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一月の知事選挙は、自民・公明政治による増税と社会保障の負担増や、地域経済、地域社会の破壊がすすむもと、「政治を変えてほしい」との流れが強まるなかで行なわれました。わが党は「明るい民主県政をつくる会」と共に石原秀文前県議を候補者に「税金のムダ使いをなくし、くらし・福祉応援の県政をつくる」と訴え、前回知事選挙より得票を伸ばしました。ご支持をいただいたみなさんに心からのお礼と、公約実現に向け全力で頑張る決意を申し上げます。
選挙結果は日本共産党以外のオール与党が支えてきた山本県政に厳しい審判が下され、「山梨を変える」と訴えた横内知事が当選されました。横内知事の選挙公約「財政の健全化」「活力ある山梨経済」「福祉先進県づくり」などは注目するものですが、しかし知事が指摘した、「財政危機」も「県民の閉塞感、不安感のうっ積」も、国政・県政を通じての自民党政治によってです。横内知事は元自民党衆議院議員でもあり、現在も自民党党員と認識しています。そこでまず知事の政治姿勢について四点伺います。
第一は小泉「構造改革」の評価です。
知事は「小泉改革」について「わが国の流れ、国民の意識を変えた。評価する」と回答しています。確かに国の流れを変えました。弱肉強食の規制緩和や「官から民」の行政サービスの切り捨て、増税と社会保障の負担増などです。その「改革」の結果作り出された姿は、下げ止まらない地価の下落、空きビルや空き店舗の増加、商店街のシャッター通りは拍車がかかりました。そして、大企業は空前の利益を上げながら、一方で県民所得は五年前より二五万円も下がり、医療費や子どもの給食費さえ払えない事態が進行しています。知事選で「山梨を変える」と訴えた知事に県民が期待したのは、このような「格差と貧困」を拡大させた小泉「構造改革」路線を変えてほしいとの思いではありませんか。それを「評価する」のでは、県民の期待を裏切り県政の方向を誤ると思いますが見解を伺います。
第二は道州制についてです。
都道府県を廃止し、九から十三の広域圏に再編する道州制に、知事は「地方の自立がいっそう促進される」と賛意を表明しています。しかし国の権限や財源が移譲されても、地理的に広域で人口が一千万、二千万の道州では、住民自治は不可能です。職員も天下りが予想され、実質「国の出先機関」となる可能性が大きいものです。最近の世論調査では、市町村合併が負担増とサービス低下をもたらした影響もあり、道州制に「反対」「どちらかといえば反対」が甲信越では六八%に達しています。
安倍首相は「三年以内に本格的導入のビジョンを策定」すると言っていますが、政府案では西の端でもあり、山梨県民にとって不利益としか考えられない道州制には、知事として反対の意を表明すべきではありませんか。見解を伺います。
第三は憲法九条の改定についてです。
安倍首相は憲法改定を宣言し、その目的は「集団的自衛権の行使」を可能にすることだと明言しています。すでに、昨年の臨時国会では、海外派兵を自衛隊の「本来任務」にする自衛隊法の改悪が「防衛省」法とセットで強行され、「憲法改定手続き法案」も本格審議が始まろうとしています。異常なアメリカ言いなりの日本が「海外で戦争する国」になれば、どんなに危険な方向にいくかは明らかです。
今年は日本国憲法施行六〇周年です。今、国際社会は憲法九条の「国際紛争の解決は平和的・外交的解決で行なう」方向に大きく動き出し、イラクで戦争と占領支配を行なっているブッシュ政権は、国内でも世界でも孤立を深めています。また、憲法九条を守る「九条の会」は日本全国六〇〇〇を超えて作られ、山梨でも六二の「会」が草の根で運動を広げています。知事は九条の改定について「賛成」を表明されていますが、それは世界と国内の流れに逆行するものです。恒久平和主義の九条を世界に広めることこそ、日本の最大の国際貢献と考えますがいかがでしょうか。見解を求めます。
第四に北富士演習場についてです。
北富士は沖縄米海兵隊の一五五ミリ榴弾砲に加え小火器の移転訓練、自衛隊のイラク派兵のための宿営地模擬施設の建設と対敵襲訓練など、使用強化が進んでいます。さらに税金のムダ遣いと批判が高まっている山中湖村の三〇億円かけた巨大貯水池と水路の建設は、演習場使用の恒久化をねらいとするものです。
知事は北富士演習場について「段階的に返還されるべき」と表明していますが、このようななかで「段階的返還」をどのように進めるお考えですか。使用協定の廃棄以外、富士山を平和な山にすることはできないと考えますが見解を伺います。
次に知事の公約実現の方途についていくつか伺います。
まず財政再建のあり方です。
知事も指摘するように山梨県の二〇〇五年度末の借金残高は、普通会計で八八三一億円、企業会計と出資法人の借入金残高を合わせると一兆を超えます。土地開発公社や林業公社など出資法人の借金は、独自での返済が厳しく、一般会計からの補てんが見込まれ、財政再建は待ったなしの課題です。
問題はどのようにして財政再建を進めるかです。知事は「歳出抑制」と「経済の活性化による税収の増加」を上げられました。歳出抑制では、前県政も政府の指針に従って二回にわたり「改革プログラム」を策定し、公共事業費も減らしましたが、医療・福祉の切り捨てと、職員の削減、民間委託化を進めました。その結果は県民と地域経済に痛みと犠牲を押し付けただけで、土木費の割合全国トップは変わらず、借金はさらに四年間で一二〇〇億円も増しています。知事も選挙戦の中で高齢者・障害者の負担増による悲痛な訴えをお聞きになったと思います。「財政改革」の名による医療・福祉の切り捨て、県民サービスの低下は止めるよう求めます。見解を伺います。
借金財政を作ったのは、国の政治に従った土木偏重、ハコもの優先政治そして、呼び込み型開発政策です。財政健全化を目指すなら借金財政を作り出した大元にメスを入れ、全国トップの土木費の割合を減らす以外にないのではありませんか。そのために不要・不急の大型公共事業の中止・見直しが不可欠です。
その一つ、環状道路北部区間・東部区間と、そのアクセス道路建設は合わせると県民負担は八〇〇億円近くになると試算され、その約八割を借金でまかなうことになります。その上西関東連結道路の延長や国道のバイパス建設などをすすめれば、財政再建は遠く、借金を増し続けることになるのは明らかではありませんか。県民の声は、「道路建設ではなく渋滞解消や安全対策こそ行なうべき」が多数です。環状道路北部・東部区間をはじめ必要性が認められない大型公共事業の見直しを求めますが見解を伺います。
もう一つの大型事業、中部横断自動車道の建設について知事は、新直轄方式で県負担金を引き下げることを公約にしましたが、規則で決められている負担割合をどのように引き下げるお考えですか。
わが党は昨年末、国土交通省に高速道路は有料道路として国と道路会社が責任を持って建設すべきと、改めて求めてきました。莫大な建設費の負担だけでなく、建設後も道路管理費が県民負担となり続ける新直轄方式を見直し、有料道路方式として建設するよう国に求めるべきです。また、提案されている建設のための財政支出は止めるべきと考えますが合わせて伺います。
ところで知事は県債残高を減らした長野県の田中県政を例に、公共事業を減らせば「経済が疲弊する」と述べていますが、根拠は何でしょうか。長野県はダムでしたが、大型事業はゼネコンや県内大手建設業者が受注します。限りある予算では、その分中小建設業者の仕事が減り、地域経済はかえって疲弊するのではありませんか。さらに言えば、県の産業連関では、建設事業に支出するより医療・福祉に支出する方が、経済波及効果も誘発雇用者数でも大きいことが証明されています。答弁を求めます。
次に県民要求実現についてです。
知事は「福祉と医療、教育、環境保全」など「大きな期待をしっかり受け止める」と述べ、乳幼児などの医療費窓口無料化や、小学校での三〇人学級の学年拡大を明言されました。実施を求めてきたものとして、歓迎するものです。合わせて求めたいのは、来年四月から七〇歳から七四歳の人は医療費負担が二割に引き上がります。「月五万円程度の年金では医者にかかれない」と切実です。苦労されてきた高齢者が医者にかかれず命を落とすことがないよう、県単事業で六八,六九歳の所得の低い人は、一割にしている医療費助成制度を七四歳まで拡大すること、また子育て世代の要求で甲府市、大月市などがすでに実施している小学校六年生までの医療費助成の拡大を求めます。合わせて答弁願います。
次に二つの大型商業施設の出店計画についてです。
昭和町の八・三?のイオングループの出店計画は、甲府市・中央市の反対意見もあり、知事は都市計画法による計画変更が求められないか調査・検討を指示されました。一方甲斐市下今井の十?を超えるユニーの出店計画は、現在農地転用許可申請が関東農政局あてに、開発申請が甲斐市に出されています。両計画とも業界最大手によるもので、出店されれば国中地域の小売業者をはじめ、地域経済や近隣自治体のまちづくりに計り知れない影響を与えることは明確です。
そこで、昭和町の計画については甲府市・中央市の意見を尊重し、改定都市計画法の広域調整機能を生かし、昭和町と準備組合に、土地区画整理事業から商業地域の除外を求めること、また、知事権限である市街化区域の編入、用途地域の指定の同意は行わないことを求めます。
甲斐市の計画は、市に対し改定都市計画法の主旨を生かし、近隣自治体への意見聴衆を行なうよう指導すること、またユニーから出店の届出があったら、商業・交通など広域的に影響調査を行ない、商業調整を行なうべきです。合わせて答弁を求めます。
私はこれら大型店出店計画や病院・福祉施設の給食の民間委託化の問題を通じ、強く感じますのは、内発的循環型経済の発展を目指すことと合わせ、一つ一つの事業を、縦割りを廃し、地域経済に与える影響など総合的に調査・検討する部局の機能強化が不可欠だということです。県政運営にあたって知事の見解を伺います。
次に松下電器産業の撤退と雇用対策についてです。
二月五日、松下電器産業は国母工業団地の甲府工場を来年三月に閉鎖し、中国で生産を行なう意向を発表し、二三〇人の従業員は滋賀県の工場に異動、九〇人の契約社員は契約を打ち切る方針を示しました。事前協議もなく突然の工場閉鎖・撤退は、従業員の生活や県内経済に与える影響を無視した行為です。まして松下電器産業は、本年三月期の決算見込で経常利益が四千億円にもなっています。閉鎖しなければ倒産するというならまだしも、さらなる利潤追求のために従業員も地域経済も犠牲にすることは、企業の社会的責任からして許されません。
松下電器産業には誘致企業として、工場用地の提供、税制での優遇などしてきました。工場閉鎖・撤退はやめるよう知事のトップセールスで要求すべきです。また誘致企業の撤退や規模縮小などは、県との事前協議を義務づける規定をつくるよう求めます。合わせて答弁願います。
県内の有効求人倍率は一倍を超えていますが、依然三人に一人が非正規の求人で不安定雇用は増え続けています。一方大企業は低賃金・無権利の労働者を雇用することで、空前の利益を上げています。補正予算で提案されている県の産業集積促進助成金を二億七千万支給する「キューピー株式会社」が、県内から新規に常用雇用として採用したのはわずか六人と驚くべき少なさです。後はパートなど不安定雇用の採用と聞いています。大企業に多額な税金を振る舞い、不安定雇用を増したのでは意味がありません。「キューピー」に正規雇用を増やすよう求めるべきです。
また、産業集積促進助成金の支給条件を「正規で採用は県内から八割」に改めるよう改めて求めます。答弁願います。
次に医師及び看護師確保対策についてです。
産科の相次ぐ閉鎖に続き、上野原市立病院や国立甲府病院の病棟閉鎖など、県内でも医師不足による医療崩壊がすすんでいます。
昨年県が行なった「医師の充足状況に関するアンケート」では、六一病院中、五一の病院が「医師が不足している」と回答し、不足数も二〇〇名を超え、不足が生じた理由の多くが退職や派遣が受けられなくなったことを挙げています。
医師不足の最大の原因は、政府による医師数の抑制と、診療報酬の大幅な引き下げによるもので、「臨床研修制度」の改定や大学病院などの独立行政法人化がそれに拍車をかけています。医師を派遣してきた大学病院頼みが通用しなくなった今、県の役割は重要です。すでに青森・宮城・長崎県などは、医師を県職員として採用し、医師不足の自治体病院に派遣する事業を行なっています。県としても山梨大学などと連携して、地域医療を担う人材の育成・確保システムの整備、また県職員として採用した医師を含めたドクターバンクや、二二県で既に実施している奨学金の創設、女性医師の勤務環境の整備など積極的な対策が必要と考えますが答弁を求めます。
看護師不足も深刻です。確保対策が不十分なまま、昨年四月の診療報酬改定で「看護師一人に患者七人」の入院基本料が高く新設されました。そのため各病院とも看護師確保に乗り出し不足に拍車がかかっています。
県が昨年三月に策定した「看護職員受給計画」は、この診療報酬改定前のもので、実態が正しく反映されていません。改めて看護師不足の実態を調査し、受給計画の見直しを行なうべきです。また不足解消策として、県立看護大学と甲府看護学校の定員の拡大、県内医療機関への就職率の向上や、更なる潜在看護師の再就職支援の強化が必要と考えます。合わせて答弁を求めます。
次に教育について二点伺います。
初めての全県一学区・自己推薦制による前期試験は、予想されたとおり不合格者が二二四四名と多数に及び、甲府地域の高校に生徒が集中し、さらに「学力重視で成績優秀者に有利となった」と言われています。また生徒は塾通いが増えるなど競争教育が強まっています。総合的な検証はこれからですが、生徒及び教育現場の立場に立った十分な検証を求めます。
第二に校舎の建て替えです。
県教委は高校再編を優先し、耐震性のない老朽化した市川・石和両高校の校舎の建て替え要求を黙認してきました。再編に対する住民の反対は強く、また志願状況をみると、全県一学区制によって再編が可能になるとの見方も遠のきました。生徒の安全が最優先されなければ教育の名に値しません。改めて市川・石和高校の老朽校舎の建て替えを強く求めます。合わせて答弁を求め質問を終わります。
最後に退任に当り一言申し上げます。
四期十六年、ご支援をいただきました県民のみなさまに心から厚くお礼を申し上げます。また大変お世話になりました、県議会議員、議会事務局をはじめ県職員のみなさまに心から感謝を申し上げます。【ページの頭へ】 Copyright (C) 日本共産党山梨県議団, All Rights Reseved.