1ヶ月もすると背丈は2倍から3倍くらいに成長します。成長に合わせてわき芽取り、誘引(支柱に固定)、追肥などの作業をします。

 まず、わき芽とりですが、私は肥料の効きすぎの時はわざとわき芽をそのままに放置しておいて肥料を消化させますが、それ以外の時は、本茎を大きく育てるためになるべくこまめにわき芽を摘み取るようにしています。
この時期のトマトの成長は旺盛で、1週間もするとどちらの枝が本茎か分からなくなるほどです。掻き取った勢いのよいわき芽を別の場所へ挿しておくだけで、根がつき小さいけど実も成るほどです。

 誘引は結構面倒な作業ですが、タイミングを外すと自身の重みで折れたり曲がったりしてしまうこともあるので、これも気持ちを込めて結んでやります。後で茎が太って絞まり過ぎないように少し余裕を持って8の字形に支柱に誘引しましす。きちんと背を伸ばしたトマトの木は気持ちが良さそうに見えるものです。
 追肥ですが、普通は1段目か2段目に実がピンポン玉位になった頃に施しています。これより早すぎると木に栄養がいって実の付きが悪くなってしまいます。肥料管理が農家のように正確でないので、葉の先端の状態を見て判断しています。例えば、(1)葉が細く上を向いているのは肥料不足、葉が厚く下に垂れているのは肥料過多と思ってほぼ間違いありません。肥料不足の場合は有機物の配合肥料を溝に撒いて土と混ぜながら、根の回りに寄せて潅水してやります。

栄養が不足  栄養が適度  栄養が過剰
肥料過多 チッソ不足とベト病

プロの農家は、着果をよくするためにトマトーンなどのホルモン処理をしたり、ハウスではマルハナバチなどを使って受粉したりしていますが、山田さんち少しくらい着果が悪くなってもいいと割り切って一切使わないようにしています。

 下段の花房から順に実が付き始めてくると今度は摘果です。普通は1ヶ所に10個程度の実がつきますが、もったいないけど5個だけを残して後は摘果してしまいます。形のいい美味しいトマトを取るために必要な作業です。

 トマトが色づき始める頃、もう1つ大切な鳥対策の作業が残っています。完熟まで畑においておくのですから手の抜けない作業です。最も美味しくなるタイミングは鳥たちがよく知っていて、こちらが「そろそろ収穫しようかな」、と思う頃に鳥害にあって台なしになってしまうことがよくあります。
これには大変困っていろいろなことを試した結果、遂にお父さん流の簡単で効果的な方法を見つけました。
台所の流し口につける伸縮性のナイロンゴミ取り用ネットを使って5個のトマト全体にすっぽりと被せるのです。費用も安いし、手間もかからないし、効果も確実です。お母さんは役目の終わったネットを家に持ち帰って台所で再利用しています、皆様も一度お試しになられたらいかがでしょうか。

大分大きくなってきました。赤くなるのが楽しみです。 鳥避けネット


 トマト原産地の標高千メートルの南米アンデス山地は、乾燥した高温地で、日照も強いところなので、条件の違う日本の梅雨の間がトマトにとって厳しい季節です。ダニの発生や病気に罹りやすく、ひどい時には抜くしかありません。しかし堆肥がたっぷり入った畑のトマトは抵抗力が強く、暑い夏の太陽が出るようになると元気を取り戻すことがよくあります。

収穫する

畑に定植してから2ヵ月、7月上旬になるといよいようれしい収穫が始まり、8月中旬まで続きます。平均すると1本あたりだいたい30個くらいのトマトを収穫します。
自分の作ったトマトは農薬を使わないので安心ですし、堆肥や米ぬかなどの有機肥料主体で作ったトマトはズッシリと重量感があって日持ちもよく、甘味と酸味が濃くてお店で買うトマトとは違って、まるで果物のような美味しさです。この味に惚れて山田さんは10年間作り続けてきたそうです。

あら〜!うれしい。
美味しそうなトマトですねえ

お母さん



草は花を咲かせてはいけないよ

春から初夏にかけては、野菜の生育も最も旺盛な時期だし、雑草も同じようにどんどん伸びるから、この季節には一週間も草取りをしないと雑草の絨毯のようになってしまうだろ。
この雑草に一度花を付けさせると、自分が知らない内に四方に種が飛んで、周りの畑の人に大変な迷惑をかけてしまう。だから絶対花を咲かせてはいけないんだよ。畑を貸してくれている農家の人は自分の財産の大切な畑に雑草を出さないように、いつも気をつけているんだ。私たちは趣味でやっているから、こんなことに気がつかなかったり、無頓着になったりしがちだけど、こんなことで農家の人に迷惑をかけちゃいけないよ。



農家の人と仲良くなりなさい

おとうさんも最初の頃は園芸本で勉強しました。しかし、なんと言っても経験豊かな農家の方から聞く一言が一番勉強になったんだ。
肥料の使い方、安い堆肥の仕入れ方、種の選定等々、本には書いてない有力情報をたくさんもっておられるものだよ。農家の方は始めのうち、なかなか町の人間には心を開いてくれないけど、農家の大切な土地を使わせてもらっているというこちらの気持ちが伝われば自然に信頼感も生まれてくるものなんだ。

近所の菜園の人たちと仲良くするといろいろなことを教えてもらえるし、第一その方が楽しいからね。畑はひとり黙々とやるよりも、自分から積極的に周囲の人たちに溶け込んでいくことが上達への早道だと思うよ。
このページの文頭へ