オンライン書店 ビジネス書のバイブル 藤原雄一郎の経営最前線シリーズ経営のプロ養成講座 「目指せ経営トップ」欧米流のMBAに負けない、日本の経営風土に合致した幹部候補養成講座です。企業経営の初歩から学びましょう。あなたには経営トップの座が待っています。
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第一章 日本経済の過去から現在までをふりかえる 現在日本経済を支えている中堅ビジネスマンの皆さんですら、日本製品がかって「安かろう、悪かろう」の代名詞として欧米諸国の人々から扱われていた事実を知る人が少なくなってきました。戦後焦土の中から立ち上がった日本経済の現在に至るまでの「あゆみ」を知って頂きたいと思い、最初に「日本経済戦後五十五年の歴史」をふりかえります。 |
六 絶頂はいつまでも続かないこれほど強い力を持った日本経済は「二十世紀は日本の時代」と言わしめるくらい、我が世の春を謳歌していました。それから十年後、苦難にあえぐ日本を尻目に「ニューエコノミ」を謳歌した米国経済と当時の日本経済は「この世の春が永遠に続く」と考えていたことで良く似ていました。すなわち日本も米国も真実の姿が見えていなかったのです。当然日本は有り余るお金を持つ国となりました。そこで余ったお金は不動産に流れ込み、ニューヨークのロックフェラーセンタを購入したのもこの頃です。それだけでは飽きたらず、映画会社や絵画など金にあかせて買いあさり「金満ニッポン」が世界中に知れ渡りました。 注意深く見守っていれば「これはおかしい」と変化に気づくはずなのですが「変化はやって来ないで、この素晴らしい状況は永遠に続く」と感じた人々が多少お行儀の悪い行動に出始めました。銀行も十分な審査をすることも無く、競って金を貸したのです。 そしてご存知のバブル崩壊で千四百兆円もの莫大な資産価値を喪失しました。私たちは時代が完全に変わっているのに、それを認めようとしませんでした。そのうち景気は良くなる。そのうち土地の値段は上昇する。いまの状況は何かの間違いに違いないと信じました。 バブル崩壊で千四百兆円もの資産が失われたのですから各企業のバランスシートは凄まじく悪化していたのです。企業は新規投資どころか借金の返済に忙殺されて、とても健全な状況ではありえないのです。これだけ大量の資産価値の喪失が起こったのですから、土地や株が再びすぐに上昇するはずがありません。 ところが不幸なことに多くの企業では現状の悪さを直視せず、悪い数値を顕在化させませんでした。そのため深刻な状況が一般の従業員の目にふれず、問題の所在がわからないままに「アイツが悪い。コイツが悪い。自分だけが正しい」との「危機感なき危機」が訪れました。 世界も驚く、ドルショック、オイルショックを克服した日本人も問題の所在がはっきりしないために知恵が出せません。日本人のもう一つの体質である「問題先送り体質」が、癌細胞のように密かに日本経済を蝕んでいたのです。 |