日本共産党山梨県議団
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県政政策
 日本共産党の山梨県政政策
   県民のくらし、福祉を守り、安心と希望ある県政をめざして
                                         2006・10 日本共産党山梨県委員会
 目  次
  前文 
1、国の増税と社会保障切捨てから、県民の命とくらしを守る県政の実現に全力をあげます。
 @安心して医療が受けられる制度の拡大をめざします。
 A必要な介護サービスの削減を許さず、安心の老後を支援します。
 B障害者の不安をなくし、自立と社会参加を支援します。
 C増税の中止を求め、雪だるま式負担増からくらしを守ります。
2、働く人びとと共同を広げ、雇用と労働条件の悪化に歯止めをかけ、安定した雇用を拡大します。
3、子育て世代の切実な願いにこたえ、子育てを応援します。
4、教育基本法の改悪を許さず、30人学級の学年拡大をすすめ、子どもたちが輝く学校教育をすすめます。
5、「中小企業地域経済振興基本条例」を制定し、循環型経済をすすめます。
 @中小企業振興のための具体的施策
 A商業振興のための具体的施策
 B農業振興のための具体的施策
6、「水道水源保護条例」を制定し、地球温暖化対策など環境行政を強化します。
7、地方切捨てを許さず、ムダ遣いをなくし、真の行政改革をすすめます。
8、憲法9条を守り、基地強化を許さず、北富士演習場の平和利用をめざします。
 県民のみなさん
 来年は1月に知事選挙、4月にいっせい地方選挙、7月に参議院選挙が行なわれます。
 安倍新政権のもとでの初めての全国的選挙です。新しく発足した安倍内閣は、格差と貧困を生み出した構造改革路線をいっそう推進すると明言しています。また、継続審議になっている「愛国心」などを強制し、国家権力が教育に介入できるようにする「教育基本法改悪案」の早期成立と、5年以内に憲法を改定することを表明しています。
 いま小泉構造改革のウソとごまかしが明らかになり、県下各地で自民・公明政治への怒りの声があがっています。憲法9条を守る「9条の会」は、全国で5000を超えてつくられ、山梨でも58の「会」が草の根で運動をしています。教育基本法では、立場のちがいをこえて改悪反対の運動がひろがり、医療制度改悪や郵政民営化などでは、これまで自民党を支持してきた人のなかで自民党離れが進んでいます。
 こうしたなかで行なわれる来年の一連の選挙は、日本の進路を左右する大事な選挙となります。来たるべき選挙では、平和とくらしを破壊する自民、公明の暴走に怒りの審判を下そうではありませんか。

 県民のみなさん
 来春の県議会議員選挙は、自民・公明によるくらしと福祉の切り捨て、地方自治と地域社会の破壊が進められるもとでたたかわれます。この選挙で問われるのは、山梨県政が国の悪政から県民を守る防波堤としての役割を果たすのか、それとも国とともに悪政の推進者となるのか、ということです。
 小泉内閣が5年半にわたってすすめてきた構造改革によって、社会的格差と貧困が広がりました。8月の世論調査では所得の格差が「広がっている」「どちらかといえば広がっている」と答えた人が87%も占めました。OECD(経済協力開発機構)の調査でも、日本の貧困率は13・5%、加盟国30ヵ国中、アメリカに次いで2番目に高くなっています。
 山梨でもここ5年間で、生活保護世帯や就学援助世帯はそれぞれ1・4倍にも増えました。国保税(料)が払えない世帯も急増し、滞納者に発行される資格証明書や短期保険証は、5年前の2倍、13300世帯にもなっています。そのため医者にかかれず死亡するという深刻な事態も生まれています。
 また、介護保険や医療制度の改悪、障害者自立支援法の施行により、高齢者、障害者の負担が大幅に増やされました。わが党の調査でも、負担が重く施設退所やサービスを減らす人が数多く生まれています。また、制度改変でこれまでのサービスが減らされ、在宅での生活が困難になるなど、憲法が保障している「人間らしく生きる権利」が奪われる事態になっています。
 さらに、空前の利益をあげている大企業には減税をする一方で、定率減税の半減や老年者控除の廃止などによって所得税や住民税が5倍から10倍にも引き上げられ、役所には問い合わせや抗議が殺到するという事態が起きました。住民税の増税は、連動して介護保険料や国保税(料)の負担を雪だるま式に膨れあがらせ、高齢者が耐えられる限度を超えた負担増となっています。来年は、さらに定率減税の全廃で増税され、消費税の引き上げも検討されています。
 小泉内閣の規制緩和路線のもとで労働法が次々と改悪され、派遣・契約雇用など低賃金の非正規雇用労働者が急増しました。「格差と貧困のひろがり」の根底には、こうした雇用と労働の破壊があります。とりわけ、若者のなかで働いても貧困から抜け出せない「ワーキングプア」が社会問題になっています。山梨でもこの5年間で、3人に1人、若者は2人に1人がパート・派遣・契約社員などの非正規雇用になっています。また、今年7月の有効求人倍率は1・13倍ですが、その約4割が派遣・契約の非正規雇用の求人で「実感なき景気回復」を裏づけています。自殺者の数も8年間連続して3万人を超え、山梨でも昨年の自殺者が370人で経済的理由による自殺が最も多くなっています。
 このように自民、公明政治によって県民のくらし、経済が危機的状況にあるなかで、県政の役割はこれまで以上に大きくなっています。ところが、山本県政の現状はどうでしょうか。
 山本知事は、小泉構造改革に忠実に従うとともに、自らも「行財政改革」の名で、医療や福祉・県民サービスの切り捨てを進める一方、借金を膨らませ財政を行き詰まらせた大型公共事業はいっそう推進しています。 
 この4年間で68、69歳の県単独医療費助成を低所得者のみに限定する縮減を行ない、乳幼児、障害者、ひとり親の医療助成も全国では少ない給食費の自己負担を導入、また、敬老祝金の縮小、高齢者に免除していた公共施設の利用料の有料化など、高齢者や弱者に新たな負担を押しつけました。また、県民に密着した保健所や農業改良普及センターの統合・廃止を行ないサービスを低下させました。政府の「官から民へ」の流れに従い、県民批判をよそに図書館建設にPFI事業を導入、県立病院や福祉施設の給食業務も県外大手企業に丸投げし、食材の納入をストップされた県内小売店業者から「廃業せざるを得ない」「地産地消に反する」などの声が高まっています。
 県民には犠牲を強いる一方、123億円かけた博物館建設や、住民の反対を押し切って産業界のための明野最終処分場の建設を強行し、320億円の県民負担をつくりだす中部横断自動車道の六郷、富沢間の国直轄での建設を政府に要望しました。現在計画を進めている環状道路北部・東部区間の建設と合わせ総事業費は4000億円と見込まれ、県負担は1100億円にもなります。2004年度の歳出に占める土木費の割合はすでに全国トップです。その上このような大型公共事業の積み増しは、政府の「三位一体改革」による地方交付税の大幅削減などで、県財政が一段と厳しくなることと合わせ、さらなる福祉の切り捨てや県民負担を増やすことにつながります。
 自民、公明、民主などの与党はこうした山本県政を支え、国いいなり、県民犠牲の政治を競い合ってきました。

 県民のみなさん
 日本共産党は唯一の県政野党として、2議席ではありますが、県民の利益第一に、ムダ遣いをただし、建設的提案を行ない、住民のみなさんと力をあわせ、要求実現のために全力をあげてきました。
 9月議会で、乳幼児、障害者、ひとり親世帯の医療費窓口無料化の実現をかちとったのをはじめ、この4年間では、小学校1・2年生での30人学級、耐震診断・補強工事への助成金制度、借換融資制度、甲府養護学校・甲陽学園の建替えなどを実現してきました。また、県と業者が癒着した乱開発や民間福祉施設の非民主的経営を改善させ、水源地に計画された下部民間最終処分場の建設を事実上不許可に追い込みました。
 日本共産党の県議団は、県民要求実現の財源の裏づけも示して論戦してきました。大型公共事業を中止し、全国トップの土木費の割合を全国平均に引き下げること、入札制度を改革し、談合を排除して高い入札価格を引き下げれば330億円の削減が可能で、議員の海外視察、費用弁償など、税金のムダ遣いを見直せば、県民のくらしを支え、福祉・教育を充実させる財源は十分にあると訴えてきました。
 山梨県産業連関表の投資効果では、建設事業より、医療・保健・福祉の方が経済波及効果でも、誘発雇用者数でも大きいことが明らかになっています。
 県民のみなさんと力をあわせ、建設的提案を行なう日本共産党を伸ばせば、県政を動かし、県民要求を実現する確かな力となります。日本共産党は次の政策実現に全力をつくします。ごいっしょに県民のくらしと福祉、安心と希望ある県政をつくろうではありませんか。
 県民のみなさんと力をあわせ、建設的提案を行なう日本共産党を伸ばせば、県政を動かし、県民要求を実現する確かな力となります。日本共産党は次の政策実現に全力をつくします。ごいっしょに県民のくらしと福祉、安心と希望ある県政をつくろうではありませんか。

1、国の増税と社会保障切捨てから、県民の命とくらしを守る県政の実現に全力をあげます。
 小泉内閣の5年間は、医療、介護、障害者支援など社会保障制度を次つぎと改悪し、戦後、国民の運動でつくりあげてきた社会保障制度が根底からくつがえされ、くらしを支えるべき社会保障が、くらしを押しつぶす事態になっています。
 日本共産党は、制度改悪が住民にもたらす深刻な実態を明らかにし、制度改悪に反対するとともに、改悪が実施された後も実態調査を行ない、政府や県、市町村に制度の改善を申し入れてきました。「住民の福祉・くらし・安全を守る」ことを使命とする地方自治体の役割の発揮がいまこそ求められます。県民だれもが安心して暮らせる施策の拡充のために以下の実現をめざします。
@安心して医療が受けられる制度の拡大をめざします。
 通常国会で強行された医療制度改悪は、70歳から74歳の老人の医療負担を1割から2割に、「現役並み所得」の人は3割に引き上げました。受診を控え病気を悪化させるケースが増えることが予想されます。68、69歳の県単独老人医療制度は縮小されましたが、住民税非課税世帯など所得の低い人の負担は1割に据え置かれています。これを74歳まで拡大します。
 また、地域で高齢者の入院や介護を担っている療養病床が、県内でも約1,600床削減される計画です。老人保健施設などへの移行を行なうとしていますが、施設不足や負担増で、医療・介護難民が生まれることが危惧されます。療養病床の削減中止を国に求めるとともに、施設整備の遅れで待機者は4,814人にもなり、4〜5年も待たなければ入れない特養ホームの増設を抜本的に拡大します。
A必要な介護サービスの削減を許さず、安心の老後を支援します。
 介護保険制度の改悪で、介護保険料が県平均31%も引き上げられました。その一方で、食事代・居住費が完全に自己負担となり、負担増に耐えられず、施設退所が相次いでいます。また、介護認定が変更され、従来使えていたサービスが削られ、介護度が低い高齢者は生きるために必要なサービスさえ受けられなくなっています。高齢者から「介護を取り上げる」ことは、高齢者やその家族の仕事と生活にも深刻な打撃となります。必要な介護が受けられるために自治体としてのできる限りの努力が必要です。
 介護保険料の大幅な値上げを抑えるために、国の負担を25%から30%に引き上げるよう求めます。また、所得の低い人の保険料の減免制度を拡充し、食事代の補助制度をつくります。ひとりくらしなど生活実態に見合ったサービスがこれまで通りに受けられるように、市町村への支援を行ないます。要介護T以下の認定者が車イスや介護ベッドが引き続き使えるために、リース代や購入代の助成を行ないます。
 地域包括支援センターの設置は、人口2万人から3万人に1ヵ所とされている国基準が満たされていないため、ケアプランの作成などセンターの役割が十分果たせない状況です。国にケアプランの報酬引き上げを求めるとともに、センターの増設、職員の増員を支援します。
B障害者の不安をなくし、自立と社会参加を支援します。
 4月から施行された障害者自立支援法は、福祉サービスに原則1割の応益負担が導入され、9割を超えるこれまで無料だった障害者が、一挙に月1万円から3万円もの負担増を強いられました。そのため施設利用を断念し、家に閉じこもる障害者が増えるなど、逆に自立を阻害しています。また、施設への報酬も月額払いから利用日払いに変わるなど激減しています。10月からは新たに補そう具、障害児施設にも1割負担が導入され、障害者程度区分の認定に基づく支給決定や、地域生活支援事業が始まります。全国では、利用者負担を軽減する制度や事業所補助など独自の施策を行なう自治体が広がっています。市町村格差を生まないためにも、県の役割が重要です。
 そのために、障害者団体と力を合わせ、国に応益負担の撤回を求めます。
 減免制度があっても、障害が重い人ほど負担が重く、生活を直撃しています。給食費など利用者負担の独自の軽減措置を実施します。児童デイサービスや就学前の通園事業、また手話通訳やガイドヘルパーなど地域生活支援事業は、これまでと同様無料にします。福祉サービス、自立支援医療、補そう具を利用した場合、自己負担の合計額に県独自の上限額を設定し、それを上回る額は免除する制度を創設します。福祉の現場では報酬が激減し、職員の賃金やボーナスの削減を余儀なくされています。国に報酬単価の引き上げ、日額払い方式の見直しを求めるとともに、県独自の施設運営費の補助制度を創設します。
C増税の中止を求め、雪だるま式負担増からくらしを守ります。
 年金給付額が減らされている上に、所得税、住民税が引き上げられ、介護保険料や国保税(料)にも連動し、高齢者の負担が雪ダルマ式に増えています。
 国に老年者控除や公的年金等控除などの継続と、消費税率引き上げを含め、今後の増税計画の中止を求めます。また、障害者控除や各種減免制度の周知徹底を行ない、手続きを簡素化します。住民税の増税で介護保険料や国保税(料)、住宅家賃などが上がる人に減額措置を創設します。
 日本共産党が行なった住民アンケートでも、一番多いのが国保税(料)の引き下げを求める声です。国は「三位一体改革」で国保税(料)の国の負担額を半分に減らしました。国に国庫負担の復元を求めるとともに、市町村国保会計への県の補助拡大、基金の取り崩し、一般会計からの繰り入れなどで、高い国保税の引き下げを進めます。また、甲府市や笛吹市などが実施している申請減免制度を全県に広げます。命にかかわる保険証の取り上げや、滞納者への人権侵害は止めさせます。

2、働く人びとと共同を広げ、雇用と労働条件の悪化に歯止めをかけ、安定した雇用を拡大します。
 社会的格差の拡大と貧困の広がりの根底には、非正規雇用の急増があります。大企業のリストラと、それを後押しする小泉内閣の労働法制の規制緩和によって、正規社員から派遣・パート・契約社員などの非正規雇用に大規模に置き換えられました。その結果、労働者の3人に1人、若者や女性は2人に1人が非正規の不安定雇用になり、年収100万円から200万円という低賃金労働者が急増しました。自民党などは「若者の就業意識の低下」を問題にしていますが、多くの若者は「安定した仕事と人間らしい働き方」を求めています。
 また、正社員の労働条件も厳しさを増しています。大企業を中心に成果主義賃金の導入がすすめられ、長時間労働に拍車をかけ、過労による「心の病」を増大させています。職員評価制度が教職員や県職員にも導入され、県民に奉仕することを任務とする公務労働をゆがめることは明らかです。
 このような雇用と労働の破壊は、結婚したくてもできない若者をつくり、少子化に拍車をかけ、社会保障の支え手を破壊し、日本社会と経済のまともな発展を不可能にする深刻な事態をつくりだしています。安定した雇用と人間らしい働き方を求め、雇用のルールを確立させることは、日本社会にとって差し迫った課題です。
 日本共産党は、異常なまでの大企業中心の政治、「ルールなき資本主義」を根本からただすとともに、サービス残業や長時間労働をなくして雇用の拡大を求め、サービス残業では具体的な告発で厚生労働省を動かし、653億円の未払い残業代を支払わせてきました。雇用と労働は国政が大きくかかわっていますが、深刻な実態のもとでは県政の果たす役割が強く求められます。
 山本知事は、新たに県内に工場など設置する企業に対して、雇用拡大を条件に「山梨産業集積促進助成金」最高10億円を支給していますが、雇用条件は「常時雇用」「新規採用の5人以上を県内から」というものです。「常時雇用」は月18日間、2ヵ月以上続けて働いている人をいい、正規雇用とは限りません。助成金支給の条件を「正規雇用」で「増員の八割を県内から」に引き上げます。
 大企業の違法・脱法行為が常態化し、派遣・パート・契約社員の多くが、劣悪な労働条件の下で働いています。多くの若者や非正規労働者に雇用のルールと権利を知らせることが重要です。県として労働者の権利と雇用主の義務を知らせる冊子をつくり、広く広報します。また、学校教育の中で労働基本権などの学習を行なうようにします。職業訓練やジョブカフェなどの就職支援を拡大します。労働費は年々減少し、予算総額の0・4%にすぎません。労働予算を増やし、働く人の立場に立った実効性のある労働行政をすすめます。

3、子育て世代の切実な願いに応え、子育てを応援します。
 昨年の県内の合計特殊出生率は、1・31と最低をさらに更新し、少子化に歯止めがかかりません。山本知事は昨年「やまなし子育て支援プラン」を策定しましたが、子育て世代の切実な要求である医療費助成の拡充や保育料など経済的負担の軽減、教育条件整備などを盛り込まなかったばかりか、プランで数値目標を定めた事業の4割が初年度目標を達成できていません。
 日本共産党は、市民団体のみなさんと力を合わせ、子どもの医療費助成制度の窓口無料化や対象年齢の拡大を求め、知事に実現を迫ってきました。市民団体から県に提出された署名数は34,000をこえています。甲府市や大月市などでは、すでに小学校卒業まで無料にしています。知事は9月議会で、窓口無料化を表明しましたが、ひきつづき早期実現をめざすとともに、助成の対象年齢を小学校6年生まで引き上げます。また、県が強行した入院時の食事代の有料化を元に戻します。市町村独自で保育料や学校給食費を軽減するところには、県として支援を行ないます。
 放課後の子どもたちの安全を守る上で学童保育の果たしている役割は大きく、希望する児童が増え、学童保育に入れない待機児童やマンモス化が問題になっています。また、「4年生以上も学童保育をしてほしい」との声が高まっています。学童保育を増設し希望するすべての児童が利用できるようにします。また、マンモス化を解消するため、定員制の導入をすすめます。公民館などを活用して行われている「放課後子ども教室推進事業」を広げ、4年生以上の子どもの放課後の安全、安心を守ります。
 県内でも公立保育所の民営化が問題になっています。子どもの発達と成長を保障するうえでも身分保障がされている保育士による保育が重要で、利潤追求で効率化が求められる民営化には反対します。「認定子ども園」制度にともなう県条例の制定にあたっては、現行の保育制度の後退を許しません。
 県内の産科数は10年間で半減し、産科のない郡市が増えています。身近で安心して出産ができないなど不安が広がり、少子化に拍車をかける事態です。また、小児科の夜間・休日の救急医療は、甲府市にセンターが設置されましたが、郡内、峡南地域など遠隔地の対策が求められています。産科や小児科が減少している要因である医師の確保と報酬の引き上げを国に求めるとともに、県として医師の獲得に全力を上げ、産科・小児科の空白の郡市をなくします。また、郡内に小児科救急センターの設置をすすめます。

4、教育基本法の改悪を許さず、30人学級の学年拡大をすすめ、子どもたちが輝く学校教育をすすめます。
 国会で継続審議になっている政府の「教育基本法改定案」は、「教育の目標」として「国を愛する態度」など20もの徳目を法律で決め、その「目標の達成」を義務づけ、子どもたちに強制しようというものです。これは憲法が保障している「思想・良心・内心の自由」を踏みにじるものであり、特定の価値観を強要した戦前の教育と同じ道を歩むものです。
 また、「改定案」は、現行法の「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に直接責任を負う」としている第10条を削って、政府が教育内容に介入できるようにしようとしています。政府は来年度「全国一斉学力テスト」を実施するとしていますが、独自に一斉テストを行なっている東京では、学校ごとの成績が公表された結果、新入生ゼロの学校も生まれるなど、子どもたちに過度の競争をあおる事態になっています。
 誕生した安倍内閣は、教育基本法「改定」案を臨時国会で成立させると明言していますが、改定のねらいは、憲法の改悪と一体で、戦争に協力する人づくりであり、「国策に従う人間づくり」です。
 日本共産党は、教育基本法の改悪に反対します。子どもたちの成長と平和、民主主義を大切に思う多くのみなさんと力を合わせ、改悪を阻止するために全力をあげます。また教育基本法を生かし、ゆきとどいた教育を保障する施策の実現のために全力を尽くします。
 小学校1、2年生で実現した30人学級は、子ども、保護者、教師からも歓迎され、学年進行を求める声が高まっています。中学校も含め30人学級の実現をすすめます。
 来年から県立普通科高校の入試が全県一学区制・三段階選択方式に改変されました。すべての子どもや教育現場で混迷が深まっていますが、すでに導入した他県の例からも、特定の高校に生徒が集中し、学校間格差が拡大する、不合格者数が増大する、競争教育に拍車がかかるなどの問題が生まれることは明らかです。小学区・総合選抜制度にもどすことを要求するとともに、制度への弊害を少なくするために努力します。また、経済効率優先ですすめられている、石和高校と園芸高校、市川高校と峡南高校・増穂商業高校の統廃合計画は、地域住民の強い反対運動の中でも執拗にすすめられています。統廃合の押し付けを許さない取り組みを、父母や教師のみなさんと力を合わせすすめます。
 石和、市川、中央高校は老朽化がすすみ耐震性がないと診断されながら、高校の統廃合や再編計画で建て替えがされていません。生徒の安全より、統廃合計画の推進を優先することはもはや許されません。老朽校舎の建て替えを進めます。
 特殊教育が「特別支援教育」に改変されたことを受け、県教育委員会は養護学校の再編を検討し、「知的・肢体併設」の方向が出されています。一方で知的障害児の養護学校は入学希望者が増え、プレハブ教室や特別教室で対応している状況です。特別支援教育を希望するすべての児童・生徒が入学できるよう、校舎などの整備をすすめます。「知的・肢体併設」に当たっては十分な教員を配置するなど、発達を保障する条件整備をすすめます。養護学校に多い期間採用教員を減らし、本採用をすすめます。

5、「中小企業地域経済振興基本条例」を制定し、循環型経済をすすめます。
 小泉構造改革によって景気が良くなっていると言われますが、それは大企業や一部の投資家に過ぎず、グローバル化や新自由主義の競争経済と規制緩和によって、「弱肉強食」「都市と地方の格差」が広がり、県内の中小企業、商業、地場産業、農林業など地域経済は衰退しています。県内の事業所数は、01年から04年までの3年間で3623減少し、減少率7・2%。小売業は03・04年の2年間で774、減少率7・2%と全国6番目に高い減少率になっています。また、販売農家数は2000年から05年の5年間で3851戸、14・9%、販売農家の耕地面積も13%と激減し、農業者の6割が65歳以上の高齢者など「果樹大国」山梨の農業は危機的状況になっています。また、市町村合併による役場の撤退、農協の統廃合、郵便集配局の廃止などにより、中山間地の過疎に拍車がかかっています。
 山本知事は就任当初、不況で経営が苦しい中小企業のための緊急融資制度を実現しましたが、産業振興策は企業誘致やベンチャー企業・起業家支援、観光振興に特化する一方、野放図な大型店出店や、県立施設の給食の県外資本への民間委託化をすすめ、営農指導の拠点であった11の農業改良普及センターの廃止を行なうなど、むしろ地域産業の足を引っぱってきました。
 地域産業と県内経済を維持、発展させるためには、これまでの企業誘致や外発的発展の産業政策を根本から転換し、仕事と資金を循環させる地域内再投資力を高め、横断的な産業ネットワークをつくりだす政策に重点を置くことです。また、産業の担い手の高齢化や、少子化が急速に進む中で、担い手の育成の抜本的拡充が不可欠です。日本共産党は、これまで無担保・無保証人融資制度や借換融資制度を実現してきましたが、「中小企業地域経済振興基本条例」を制定し、多様な産業や経営活動を総合的に支援するとともに、「まちづくり」を軸にした横断的な産業ネットワークづくりをすすめます。
@中小企業振興のための具体的施策
 「中小企業地域経済振興基本条例」は、中小企業の創意工夫と自主的な努力を総合的に支援するとともに、業種をこえたネットワーク化、生活と産業が共存し高め合うまちづくり推進のための施策を、国や市町村などと協力してすすめることを県に義務付けるとともに、振興計画を策定し、検証を行なう条例とします。
 県内中小企業が県内企業から受注している下請け率は減少しています。商談会の開催を増やし、県として大企業に要請を行なうなど、県内下請け発注を引き上げます。また、県の消耗品、備品、清掃など官公需発注は県内業者に行ないます。
 2005年度、県土木部の公共事業の契約状況はゼネコンとAランクの県内大手建設業者が件数で二割、金額で58・7%受注し、わが党の要求で改善してきたとはいえ、依然高い状況です。大型公共事業の計画を中止し、防災、福祉、生活関連など公共事業を生活密着型に切り替え、中小建設業者の仕事を増やします。また、建設産業の働くルールを確立させる「公契約条例」の制定を行います。各種産業に波及効果の大きい、「住宅改修助成制度」を創設し、「耐震改修助成金」と合わせ、活用をはかります。
A商業振興のための具体的施策
 相次ぐ大型店の出店により、2004年の県内大型小売店の売り場面積は全体の55・6%にも及び、小売業が2年間で7・2%も減少し、甲府市中心街をはじめ各地の商店街も衰退の一途をたどっています。政府は、国民世論に押されて今年大型店の郊外への出店規制を盛り込んだ「まちづくり3法」の改定を行ないました。改正法が施行されるのは1年半後です。現在県内には、甲斐市(旧双葉町)に13・6haの巨大商業施設の出店計画があります。日本共産党は、出店阻止のための業界への共同の呼びかけを行なうとともに、議会で出店を許可しないよう求めてきました。引き続き奮闘します。
 行政改革の「民営化の推進」の中で、県立などの病院、福祉施設の給食の民間委託がすすみ、県外大手の業者が受注し、県内小売店は食材の納入を断られる事態が次々と発生しています。委託を受けた業者に県内小売業者から食材の調達を行なうよう求めるとともに、地域経済をいっそう衰退させる民営化を止めさせます。
 また、地域の「まちづくり」に基づく商店街振興計画を総合的に支援します。
B農業振興のための具体的施策
 小泉内閣が推進してきた農産物の輸入拡大や、大規模農家や農業法人だけを支援する「品目横断的経営安定対策」は、小規模農家の多い山梨の農家の経営維持をいっそう困難にするものです。また、県内農業の主流である果樹は、気候の変動や価格低迷、担い手の高齢化によって生産量、生産額ともに下がり続けています。果樹農業は山梨の観光産業にとっても重要な役割を果たしており、果樹農業の衰退は県経済にとっても大きな問題です。農家の経営安定対策、担い手の育成は、県政の最重要課題です。
 大型農道や基盤整備など土木事業が主力の農業予算を転換し、生産者や農協と力を合わせ、生産高全国一を誇るモモとブドウの価格保障を実現させます。また、毎年各地で発生する自然災害による被害を救済する果樹共済の農家負担を減らすため、県として財政支援を行ないます。県内外のスーパー、生活協同組合と直接取り引きをするなど販路の拡大をすすめます。
 担い手対策では、新規就農者生活支援貸付制度を拡充し、7年以上就農した人には返還免除を行ないます。また「集落営農」や「生産組合」の組織づくりを支援するとともに、地域にあった特産品開発を支援します。
 「地産地消」をいっそう推進し、直売所の増設や学校給食での地元農産物の使用を増やします。また、農産物だけでなく県産木材の利用を促進するため、学校や公共施設での使用を増やすとともに、年間30棟に限られている一般住宅建設への助成を抜本的に拡大します。
 県内の鳥獣被害は年々深刻になっています。野生動物管理の体制を確立し、管理のための知識や技術を蓄積し、市町村からの援助の要請にこたえられるようにします。また、多様な利害関係者の参加による協議機関を設置します。当面、野生動物の被害対策の農家負担を軽減します。

6、「水道水源保護条例」を制定し、地球温暖化対策など環境行政を強化します。
 山梨県と県環境事業団が、住民合意のないまま建設を強行する産業廃棄物最終処分場建設地の北杜市明野町浅尾も、旧下部町に計画された民間最終処分場や、南アルプス市芦安に計画された産廃中間処理施設も、水道水源の涵養地や取水口が直下にある場所です。建設許可をめぐって水源保全を求め建設に反対する住民と、県との争いはいまなお続いています。水道水源上流に廃棄物処理施設や大規模開発を規制する「水道水源保護条例」をつくります。
 また、住民過半数の明確な反対意志が示され、梅之木遺跡や、貴重な動物が生息する明野町浅尾への最終処分場の建設を中止させるため、引き続き努力します。
 2003年に決めた地球温暖化防止対策のための温暖効果ガス15.8%の削減目標の達成は、エネルギー消費の横ばい傾向などにより厳しくなっています。温暖化対策のための施策を強力に推進します。また、市町村が実施するゴミの発生抑制や容器包装リサイクル法に基づくリサイクルなどの支援を強めます。使用されなくなった一般廃棄物焼却施設の撤去費用への助成を国に求めるとともに、県として助成を行ないます。

7、地方切捨てを許さず、ムダ遣いをなくし、真の行政改革を進めます。
 税金のムダ遣いや不正をなくし、県民に効率的なサービスを提供する改革は必要です。しかし、いますすめられている行政改革は、日本経済連の「奥田ビジョン」に示された財界や大企業からの「官から民」「小さな政府」の要求に従った、官製市場の民間開放、「三位一体改革」による地方財政の削減、市町村合併のさらなる押し付けと道州制の導入などをすすめるものです。政府は、先の国会で「行政改革推進法」「市場化テスト法」を成立させました。ねらいは安倍政権の下でも、構造改革路線を推進させるもので、地方自治体にも「行政改革」をいっそう迫るものです。
 山本知事は、就任当時「ただ国の制度に従って行政を行なうのではなく」「国との関係を見直し」「中央直轄から、市町村直轄の県政の確立」を表明しました。ところが山本県政の4年間はこの表明とはまったく逆に政府の意に従って、市町村合併を強力に推進するとともに、二度にわたって国の行政指針に沿った「行財政改革プログラム」を策定し、県民と市町村・職員に犠牲を強いてきました。
 市町村合併では、山本知事は財政支援も人的支援も行なって合併を推進し、58市町村を28市町村に減らしました。財政削減が目的の押し付け合併は、「住民参加のまちづくり」の議論を置き去りにし、住民に負担増とサービスの削減を強いるものとなり、矛盾を広げています。さらに人口1万人未満の自治体をなくす「新合併特例法」に従って、知事は全国でもいち早く合併構想を作成し、市町村に合併を迫っています。また、政府がねらう道州制に賛意を示し、庁内検討会を立ち上げています。
 日本共産党は、住民合意のない押し付け合併や道州制に反対します。昭和町や早川町などは、「小さくても輝く自治体」をめざし、住民参加のまちづくりがすすめられています。人口1万人以下の自治体も含め合併に関係なく、市町村への支援を強めます。また、知事が削減した市町村が行なう老朽化した地方病対策のための側溝改修や、下水道・土地改良などを支援する県単独の補助金を復活します。また、下水道計画を見直します。
 山梨県の土木費や建設事業費の割合は、引き続き全国トップで、山本県政の下でも土木偏重の財政運営は変わりませんでした。行政改革の必要性に「財政が厳しい」ことを理由にしますが、財政を厳しくしてきたのは、90年代に景気対策の名で公共事業のばらまきを行なってきた結果であり、破綻することが明確だった米倉山開発や住宅土地分譲開発をすすめ150億円もの欠損金を出すなど失政の結果です。行政改革なら、まずこのムダな大型開発や公共事業にこそメスを入れることが重要です。
 山本知事が国に求めた、中部横断自動車道の六郷・富沢間の新直轄方式での建設は、県費320億円が必要となり、建設後も高速道路では必要のない、多額な維持管理費の県負担が必要です。日本共産党は国に有料道路としての建設を求めます。また住民の反対のある環状道路北部及び東部区間の建設がすすめられていますが、建設がすすめられている愛宕・中下条線など街路事業が完成すれば、甲府市内の渋滞は解消されます。環状道路の建設を中止します。
 JR東海は9月山梨リニア実験線の42・8km全線建設を行なうことを表明しました。これを受け山本知事は、用地交渉、土捨て場の確保、工事用道路の整備を行なうことを表明し、新たに30億円の県負担が必要になることを明らかにしました。リニア実験線建設では、先行区間建設ですでに267億円の県費が支出されています。新たな支出を止めさせます。
 公共事業の談合による高い落札率(平均96〜97%)もムダ遣いの一つです。市民オンブズマンの調査で2004年度山梨は談合疑惑ランキング度2位です。宮城・長野・大分・鳥取県などでは入札制度の改革を行ない談合を排除し、落札率を8割台に引き下げています。落札率を宮城県並に引き下げれば年間約130億円の公共事業費の削減が可能です。入札制度の抜本的改革を進めます。
 また、県立図書館を含む生涯学習センターの建設をPFI事業(民間企業が建設、管理運営する手法)で行なうことが決められましたが、図書館は全国の例からも営利を目的にする民間企業が運営することはなじまず、また、PFI事業者は県外の大手ゼネコンに限られ、地域経済の活性化という点でも問題です。図書館の建設・運営は県直営で行ないます。
 県民に痛みを押し付ける前に、知事や議員が自ら身を削ることが必要です。知事報酬は10%削減していますが、退職金は1期4年間で4,000万円です。これを半減します。また、議員報酬は昨年12月議会で日本共産党の反対を押し切って3%の削減を元に戻し、実質引き上げを強行しました。自分のムダ遣いをチェックできない議員や党派では、県政のチェックはできません。日本共産党は議員報酬10%削減、費用弁償の廃止を提案するとともに、議員一人当り90万円の公費で行なう海外視察の凍結、政務調査費の使用目的を明確に示す領収書の添付の義務付けを要求し、自ら実行してきました。引き続き議会改革をすすめます。

8、憲法9条を守り、基地強化を許さず、北富士演習場の平和利用をめざします。
 米軍基地の再編計画は、日米首脳会議で合意した「世界の中の日米同盟」の具体化で、日本の米軍基地を先制攻撃の最前線基地として飛躍的に強化する、また自衛隊との新しい軍事協力体制をつくるものです。沖縄、岩国、横須賀をはじめ各地で反対運動が高まっています。日本政府はこの米軍再編に3兆円もの負担を行なうことを約束しています。日本共産党は、憲法9条や教育基本法の改悪と一体の米軍基地再編を阻止するために、自治体ぐるみで広がっている反対の住民運動と力を合わせ全力をあげます。
 山本県政の下で、北富士演習場はアメリカの戦争に深く組み込まれてきました。北富士で移転訓練を行なった米海兵隊がイラクに出撃し掃討作戦を行なう。またイラクに派兵する、自衛隊の宿営地模擬施設がつくられ、9回にわたって対敵襲訓練が行なわれる。射撃の練度を高めるFTC訓練センターの設置が実行される。移転訓練での155ミリ榴弾砲と合わせた、小火器の実弾射撃訓練を受け入れることなどが強行されました。それは日米安保条約の「極東の平和」「日本の防衛」の下で締結された使用協定そのものを踏みにじる事態になっています。
 山本知事は北富士演習場の「段階的縮小」「全面返還・平和利用」を口では言いますが、北富士が米軍使用の基地として次々と強化される事態を容認し、受け入れてきたことは、「全面返還・平和利用」に逆行するだけでなく、知事の公約で県あげて取り組んでいる「富士山を文化遺産に」の取り組みにも、逆行するものです。
 日本共産党は、県民の誇る富士山を平和な山にするために、引き続き北富士演習場の強化を許さず、使用協定の廃棄、「全面返還・平和利用」を政府に求めます。

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