昔話・一つ目こぞうと道祖神さま
作:座間おはなし会/ざま手づくり絵本の会

 
大山に うっすらと 雪が つもりました。

 おおさむ こさむ 山から こぞうが ないてきた
 なーんといって ないてきた
 さむいといって ないてきた
 さむいときゃ あたれ
 あたれば あつい
 あつきゃ ひっつぁれ ひっつぁりゃむしが くっつくぞ

こどもたちが 村はずれの 道祖神さまの そばで あそんでいます。
 「ゆうやけ こやけ あしたてんきに なーれ」
 「あっ、 きょうは 八日ぞーだよ」
 「一つ目こぞうが くるぞ!」
 「たいへんだ、 はやく かえろう」
 
一つ目こぞうは 村中の いえを いっけんいっけん みてまわり、だらしのない いえには おふだを ぺたんとはり、ちょうめんに なまえを かいていきます。
 「とじまりの わるい いえは ないか。 せんたくものや はきものを そとに だしている いえは ないか」

すると―
 つぎの年 やくびょうがみが やってきて、
ちょうめんに かかれたいえに びょうきや けがや どろぼうなど
いろいろな さいなんをおいていきます。

村中が おおさわぎに なります。
 そこで こまりはてた 村人たちは、なんとかして
一つ目こぞうを おいはらおうと そうだんしました。
 そして、目の たくさんある めがごを とぐちに
かけることにしました。
 一つ目こぞうが、めがごを めの たくさんある かいぶつだと
おもって、にげだすと かんがえたのです。
 十二月八日のばん、 一つ目こぞうは 村におりたちました。

ひゃーつ!!! こいつは かなわねぇ」
それでも ちょうめんに かかれた いえは ありました。
 「道祖神さま、この だいじな ちょうめんを あずかってください。らいねんの 二月八日に とりにきますから おねがいします。」
と、一つ目こぞうは ちょうめんをおいて とんでいってしまいました。

一月十四日、どんどやきの日が やってきました。
道祖神さまのそばに おかりやが つくられています。
すすはらいの ささ竹や かど松や しめなわも まわりに あつめられています。
 
あかりに 火が つけられました。
一つ目こぞうの ちょうめんも みんなの かきぞめも いっしょに もえあがります。
三またの えだにさした おだんごも まっくろに やけました。

さて二月八日になりました。
一つ目こぞうが やってきて、
「道祖神さま、あずけた ちょうめんを かえして ください」 と、いいました。
すると 道祖神さまは
 かじがあってな、ちょうめんは やけてしまったよ。なにしろ じぶんのいえが やけたのだから どうしようもない」
と、村人のために いいわけをしてくれたのです。
 一つ目こぞうは しかたなく、 すごすご かえっていきました。

春になりました。

♪たーにし たーにし こーとこと
 いやまの まーちへ いかねえか
 きょねんの はーるも いったらば
 さんしょの みそで こねられた
 いーやな いーやな こーとこと

こどもたちが うたって います。
道祖神さまは にこにこと、こどもたちを みまもっています。

道祖神 
相模原の町々には、石に道祖神などの字を刻んだものが多くありますが、男の神さまと女の神さまを彫ったものも見られます。
昔の「どんど焼」は、道祖神さまを「おかりや」でかこって集めたものと一緒に焼いたそうですが、今は道祖神さまのまわりにも家々が立ち並び、狭くなっているので防火のために、近くの空き地などで行われています。

この昔話は座間おはなし会とざま手づくり絵本の会の皆さんで制作され、座間市教育委員会からの依頼で「座間のむかし話絵本」にまとめられたものです。

マイタウン目次に戻る