日本共産党山梨県議団
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2006年12月議会で行なった石原議員の一般質問は以下の通りです。
 日本共産党を代表して一般質問いたします。質問に入る前に一言申し上げます。最後の質問を行なう石原議員
 ご存知の通り、私は来るべき知事選挙に立候補する決意を致しました。
 なぜ決意したのか、それは小泉「構造改革」とそれに忠実に従った山本県政の4年間によって、いま県民は我慢の限界を超えた痛みに苦しんでいます。とくに、お年寄り、障害者など社会的に弱い立場の人たちは、憲法で保障された「生きる権利」さえ奪われようとしています。
 私は、命を守ることを使命とする医師として、命とくらしを守ることを最優先する県政、とくに社会的に弱い立場の人に光のあたる県政を実現したい強い思い、これが第1の理由です。
 第2は、「規制緩和」など弱肉強食の経済の結果、大企業は空前の利益をあげている一方で、県内経済の主役である、中小商工業者や農業は経営が厳しさを増し、廃業や倒産で、いずれも統計史上最大の減少率となっています。この状況を打開し、県内産業と地域経済を再生したいと決意したからです。
 私は、国いいなり「構造改革」路線推進の県政から、地方自治体本来の役割を取り戻し、ムダ遣いにメスを入れ、県民の苦しみに心を寄せ、将来に希望のもてる山梨、憲法が息づく「県民こそ主人公」の県政の実現に全力で奮闘する決意です。県民のみなさんのご理解を心からお願いします。
 さて、最初に県政を担う上で重要な政治姿勢について知事に伺います。
 まず、構造改革路線の評価の問題です。この4年間は、「社会的格差と貧困」が拡大されました。山梨でも、生活保護世帯や就学援助世帯は5年前と比べ、それぞれ1・4倍に増え、国保税が払えない世帯も急増し、滞納者に発行される資格証明書や短期保険証は5年前の2倍、13300世帯にもなっています。そのために医者にもかかれず死亡するという悲惨な事態も生まれています。さらに介護、医療や障害者自立支援法の改悪で、高齢者、障害者は必要な介護も支援も受けられない状況になっています。
 知事、このような県民の深刻な事態は、決して自然現象ではありません。「規制緩和」「不良債権処理」「官から民」そし「増税と社会保障の改悪」など「構造改革」という政治がつくったものです。知事は「格差と貧困」を拡大させた構造改革路線についてどう評価しているのか、また、このような県民の実態をどう認識しているのかを伺います。
 第2に、地方自治の本旨とは何かについてです。
 私がこんな大上段にふりかざした質問をするのは、山本知事が4年前「地方主権」を掲げていたからです。わが党は、地方自治の本旨にのっとった「地方主権」が推進されることを期待し、就任時賛意を表明しました。地方自治体の本旨は「国の監督を排除して、自主、自律的に、地方行政」を行ない、その目的の第1は、地方自治法でいう「住民の福祉の向上」にあります。
 ところが、山本知事は「地方主権」どころか、政府の指針に従い二度にわたって「行財政改革プログラム」を策定し実行してきました。この行革プログラムは国の「構造改革」路線を山梨に忠実に具体化したものです。行革の柱は「小さな県庁、大きなサービス」ですが、やったことは「県民負担の適正化」のもとに、老人医療費の助成制度の縮小や、県の医療費助成制度からの食事代外しなど福祉施策の切捨てと、出先機関の統廃合や公務員削減による県民サービスの低下、そして「官から民へ」による公的責任の放棄ではなかったですか。国に忠実に従う県政、これが山本県政の実態ではありませんか。知事の地方自治体の本旨についての考え方を伺います。
 第3は、北富士演習場についてです。
 一昨日、終了した8回目の今回の移転訓練は、県が易々と受け入れた小火器の射撃訓練と夜間砲撃訓練で地元住民もその音に驚くほど、実践的で質的に強化された最大規模の演習となりました。今回の演習は、「世界の中の日米同盟」のもと、「基地再編強化」が進められていますが、北富士演習場がアメリカの戦争にいっそう深く組み込まれていくことを物語るものです。この4年は、北富士で砲撃訓練を行なった米海兵隊がイラクに出撃し、掃討作戦を行なう、自衛隊のイラク宿営地模擬施設がつくられ、そこで訓練を受けた自衛隊がイラクへ派兵されるなど、「極東の有事」「日本の防衛」のための安保条約のもとで締結された使用協定の範囲を超える事態がつくり出されてきました。
 山本知事は、演習場の「全面返還・平和利用」、そのための「段階的縮小」と口では言いますが、その実は、北富士の使用強化を次々と受け入れてきました。
 いま安倍内閣が憲法改定を日程にのせるという危険な動きの中で、憲法9条を守り、県民の誇る富士山を「平和の山に」取り戻す、そのためには北富士演習場での米軍演習を許さず、使用協定廃棄へ向けた努力を行なう確固とした政治姿勢が知事に求められますが、見解を問うものです。
 さて、9月に発足した安倍内閣は格差と痛み押し付けの「構造改革路線」を継承すると述べるとともに、国民の反対を押し切って、教育基本法の改悪を強行しようとしています。このような国の政治状況のもとで、県政に求められることは、地方自治の本旨に基づき国の悪政から県民を守る「防波堤」としての役割をしっかり果たすことです。
 そこで、県民を守る第一のくらし・福祉について伺います。
 わが党は二度の議会で、小泉前内閣がすすめた医療・介護・障害者支援の改悪により、高齢者と障害者に大幅な負担増とサービスの削減が押し付けられている問題を取り上げ、負担を少しでも軽減させる具体的提案を行なってきました。しかし、答弁はいずれも「考えていません」という県民の痛み、苦しみの声を門前払いするものでした。
 しかし、切実な声に応えようとする姿勢さえあれば、それらは実現可能です。わが党の試算では、医療改悪で2割負担になる70歳から74歳までの医療費負担を、所得の低い人は1割に軽減するのに必要な額は、約3億円。また、介護保険の改悪で10月から要介護T以下の軽度認定者のベッドの貸しはがしが行なわれ、県内で1000人を超える人が使えなくなっていますが、ベッドを購入したい人に東京都並に助成しても約6000万円。さらに、障害者の負担を京都府並に在宅生活でサービスを利用している人の軽減をおこなっても約7000万円。そして県下各地で運動が広がっている小学校6年生まで医療費を無料にしても約4億円で可能です。
 知事、財源が無いわけではありません。減らしているとは言え、山梨県の歳出に占める土木費の割合は、いぜん全国トップです。全国平均に引き下げただけでも、200億円削減ができます。また、市民オンブズマンの調査で2005年度、県が一般競争入札で行なった1億円以上の公共事業の落札率が89・8%にまで下がりました。宮城県並に1000万円以上の工事を一般競争入札で行ない、談合をなくし、入札率を下げれば120億円の削減が可能で、財源は生み出せます。公共事業偏重を改め、くらし・福祉応援の政治に切りかえ、前に述べた提案の実現を改めて求めます。知事の見解を伺います。
 つぎに、大型公共事業のあり方についてです。
 知事は、中部横断自動車道について「建設が遅れる、見送られるおそれがある」として、新直轄方式を導入したと述べ、明確な道筋をつけたと自負していますが、中日本高速道路株式会社が、六郷・富沢間を建設しないと表明した報道はいっさいありません。建設に320億円の負担を行ない、建設後も、維持管理などの負担を負うことになる新直轄方式を、県民の意見も聞くこともせずに国に進言したのは、報道にあるように、「知事選3区対策」が本音だとしたら許されない、汚点を残すものです。答弁を求めます。
 中部横断道と環状道路北部・東部区間の建設やアクセス道路を含めると県の負担は1100億円と見込まれます。これが実行されたらすでに1兆円にもならんとする借金をさらに増やし、県民にさらなる痛みを押し付けることになるのは明らかです。中部横断道の建設は、中日本高速道路株式会社が行なうよう求めること、環状道路北部・東部区間の建設は中止するべきです。見解を求めます。
 次は雇用対策です。
 大企業の利潤追求を後押しする政府の「規制緩和」によって、労働法制が次々改悪されてきました。その結果、県内でも2002年度、不安定雇用者は、10万2千人で、総労働者数の31%を占めています。今年の国勢調査の結果がまだ出ませんが、今はさらに増えていると推測されます。また、違法なサービス残業や偽装請負も行なわれ、その最大の犠牲者は青年です。安倍首相は「再チャレンジ」をいいますが、再チャレンジ可能なシステムと、有効求人倍率の6割にすぎない正規雇用の拡大なしに、山梨の未来を明るいものにすることはできません。
 知事は、9月議会でのわが党の質問に「県内企業で働く労働者の実態について調査を実施しており、今後の労働施策に反映していく」と述べられました。調査結果と、どのように施策に反映するのか考えを伺います。
 また、「産業集積促進助成金」の支給条件を「正規で県内雇用8割」にすることを求めた質問には及び腰でしたが、不安定雇用者を増やす企業では誘致をしても問題の解決にはなりません。改めて助成金支給の条件を「正規雇用で県内から8割の雇用」とすること。歳出に占める割合が0・4%に過ぎない労働費を大幅に増額し、青年の職業訓練やジョブカフェなどの支援対策を抜本的に強めることです。合わせて答弁を求めます。
 次に、県内産業と地域経済の活性化です。
 知事は産業の振興で「意欲的な企業や再チャレンジを目指す企業などに支援を行なう」と述べられました。しかしそれだけでは限られた企業しか支援は受けられません。県内の事業所や小売業の減少率は、事業所が3年間で7・2%、小売業が5年間で12・0%と統計史上最大となっています。このような減少は、地域経済を衰退させ、活力を奪い将来にとっても重大な問題です。必要なことは、県内経済を支えている中小零細企業に光を当てた施策です。そこで何点か伺います。
 第1に、誘致企業に対し減少している県内下請け発注率を引き上げるよう要請するとともに、商談会の開催を増やすこと。
 第2に、さきに述べた中部横断道や環状道路などゼネコン型大型公共事業の計画を中止し、通学路の改善や災害対策、福祉など公共事業を生活密着型に切り替え、中小建設業者の仕事を増やすこと。
 第3に、病院や福祉施設の給食業務を県外業者に委託した結果、地元小売業者からの食材の取り引きが激減した失政を踏まえ、官公需発注をできる限り県内企業に徹底すること。さらに、給食業務を受注した企業に地元業者からの食材の調達を義務付けること。また、県の施策展開に当たっては、タテ割り行政を廃し、県内経済への影響調査を行ない、県内業者の排除とならないようにすること。
 第4に、「まちづくり3法」の改正の主旨を生かし、旧双葉町や、昭和町に計画されている県外資本の大型店の出店を認めないことです。知事は昭和町の区画整理事業と一体の8haの大型商業施設の誘致計画で、行政の慎重な対応を求めた甲府商工会議所の申し入れに対し、「対応をとるのは難しい」と述べたと報道されていますが、それでは小売業の減少にさらに拍車をかけます。昭和町と準備組合に対し、計画から商業施設の区画を除くよう要請すること。そして、それなくしては都市計画の決定をしない確固とした姿勢を取ることです。
 第5に、価格の低迷、担い手の高齢化、未耕地の拡大などで果樹王国山梨の農業衰退も深刻な事態です。にもかかわらず知事は11ヶ所の農業改良普及センターの廃止を強行しました。しかし、全国では19都道府県が今も存続させています。特に今年は「ポジティブリスト」の施行やカメムシの大量発生で、規模が大きい農家ほど減収が大きく、「たいへんな年に普及所をなくした」と怒りの声が上がっています。
 山梨の農業を守るためには、農業改良普及センターの復活や、また、価格低迷にあえぐ、モモとブドウの再生産を保障する価格保障制度を、生産者や農協と力を合わせ、国にも働きかけ実現することです。さらに、新規就農者生活支援貸付金制度を一定期間就農した人には返還免除する担い手対策、「地産地消」のいっそうの推進などを行なうべきです。合わせて答弁を求めます。
 次に、競争教育を見直し、教育条件整備を進めることについてです。
 いま、痛ましい子どものいじめ自殺や、教育に対する国民の信頼を失墜させた未履修問題など、教育のあり方が問われる問題が続発しています。
 この2つの問題の背景には、文科省や県教委が進めてきた、競争教育や管理教育があることは明らかです。
 いじめ自殺問題でいえば、多くの教育学者が指摘しているように、いじめの原因が子どもの抱えるストレスにあり、そのストレスを生み出す一番が、子どもたちをできる子、できない子に振り分け、絶えず競争に追いたてる競争教育があります。
 未履修問題は、受験対策を最優先させ、自校の有名大学の合格率を上げるためには、最低限のルールさえ破って良いという教育のゆがみの現われであり、「人格の完成」を目的にしている教育基本法を生かしていない結果です。そして、いずれも犠牲者は子どもたちです。
 これ以上、子どもたちの犠牲を生まないために、競争教育を転換すること。また、教育の現場の実態を正確に把握することです。平成16年から今年10月までの間に、県内高校生7名、中学生4名の自殺者が発生しています。数の多さからも、十分な調査が必要です。県教委はこの中にいじめ自殺はないとしていますが、ほんとうにいじめや学校生活上の問題がなかったかどうか、改めて正確な調査をすべきではないでしょうか。もちろんプライバシーに配慮することは大前提です。
 未履修問題でも、県教委の調査は発表後に新たな未履修が次々発見されるなど、信頼性を失うもので、未履修問題が重大な問題であるとの認識の低さを示しました。全容が解明されたとはとてもいえません。なぜ必修科目を教えないことが学校現場と県教委で問題になってこなかったのか、また、過度な「特色ある学校づくり」の押し付け、学校評価制度に問題がなかったかなども含めて調査し、明らかにすべきです。答弁を求めます。
 教育基本法の改悪は「愛国心」などの強制と合わせ、全国一斉学力テストの実施、その公表、通学区制の撤廃などが断行され、競争教育にさらに拍車をかけることになるでしょう。すでに本県でも普通高校入学者選抜の全県一学区により、競争に拍車がかかり、子ども、教師も追い立てられ、多忙化を極めています。このような教育では、学ぶ喜びも、学力の向上も、生きる力も育たないことは明らかです。
 競争教育をなくし、どの子にもいきとどいた教育を保障することは、教育行政の責任です。「一定規模のクラスで切磋琢磨することも必要」などと科学的でない理由で拒否するのではなく、すでにその成果が実証されている30人学級の学年拡大を行なうべきです。答弁を求めます。
 最後の一般質問を終わるに当り、一言お礼を申し上げます。私は3期11年9ヶ月、生命をなりより大切にし、平和を守ることを信念として、県政の革新をめざし、野党議員としてがんばってきました。このような私を支えてくださった県民のみなさんに心から感謝申し上げます。また、お世話になった議員各位並びに知事をはじめ県職員のみなさんにお礼を申し上げ、質問を終わります。
質問を聞く山本知事ら
この後、中岡議員が関連質問を行ないました。
関連質問する中岡議員
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