オンライン書店 ビジネス書のバイブル 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 

重役応援団 「重役は裸の王様」

「業績不振の原因は経営陣にあり」 経営革新の第一歩を風土改革から始めます。 過剰な内部管理から社員を解き放ち、全員がお客様へ目を向けることが経営再建の原点です。
経営再建のキーワード   顧客第一! 企業は人なり! 人の心を知る強いリーダ!  創業者に学べ!
 

五 重役は裸の王様

さらに雪印食品のケースについて学んでゆきましょう。 雪印食品の「牛肉偽装工作事件」はまさに社員の関心は「外(顧客)より内(社内)」「下(同僚、部下)より上(上司)」の典型例でした。

雪印食品事件の約二年前、2000年六月に親会社の雪印乳業が起こした集団食中毒事件で「従業員の目をお客様に向けないと市場からソッポを向かれる」ことがあれほどはっきりしたにもかかわらず、同じグループの雪印食品でさらに悪質な行為が行われていたことは、日本企業の病気の重さを端的に物語っています。

雪印乳業から天下ってきた当時の吉田社長と食肉関係者の間には全く情報の共有化がなされていませんでした。雪印乳業事件で品質の大切さをいやと言うほど体験した当時の吉田社長は「これからは牛に背番号をつけるくらい徹底した流通管理が必要だ」と品質管理の重要さを強く訴えていたと言います。

このような社長の言葉は全く通じていないどころか、食肉関係者は経営陣から「狂牛病で積みあがった在庫を早急にさばけ」との号令に従って、会社自体の存続が危うくなるような不正行為に手を染めました。まさに「社長は裸の王様」だったのです。

雪印の食肉関係者は「自分の行為が会社解散に追い込む」とは夢にも思っていなかったことでしょう。これほどまでに「目を顧客に向けなかった代償」は大きいのです。

この章の始めに述べました、日本ハム、東京電力、三井物産などの不祥事も原因には類似点が多いと考えられます。三菱自動車のリコール隠し事件とか、ここでご紹介しました雪印食品など、これだけの名だたる大企業が深い病に侵されていたのですから、あなたの会社には多かれ少なかれこの種の問題が潜んでいると考えなければなりません。

従業員は「外(顧客)より内(社内)」「下(部下・同僚)より上(上司)」を見て日常業務を遂行しているのだと信じて今日からこの対策に乗り出さないと雪印食品のように「会社の存立」が危うくなる事態を引き起こすことになります。自分の会社だけは大丈夫と思った瞬間から企業崩壊が始まるのです。 
 
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