オンライン書店 ビジネス書のバイブル 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ 

重役応援団 「重役は裸の王様」

「業績不振の原因は経営陣にあり」 経営革新の第一歩を風土改革から始めます。 過剰な内部管理から社員を解き放ち、全員がお客様へ目を向けることが経営再建の原点です。
経営再建のキーワード   顧客第一! 企業は人なり! 人の心を知る強いリーダ!  創業者に学べ!
 

二 経営陣からの厳しいノルマが会社をつぶす

企業不祥事の発生件数の多さに、人々の記憶からすでに忘れ去られようとしていますが、雪印食品の牛肉偽装事件はそれから始まる一連の企業不祥事のスタートともいえる存在でした。

すなわち企業不祥事の内容が会社の存続を危うくするまでに深刻になり、とうとう雪印食品は解散してしまいました。過去たくさんの企業不祥事の事例を私たちは見てきましたが、雪印食品のような事例は、それまであまり記憶にありませんでした。

大企業は多数の従業員をかかえていますので、時には不心得者がいて、社会的犯罪をおかすことがあります。しかし自分のために私腹を肥やす犯罪行為は個人の犯罪であり、個人が社会的制裁を受けても会社自身はつぶれることはありません。 ところが、昔から日本の企業には「会社のため」と称して「法にさえ触れなければ、あらゆる手段を使ってでも会社に利益を上げさせる」ことが評価されてきた傾向があります。若い女子社員までが「サービス残業をするのはあたりまえ」と豪語していませんでしたか?

経済情勢の悪化と共に、次第に「法にさえ触れなければ」の最後の一線が崩れてきて、世間に発覚したのが雪印食品の事例でした。日本ハムの大社前会長が嘆いたように「法令遵守は企業活動の基本中の基本」が忘れ去られ、「何でもありの利益追求をしよう」との悪魔のささやきが従業員の心に芽生えたのです。

その原因は「重役のあなた」の「結果を出せ」との大号令にあるのです。 各社とも厳しい経済情勢に打ち勝って企業を存続させようと必死です。そのために「厳しいノルマを課して部下を叱咤激励している重役のあなた」がいませんか?

「重役のあなた」にとっては当然「法令遵守は企業活動の基本中の基本」であり、まさかあなたの部下がこのような常識を逸脱するような行為をするとは夢にも考えていません。しかし部下にとってはあなたの叱咤激励がこのような常識を守っていては到底達成出来ない厳しいものであったとしたら「法令遵守」も絵に書いた餅になってしまいます。 そして業界を見渡して、同業他社が少しでもグレーゾーンに踏み込んでいるのを発見したら「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と最後の一線を越えることもあると思いませんか。

ましてやUFJや三菱自動車の幹部のように、直接的な指示はなくとも、明確に態度が法令違反を命じているならなおさらのことです。明らかに出来ないことを命じるのは法令違反を命令しているのと同じことです。部下が困難な道に挑戦するためにわざと厳しく叱咤激励しているなどという「あなたの言い訳」は通用しません。
 
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